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横国大・非常勤講師、障害武器に研究の道へ 自分の経験から「学校生活の課題」探る

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プール事故で肢体不自由

 中学時代のプール事故で肢体不自由となった男性が、障害者としての自身の経験を生かし、障害児者の教育について研究を深めようとしている。東京学芸大大学院博士課程を今春修了した、高野陽介さん(30)=千葉県木更津市=だ。「障害がある自分だから踏み込める研究がある」。4月からは横浜国立大で非常勤講師をしつつ、研究の道を歩んでいる。【宇多川はるか】

 

 高野さんは東京学芸大大学院の連合学校教育学研究科に在籍中、横浜国立大に配置され、同大の泉真由子教授の研究室で約8年間にわたって特別支援教育の研究を進めてきた。特に焦点を当てたのは、肢体不自由児者が高校に入学し、学校生活を送る際の課題。自身の経験からテーマを絞った。

 高野さんは中学3年の夏、学校で水泳大会の練習をしていて事故に見舞われた。飛び込んだ時にプールの底に頭を衝突。頸椎(けいつい)を損傷し、首から下の体が両手以外、動かなくなった。

 それでも「高校に行きたい」という思いから進学を目指し、地元の県立高校に入学。車椅子で介助を受けながら授業に参加した。「健常者の中で過ごすことで関わり方を学べた。健常者と共に社会で暮らしていく上で、重要な時間だった」と高校生活を振り返る。

 ただ、入学が可能になったのは、母親による送り迎えと付き添いという条件を実現できたから。障害児者に対する教員の理解も、入学につながった。

 高校から大学に進学し、卒業後の進路を考える中で望む高校に入学できなかった障害児者の存在を知り、「自分は恵まれていた」と痛感した。「障害のある子どもの後期中等教育(高校段階の教育)の可能性を広げるために、研究で役立ちたい」。大学院に進んだ。

 修士課程では自身の高校生活を研究対象にして、学校側の受け入れ態勢の問題や同級生の障害者に対する意識などを調査した。博士課程は、全国の自治体の教育委員会や高校、障害児者団体へのインタビュー調査などを通し、肢体不自由児者の高校進学や学校生活における課題を検討。当事者として抱いた問題意識も大事にしながら、論文をまとめた。

 「障害があるからこそできることを、自分の武器にしていきたい」。研究の道はこれからも続く。

毎日新聞   2018年5月13日


障害者ら運営の喫茶店 志方公民館にオープン

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 兵庫県加古川市志方町志方町の志方公民館に、障害者がスタッフとして勤める喫茶店「向日葵珈琲倶楽部」がオープンした。地域のボランティアも加わり、住民に愛される喫茶店を目指す。

 就労継続支援B型事業所「ひまわりの郷」(同市加古川町大野)が運営する。

 同公民館では、コーヒー豆の焙煎業者が運営していた喫茶店が3月末に閉店。住民の憩いの場を持続させようと、運営の担い手を探していたところ、ひまわりの郷が「利用者が社会に溶け込むきっかけになる」と運営を引き受けた。

 喫茶店での就労を希望した15人のうち、毎日3~4人が交代で店に立つ。注文を取る、コーヒーをいれる、皿を洗うなど業務の幅は広いが、女性(44)は「仕事を覚えるのが楽しいし、地域の人と話せる」と喜ぶ。

 サポートするのは、地域のボランティア。同公民館で毎月開かれる、認知症の人や家族の交流を目的にした「あさがおカフェ」を運営するボランティアの主婦らが接客や業務を教えている。地元の女性(74)は「一生懸命取り組んでくれてうれしい。地域住民が交流する場を維持するため、一緒に頑張りたい」と話した。

 午前10時~午後3時。営業は火~木曜と、第2、4土曜。ホットコーヒー300円、トースト160円など。同公民館TEL079・452・0700

志方公民館にオープンした喫茶店「向日葵珈琲倶楽部」

2018/5/13    神戸新聞NEXT

必要な支援 ひと目で 南房総市、高齢者や障害者らへ「ポンダナ」を無償配布

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 南房総市は、災害時に自ら避難するのが困難な高齢者や障害者らが、どんな支援を求めているかをアピールできる布製防災用具をつくった。「耳が聞こえない」など、自分が必要な支援を書き込める90センチ四方の黄色い布を、ポンチョのように羽織ったり、バンダナのように頭や首などに巻いたりできることから、「ポンダナ」と名付けた。

 7月以降、市内の要支援者ら1820人に無償で配り、避難所29カ所でも20枚ずつ備蓄する。

 バンダナやスカーフで同様の防災用具をつくった浦安市や習志野市の取り組みを参考に、南房総市は、視覚障害者でも見やすいとされる黄色を選び、手足が不自由な人や大柄な体格の人が頭からかぶりやすいよう、中央部分に40センチの切れ目を入れるなど工夫をこらした。

