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障害者の挑戦、地元も応援 ブドウの木のオーナーに 「小牧ワイナリー」開設2年

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 知的障害者らが働く愛知県小牧市のワイン醸造所「小牧ワイナリー」が、開設から2年を迎えた。気候に適した品種探しなど試行錯誤しながら、ブドウの収穫量を少しずつ拡大。障害者は醸造や販売まで全てに携わり、自家製ワインの生産と自立した生活を目指している。そんな取り組みを後押ししようと、ブドウの木のオーナーになる地元住民らの輪も広がってきた。

 4月29~30日にワイナリーで開かれた「春の葡萄(ぶどう)酒まつり」。昨年に周囲の約2ヘクタールの畑で収穫したブドウなどで造った赤・白のワインが販売され、2日間で地元住民ら約1500人がその味わいや食事を楽しんだ。

 ワイナリーは社会福祉法人「AJU自立の家」(名古屋市昭和区)が運営する。2015年4月、無償提供された市有地に障害者の就労支援施設として開設。10代から50代までの約30人が小牧、名古屋、春日井の各市から通い、AJU職員らと一緒にワイナリーや併設のカフェで働いている。

 春の水やり、夏場の草取り、8~9月の収穫。加えて障害者らは瓶詰めやラベル貼りなど全作業に携わる。平田光さん(20)は「房取りなどが楽しい。自分たちで造ったワインを多くの人に飲んでほしい」と話す。

 ブドウ栽培は雨量など気候や土壌の影響を受けやすく、高温多湿な愛知では容易ではない。これまでも苦難の連続。畑は当初、雑草すら生えず、腐葉土をこまめに加えてブドウを育ててきた。

 収穫できたブドウは一昨年が700キロで、昨年は2800キロに増えた。とはいえ、味わいはまだ途上。他のブドウを加えて醸造したり、取り寄せたワインとブレンドしたりして生産している段階だ。

 最適の品種を見つけるため、AJU職員で醸造責任者の白井尚さん(33)は赤用・白用の計7種を育成中。「ワイン造りが『生きがい』になるよう、一緒に頑張りたい」と意気込む。

 純粋な“小牧産ワイン”への挑戦に、地域住民らもエールを送る。約1200の個人や団体が会費を払ってぶどうの木のオーナーに。女性ソムリエの草分け、日本ソムリエ協会理事の島幸子さんもその一人で、ブレンドの仕方などを助言する。

 ワインに適した実が育つには5~10年かかるとされる。その中で畑を拡大し、約20トンのブドウを収穫して障害者が月10万円を得られるようにすることがワイナリーの目標。AJU常務理事の江戸徹さん(64)は「収入も増えれば自立できるようになる。時間はかかっても、おいしいワイン造りを続けたい」と話す。

  小牧ワイナリーの「春の葡萄酒まつり」には多くの人が訪れた   2017/5/25    日本経済新聞

「更なる地域福祉の推進を」

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市社協が法人設立40周年

 社会福祉法人厚木市社会福祉協議会の法人設立40周年を祝う記念式典が5月16日、市保健福祉センターで行われた。小林常良市長や県議会議員、市議会議員のほか、自治会長や福祉団体関係者ら約300人がお祝いにかけつけた。

 同会は1955年に任意団体として設立。77年に社会福祉法人に移行した。79年に身体障害者福祉用自動車「ひばり号」の運行を開始。90年、ボランティアセンターを開設した。東日本大震災発生後には被災地支援として職員を派遣、市と共同でボランティアバスの運行も実施した。現在は、「誰もが安心して、共に生き、共に暮らせる地域社会づくり」の基本理念のもと、地域福祉の推進を図ることを目的に支援事業などを積極的に行っている。

行政や地域と連携強化

 式典であいさつに立った鈴木勲会長は「少子高齢化などにより、一層地域の支えが重要な社会になっている。これまで以上に行政や地域の皆さんと連携し、地域福祉の推進を図るべく、心を新たに努力していきたい」と決意を述べた。来賓を代表して登壇した小林市長は感謝の言葉を述べた後、「福祉とは人と人が向き合い、支え合う社会を構築すること。共に手を携えて、今後も努力、精進していきたい」と語った。

