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街頭演説に手話通訳を 聴覚障害者「参政権保障されず」

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 統一地方選も終盤を迎え、各地の街頭で候補者が演説を繰り広げているが、耳の不自由な人はその訴えを直接聞けない。公職選挙法では二〇〇〇年から手話通訳者への報酬を認めているが、通訳を付ける義務はなく、対応する候補者はまだ少ない。聴覚障害者の団体は「制約のある環境で、参政権が保障されていないろう者はたくさんいる」と訴える。 

 東京都最大の人口約九十一万人を抱える世田谷区で、区長選と区議選が告示された十四日。「世田谷区聴覚障害者参政権保障委員会」の本多忠雅(ただまさ)委員長(64)は、区長候補の街頭演説に耳の不自由な仲間とともに訪れた。選挙カーの上で演説する候補者と、車の前で通訳する手話通訳者の手を見ながら政策に耳を傾ける。

 十六日夜はもう一人の候補者の手話通訳付き個人演説会へ。委員会は告示前、区長選と区議選の全陣営に手話通訳の配置を依頼していた。本多さんは「最終日までに区議も含め全員のを聞き比べて政策を判断したい」と説明する。

 世田谷区では一九九〇年ごろから、関係団体が率先して手話通訳を要望してきた。中野区や練馬区も同じ取り組みがあり、活動は他の地域にも広がったが、全国的にどのくらい手話通訳が付いているかは不明だ。今回の統一選では、世田谷区の区長候補二人は一部演説で配置したが、定数五〇に七十五人が出馬した区議選では、数人にとどまっている。

◆公選法では義務なし

 手話通訳者への報酬は政令で一人一日一万五千円以内と定められている。課題は、公選法では手話通訳者が便宜上、「運動員」とみなされること。選管など公的機関からの紹介はできず、候補者が個別に依頼し、報酬を支払う形だ。また、本多さんとともに委員会で活動する区登録手話通訳者の一人は「中立の立場なのに、その候補を応援していると思われると困る」という課題もあると打ち明ける。

 公選法では、今年三月の改正でようやく都道府県議選と市区議選でも候補者のビラ配布が解禁され、聴覚障害者への情報が増えた。

 テレビの政見放送では、全日本ろうあ連盟などの要望もあり九五年の参院選比例代表の放送から手話通訳が配置可能になり、昨年からはすべての放送に認められた。一六年からは演説などの要約筆記にも報酬を支払えるようになった。

 しかし、聴覚障害者にとって電話と同じ役割のファクスは選挙運動で一切使えず、情報から取り残される一因になっている。視覚障害者の場合、ビラの点訳への報酬が認められずにいる。障害者の参政権が十分に保障されるには、各候補者の意識だけでなく、公選法の壁もまだ立ちはだかっている。

2019年4月19日        東京新聞


日本フィルと落合陽一氏 聴覚障害者も楽しめる演奏会

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新ユニバーサル社会(上)

新ユニバーサル社会(上) 2018年4月22日に開催した「耳で聴かない音楽会」は、ピクシーダストテクノロジーズCEOでメディアアーティストの落合陽一氏と、日本フィルハーモニー交響楽団が共同で企画したプロジェクトの第1弾。抱きかかえて使用する球体形の「SOUND HUG」(サウンドハグ)や、ヘアピンのように髪に装着する「Ontenna」(オンテナ)、衣服のような「ORCHESTRA JACKET」(オーケストラジャケット)など、音を振動や光で表現する聴覚補助システムを用意し、聴覚障害のある人たちがコンサートを楽しむことができる内容だった。

SOUND HUGは、「耳で聴かない音楽会」のためにピクシーダストテクノロジーズが開発した。楽器が奏でる音をすべて拾い、その周波数によって振動を再現。SOUND HUG内の振動スピーカーで再生することで、音の振動を触って感じられるようにした。高い音と低い音では振動の強さも違うそうだ。振動だけでは伝わりづらい旋律は視覚で感じられるように、音楽に合わせて球体が発光する。SOUND HUGが画期的なのは、聞こえない音を「補う」のではなく、たとえ音が聞こえなくても振動や光で音楽を「楽しめる」ように開発されたデバイスであることだ。日本フィルの山岸淳子氏は「落合さんのアート作品という要素もあり、今までの補助システムとは全く異なる」と話す。

Ontennaは、音源の鳴動パターンをリアルタイムに振動と光に変換することで、音のリズムやパターン、大きさを髪の毛を用いて知覚できる装置だという。

 ■映像をオーケストラの1つのパートに

18年8月27日、落合氏と日本フィルによる共同プロジェクトの第2弾として、五感を使って音楽を体験する「変態する音楽会」が東京オペラシティコンサートホールで開催された。「耳で聴かない音楽会」は、主に聴覚障害のある人が対象だったが、「変態する音楽会」は、クラシック音楽の楽しさをより多くの人に伝えていくことを目指し、聴覚障害のある人も、障害のない人も鑑賞できるようにした。副題は「テクノロジーで生まれ変わるオーケストラと音楽」で、前回同様SOUND HUGやOntennaを貸し出した。

落合氏は演出を担当し、視覚的な表現としてビジュアルデザインスタジオのWOWによる映像を「オーケストラの1つのパート」として取り入れた。音楽のイメージに合わせた映像を流すのではなく、その瞬間ごとの音に反応して映像が作り出されるというもの。「映像を『楽器奏者』として加えた今までにない試みだった。リハーサルで落合さんは『もっと映像を抑えて!』と全体のトーンを合わせるという難題に挑戦していた」。

