発達障害やその可能性のある夫との関係に苦しむ妻らに向け、支援団体が小冊子「パートナーがアスペルガーかな?と思ったあなたへ 脱出カサンドラ/入門編」を発行した。障害の特性や対応策の例、妻らの苦悩を和らげる方法などを紹介している。
「夫に発達障害の疑い」 言動に悩む妻、各地に自助会も発達障害の一つ、アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の人は、相手の心情を想像するのが苦手といった特性がある。障害のある配偶者を持つ人は、相手の言動に傷つき、その苦しさを周囲にも理解されず、心身に不調をきたすこともある。その状態は「カサンドラ症候群」とも呼ばれる。
冊子は、障害のあるパートナーへの対応について、「感情的な伝え方は、最も苦手なことのひとつ。要件を箇条書きにして伝えましょう」「口頭での連絡は避け、スケジュール表やメールなどの視覚伝達を」などと例示している。
カサンドラを脱出するために、自助会に参加するなど仲間とつながる▽DVに発展しかねないような場合は別居も必要▽自分を優先する、などと助言する。自助会や関係機関、図書の紹介もある。
冊子を発行した「アスペルガー・アラウンド」は、カサンドラ症候群の人を支える非営利団体。性別は問わず、きょうだいや職場関係者も支援対象にしている。代表のSORAさんは、「障害に気づいてもどうすべきかわからなかったり、相談相手がいなかったりする人もいる。正しい知識を得て、カサンドラから回復する一助としてほしい」と話す。
A5判26ページ、税込み280円(送料別)。同団体のサイト(http://asperger-around.blog.jp/)から申し込む。
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