 また、同会から、会の発展に尽力したとして井上昇元会長、佐藤信雄元会長、内山恭宏元副会長の3人に感謝状と記念品が贈られた。

 そのほか式典では、40年の歩みを振り返るスライドを上映。懐かしい映像が流れると感慨深げに頷く人の姿も見られた。その後、手話サークル・あゆの会と市聴覚障害者協会が「手話コーラス」を、薬物依存症者の支援団体・川崎ダルクが「琉球太鼓」を披露。会場はあたたかい空気に包まれていた。

鈴木勲会長から感謝状を受け取る内山恭宏元副会長

鈴木勲会長から感謝状を受け取る内山恭宏元副会長

2017年5月26日   タウンニュース

デフ五輪出場金持選手に激励の懸垂幕

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■唐津市役所玄関に 

 トルコで7月開催される「第23回夏季デフリンピック」の水泳競技に唐津市出身で大阪体育大大学院2年の金持(かなじ)義和選手(23)が出場することが決定し、唐津市は23日、激励の懸垂幕を市役所玄関に掲示した。

 デフリンピックは聴覚障害者の五輪で、金持選手は2013年の前回大会に続く出場。懸垂幕を見た女性は「デフリンピックという大会自体、初めて知った」と言い、「市民の一人として応援したい」と話した。

 金持選手は前回大会で4種目に出場し、50メートル背泳ぎで世界新記録を樹立した。市スポーツ振興課は「前回同様、金メダルを期待したいが、まずは自己ベストを出してほしい」とエールを送る。

デフリンピック出場の金持義和選手を激励する懸垂幕

2017年05月25日   佐賀新聞

宮前区社協 乗合車両で買い物支援

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今秋運行に向け準備

 宮前区社会福祉協議会(浮岳堯仁会長)が発起人となり「買い物支援サービス」の準備が進められている。乗合車両をスーパーマーケットなどまで運行し、高齢者や障害者、子育て世帯の買い物をサポート。地域の支え合いにより低費用の運行をめざす。同社協は「今秋にも運行をスタートさせたい」としている。

 高齢化や地元商店の減少などによる「買い物弱者」の増加が社会的な問題となっている。山坂が多い宮前区も同様で、足腰が弱った高齢者や小さな子どもがいる母親が日常の買い物に困るケースが多いという。

 宮前区社会福祉協議会(社協)では、そのような地域課題を解決するための手段として、乗合車両運行による「買い物支援サービス」の実施準備をすすめている。社協は発起人という立場で、運営主体は地域住民。今月末にも「運営委員会」を立ち上げ、今年秋の運行を予定している。

 地域が持つ資源、ボランティアを活用することで、費用負担の少ない仕組みづくりをめざす。使用する車両は、特別養護老人ホームなど施設の車両を無償で借りる予定。車両は日中使用していないケースが多く、区内にあるホームに相談したところ借りるめどが立ったという。運転手は運転ボランティアに依頼する。

 利用方法、運行ルート、利用料金、買い物する場所(スーパーマーケットなど)は、これから検討していく。

 社協地域課の本間重治課長は「宅配サービスもあるが、実物を自分の目で見て買い物を楽しみたいという方もいる。外出して歩くことで介護予防にもつながるはず」と話し、「子どもとお年寄りの世代間交流によるコミュニティ醸成にも一役買いたい。地域で暮らす人が安心して暮らせる環境をつくりたい」と事業に期待を寄せる。

必要なのは地域の支え合い

 サービス実施に不足しているのが、利用者の乗り降り介助や話し相手を担う添乗ボランティアの存在だ。

 社協では添乗ボランティア養成講習を開いており、今年3月に開かれた1回目の講習には18人が参加。現在、第2回目の講習の参加者を募集している。6月23日(金)午後1時半〜4時。社会福祉法人セイワ介護老人福祉施設鷲ヶ峰が会場。参加無料。「介護ではなく、あくまでサポート。話を聴くことの心構えなどを伝えるプログラムです。地域住民の支え合いがこの事業には必要」と参加を呼び掛けている。

 問い合わせは宮前区社会福祉協議会(【電話】044・856・5500)へ。

2017年5月26日   タウンニュース

手話をリアルタイムで自動生成する技術がすごかった

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IOCと連携、東京五輪で活用へ

NHK放送技術研究所の一般公開イベントに行ってきた。数ある展示の中から気になった展示を紹介する。

 NHK放送技術研究所が開催するイベント「NHK技研公開2017」(5月25~28日)が今年も始まった。このイベントは年に1度、放送に関する最新の技術を一般に公開するというもの。入場無料で、毎年開催している。今年はどのような展示があるのか見てきた。

