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Channel: ゴエモンのつぶやき
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支局長評論:周南 職場のコーチ

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 海産物の卸問屋に就職した発達障がいの男性はパソコンが得意でした。経理を任されましたが、自分流にプログラムを替えてしまい、同僚が使えなくなりました。

 別の障がい者は干渉されるのが苦手なのに、同僚が溶け込んでもらおうと声を掛け、かえって本人の重荷になりました。

 こんなときに改善案を提案して、障がい者と企業の潤滑油となるのがジョブコーチです。

 独立行政法人の山口障害者職業センター(防府市)を訪れると、緒方昭一郎所長(48)は「コーチは5人とも出払っています」。30〜40代の女性ばかりで、「フル稼働」と言います。

 県内には同センターを含め、研修を積んだ計15人のコーチがいます。精神保健福祉士や特別支援学校、福祉施設の勤務経験者らが務めています。

 支援は就労前と就職時だけでなく、就労後でもOKです。本人と面談し、苦手な点を把握し、支援計画を作ります。コーチは職場に同行して、本人の様子を観察し、作業内容の変更、指示の仕方などを助言します。

 指示は具体的に伝える▽困ったときに尋ねるキーパーソンを決めておく▽音、におい、光に敏感な人の場合、作業環境を変える−−などです。

 「特徴の出方は皆さんバラバラ」。支援計画を作る同センターのカウンセラーの横手真子さん(33)は「信頼関係が大切です」と話します。支援期間は1〜7カ月(3カ月が一般的)。その後のフォローもします。

 支援は本人も企業も費用負担がありません。それでも内情を見られるのを嫌うのか、消極的な企業が多いようです。

 県内では昨年、15人のコーチが計97人の障がい者の就労を支援しました。発達障がい者はうち14人ですが、コーチ派遣に至らない例も結構あります。なぜでしょうか。障がいが「見えない」のが影響しているようです。

 ※<下>は24日掲載予定。<周南・大澤重人>
毎日新聞 2012年12月21日 地方版

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