 市の担当者は「住民からは災害時に支援を待つより、自らアピールする方が有効という意見も寄せられている。災害時の避難に役立ててほしい」と話している。 

布製防災用具「ポンダナ」

2018年5月13日  47NEWS

若狭の古民家が美術館に 障害者の作品など展示、活動の発信拠点に

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 国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている若狭町の「熊川宿」に、江戸末期の古民家を改修した「熊川宿若狭美術館」がオープンした。障害者のアート作品の展示を中心に、児童や高齢者らの生涯学習の場としても活用。地域活性化に向けて、文化芸術活動の発信拠点を目指していくという。

 古民家は木造2階建て、延べ床面積は約240平方メートル。熊川宿の中心部にあり、江戸時代は荷物の中継問屋、明治時代には銀行、その後は酒店の倉庫に使われていたという。

 美術館の運営を担うのはNPO法人「若狭美&Bネット」。美術を通じた生涯学習の場の提供、障害者の制作活動支援などに取り組んでおり、熊川宿の駐在所跡に障害者の作品を展示する画廊を運営していた。

 同町などから古民家の活用を提案され、昨年10月からギャラリーや展示スペース、作業場を整備するなど改修を進めていた。大阪府内に住む所有者が建物を無償で提供。事業費は5610万円で、日本財団(東京)が4240万円を助成し、残りは県と同町の補助を受けた。

 館長を務める元県立美方高校長で同NPO理事長の長谷光城さん(74)は「今後も企画展を開催していきたい。障害者と子供、現代芸術作家の作品を同じように展示し、新しい共生社会を発信していきたい」と話した。

 同町などに住む障害を持つアーティストの作品を集めたオープニング企画展が7月30日まで開かれている。開館は金~月曜日と祝日。入場無料。問い合わせは同美術館(電)050・3565・5885。

2018.5.13   産経ニュース

「農業と福祉」連携広がる

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障害者、選果場で就労 農家の人手不足解消に一役 佐賀市富士町 [佐賀県]

 佐賀市の就労支援施設に通う障害者がJAさが選果場(同市富士町)でホウレンソウの出荷作業に汗を流している。高齢化や後継者不足に悩む農業と福祉が手を取る「農福連携」の一環で、個人農家で始めた試みを拡大した。橋渡し役を務めるNPO法人「佐賀中部障がい者ふくしネット」の藤戸小百合さん(41)は「就労の機会をさらに増やしたい」と話す。

 県内の中山間地では、担い手不足から耕作面積や出荷量が減少するなど農業の衰退が懸念されている。

 ふくしネットは昨年夏、障害者が同市富士町の農家でホウレンソウの出荷作業をする農福連携を仲介。この取り組みが成功したことから、選果場を運営するJAさが富士町営農センターがふくしネットに相談を持ち掛け、4月からの就労が決まった。

 出荷作業ではホウレンソウの小さな葉と根を切り落とし、MとLサイズに仕分けして計量後に包装する。同市大和町松瀬の就労支援施設「Re Life(リライフ)」の2~3人と、同市三瀬村杠(ゆずりは)の観光牧場「どんぐり村」の5人が平日に訪れて作業をしている。

 障害者は賃金を得ながらコミュニケーションの機会を得られ、新たな職に就くための職業訓練の場にもなっている。リライフの三根真奈美理事長(41)は「一般就労に向けて技術を習得してほしい」。どんぐり村の職員田中利光さん(63)は「施設外の人と触れ合うことで社会性を養うことができる」と期待する。

 ふくしネットは農福連携を拡大したい考えだが課題もある。福祉施設から中山間地までは距離が遠いため、就労時間が短くなり、体調を崩した際は対応が難しい。藤戸さんは「農業と福祉のニーズを把握しながら連携の場を拡大できるような人材を育成したい」と語った。 

=2018/05/13付 西日本新聞朝刊=

若狭の古民家が美術館に 障害者の作品など展示、活動の発信拠点に

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 国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている若狭町の「熊川宿」に、江戸末期の古民家を改修した「熊川宿若狭美術館」がオープンした。障害者のアート作品の展示を中心に、児童や高齢者らの生涯学習の場としても活用。地域活性化に向けて、文化芸術活動の発信拠点を目指していくという。

 古民家は木造2階建て、延べ床面積は約240平方メートル。熊川宿の中心部にあり、江戸時代は荷物の中継問屋、明治時代には銀行、その後は酒店の倉庫に使われていたという。

 美術館の運営を担うのはNPO法人「若狭美&Bネット」。美術を通じた生涯学習の場の提供、障害者の制作活動支援などに取り組んでおり、熊川宿の駐在所跡に障害者の作品を展示する画廊を運営していた。

 同町などから古民家の活用を提案され、昨年10月からギャラリーや展示スペース、作業場を整備するなど改修を進めていた。大阪府内に住む所有者が建物を無償で提供。事業費は5610万円で、日本財団(東京)が4240万円を助成し、残りは県と同町の補助を受けた。

 館長を務める元県立美方高校長で同NPO理事長の長谷光城さん(74)は「今後も企画展を開催していきたい。障害者と子供、現代芸術作家の作品を同じように展示し、新しい共生社会を発信していきたい」と話した。