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け開発されているのが、「手話CG自動生成技術」だ。これは、聴覚障害者が、五輪中継などの番組をより楽しめるよう開発されたもの。試合中の出来事を、リアルタイムで手話CGに変換し、動画として配信する。

 仕組みはこうだ。「●●の××に△△の◎◎が~~。」といった文章のテンプレートを競技ごとに事前に用意。そこに、国際オリンピック委員会(IOC)の競技関連データを取り込むことで、手話表現に置き換える。

 また、試合経過のダイジェストを知らせる手話表現も生成できる。ルール解説なども簡単な操作で見られるという。スマートフォンやタブレットで視聴の際には、競技中の笛やブザー音を端末の振動で知らせてくれる機能もある。

 実はこの技術、気象情報の動画配信ではすでに活用されており、気象庁が配信する気象電文をもとに手話CGを生成している。次の実用化目標は「スポーツ番組」だが、今後は他ジャンルへの応用も検討しているという。

国際オリンピック委員会のデータにアクセスし、自動で手話を生成

手話はモーションキャプチャーによってデータ化されている

2017年05月26日   ITmedia

禁煙、禁スマホできるのに…電車内での飲酒を禁止しない理由

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電車内での飲酒を禁止しない理由について、鉄道会社に聞いている JR九州は飲酒制限について社会的要請が高まっているとは感じていないと回答 飲酒による臭いや騒音が乗客の迷惑になる場合は「係員が声をかける」という

なぜ、電車を禁酒にできないの?禁煙・禁スマホ・禁男性できるのに 鉄道会社「そんな質問、初めてです…」

 新幹線でも禁煙が当たり前になりつつある時代、列車内での飲酒は禁止されていません。「禁スマホ」「女性専用(禁男性)」はできるのに、なぜ? 編集部にそんな質問が届きました。さっそく、鉄道会社に聞いてみました。

たばこは法律で禁止

 列車内では、防災上の理由や、2002年に制定された健康増進法により、受動喫煙を防止するため、各社が禁煙を進めています。

 現在、車内に喫煙スペースが用意されているのは、新幹線など一部の車両です。

 携帯電話、スマホの使用も禁止に近い状態です。電車各社では「携帯電話をマナーモードに設定した上で、通話はご遠慮ください」「優先席付近では、混雑時に電源をお切り下さい」というアナウンスがよく放送されています。

 そして女性専用車もラッシュ時を中心に、導入されています。目の不自由な人、障害者の同伴者、子どもを除いて、女性だけ乗れる車両が用意されています。

 車内でも売っているお酒

 禁煙、禁スマホ、禁男子がある一方、お酒が禁止されているという話は聞いたことがありません。

 また、駅構内にはコンビ二があり、お酒も売られています。新幹線や、特急列車などでは車内販売でお酒を買うこともできます。

 人によって差はありますが、酔っ払った人に嫌な思いを抱いたことがある人は少なくないでしょう。飲まない人や、体質的に飲めない人にとっては、たばこと同じくらい迷惑な存在かもしれません。

 背景に鉄道の歴史?

 JR東日本は、鉄道の歴史を交えて説明してくれました。

 広報部の担当者は「鉄道が開通した当初は列車の速度も遅く、長時間の乗車になったことなどもあり、歴史的に飲食については認めてきた経緯があります」と言います。

 「食堂車なども連結してきましたしね」

 豪華列車「ななつ星」を運行するJR九州にも聞きました。

 広報部の担当者は「社会情勢を踏まえて判断しています」。

 「飲酒そのものが周囲のお客さまにご迷惑がかかるものではありません。そのため、飲酒をする場所の制限について、社会的要請が高まっているとは感じておりません」

 ただ、JR東日本、JR九州とも「マナー」を大事にし、飲酒による臭いや騒音が周りの乗客の迷惑になる場合は「係員が声をかける」そうです。

 メトロもOK、国交省は?

 長距離の旅とは関係なさそうな地下鉄、東京メトロにも聞いてみました。

 広報の担当者は「車内での飲食は禁止をしていません」と説明。「会社としては、ほかのお客さんに迷惑がかからないようにご理解をいただきたい」という方針で乗客に接しているそうです。

 各社とも「初めての質問でした」という反応だった「飲酒問題」。法律などの規制はあるのでしょうか?

