ノーマライゼーション 映画上映会重ね訴え
運動機能や会話に障害が出る難病を患いながら、障害をテーマにした映画の上映会の開催を続けている男性がいる。映画を通して、障害者が普通の生活を送れる社会をつくる「ノーマライゼーション」の理念を広げたいと活動している。(大沢帝治)
この男性は、文京区の田中誠一郎さん(63)。田中さんが患う病気は、「脊髄小脳変性症」と呼ばれる難病で、小脳や脊髄の神経が徐々に失われ、歩行困難になったり、言語障害が出たりする。詳しい原因や治療法は分かっておらず、実在した女性患者の闘病記が「1リットルの涙」のタイトルでドラマや映画にもなった。
田中さんが体の異変に気づいたのは、ボイラー技士だった35歳のときだ。仕事前の準備体操で体が思うように動かない。検査を何度受けても原因がわからず、医師に当たったこともあった。
病名がわかったのは3か月後。3年ほどで字を書くのも困難になり、仕事を失った。17年前からは車いす生活に。舌がもつれるため、電話で話していると相手に酒に酔っていると誤解されることもしばしばだった。
「なぜ自分が……」と悩み苦しんだ。だが、15年ほど前に雑誌で紹介されていたノーマライゼーションという言葉に出会い「これだ」と直感し、こう強く思った。
「このまま人生を終えたくない。同じ苦しみを抱える人の力になりたい。障害者が普通の生活を送れる社会をつくろう」
この理念に共感してもらうきっかけにしてもらおうと、これまでに障害を題材にした映画の上映会などを50回近く開催してきた。次第に、活動に力を貸してくれる仲間もできた。
田中さんは「ノーマライゼーションとは、障害者だけでなく弱い立場の人たちに配慮するということ。広く社会に通じる問題として、訴えていきたい」と話している。
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「ノーマライゼーションを広めていくのが自分の使命」と話す田中さん
(2013年4月16日 読売新聞)
運動機能や会話に障害が出る難病を患いながら、障害をテーマにした映画の上映会の開催を続けている男性がいる。映画を通して、障害者が普通の生活を送れる社会をつくる「ノーマライゼーション」の理念を広げたいと活動している。(大沢帝治)
この男性は、文京区の田中誠一郎さん(63)。田中さんが患う病気は、「脊髄小脳変性症」と呼ばれる難病で、小脳や脊髄の神経が徐々に失われ、歩行困難になったり、言語障害が出たりする。詳しい原因や治療法は分かっておらず、実在した女性患者の闘病記が「1リットルの涙」のタイトルでドラマや映画にもなった。
田中さんが体の異変に気づいたのは、ボイラー技士だった35歳のときだ。仕事前の準備体操で体が思うように動かない。検査を何度受けても原因がわからず、医師に当たったこともあった。
病名がわかったのは3か月後。3年ほどで字を書くのも困難になり、仕事を失った。17年前からは車いす生活に。舌がもつれるため、電話で話していると相手に酒に酔っていると誤解されることもしばしばだった。
「なぜ自分が……」と悩み苦しんだ。だが、15年ほど前に雑誌で紹介されていたノーマライゼーションという言葉に出会い「これだ」と直感し、こう強く思った。
「このまま人生を終えたくない。同じ苦しみを抱える人の力になりたい。障害者が普通の生活を送れる社会をつくろう」
この理念に共感してもらうきっかけにしてもらおうと、これまでに障害を題材にした映画の上映会などを50回近く開催してきた。次第に、活動に力を貸してくれる仲間もできた。
田中さんは「ノーマライゼーションとは、障害者だけでなく弱い立場の人たちに配慮するということ。広く社会に通じる問題として、訴えていきたい」と話している。

「ノーマライゼーションを広めていくのが自分の使命」と話す田中さん
(2013年4月16日 読売新聞)