 同町などに住む障害を持つアーティストの作品を集めたオープニング企画展が7月30日まで開かれている。開館は金~月曜日と祝日。入場無料。問い合わせは同美術館(電)050・3565・5885。

2018.5.13    産経ニュース

 

イチゴ雑貨 障害者就労を知る契機に 仙台の施設で製作、将来の活動の柱に

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 仙台市泉区で障害者の就労継続支援や生活介護を行う多機能型施設「こくりの杜」で、利用者らがピンクや赤のイチゴをモチーフにしたオリジナル雑貨を製作している。客に「かわいい」と好評で、施設は「将来は雑貨作りを活動の柱にしたい」と意気込んでいる。
 雑貨は磁石(2個入り300円)やボールペン(100円)、クリップ(3個入り300円)など6種類。利用者が紙粘土でイチゴの型を取り、色塗り、袋詰めまで担当する。こくりの杜や、1月に泉区に開園したイチゴ農園「一苺(いちご)一笑(いちえ) 松森農場」などで販売している。
 農園の清掃を請け負ったのをきっかけに、施設の担当者がイチゴの雑貨製作を思い付いた。2月に作り始め、これまでに計約200個を製作した。今後も注文に応じて作業する。
 泉区のゴールデンレトリバー専門ショップ「ワンアンドオンリードッグクラブ」でも販売している縁で、今後はゴールデンレトリバーをイメージした雑貨も作る。
 こくりの杜は昨年9月にオープン。一般社団法人「仙台地域福祉共創会」が運営しており、10~50代の利用者10人が在籍し、雑貨製作や農園の清掃のほか、段ボールの組み立てなどをしている。
 施設長の大場信悦さん(49)は「利用者が自信を持って手掛けた作品。雑貨を通し、障害者の就労作業に関心を持ってもらいたい」とPRする。
 連絡先はこくりの杜022(725)5225。

イチゴの磁石やクリップなどの雑貨と、製作に携わった施設の利用者

2018年05月13日   河北新報

LITALICO、障害者の家族包括支援サービス

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 障害者の就労支援や教育事業を手がけるLITALICO(リタリコ)は、障害のある子どもを持つ家族向けのサービスを始める。障害福祉サービスと金融の双方の知見を持つ専門講師が、子どもの進路や就職、親亡き後など家族の不安の相談窓口となる。家族の人生設計に合わせた資金計画の策定を支援する。

 サービス名は「LITALICOライフプランニング」。発達障害の子どもに特化した同社の支援施設や情報サイトの会員を対象に、定期的にセミナーを開催する。希望者の個別相談に応じ、家族の人生設計に合わせた生命保険や医療保険などを販売するほか、保証内容の見直しを提案する。

 同社は全額出資の子会社「LITALICOライフ」を立ち上げ、このほど複数の保険会社の商品を取り扱う「乗り合い代理店」の登録を済ませた。独自製品の開発に向け、保険会社との提携も視野に入れる。将来的には保険以外に、進学や住まい、就職など家族のライフステージに合わせた支援も提供する。

LITALICOは障害者の家族向けに資金計画の策定を支援する

2018/5/13   日本経済新聞


障がい者の特権無しの厳しさで健丈者より優れたものを!(前)

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 生まれた時に「運が悪かった」という理由だけで、その人の人生が決まる社会というのはとてもおかしい。障がいを持たずに生まれる、障がいを持って生まれるなどはすべて運である。障がいは後天的にもやって来る。運が悪かった人たちに感情的に「かわいそう」と手を差しのべるのでは問題は解決しない。スティーヴィー・ワンダーやレイ・チャールズの音楽に感動する際に「障がい者だから」と枕詞が付くことはない。純粋にその「作品」の素晴らしさに人の心は動かされる。
 このような考えをビジネスの現場で40年間実践してきた企業がある。大分・日出に飛んで、盛田陽一ソニー・太陽(株)代表取締役社長に聞いた。陪席はダイバースビジネス部の瀬口晋二郎統括部長である。同社では社員約180名のうち、約120名が障がい者である。

太陽の家企業会では年に3回情報交換や研修を行う

 ――創立40周年記念式典が2月9日に広瀬勝貞大分県知事、本田博文日出町長、ソニー本社、平井一夫代表執行役社長兼CEO(現会長)などを迎えて盛大に執り行われました。本日は障がい者の雇用や障がい者のキャリア形成などに関していろいろとお聞きしたいと思います。まずは、創立そして(福)「太陽の家」との関係から教えていただけますか。

 

 盛田陽一氏(以下、盛田) ソニー・太陽はファウンダーである井深大が40年前に創立しました。(福)「太陽の家」創設者である中村裕博士の「世に身心障がい者はあっても、仕事に障害はありえない、身障者に保護より働く機会を」の理念に賛同し、「障がい者の特権無しの厳しさで健丈者より優れたものを」を企業理念としています。

 