落合氏と日本フィルによるプロジェクトは、今後も継続していく計画だ。19年8月には第3弾の開催も予定している。ただ、このコンサートは通常よりも数百万円以上も経費がかかるという。過去2回の公演も補助金を申請したり、クラウドファンディングで寄付を募ったりした。ビジネスとして考えると採算は合わず、資金をどう捻出するかが大きな課題だという。世界水準のオーケストラでありながら特定のスポンサーを持たず、市民と共に歩んできた歴史がある日本フィルにとって「あらゆる方に音楽を届けることは使命」と山岸氏は言う。8月の公演についても、参画してくれる企業を募集するほか、クラウドファンディングで支援を呼びかけていく。

 (ライター 西山薫、写真 山口敦)

 [日経クロストレンド 2019年2月25日の記事を再構成]

 

「農福やきいも」自販機好調 栽培する障害者の賃金UP目指し 今後は台湾進出も

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 障害者の就農と賃金アップにつなげようと、宮崎県延岡市の不動産会社「和光産業」社長、児玉雄二さん(65)が、障害者就労支援施設と協力し全国的にも珍しい焼き芋の自動販売機を設置した。農業と福祉の連携から「農福やきいも」と名付けた焼き芋は飛ぶように売れており、福祉関係者は「就労の場が広がり、賃金アップも期待できる」と注目している。

 児玉さんは亡父が残した農地約1ヘクタールを活用しようと農協の農業塾に通い、5年前に野菜作りを始めた。その後、障害者就労支援施設「めだかハウス延岡」などを経営する押川敬視(たかし)社長(34)と知り合い、3年前に障害者3人が野菜作りに加わった。

 直売所に出しても利益がほとんど出なかったが、イベントで焼き芋を出したところよく売れた。「焼き芋を自動販売機で売れば人件費がかからず、雨の日でも障害者が仕事ができる」と思いつき、鹿児島市の大手電機メーカー代理店に相談して自販機を製作した。

 栽培した約10センチ大の芋を焼き、紙袋に入れて缶に詰め自販機にセットする。芋は宮崎紅など3種類で210円と250円。温・冷の両方がある。3月初旬に和光産業の社屋前に置いたところ、高校生など女性に人気で、1カ月に800個売れる勢いに。

     児玉さんによると、芋の自販機は奈良県に1カ所あり、九州では初めて。年内に延岡、宮崎県日向市に計10台設置し、年間2000万円の売り上げを目指す。フランチャイズ方式で広げていくといい、台湾にも設置を計画している。手作業だと1回に焼ける芋は40個だが、80個焼ける自動芋焼き器も導入して増産を狙う予定だ。

  1缶当たり40円を施設側に払う計画が進めば約20人の障害者が作業に携われて賃金を得られるという。押川さんは「新しいビジネスモデルで、他の障害者支援施設に広げられる。社会的意味合いは大きい」と話している。

  「農福やきいも」の販売用缶を手にする児玉さん  

毎日新聞          2019年4月19日

「東大生」とは誰か、「障害者」とは誰か、私たちは何者か 

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 世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと…たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」とがんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

  あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。

  4月12日に行われた平成31年度東京大学学部入学式での、上野千鶴子名誉教授の祝辞の一節である。この祝辞を巡って、東大内外の多くの人が、様々な反応を示していた。東大生が祝辞に否定的な意見を述べると、それに対して再批判がなされる、ということも多く見かけられた。

  そんな中で、東大生はもしかしたら怒りや戸惑いを覚えたかもしれない。自分たちが一番「東大生のリアル」を肌で感じていて、その中で日常を送っている、その日常の置かれた環境が多くの人に否定されている。会ったこともない人から「これだから東大生は」と叱責されることもある。「東大」を語る人々のうち、一体どれだけの人が、「東大生」を知っているのだろう…。

  SNS、TV、あらゆるメディアでも、障害や依存症、非行、セクシュアルマイノリティなどに対して、様々な意見が飛び交う。彼らのうちどれだけの人が、当事者と直に対面したことがあるだろうか。顔の分かるひとりの人間をどれだけ知っているのだろうか。そして彼らに向かって実際に意見や疑問を投げかけられるだろうか。

  「恵まれた環境と恵まれた能力」があふれているというこの東大のなかに、「恵まれないひとびと」を講師に迎えるゼミがある。

  「障害者のリアルに迫る」ゼミは、「『障害』についてタブーなく議論する場を作りたい」という思いのもと、2013年に自主ゼミとして発足した。障害者福祉に造詣の深い野沢和弘氏(毎日新聞社論説委員)を主任講師に、身体障害・精神障害、LGBTQsや依存症、非行経験などの当事者や、全国で先進的な取り組みを行う支援者の方々をゲストとして招き、東京大学教養学部で自主ゼミ・全学ゼミとして講義を行なっている。

元タカラジェンヌの東小雪さんによる講義。現在は性虐待のサバイバーかつレズビアンであることを公表し、啓発活動などを行なっている

  このゼミの場では、一見不謹慎とも取れる質問や意見が出る。

  ALS(筋萎縮性側索硬化症)で、ストレッチャーで移動し、人工呼吸器をつけ、瞼や唇のわずかな動きだけで文字盤を使って会話をする岡部宏生さん。「NO Cause NO Cure NO Hope(原因不明、治療なし、希望なし)」とも言われる難病であり、人工呼吸器をつけずに自死を選択する罹患者も多いという。そんな彼に向けて「死にたいと思ったことはないですか?」「生きる意味とは?」と問う。

  すべての質問は、質問者自身に返ってくる。人に生きる意味を問うとき、自分自身もまたその問いを突きつけられる。内なる優生思想や、自分自身の否定的な感情が露わにされる。ひとりの「障害者」のリアルを前にすることで、自分自身のリアルと対峙することになる。「健常者」だと思っていた自分のなかに「障害」を発見し、「障害」とはなんだったのだろうか、私とは一体何者なのだろうかと考えることになる。

