「列車に乗って旅をしたい」という障害者を支援しようと、毎年行われている貸し切り列車「ひまわり号」の今年の申し込みが低迷している。来月12日に仙台市から石巻市まで旅する計画だが、募集人数の5分の1しか集まっていない状況だ。現状では赤字となるため、県内のボランティア団体などでつくる実行委員会は参加を呼びかけている。
「ひまわり号」は1986年にJR仙台―平泉駅間で初運行。その後、鳴子温泉や岩手県北上市など行き先を変え、震災後も「自粛するより、元気や笑顔を生みだそう」と続けてきた。障害者と健常者が一緒に旅行し、理解を深めるのが目的。公共交通機関や施設が障害者に対応しているかを考えるのも狙いで、鉄道会社や行政側に要望し、駅や公園に車いすの人が利用できるトイレが設けられたこともあったという。
今年は2両編成の列車を貸し切りにして、12日午前8時19分にJR仙台駅を出発。石巻市の石ノ森萬画館を見学したり、仮設商店街で食事したりして、午後4時42分に仙台駅に戻る予定。医師と看護師も同行する。
募集人数は計200人で、7月から参加を求めたものの、応募したのは26日現在で障害者14人、家族やボランティア28人の計42人にとどまっている。さらに20人程度の参加がなければ赤字になるという。
実行委の鷲見俊雄事務局長は「普段、家に閉じこもりがちな障害者の人が外出できる機会。障害のない人も、一緒に行動することで見えてくるものがあるはず」と参加を求めている。
参加費は税込みで大人3500円、中学生以上の障害者2700円など。来月9日まで申し込みを受け付ける。問い合わせは実行委(022・297・1751)。
2014年09月27日 読売新聞