 当時、「太陽の家」の理念には、オムロン(立石一真ファウンダー)、ホンダ(本田宗一郎ファウンダー)、三菱商事、デンソーなど日本を代表する大企業が賛同、提携して共同出資会社をつくりました。その後は富士通エフサスも加わり、現在では地元企業なども含めて、11社で「太陽の家」企業会をつくり、年に3回情報交換や研修を行っています。

 

 瀬口晋二郎氏(以下、瀬口) 障がい者雇用に関する研修では国内(北九州、東京、神戸など)のみならず、韓国やスウェーデンなど海外にも行っています。スウェーデンには障がい者雇用に関して有名な世界最大のサムハル社(※1)があります。

 

別府はダイバーシティの街といえるかも知れません

 

 盛田 私はこちらに来て約1年半ですが、別府市(人口:約12万人)を中心にこの界隈は、障がい者にとても優しい街だと感じています。障がい者用のトイレを設置しているお店が多く、車道と歩道に段差があるところも少ないです。バリアーがあっても周りの人がカバーする、そんな街の中には障がい者がたくさんいます。
 さらにいえば、別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)は約6,000人の生徒数のうち半数以上が外国人です。街には、障がい者だけでなく、外国人も多く、文字通り別府は「ダイバーシティの街」といえるかも知れません。

 

まず意欲・能力、配慮すべき障がいの有無は次の話

 

 ――創立から40年が経ちました。その間の歩みを振り返っていただけますか。何が変わって、何が変わらないと感じておられますか。将来的には、どのようになっていくべきかとお考えですか

 

 盛田 ソニー・太陽では障がい者雇用を40年やってきました。福祉政策がどのように変わったとしても、しっかりその内容を吟味し、ソニー・太陽は独自にどうすべきかを判断できる領域に達していると思えます。障がい者の法定雇用率は今年から民間企業の場合、2.2%(従来は2.0%)に上がり、21年には2.3%に上がることも決まっています。その点からいえば、これからは障がい者採用に関する競争率は上がっていくと思います。

 

 変化という点に関していうならば、現在、ソニー・太陽では、ほとんどの障がい者が身体障がい者です。しかし、これからは精神障がい者の方の雇用も増えてくることになると思います。弊社に限りませんが、この部分のノウハウの蓄積はないので、今後は、ソニー・太陽だけでなく、ソニー本社、ソニーグループ全体として取り組んでいくことになると思います。

 

 ソニー・太陽は特例子会社(※2)です。しかし、企業であって、(福)ではありません。この原点に戻れば、話はそんなに難しくはありません。身体障がい者、精神障がい者という区別でなく、健常者とまったく同じで「人物次第」ということです。すなわち、ソニー・太陽に実質的に貢献してくれる、意欲・能力を持っている人間を採用します。配慮すべき障がいがあるかないかは、次の話になります。また、私たちは、採用後は、その障がいを乗り越えられるように、生産技術などで、全力で支える用意があります。
 弊社の3代目社長を務めた長田博行は自身が身体障がい者でしたが、「特例子会社などなくなればいい」という言葉を残しています。

(つづく)【金木 亮憲】

 

※1 サムハル社
約2.3万人の従業員のうち85%が障がい者。スウェーデン国内250カ所で雇用、職業訓練・技能訓練を通じて障がい者の社会参加を支持している。

 

※2 特例子会社
日本法上の概念で、障害者の雇用に特別な配慮をし、障害者の雇用の促進などに関する法律第44条の規定により、一定の要件を満たしたうえで厚生労働大臣の認可を受けて、障害者雇用率の算定において親会社の一事業所と見なされる子会社。

 

<COMPANY INFORMATION>
ソニー・太陽(株)
代 表:盛田陽一
所在地:大分県速見郡日出町大字大神字寒水1402‐14 
設 立:1978年1月14日
資本金:5,000万円 
資本構成:ソニー(株)76.7%、(福)太陽の家 23.3%
社員数:約180名(内:障がい者約120名)※2017年4月現在

2018年05月14日       NET-IB NEWS

 震災で見つめ直した 「なんで俺は就職できんのや」

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 自分史を執筆し続ける重度脳性まひの佐藤栄男(しげお)さん(43)=神戸市兵庫区=が、自分を見つめ直すきっかけになったのが1995年の阪神大震災だった。

  神戸市垂水区の市立旧垂水養護学校の「A教室」。一般避難所では過ごせない障害者や高齢者らのために開設される「福祉避難所」の原型となった場所だ。障害のある娘2人を抱えていたNPO法人「ウィズアス」代表、鞍本長利さん(67)が学校側に働きかけ、開放させた。「垂水障害者支援センター」と名付けられ、避難場所がない障害者が、震災約2週間後の95年2月2日から同6月25日まで144日間身を寄せ合った。多い日は13人が狭い教室で過ごした。介助が必要な人ばかりで、佐藤さんもいた。