  気づかなかったもの、知らなかったことを学ぶことは、時に大きな苦痛を伴う。ある学生は、ゼミで摂食障害の当事者の語りを聞き、自分を見つめる中でうつ病と不安障害を背負うことになったとすら語る。

  今すぐに役立つ知識でも、将来の収入や社会的地位に結びつく営みでもないかもしれない。むしろ、より深くその人自身を混迷に落とし込めてしまうものかもしれない。しかし、他人のことも自分のことも、まずは知ることから、何かが始まるのではないか。

  「障害者のリアルに迫る」ゼミは今週金曜日(4月19日)5限に初回講義(駒場コミュニケーションプラザ北館多目的室1)、そして4月20日土曜日には書籍『なんとなくは、生きられない。』の出版を記念した一般公開のイベントを行う。「障害」、そして自分自身を知るために、ぜひ勇気をもって、しかし気軽に参加してみてはいかがだろうか。

『五体不満足』の乙武洋匡さんによる講義

  COLUMN         2019年4月18日

障害者雇用 真剣に考えて 井上雅博氏

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パーソルチャレンジ代表取締役

「障害者を雇いたいが、職場ではどんな配慮が必要か」。障害者の雇用支援や人材紹介などを手がける当社には最近、企業の人事担当者からこんな問い合わせが相次いでいる。民間企業に法律で義務付けられている従業員に占める障害者の雇用割合(障害者雇用率)が2018年春に2.2%に引き上げられたほか、人手不足もあって、これまで積極的に採用してこなかった障害者も雇用対象にする企業が出てきている。

働けなかった人たちに就職のチャンスが増えたことは大きな前進だ。ただ、採用担当者から話を聞くと、障害者雇用率を達成するために障害者の雇用に取り組む企業が目立つ。障害者雇用率を達成できない企業には納付金の支払いや企業名の公表といった罰則が科せられるからだ。

国や自治体に加えて、民間企業にも一定割合以上の障害者の雇用が義務付けられたのは1976年だ。共生社会の実現という理念に根ざしたものだ。採用は通過点にすぎず、定着しなければ意味がない。企業にはそろそろ「数合わせ」を超えて、障害のある従業員をいかに職場に定着させるかという視点で取り組んでもらいたい。

障害者の離職が多い職場には共通点がある。まず、障害のある人たちを「障害者」とひとくくりに捉えている。それぞれの症状や状況、適性などに関係なく、ごく限られた業務しか与えられず失望して離職する人は多い。また、精神障害のある人を受け入れる職場では、現場の管理者が障害について十分に理解し、それぞれの特性に応じた勤務形態や職場環境を整えなければならない。

重要なのは、障害者、健常者にかかわらず多様な人材が力を発揮できる職場環境を整えることだ。ひとつのカギを握るのが働き方改革で、業務の内容などが当事者や経験者以外でもわかるように「見える化」することも有効だ。ロボットや人工知能(AI)などの技術が進歩し、人がやる業務の中身も変わってきている。

新元号が発表され、新たな時代が始まる。障害者、健常者に関係なく、「働きたい」と願う多様な人たちが力を発揮できるような真の共生社会の実現に向けて、企業はさらなる対策を迫られている。

2019/4/19        日本経済新聞

障害者ケアの記録に新方式を導入 意思決定を支える栃木の社福法人

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                                                                                                                                                                                                                    「粒の大きいのはどれ?」などと会話が弾むイチゴ狩り                                                           

 障害者支援施設などを運営する社会福祉法人同愛会(菊地達美理事長・栃木県)は4月から、「生活支援記録法」と呼ばれる記録の取り方を始めた。利用者の生活のある場面に焦点を当て、主観情報、客観情報といった項目ごとに記述する。記録された経過から職員が「気付き」を得ることで、利用者の意思決定支援に生かす。

  「もうダメ、ギブアップ」。3月中旬、同愛会の障害者支援施設「光輝舎」(益子町・菊地月香施設長)の利用者は、真岡市内でイチゴ狩りを楽しんだ。「たくさん食べ過ぎて、もう無理」と笑う女性。

  お腹がいっぱいなのでいらない。でもおいしいからもう一つ食べたい。「本当はどっちか?」――。よくあるこんな場面も新しい記録方式の対象になるかもしれない。

  「生活支援記録法」とは、何に着眼したか(F=フォーカス)、利用者がどんな言葉を発したか(S=主観的情報)といった項目ごとに記述するもの=表参照。生活の場面を再現しやすいのが特長だ。

 

   入所定員50人の光輝舎は、約30人が身体障害と知的障害の重複する人だ。自分の思いをうまく伝えられない人もいる。

  「この記録方法は、利用者の意思決定支援に生かせると思いました」と菊地施設長は狙いを話す。

  これまでは出来事を時間の経過に沿って文章化する「叙述式」で記録してきた。介護・福祉分野では一般的で、俗に「ダラダラ書き」とも呼ばれる。

  叙述式では職員がどうアセスメントしたかを省きがちだが、新方式では意識して書かざるを得ない。職員の介入の根拠と結果が明確になるため、後に業務分析することで気付きを得る機会も増える。

  同愛会は、「職員のアセスメント力を上げたい」(菊地施設長)と考え、従来の叙述式も残しつつ、新方式を順次、法人内の他施設でも導入するという。

  生活支援記録法は医療・看護での記録方式を介護・福祉向けに改良したもの。国際医療福祉大大学院の小嶋章吾教授、埼玉県立大の嶌末しますえ憲子准教授が2011年度から文部科学省の研究助成を受けて開発し、普及にも努めてきた。

