大阪府は、引きこもりや高校中退といった事情で就労に踏み出せない若者が、支援を受けながら短時間勤務などで働く力を磨く「中間的就労」の場づくりを図っている。福祉や職業紹介で対応できない公的制度の“谷間”にいる若者に自立の機会を提供するのが狙い。より効果的な取り組みをどこまで地域で定着させていけるかが問われている。
中間的就労の対象者は、障害者雇用の対象ではないものの、ハローワークなどで求職活動をしても就職や働き続けるのが困難な層。支援者が一人一人の状況に応じたサポートをし、週数日で短時間勤務といった形で実際の業務に従事させながら一般就労に向けた訓練を行う。
府は子どもや若者が再チャレンジできる仕組みづくりの一環で2013年度末、5団体に事業委託。農業やカフェ運営、製造業など多様な職種を用意した。報償費を支払って労働者としての自覚や責任感を育む団体も多い。長期間支援し続けるのではなく、3カ月といった期間を区切って対応し、年度内に100人程度を就労に結び付ける方針だ。
■場の自立も目標
若者の就労支援施設「ハローライフ」を運営するNPO法人スマイルスタイル(大阪市西区)は4日、施設内で新設した菓子製造スペース「チャシツ ファクトリー」の内覧会を実施。すでに菓子作りの練習を積んだ訓練生が、納品の時間に向けてそれぞれの役割を果たしていた。
体調を崩して無職期間があった奈良県の男性(35)は週3回のペースで働き「チームプレーをするときの指示の出し方を学べた」と手応えを感じており、施設での訓練と並行してアルバイトに挑戦していくという。
塩山諒代表は「最低賃金は稼げる力を参加者全員に身に付けさせていきたい」と意欲を示す。独自製品も開発して採算面を合わせ、中間的就労の場として継続させていく構えだ。
■高校生にも機会
家庭の経済的事情などで働く必要がある高校生らも対象にしているのは一般社団法人「officeドーナツトーク」(同市淀川区)。同市阿倍野区で7月にカフェを開設した。
近年はバイトをしようとしても団塊の世代などと競合して採用されにくい現状があるといい、田中俊英代表は「まずはバイトの面接で受かる力を身に付けてもらい、長期バイトができるようになれば将来的に正社員を目指せるようになるのではないか」と展望を語る。
府はこのほど、就労訓練生を募集するチラシを2千部作製して府内市町村や引きこもり関連の支援施設に配布。周知を図っている段階で、担当者は中間的就労の場について「社会資源の一つとして各地域で永続していけるモデルを築ければ」としている。
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中間的就労の場の一つとして新設した「チャシツ ファクトリー」を紹介する塩山代表(左端)=4日午前、大阪市西区のハローライフ
2014年8月13日 大阪日日新聞
中間的就労の対象者は、障害者雇用の対象ではないものの、ハローワークなどで求職活動をしても就職や働き続けるのが困難な層。支援者が一人一人の状況に応じたサポートをし、週数日で短時間勤務といった形で実際の業務に従事させながら一般就労に向けた訓練を行う。
府は子どもや若者が再チャレンジできる仕組みづくりの一環で2013年度末、5団体に事業委託。農業やカフェ運営、製造業など多様な職種を用意した。報償費を支払って労働者としての自覚や責任感を育む団体も多い。長期間支援し続けるのではなく、3カ月といった期間を区切って対応し、年度内に100人程度を就労に結び付ける方針だ。
■場の自立も目標
若者の就労支援施設「ハローライフ」を運営するNPO法人スマイルスタイル(大阪市西区)は4日、施設内で新設した菓子製造スペース「チャシツ ファクトリー」の内覧会を実施。すでに菓子作りの練習を積んだ訓練生が、納品の時間に向けてそれぞれの役割を果たしていた。
体調を崩して無職期間があった奈良県の男性(35)は週3回のペースで働き「チームプレーをするときの指示の出し方を学べた」と手応えを感じており、施設での訓練と並行してアルバイトに挑戦していくという。
塩山諒代表は「最低賃金は稼げる力を参加者全員に身に付けさせていきたい」と意欲を示す。独自製品も開発して採算面を合わせ、中間的就労の場として継続させていく構えだ。
■高校生にも機会
家庭の経済的事情などで働く必要がある高校生らも対象にしているのは一般社団法人「officeドーナツトーク」(同市淀川区)。同市阿倍野区で7月にカフェを開設した。
近年はバイトをしようとしても団塊の世代などと競合して採用されにくい現状があるといい、田中俊英代表は「まずはバイトの面接で受かる力を身に付けてもらい、長期バイトができるようになれば将来的に正社員を目指せるようになるのではないか」と展望を語る。
府はこのほど、就労訓練生を募集するチラシを2千部作製して府内市町村や引きこもり関連の支援施設に配布。周知を図っている段階で、担当者は中間的就労の場について「社会資源の一つとして各地域で永続していけるモデルを築ければ」としている。
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中間的就労の場の一つとして新設した「チャシツ ファクトリー」を紹介する塩山代表(左端)=4日午前、大阪市西区のハローライフ
2014年8月13日 大阪日日新聞