 ボランティアも全国から延べ約400人が駆けつけ泊まり込んだ。障害者の多くが、住宅再建や被災手続きに追われる親と離れての初めての共同生活だった。それは、これまで経験しなかった健常者と触れ合う機会にもなった。ストレスを抱えながらも24時間顔をつき合わせていると、本音を言い合えるようになった。佐藤さんも同世代の学生ボランティアらと気が合い、仲良くなった。

 ただ、佐藤さんは彼らと話していると、障害者同士が普段話す内容とは少し違うと感じていた。若い世代の話題は、共通して遊びのことだ。それは障害者も同じだが、学生ボランティアらが話す内容は、同じ遊びでも海外旅行やスキーなど。スケールが全然違った。

 そんなある日、学生ボランティアらが車座になって、自分たちの進路について話し合っていた。企業に就職する、海外留学する……。いつも通り輪に加わっていた佐藤さんはただ一人、その会話についていけなかった。押し黙ったままでいることにいたたまれなくなり、その場を離れた。ショックだった。やり場のない怒りに、心の中でつぶやいた。「なんで俺は就職できんのや」。最初から選択肢が限られている障害者の現実を痛感した。

 佐藤さんは「なぜ、障害者・健常者とわざわざ区別するのか。そんなことに疑問を覚え、自分自身の人生を真剣に考えたのが震災だった」と振り返る。

 同世代の進路の話には、自分が今まで考えもしなかった気付きも、いっぱいあった。それからは、頭のスイッチが切り替わった。

 「障害者にやさしいバリアフリー」の発想ではなく、街に住む人みんなにやさしく、便利になる社会に変えたい。自分は、車椅子に乗っているけれど左手は使える。お互いを補い合う活動があるはずだ。

 だが、思いは空回りする。当時、佐藤さんは共働作業所に通っていたが、このまま障害者だけの世界にいることに疑問を感じ、辞めた。「だめもとで」職探しにハローワークにも通った。世の中の厳しさを肌で感じたかったからというが、覚悟していた通り自分に合った職は見つからなかった。

 自分の体が思うように動かないことにいらつきもした。施設にいた時は、周りにも自分と同じような人がいて、歩けないことや、思うように手が動かなくても、当たり前と思っていたのに……。

 それまで感じもしなかった社会の矛盾が、至る所に見えてくる。でも、自分に一体何ができるのか。苦しむ佐藤さんの内面を吐き出す手段が、自分史の執筆だった。

 

神戸市立旧垂水養護学校に開設された避難所で過ごす障害者やボランティアら

【編集委員・桜井由紀治】毎日新聞    2018年5月14日 

鹿児島)障害者と健常者、熱戦と親睦 ふうせんバレー

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 障害者と健常者計6人でチームを組んでプレーを楽しむ「九州ふうせんバレーボール交歓大会」が13日、鹿児島市の鹿児島アリーナであった。35チームが参加し、激しいサーブやアタックに歓声があがった。

 鹿児島ふうせんバレーボール協会(花田由美子会長)が主催し、今年で23回目。県外の4チームを含む約250人が出場して親睦を深めた。ボランティアの学生ら約130人が運営を支えた。

 鈴が入ったゴムの風船を使い、全員が一度はボールに触れた後で相手側に返すのがルール。真剣勝負の競技部門、強いサーブなどを禁じる交流部門、高齢者も交えたオープン部門に分かれ熱戦を展開した。ゆったりとした打ち合いのほか、白熱した攻防もあった。

 ログイン前の続き開会式では鹿児島市のチーム「ふんばりONSEN」の高谷美代さん(31)が選手宣誓。競技歴は約1年半で、競技の魅力について「ボールがどこに行くか分からない意外性や、チームワークが大事なところが面白い」と語った。

写真・図版

鈴が入ったゴムの風船でプレーする参加者たち

2018年5月14日        朝日新聞

市民ら障害者と笑顔で交流 美濃 /岐阜

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 障害者と地域住民の交流を深めようと、ボランティア団体「美濃ふるさと福祉村」が13日、美濃市泉町のサロン小倉山でまんまる福祉村まつりを開催。市民ら約60人が歌謡曲を合唱するなどした。

  今年で12回目。参加者は手打ちそばに舌鼓を打ったほか、音楽療法士が歌謡曲「川の流れのように」を演奏し、曲に合わせ手拍子するなどして楽しんだ。

 参加した関市の武田恵一さん(44)は「毎年来ているが今年も地域の人と交流できてよかった。歌が大好きなのですごく楽しめた。また来年も来たい」と笑顔だった。

毎日新聞   2018年5月14日 

市民ら障害者と笑顔で交流 美濃

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 障害者と地域住民の交流を深めようと、ボランティア団体「美濃ふるさと福祉村」が13日、美濃市泉町のサロン小倉山でまんまる福祉村まつりを開催。市民ら約60人が歌謡曲を合唱するなどした。