  小嶋教授によると、新方式は主に介護事業所で多職種が情報共有する際の効率化が狙い。支援の経過を人に説明する際、記録をまとめ直す手間が省け、読む側の負担も叙述式に比べて小さい。

  口コミでその効果が広まり、栃木、埼玉を中心に全国20都府県で約5000人が新方式を学ぶ研修を受講した。小嶋教授は「光輝舎のような障害福祉の施設での導入は先駆的だ」と評価する。

  人手不足を背景に、介護現場では生産性の向上が政策課題となり、厚生労働省は今夏にも改革プランを示す予定。人工知能(AI)を活用したケアプランの作成なども話題に上ることが増えてきた。

  政府の「未来投資会議」(議長=安倍晋三首相)に置かれた健康・医療・介護分野の会合に参画する高橋泰・国際医療福祉大大学院教授は「生活支援記録法の記述は介入した結果が分かりやすいので、AIも学習しやすい」と評価している。

  生活支援記録法の詳細は専用サイト(http://seikatsu.care/)を参照。

 【ことば】 意思決定支援=誰にでも意思決定能力があるという前提に立ち、支援者がその人の理解しやすい方法で情報を提供し、その人が意思形成・意思表明しやすい環境を整えること。国連の障害者権利条約第12条第3項を踏まえ、障害者基本法など日本の国内法にも明記された。

2019年04月19日                 福祉新聞編集部

障害者の「私宅監置」 「排除」の歴史追うディレクター

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私宅監置の取材を続けるテレビディレクター 原義和(はらよしかず)さん(49)

 「空気を読まず、周りに左右されない。豊かで面白いなあ」。たまたま出会った精神障害者たちにこう感じたのが、始まりだった。

 格子の奥からこちらを見る。視線を宙にさまよわせる――。精神障害者を自宅敷地の小屋などに閉じ込める私宅監置の制度が、1972年の日本復帰まで残った沖縄。そこでの写真に感じた。「歴史の闇に埋もれた犠牲者だ」

 テレビ局の下請けの制作会社を辞めてフリーになったが、「自分のテーマ」が見つからない。企画案も通らない。拠点の沖縄で「壁を越えられず悩んでいた」という2006年、取材のため訪れた病院で精神障害者に会った。

 「空気を読まず、周りに左右されない。豊かで面白いなあ」。そこに気づかなかったのは、彼らが社会から排除されているからではないのか。そして、公文書も少なく、ほとんど語られなかった私宅監置を知った。隠された世界に光をあてる。テーマを見つけた。

 障害者は存在しないかのように扱われていた。当事者にたどりついても「なぜ過去の恥を」と門前払いが続く。そんな家族らに「悪いのは制度と制度を認めた社会。訴えることができるのは犠牲者だけです」と語りかけ、実名と顔を出す写真展に結びつけた。ドキュメンタリー番組をつくり、12人の人生を刻む「消された精神障害者」(高文研)も出版した。

 精神科病院への長期入院や身体拘束は今も続く隔離や排除だと思う。「今の精神医療も考えてほしい。本人や家族を孤立させていませんか」(

挫折、障害越え再び舞台に立つ男性 現役俳優との再会で再起

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 かつて東京で俳優を志しながら挫折し、病気で両足が動かなくなった神戸市内の男性が21日、同市中央区・北野の演劇バーで26年ぶりの舞台に立つ。「車いすでは無理」と演劇と距離を置き続けた男性を変えたのは、かつて同じ夢を追った現役俳優との再会だった。

 「マンドン」こと圓井寿夫さん(48)=同市西区。高校で演劇を始め、卒業後は東京の日活撮影所内にあった専門学校に通い、劇団を立ち上げた。これからというとき、仲間との方向性の違いで解散。地元に戻った直後、ウイルス性脊髄炎で車いす生活になった。

 それでも「障害者のイメージを変えたい」とメーカー勤務などを経てファッションに特化した作業所の責任者を務めたり、インターネットラジオのDJとして活動したりしてきたが、演劇とは一線を置いてきた。

 再び心を向かわせたのは専門学校の同期で、「大ちゃん」と呼んでいた俳優宮地大介さんとの再会だった。3年前、久々に宮地さんの演技を目にし、嫉妬ともショックともつかぬ感情で涙があふれ、「もう一度やりたい」との思いが湧き上がったという。

 約20年ぶりに即興劇のワークショップや講座に参加し、子どもや障害者向けレッスンも開催。神戸・三宮で演劇バー「エッグプラント」を企画する脚本・演出担当の浜谷晶子さんからオリジナル劇「ザ★こまったちゃん」への出演を打診された。

 劇は、どこの職場にも1人はいる、こまったちゃんを巡るストーリー。圓井さんは、主人公で超マイペースな新人女性秘書の兄役を務める。

 「感動を呼ぶ障害者の役だけは嫌だった」と圓井さん。今回は、「もう一回言うてみろ!」などと瞬間湯沸かし器のようにキレ、こぶしを振り上げて暴れるクズ兄貴役に挑戦している。

 経験者のつもりだったが練習ではダメ出しの連続で、「こんなに必死なのは学生時代以来」と苦笑する。両手を手すりから離して暴れられるよう腹筋と背筋を鍛え、車いすで動きが限られる分は表情や声の抑揚、「背中」での表現を探す。「車いすだから、とは言われたくない。車いすでも、まともに演劇やってるやつおるやん、と思ってもらえたら」と圓井さん。「もっと実力を上げ、いつか大ちゃんと同じ舞台に立ちたい」と誓う。

