Androidタブレットで動作、 日常生活支援アプリを配信開始
株式会社インサイトは、脳損傷による記憶障害や注意障害など認知障害に悩む高次脳機能障がい者が直面する日常生活での課題を軽減するため、 2014年9月9日(火)よりAndroidタブレットで動作する日常生活支援アプリ「あらた(R)」を販売開始する。
高次脳機能障害について
高次脳機能障害とは、脳が損傷することによる記憶障害や注意障害、遂行機能障害などが原因となり日常生活に成約がある状態のことだ。
少し前にした約束が思い出せない、順序立てた行動ができないといった症状があり、日常生活はもとより職場復帰も困難になるなどの課題を抱えている。
同社では、こうした高次脳機能障がい者の抱える課題を軽減するため、神戸大学大学院保健学研究科の種村留美教授との共同研究により「あらた」を開発。
高次脳機能障がい者だけでなく、認知症患者や高齢者にも活用できる日常生活支援アプリとして発表し、今年5月に行われたITヘルスケア学会第8回年次学術大会では製品賞を受賞した。
「あらた」の主な機能である「スケジュール管理」では、登録したスケジュールの予定時刻になると、文字だけでなく読み上げ音声によって何をするべきかを教えてくれる。その際に、忘れずに確認しておく項目をリスト形式で表示することで、確認漏れを防止する。
また、「メモ機能」では、必要なときにメモを手書きで取り、書いたメモは所定の日付に貼り付けることができる。メモはカメラで撮ることも可能。
同社は神戸大学大学院保健学研究科と共同で、同アプリを使った実証実験を行った。実験に協力した患者の家族からも、アプリを利用することで負担の軽減につながったとの意見が聞かれたとのことだ。
今後は、日記機能や就労支援機能などの機能を順次追加していく予定。さらにはクラウドサービスを使った予定の変更や確認を遠隔でするサービスや、安否確認サービス、利用者同士のコミュニケーションサービスなどを開発していきたいとしている。
2014年9月7日 11:00 介護ニュース