2020年の東京パラリンピック出場を目指す松本市などの男女3選手が3日、県水泳連盟諏訪地区連盟が諏訪郡下諏訪町で始めた3日間のジュニア強化合宿に初めて参加した。いずれも軽度の知的障害があり、県障がい者スポーツ協会の水泳クラブ「ウルトラ☆スターズ」に所属。地区連盟所属の高校生以下のジュニア選手と一緒に練習し、競技力を高める目的だ。
3人は松本市の会社員小祝千果(こいわいちか)さん(19)、諏訪養護学校(諏訪郡富士見町)高等部2年で茅野市の前川直輝さん(16)、安曇野市の会社員、木下翔平さん(26)。小祝さん、前川さんは100メートル平泳ぎ、木下さんは50メートル自由形でパラ出場を目指す。ウルトラ☆スターズの他選手11人らと一緒に合宿に合流した。
ウルトラ☆スターズヘッドコーチで、諏訪地区連盟理事でもある植松美千代さん(55)=諏訪市=によると、パラへの出場には国内最高峰の「ジャパンパラ大会」で上位入賞が必要。「東京パラの競泳は知的障害者が7人しか出られない狭き門」(植松さん)という。
小祝さんは、昨年10月に岡山県であった大会でジャパンパラへの標準記録を突破。「もっとタイムを縮めないといけない。ジュニア選手の泳ぎを参考にしたい」。標準記録まであと1〜2秒の前川さん、木下さんも「突破に向けて頑張りたい」と話した。
ウルトラ☆スターズの合宿参加は、植松さんが昨年11月に同僚の役員から「水泳への熱意は健常者も障害者も同じ」と誘われたのがきっかけ。6月に日本知的障害者選手権(横浜市)を控え、ジュニア選手の泳力に近いこともあり参加を決めた。
小祝さんらと一緒に練習したジュニア選手の山岡羽菜さん(17)=東海大諏訪高校3年=は「目標をしっかり定めて頑張る姿が印象的。自分もインターハイ出場を目指したい」と刺激を受けていた。
植松さん(手前右)の説明を聞く前川さん(手前左)ら
信濃毎日新聞 (5月4日)