 舞台は4月20日午後4時、6時、8時の3回でドリンク付き2500円。5月3日午後8時からは朗読劇にも出演する。

エッグプラントTEL078・230・1223

オリジナル劇「ザ・こまったちゃん」の練習風景

オリジナル劇「ザ・こまったちゃん」の練習風景   2019/4/19    神戸新聞NEXT

きょうの潮流

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 「ロングショート」という言葉をご存じですか? 長いのか、それとも短いのか。家族の死などで、住み慣れた家での生活が突然続けられなくなった障害者らが、ショートステイ(短期入所)を長期にわたり続ける状態のことです▼埼玉県内の短期入所施設では、定員10人のうち5人がロングショートだったといいます。常時20~30人がその状態だという別の自治体も。障害がある人が家族に依存せずに安心して暮らせる場が、圧倒的に不足しています▼背景に、障害者が地域で暮らすという国の「地域移行」政策があります。それなのに、障害者が地域で暮らすための受け皿や体制が整備されないまま。障害者への監禁・虐待は過去5年間で1万2千件以上、加害者の7割は家族というデータも▼「重度障害があっても地域生活を送れるよう、地域に入所施設やその機能が必要です」。国も自治体も新設に後ろ向きのなか、家族や関係者がそう訴え、国などを動かしました▼今月、埼玉県川口市に入所施設が開所しました。短期入所施設の職員は「何年もロングショートを続けてきた仲間にとって、ようやく正式な暮らしの場で生活ができる」と喜びをあらわに。けれど、県内には1500人超の待機者が。40人定員のところ、207人が希望したと▼「夢のようだからこそ、希望がかなわなかった方々には本当に申し訳なく思いました」。入所した人の家族が手放しでは喜べない現状もあります。社会資源としての入所施設整備は、待ったなしです。

2019年4月19日       しんぶん赤旗

<統一地方選>街頭演説に手話通訳を 聴覚障害者「参政権保障されず」

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 統一地方選も終盤を迎え、各地の街頭で候補者が演説を繰り広げているが、耳の不自由な人はその訴えを直接聞けない。公職選挙法では二〇〇〇年から手話通訳者への報酬を認めているが、通訳を付ける義務はなく、対応する候補者はまだ少ない。聴覚障害者の団体は「制約のある環境で、参政権が保障されていないろう者はたくさんいる」と訴える。 

 東京都最大の人口約九十一万人を抱える世田谷区で、区長選と区議選が告示された十四日。「世田谷区聴覚障害者参政権保障委員会」の本多忠雅(ただまさ)委員長(64)は、区長候補の街頭演説に耳の不自由な仲間とともに訪れた。選挙カーの上で演説する候補者と、車の前で通訳する手話通訳者の手を見ながら政策に耳を傾ける。

 十六日夜はもう一人の候補者の手話通訳付き個人演説会へ。委員会は告示前、区長選と区議選の全陣営に手話通訳の配置を依頼していた。本多さんは「最終日までに区議も含め全員のを聞き比べて政策を判断したい」と説明する。

 世田谷区では一九九〇年ごろから、関係団体が率先して手話通訳を要望してきた。中野区や練馬区も同じ取り組みがあり、活動は他の地域にも広がったが、全国的にどのくらい手話通訳が付いているかは不明だ。今回の統一選では、世田谷区の区長候補二人は一部演説で配置したが、定数五〇に七十五人が出馬した区議選では、数人にとどまっている。

◆公選法では義務なし

 手話通訳者への報酬は政令で一人一日一万五千円以内と定められている。課題は、公選法では手話通訳者が便宜上、「運動員」とみなされること。選管など公的機関からの紹介はできず、候補者が個別に依頼し、報酬を支払う形だ。また、本多さんとともに委員会で活動する区登録手話通訳者の一人は「中立の立場なのに、その候補を応援していると思われると困る」という課題もあると打ち明ける。

 公選法では、今年三月の改正でようやく都道府県議選と市区議選でも候補者のビラ配布が解禁され、聴覚障害者への情報が増えた。

 テレビの政見放送では、全日本ろうあ連盟などの要望もあり九五年の参院選比例代表の放送から手話通訳が配置可能になり、昨年からはすべての放送に認められた。一六年からは演説などの要約筆記にも報酬を支払えるようになった。

 しかし、聴覚障害者にとって電話と同じ役割のファクスは選挙運動で一切使えず、情報から取り残される一因になっている。視覚障害者の場合、ビラの点訳への報酬が認められずにいる。障害者の参政権が十分に保障されるには、各候補者の意識だけでなく、公選法の壁もまだ立ちはだかっている。

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2019年4月19日       東京新聞

発達障害を職場で告白した30代男性の苦悩

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福井・県共生社会条例から1年、進まぬ理解

  希望通りだった。福井県内の福祉施設に新卒でUターン就職できた。自分に向いていると思っていた、利用者と接する仕事を任せてもらえた。

しかし、3カ月で上司に向いていないと判断され、事務に配置換えになった。「ひょっとしたら」と精神科を受診し、発達障害と診断された。

30代の大輔さん=仮名=は、小学生の頃から同級生とうまく交われず、仲間外れにされることも多かった。「興味の範囲が狭く、しかも人とずれているから話が合わない」。県外の大学に進学して始めたアルバイトはどれも長続きしなかった。「『ありがとうございます』の言い方がふざけていると怒られた。そんなつもりはないのに」

大学の実習先だった老人ホームでは、利用者とうまくコミュニケーションできたと手応えを感じたが、就職して実際に働いてみると、利用者や上司の要求に臨機応変な対応ができなかった。「一度に頼み事を複数言われると、どれか一つは忘れてしまう」。両手を前に出して視野が狭くなるジェスチャーをしながら「こうなっちゃうんですよ」と淡々と語る。