  今年で12回目。参加者は手打ちそばに舌鼓を打ったほか、音楽療法士が歌謡曲「川の流れのように」を演奏し、曲に合わせ手拍子するなどして楽しんだ。

 参加した関市の武田恵一さん(44)は「毎年来ているが今年も地域の人と交流できてよかった。歌が大好きなのですごく楽しめた。また来年も来たい」と笑顔だった。

毎日新聞   2018年5月14日 

パティシエの技を障害者に伝える

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  八(や)木(ぎ)淳(じゅん)司(じ) さん 66

 「洋菓子界で活躍するチャレンジド(障害のある人)を生み出そう!」と、2008年に始まった支援活動「神戸スウィーツ・コンソーシアム」。全国16人のパティシエとともに、年数回、各地の作業所の人にプロの技を伝授してきた。

 3月末、東京での修了式では、10年前に一言も話さなかった人が、「生きがいを見つけた」と笑顔を見せた。「続けてみるもんだ」と目頭が熱くなった。

 東京・八王子の織物工場の次男。手に職を、と好きな洋菓子の道を選んだ。国内の菓子に飽きたらず、24歳でウィーンへ。4年後、外国人初のオーストリア政府公認「製菓マイスター」の称号を得た。帰国後結婚。知的障害の子を授かった縁で、日清製粉が持ちかけた統括講師を引き受けた。

 障害のある人の個性は千種万様。伝え方にも工夫がいる。けれど、「伸ばせる部分は絶対ある」。本人も気づかない力を引き出すと見違える。そこが面白い。

 昨年から、障害者が働くカフェで菓子作りを教えることが本業になった。「品質で消費者に選ばれるものを」と意気込む。米国で障害者を指す「チャレンジド」は、挑戦すべき課題を与えられた人という意味だ。マイスターの挑戦もまた、続く。

 障害者の自立を目指すカフェ「ボヌール・ヴェール」(神戸市)に勤務。

 

2018年5月14日   読売新聞

やさしい企業のカタチ・障害者雇用促進セミナー開催

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 (株)オータパブリケイションズ人材事業部は2018年6月20日、ストリングスホテル東京インターコンチネンタルにて障害者雇用促進セミナーを開催します。    これから障害者雇用に取り組もうとする企業の経営者・人事担当者を対象に、「障害者について 障害者の採用と職場定着」をテーマとして、「障害者雇用促進セミナー」を実施します。
  雇用に向けて企業ができる取組に加え、実際に企業での採用事例や、企業のフォローをしてくださる支援団体をご紹介! 皆様の積極的なご参加をお待ちしています!

 ◆講師プロフィールや参加者の声など

一般社団法人プラス・ハンディキャップ代表理事 障害者雇用コンサルタント 佐々木 一成 氏 九州大学法学部卒業後、人材コンサルティング会社に就職。新卒採用支援事業や社員研修の開発事業に従事。その後独立。 生まれつき両足と右手に障害があることから「障害者のイメージを変える」ことを目的に活動スタート。現在は、障害者をはじめとした、生きづらさや働きづらさを抱えた方々の社会進出を後押しするためのメディア活動を行う傍ら障害者雇用をはじめとした企業の働き方改革を支援するサービスも展開。2020年の東京パラリンピックに向けてシッティングバレー日本代表候補に選ばれるパラアスリートでもある。   株式会社リゾートトラスト 東京人事総務部 事務支援課 課長 北沢 健 氏 大学卒業後、97年(社福)東京都育成会世田谷区立障害者就労支援センターすきっぷ入職。その後、東京ジョブコーチ支援室主任統括コーディネーター就任。福祉行政から障害者雇用をサポートする。10年リゾートトラスト入社、東京人事総務部事務支援センターセンター長となり、13年障害者雇用職場改善好事例最優秀賞厚生労働大臣賞受賞(精神障害)。14年天皇皇后両陛下「行幸啓」(障害者週間にちなみ)を賜る。現在は、東京人事総務部事務支援課課長として東京本社を中心に、障がい者雇用の促進、リワーク支援を行う。80名を超える障がい者スタッフの採用定着を行っている。   特定非営利活動法人ミュー 副理事長 森 新太郎 氏 大学時代に、精神障害のある方が利用する施設でボランティアをしたことがきっかけで精神保健福祉士となる。卒業後山梨にある精神科病院に就職し、ソーシャルワーカーとして、生活支援センターでの業務やジョブコーチ、障害者就業・生活支援センターでの就労支援に携わる。その後、09年NPO法人ミューに就職。MEWは市民のメンタルヘルスや精神保健福祉の増進を目的としたNPO法人。精神障害を経験した当事者の方と共に地域福祉活動の推進も行なう。   開催概要 日程:平成30年 6月 20日(水) 時間:12時00分~16時00分 ※30分前より受付開始いたします 参加費:当日払い(現金のみ) 定員:30名(1社2名様迄) 参加費:\3,000 ※3名以上ご希望の場合は別途ご相談ください ※定員となり次第受付終了いたします   会場: ストリングスホテル東京インターコンチネンタル 東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー https://intercontinental-strings.jp/index.php   2018年05月14日   