福井県発達障害児者支援センター「スクラム福井」には毎年約800人、約6千件の相談がある。そのうち3割が仕事に関する相談だ。副センター長の野村昌宏さん(42)は「発達障害のある人は外見からは何が苦手か分からない。あいさつができない、融通が利かないといったことが積もって対人関係が悪くなり、離転職を繰り返す人が多い」と現状を説き「大人の発達障害に対する企業側の理解は進んでいない」と指摘する。

歩み寄る努力

「目の悪い人が眼鏡をかけるように、周りの音が気になって集中できない特性がある人には防音ヘッドホンを認めるなど、個々の苦手なことに配慮することこそが『公平』だ」

発達障害者の能力が生かせる環境づくりをテーマに福井県立大学永平寺キャンパスで開かれたシンポジウムで、発達障害のある子どもがいる日本発達障害ネットワーク福井事務局長、永井弘明さん(63)は「発達障害者が社会に適応する努力はもちろん大事だが、努力しても個々の特性は変わらない。社会が発達障害者に適応する努力も必要だ」と歩み寄りを期待した。

 大輔さんは発達障害と診断されてから「自分が福祉を必要としている立場だからこそ、福祉が必要な人の力になりたい思いが強くなった」と事務の仕事を辞め、別の福祉施設の現場で働くようになった。思い込みが強いという診断が出たことで自身の特性を受け入れることができ「周りに聞いて、教わった通りにやる」ことを意識している。

障害者の社会参加や差別解消を推進する「障害のある人もない人も幸せに暮らせる福井県共生社会条例」が昨年4月に施行されて1年になる。大輔さんは発達障害があることを職場に打ち明けているが「『トロいな』と言ってきたり、僕にだけきつく当たる先輩や同僚もいる」と話す。「ハラスメント禁止を徹底してもらえれば働きやすくなる」と条例の理念浸透を願った。

  福井新聞      2019/04/19

日本フィルと落合陽一氏 聴覚障害者も楽しめる演奏会

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新ユニバーサル社会(上)  コラム(テクノロジー)

2018年4月22日に開催した「耳で聴かない音楽会」は、ピクシーダストテクノロジーズCEOでメディアアーティストの落合陽一氏と、日本フィルハーモニー交響楽団が共同で企画したプロジェクトの第1弾。抱きかかえて使用する球体形の「SOUND HUG」(サウンドハグ)や、ヘアピンのように髪に装着する「Ontenna」(オンテナ)、衣服のような「ORCHESTRA JACKET」(オーケストラジャケット)など、音を振動や光で表現する聴覚補助システムを用意し、聴覚障害のある人たちがコンサートを楽しむことができる内容だった。

SOUND HUGは、「耳で聴かない音楽会」のためにピクシーダストテクノロジーズが開発した。楽器が奏でる音をすべて拾い、その周波数によって振動を再現。SOUND HUG内の振動スピーカーで再生することで、音の振動を触って感じられるようにした。高い音と低い音では振動の強さも違うそうだ。振動だけでは伝わりづらい旋律は視覚で感じられるように、音楽に合わせて球体が発光する。SOUND HUGが画期的なのは、聞こえない音を「補う」のではなく、たとえ音が聞こえなくても振動や光で音楽を「楽しめる」ように開発されたデバイスであることだ。日本フィルの山岸淳子氏は「落合さんのアート作品という要素もあり、今までの補助システムとは全く異なる」と話す。

Ontennaは、音源の鳴動パターンをリアルタイムに振動と光に変換することで、音のリズムやパターン、大きさを髪の毛を用いて知覚できる装置だという。

 ■映像をオーケストラの1つのパートに

18年8月27日、落合氏と日本フィルによる共同プロジェクトの第2弾として、五感を使って音楽を体験する「変態する音楽会」が東京オペラシティコンサートホールで開催された。「耳で聴かない音楽会」は、主に聴覚障害のある人が対象だったが、「変態する音楽会」は、クラシック音楽の楽しさをより多くの人に伝えていくことを目指し、聴覚障害のある人も、障害のない人も鑑賞できるようにした。副題は「テクノロジーで生まれ変わるオーケストラと音楽」で、前回同様SOUND HUGやOntennaを貸し出した。

落合氏は演出を担当し、視覚的な表現としてビジュアルデザインスタジオのWOWによる映像を「オーケストラの1つのパート」として取り入れた。音楽のイメージに合わせた映像を流すのではなく、その瞬間ごとの音に反応して映像が作り出されるというもの。「映像を『楽器奏者』として加えた今までにない試みだった。リハーサルで落合さんは『もっと映像を抑えて!』と全体のトーンを合わせるという難題に挑戦していた」(山岸氏)。

 落合氏と日本フィルによるプロジェクトは、今後も継続していく計画だ。19年8月には第3弾の開催も予定している。ただ、このコンサートは通常よりも数百万円以上も経費がかかるという。過去2回の公演も補助金を申請したり、クラウドファンディングで寄付を募ったりした。ビジネスとして考えると採算は合わず、資金をどう捻出するかが大きな課題だという。世界水準のオーケストラでありながら特定のスポンサーを持たず、市民と共に歩んできた歴史がある日本フィルにとって「あらゆる方に音楽を届けることは使命」と山岸氏は言う。8月の公演についても、参画してくれる企業を募集するほか、クラウドファンディングで支援を呼びかけていく。

日経クロストレンド 2019年2月25日の記事を再構成

2019/4/19         日本経済新聞

 

「農福やきいも」自販機好調 栽培する障害者の賃金UP目指し 今後は台湾進出も

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 障害者の就農と賃金アップにつなげようと、宮崎県延岡市の不動産会社「和光産業」社長、児玉雄二さん(65)が、障害者就労支援施設と協力し全国的にも珍しい焼き芋の自動販売機を設置した。農業と福祉の連携から「農福やきいも」と名付けた焼き芋は飛ぶように売れており、福祉関係者は「就労の場が広がり、賃金アップも期待できる」と注目している。