「障害者人権尊重を」知事が再考促す 名古屋城EV問題

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 名古屋市名古屋城木造新天守にエレベーターを設置しない方針を決めたことについて、愛知県大村秀章知事は14日の記者会見で「障害者の基本的人権は尊重されなければならない。市は障害者の皆さんと意見交換して、より良い解決策を見いだしてほしいと強く申し上げたい」と述べ、市に再考を促した。

 市の方針については、障害者団体の全国組織が抗議文を送ったり、県内の障害者団体が県に対し救済措置を申し立てたりしている。

 大村氏は、エレベーター不設置について「障害者の基本的人権にかかわる極めて重大な問題と認識せざるを得ない。(障害者団体からの)申し出は重く、厳粛に受け止めないといけない」と指摘。県への救済申し立ての扱いについては「我々ができることを十二分に検討したい」と述べた。

2018年5月14日   朝日新聞

ちぎり絵に生きがい、母の遺志継ぐ 松井さん、大牟田・三池で 病気や障害者の作品も

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 パーキンソン病とがんを患いながら最期までちぎり絵を生きがいに頑張った母の思いを継いで、大牟田市東新町の自営業、松井小百合さん(62)が同市の三池地区公民館で「笑顔の集い」展を開いている。遺作のちぎり絵のほか、病気や障害を抱えた人たちの手作り作品も展示している。

 松井さんの母・渡辺嘉子さん(享年83)は、パーキンソン病のリハビリをきっかけに70代半ばからちぎり絵を始めた。2013年から毎年個展を開き、ファンも徐々に増えていった。15年末に直腸がんが見つかった後も、個展での記帳ノートの言葉を励みに5回目の開催を楽しみにしていたが、直前の昨年3月に息を引き取った。

 遺作展となった同5月の個展後も、松井さんのもとに「続けてほしい」との声が届いた。思いついたのが、母のように病や障害がある人たちの作品も飾ること。応募作品には、笑顔の写真も付けることを条件にした。

 展示してあるのは母の遺作18点を含め、市立橘中学校特別支援学級の生徒の塗り絵や高齢者福祉施設の入所者らの竹細工など計約150点。松井さんは「毎日を笑顔で過ごすための努力を一生懸命している人の作品を見て、前向きになってもらいたい」と話す。最終日の27日、午後1時半から同特別支援学級の生徒によるハンドベル演奏もある。無料。

〔筑後版〕毎日新聞       2018年5月16日

強制不妊手術 生存者10人の記録発見 県障害者施設、入所時に作成

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 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らに強制的に不妊手術が行われた問題で、県は15日、障害者支援施設「県立あすなろの郷」(水戸市杉崎町)で、入所者10人が不妊手術を受けたとされる記録が見つかったと発表した。生存が明らかな障害者の手術を示す記録が見つかるのは県内で初めて。

  県少子化対策課などによると、10人は60~80代の女性。いずれも施設に入所した際、職員が家族や福祉事務所の担当者から聞き取って作成した「入所者指導台帳」に手術を受けた記録があった。

 台帳には、家族関係や生育歴、既往歴などの記載があり、過去に不妊手術を受けたか記入する欄もあった。一部の障害者の記録には、手書きで「優生手術」や病院名なども記載されていたという。

 同施設によると、先月18日に県内の医療機関で手術を受けたとされる9人の名前が書かれた資料が見つかったと報道されたのを受け、施設内の保管資料を調べたところ、この台帳を見つけたという。今年4月1日現在、同施設には434人が入所している。

 この問題を巡っては、県立歴史館(同市緑町)で、手術を受けたとみられる障害者ら19人分の名前が書かれた資料が見つかり、その後、このうち13人については名前が一致するカルテが県立こころの医療センター(笠間市)で見つかっている。県は今後、今回見つかった10人の記録を照合するとともに、民間の施設や病院にも調査を依頼する方向で検討している。

毎日新聞   2018年5月16日

ぬいぐるみ療法とは?~うつ病に効果あり

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https://www.photo-ac.com

皆さんはぬいぐるみ療法(ぬいぐるみセラピー)ってご存知ですか?ぬいぐるみというと赤ちゃんや幼児が持っているというイメージですよね。ところが、ぬいぐるみにはうつ病を改善させる効果もあるのです。オランダの研究グループはぬいぐるみが持つ大人への癒し効果についての研究結果を発表しています。その研究結果によると、ぬいぐるみには精神状態を落ち着かせ、癒しをもたらす効果があるとわかりました。私は、たまたま小さい時に親に買ってもらって、今でも大切にしている猫のぬいぐるみがあり、たまに抱きしめたりしています。確かに効果大!だなと思います。今回はそんなぬいぐるみ療法の効果などについてお話していこうと思います。

ぬいぐるみ療法の効果

①孤独・不安の解消
人間は何かに触れることで、癒し効果が得られるのです。ぬいぐるみは誰にでも精神状態を落ち着かせて癒し効果が得られるのです。ぬいぐるみに触れることで癒しが得られ、孤独感や不安感の解消につながります。