 児玉さんは亡父が残した農地約1ヘクタールを活用しようと農協の農業塾に通い、5年前に野菜作りを始めた。その後、障害者就労支援施設「めだかハウス延岡」などを経営する押川敬視(たかし)社長(34)と知り合い、3年前に障害者3人が野菜作りに加わった。

 直売所に出しても利益がほとんど出なかったが、イベントで焼き芋を出したところよく売れた。「焼き芋を自動販売機で売れば人件費がかからず、雨の日でも障害者が仕事ができる」と思いつき、鹿児島市の大手電機メーカー代理店に相談して自販機を製作した。

 栽培した約10センチ大の芋を焼き、紙袋に入れて缶に詰め自販機にセットする。芋は宮崎紅など3種類で210円と250円。温・冷の両方がある。3月初旬に和光産業の社屋前に置いたところ、高校生など女性に人気で、1カ月に800個売れる勢いに。

     児玉さんによると、芋の自販機は奈良県に1カ所あり、九州では初めて。年内に延岡、宮崎県日向市に計10台設置し、年間2000万円の売り上げを目指す。フランチャイズ方式で広げていくといい、台湾にも設置を計画している。手作業だと1回に焼ける芋は40個だが、80個焼ける自動芋焼き器も導入して増産を狙う予定だ。

     1缶当たり40円を施設側に払う計画が進めば約20人の障害者が作業に携われて賃金を得られるという。押川さんは「新しいビジネスモデルで、他の障害者支援施設に広げられる。社会的意味合いは大きい」と話している。

毎日新聞         2019年4月19日

生活支援記録法(F-SOAIP)について」の研 修会

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 2018 年3 月1 日、栃木市役所において、「生活支援記録法(F-SOAIP)について」の研 修会を開催しました。「他機関の協働による包括的支援体制構築事業」に取り組む栃木県栃 木市地域包括ケア推進課の主催によるもので、多機関・多職種協働のための情報共有には 経過記録のあり方が重要であるという、首長正博課長の先見性によって実現したものです。  栃木市では、多機関・多職種協働の課題はいろいろな相談に対応するときに、皆が情報 をきちんと共有化して、共通の視点、共通の情報を持ちながら相談支援を進めていくこと が重要だといいます。しっかりと記録を書き、皆が理解できるようにしていく。そのため には、それぞれの機関で書かれている相談の記録がきちんと同じ視点、同じ方向性や目線 で誰が見ても同じように書き、同じように読み取れることを身につけ、記録・情報の共有化を進めることや、自 分だけが、自分の職場だけが、自分の対応するサービス利用者だけがという ことでなくて、もう少し幅広い視点を持てるようにということで、生活支援 記録法(F-SOAIP)の研修が行われました。  当日の参加者は37 名、栃木市の相談援助職で高齢者、障がい者、こども等 を対象とする多様な機関から集いました。

 まずは現状の把握ということで、①経過記録の活用、②経過記録の課題に ついてリフレクションしたあと、ワークシートに日常行っている記録を記載 し、包括的支援体制に有用な生活支援記録法の講義に入りました。  記録は何のために必要なのか、利用者支援、自身の専門性の向上、機関の ための3つの役割があることを確認し、記録の開発について等、歴史的経緯 を学んでいただき生活支援記録法の開発の経緯とその根拠を紐解きました。 次いで、F-SOAIP の各項目とその記入法について理解を深めていただき、 冒頭でワークシートに記載した「日常行っている記録」を生活支援記録法     (F-SOAIP)で整理し、さらに清書して、隣席の参加者と記録を見せ合って、それぞれに意見を出し合っていた だきました。最後に、講義最初のリフレクション①と②に続き、③学んだこと・ 変化したこと、④今後についてをまとめていただきました。(表参照)。  昨年度からで、約1,000 人に生活支援記録法(F-SOAIP)の研修を行う予 定で、次年度も各方面での研修の予定が目白押しとなっています。生活支援 記録法(F-SOAIP)は、包括的支援体制の構築、ミクロ(個別支援)、メゾ(機 関・集団)マクロ(地域)の各レベルに有用だと、評価を得ております。今 回の研修会のアンケート結果をお伝えいたします。

 

猫カフェで障害者いきいき

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 障害者の就労支援に取り組む猫カフェ「にゃん太郎」が3月1日、和歌山市のぶらくり丁にオープンした。運営するドリームサポートの間勝利社長は「猫には暮らしやすい環境を、障害がある人たちにとっては働きがいのある場所に」と意気込む。

 同社は障害や難病がある人に、犬の保護施設での老犬の世話や清掃作業などの仕事を紹介する。

 にゃん太郎は、保護された犬や猫を預かるNPOワンダブルから猫9匹を譲り受け、軽度、中度の精神疾患のある人が猫の世話や調理、開店前の清掃をする。カフェスタッフが2人、開店前の準備に1~3人が毎日派遣されている。カフェスタッフで、発達障害と統合失調症がある菅原一人(ひとり)さんは「開店の準備からかかわったので、お店に愛着があり、働くことにより一層やりがいを感じます」と喜ぶ。

 間社長は「開店準備、そしてオープンして1ヵ月たち、猫たちに癒やされながら、みんな生き生きと働いている。もっと多くの人が働く機会を持てるよう運営していきたい」と張り切っている。  同店(073・435・0405)。