②自分自身を抱きしめる
ぬいぐるみを抱きしめることは、自分自身を抱きしめることになるのです。ぬいぐるみに自分自身の寂しさや不安、いたたまれなさを投影して抱きしめることで、「自分で自分の心を抱きしめ、癒す」といった感覚になるのです。

③アダルトチルドレン
アダルトチルドレンとは、幼少期の家庭環境のトラウマが原因で、大人になっても深く悩んでいる人のことを指します。その悩んでいた「幼いころの自分」をぬいぐるみに投影し抱きしめることで、癒し効果が得られると考えられています。なお、「アダルトチルドレンにはうつ病患者が多い」と考えられており、両者の関係は密なものだといわれています。うつ病のケアはもちろん、アダルトチルドレンのケア、もしくは両方に悩まされている人のケア方法として、ぬいぐるみ療法は効果的です。

私が実践しているぬいぐるみ療法

①朝一、抱っこし、「おはよう」と声をかけ、外出時「行ってきます」、帰宅後「ただいま」と声をかける。
②就寝時、抱っこ、抱きしめる、頬にあてるなどスキンシップを行う。抱きしめて眠る。
③休日でも1回は抱きしめる。

ここまでお読みいただき、「大人がぬいぐるみを触るなんて恥ずかしい」「精神的に子どものままなんじゃないか」と思われた方もおられるとは思いますが、今ストレスをたくさん抱えている方、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?私はぬいぐるみを抱きしめるとよく眠れます。それは、赤ちゃんや幼児がぬいぐるみを抱っこするとスムーズに眠れるように、大人も不安感が解消されてリラックスすることができるからではないでしょうか。うつ病改善にもなり、オススメです。

参考文献

うつ病を改善する「ぬいぐるみテラピー」とは?
http://www.utsu-s.jp

ぬいぐるみの癒し効果!不安や心配もぬいぐるみで解消できる!
http://omoideya.net

2018.5.15    障害者ドットコムニュース 

強制不妊の悲劇 学生が学ぶ 学習会立ち上げ

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 旧優生保護法(1948~96年)により障害者らに強制的に不妊手術が繰り返されていた問題で、大学生や大学院生らが旧法による被害について学ぶ活動を始めた。17日には被害者らが東京、仙台、札幌の3地裁で国に損害賠償を求める訴訟を一斉に起こす。若い世代がこうした動きに着目し、今も差別や人権侵害が日常に潜んでいないかと問い直す狙いだ。 (石川修巳)

 「被害者が声を上げ、実態を明らかにする。それが社会を変える力になると信じてきたし、これからも信じたい」

 四月二十六日夜、東京都立川市であった学習会。旧優生保護法の被害者弁護団長を務める新里(にいさと)宏二さんが、約六十人の学生たちに語りかけた。

 「なぜこんなことが起き、放置されてきたのか。若い皆さんにも問題意識を共有してもらうことで、社会は少しずつ変わると思っています」。次世代を担う学生に思いを伝えようと、仙台市の事務所から会場へと急いだ新里さん。「いま六十六歳ですが、五百メートルくらい走りました」とも明かした。

 主催したのは「旧優生保護法を考える学生の会」。ブラック企業問題などに取り組んできた大学生や大学院生らの有志約十人で結成した。学習会のほか、不妊手術を強いられた当事者へのヒアリングや、被害者への補償を求める署名活動なども行うという。

 東京大大学院で貧困問題などを研究する渡辺寛人さん(29)は「優生思想に近い社会の価値観は今もあって、生きづらさにつながっている。過去の話ではなく自分たちの問題として、学生自身が考えたり学んだり、アクションを起こしたりしたい」と語る。

 旧法から差別的な規定を削除し、母体保護法に法律名を改めたのが二十二年前。学習会に集まった学生たちの多くは、「旧法後」に生まれた世代に当たる。

 熱心にメモを取っていた日本大法学部の辰巳和貴さん(20)は「生まれる一年前まで、こんな差別が法律で認められていたなんて」と驚く。今年一月に宮城県の被害者の女性が初めて提訴したことで社会的注目が集まり、救済措置の流れもできてきた。辰巳さんは「被害者の声が社会の雰囲気を変えられるんだと実感できたし、風化させちゃいけない」と力を込めた。

 中央大法学部の女子学生(18)は「どうして当時は全会一致で法律が成立したのかな。明らかに人権侵害だし、しかも九六年まで適法だったなんて。司法には社会を変える力があると信じて、弁護士を目指したい」と話した。

<旧優生保護法> 「不良な子孫の出生防止」を目的に1948年施行。ナチス・ドイツの「断種法」の考えを取り入れた国民優生法が前身で、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人同意がない場合も不妊手術を認めた。厚生労働省によると、不妊手術を施された障害者らは約2万5000人で、うち強制されたのは約1万6500人に上る。96年に障害者差別や強制不妊手術に関する条文を削除、「母体保護法」に改められた。

新里宏二弁護士を招き、旧優生保護法や強制不妊の問題について考える学生たち

2018年5月16日    東京新聞

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