写真=カフェでは9匹の猫とふれあえる

ニュース和歌山/2019年4月20日


農業と福祉つなぐ 宮崎・延岡の不動産会社が設置 障害者就労に貢献

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焼き芋自動販売機

 障害者の就農と賃金アップにつなげようと、宮崎県延岡市の不動産会社「和光産業」社長、児玉雄二さん(65)が、障害者就労支援施設と協力し全国的にも珍しい焼き芋の自動販売機を設置した。農業と福祉の連携から「農福やきいも」と名付けた焼き芋は飛ぶように売れており、福祉関係者は「就労の場が広がり、賃金アップも期待できる」と注目している。

毎日新聞     2019年4月19日

「むすび会食堂」開店 障害者の一般就労目指す

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障害者の所得向上のためオープンした「むすび会食堂」=長崎県佐世保市大宮町  

 社会福祉法人むすび会(長崎県佐世保市干尽町)は19日、障害者が働く就労継続支援A型事業所「むすび会食堂」を大宮町にオープンした。

 むすび会は、市内でグループホームや就労移行支援事業を手掛ける。雇用契約を結び、働きながら知識や技能を身に付けてもらうA型事業の認可を昨年10月に取得した。

 食堂では知的や身体、精神に障害がある4人が働く。職員がうどんや手打ちそばを調理し、障害者は接客や配膳を担当。テークアウトのたい焼きとたこ焼きは調理から販売まで担う。営業時間は午前11時~午後3時半、テークアウトは午後5時まで。日曜、祝日定休。

 初日は保護者や市民らでにぎわい、「いらっしゃいませ」と元気な声が響いた。働いている初村紀佐子さん(24)は「お客さんと接するのが楽しみ。一生懸命頑張りたい」と笑顔。市内から訪れた主婦(74)は「にこにこしていて雰囲気がいい。味もよかった」と話した。

 吉木利徳理事長(62)は「地域に愛される店舗を目指したい。障害者も順応して働けると知ってもらい、一般就労につなげたい」としている。

  2019/4/20               株式会社長崎新聞社

富谷に障害者就労施設 野菜を自社栽培、弁当や総菜に

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 農産物生産販売のゴリラファーム(仙台市泉区)が、障害者らを対象とした就労支援施設「アメハレ」を富谷市太子堂に開所した。泉区野村の畑で栽培した野菜をふんだんに使った弁当や総菜、加工食品を作り、注文販売に応じる。
 施設は、社長の高橋まち子さん(44)の実家で、最近は社員寮として使われていた築約30年の木造2階の建物(約130平方メートル)をリノベーションし、調理場を設けて整備した。  高橋さんの義妹で社会福祉士の千葉藍子さん(38)が管理者を務める。「農業と食は、障害者支援と相性がいい」と提案し、実現にこぎ着けた。千葉さんは「雨が降っても必ずやむように、つらいことがあっても気持ちが晴れやかになるような場にしたい」と語る。  ゴリラファームは、1991年設立の警備会社ゴリラガードギャランティ(泉区)の子会社。トレードマークのゴリラをあしらった看板が、アメハレの建物にも掲げられた。  施設の利用時間は平日午前9時半~午後3時半。定員20人で、利用者を募集している。連絡先は千葉さん090(6223)6415。

         

  開所した「アメハレ」の前で語り合う高橋さん(左)と千葉さん                                             「アメハレ」で販売する米粉やドライ野菜などの商品

2019年04月20日             河北新報

手助け要請、一目瞭然 障害者に防災スカーフ /福井

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 福井市は災害時に障害者らが支援や配慮の必要性を周囲の人たちに伝える「防災スカーフ」を作製した。視聴覚障害など、外見から障害があるか分かりにくい人に無料で配布する。市の担当者は「スカーフを使う人を見つけたら支援の手を差しのべてほしい」と呼びかけている。  

  福井市が障害者らのために作成した「防災スカーフ」    毎日新聞         2019年4月20日   

聴覚障害者「演説分からない」 統一地方選、費用などが壁に

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 統一地方選は21日に各地で市長選など後半戦の投開票がある。候補者たちは選挙戦最終日の20日、最後の訴えを続けるが、聴覚障害者からは「演説内容が分からない」との声が上がる。費用などの問題から個人演説会などで手話通訳者の導入などに踏み切る候補者が少なく、関係者は改善を求める。

 「最寄り駅で候補者の演説を見たが、当然のように手話通訳などはなかった」。こう訴えるのは、自動車部品メーカーの工場で働く三重県鈴鹿市の会社員、太田学さん(42)。20歳の時に交通事故で両耳の聴覚を失った。

     同市では21日に市議選が投開票されるが、候補者の街頭演説や個人演説会で、太田さんが手話や要約筆記を目にしたことはない。太田さんは「参政権があるのに候補者の声が聞けないのは不公平」と、公費負担による通訳者の配置を義務化する必要性を訴える。

     総務省によると、選挙活動に手話通訳者や演説の要約筆記者を付ける場合の費用は、公職選挙法で規定されており、候補者負担により報酬は1日につき1万5000円が上限となっている。三重県聴覚障害者協会によると、7日に投開票された同県議選(定数51)では、個人演説会などで手話通訳を導入した候補者は65人のうち2人だった。

     全日本ろうあ連盟の倉野直紀理事は「聴覚障害者が候補者の主張を理解し、快適に過ごすには法律から見直すべきだ」と指摘する。同連盟は昨年7月、市町村選挙を含む全ての選挙の個人演説会などに手話通訳や要約筆記を義務づけるよう求める要望書を総務省に提出し、聴覚障害者の参政権の保障を訴えた。

     ただ、全ての選挙に通訳者を配置するとなると、別の問題も生じる。倉野理事は「通訳者は他の仕事と掛け持ちしていることが多く、指定した日時に確実に配置するのは難しい」と話す。また現状では選挙における手話通訳者や要約筆記者の報酬水準も十分とは言えないといい、課題は多い。

毎日新聞        2019年4月20日

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