 国土交通省に聞いてみました。鉄道局鉄道サービス政策室によると「普通に乗車した人に対する飲酒の制限はありません」と回答。

 「ただ、飲み過ぎてホームから転落する危険性もあります。気持ちよく、常識の範囲内で行動してもらえるといいですね」と話しました。

2017年5月25日   livedoor

楽しみながら理解を 明星保育園が明星学園と農作業交流

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 明星保育園(飯田市鼎切石)の年長園児25人が23日、同市駄科の障害者福祉施設「明星学園」を訪れ、利用者30人とサツマイモの苗を植えながら交流した。

  2施設はともに社会福祉法人明星会が運営しており、農作業交流は昨年からスタート。「小さい頃から障害のある人と違和感なく接することができるように」と、植え付けと収穫を通して触れ合っている。

  園児は畑仕事が得意な利用者と一緒に苗を植えたり、指示に従って苗に水をやるなど、力を合わせて作業をやり遂げ、終了後にはくるみみそを塗ったじゃがバターを味わった。

  明星保育園の保育士は「園児たちは利用者さんの話をきちんと聞き、すごく生き生きと動いている」、明星学園の職員は「互いに自然な感じで関われていることが素敵。楽しそうでいい」と交流会の盛り上がりを喜んだ。

  両園の園長を務める法人理事長の宮下智さんは「昨年は大きなイモがたくさんとれた。そういった楽しい思い出と、障害がある人と交流した記憶が重なり合っていることが大事だと思う」と話し、一緒に作業を楽しんだ。

  園児と利用者は秋のイモ掘り作業も一緒に行う予定。

利用者の指示で苗に水をやる園児(明星学園で)

2017年 5月 25日   ミナミシンシュウ.jp

宮崎)「出来ないことがおもしろい」 パラ元代表が授業

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 障害者スポーツへの理解を深める体験型授業「あすチャレ!スクール」が25日、宮崎市立生目中学校であった。パラリンピックの元日本代表選手が講師を務め、全校生徒約400人が参加した。

 日本財団パラリンピックサポートセンターが2016年度から始めた事業。これまでに22都府県の小~高校の約130校で実施し、参加した児童・生徒は計約2万1千人にのぼる。この日は、シドニー・パラリンピック男子車いすバスケットボール日本代表で主将だった根木慎志さん(52)が指導した。

 根木さんのデモンストレーションのあと、生徒が競技用の車いすを使い、車いすバスケを体験。球がリングまで届かなかったり、思うように車いすを操れなかったりと苦労していたが、元気にプレーした。

 根木さんは生徒への講話で「車いすバスケと出会って、出来ないことをおもしろいと思えるようになった」と、目の前の困難から諦めない大切さを伝えた。2年生の江藤百菜さんは「やらないことが恥ずかしいこと。出来ても出来なくても精いっぱいやりたい」と話していた。

写真・図版 

車いすバスケを体験した生徒ら=生目中学校

2017年5月26日   朝日新聞


支援者として地域貢献を

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多摩中で「避難所宿泊訓練」

 市立多摩中学校で5月12日からの2日間、同校の2年生157人が参加して避難所宿泊訓練が行われた。

 大規模災害時に地域の避難所に指定されている同校。その際には、生徒たちは避難者ではなく支援者として活動することが期待されていることから、支援者としての行動・態度を身につけ、実践的な救命救助、防災知識を学ぶと同時に、高齢者や障害者の被災支援を想定した活動を通じて将来の地域の担い手として貢献できる力を養成することを目的に、4年前から同訓練を行っている。

 この日は、2年生を中心にPTAや同校支援地域本部、多摩市、多摩消防署、多摩市社会福祉協議等の協力を得ながら、1泊2日の行程で訓練を実施。火起こしから釜を使ったアルファー米や豚汁を調理する炊き出し訓練、宿泊所の開設、近隣の高齢者住宅まで迎えに行き談話室で高齢者・地域住民と交流、連光寺小学校までの避難ルートの確認などをグループごとに分かれて行った。

「自信がついた」

 夜には、阪神・淡路、東日本の両震災を体験した国立研究開発法人の森岡文明氏の講演が行われた後、再度グループに分かれて視覚障害者の疑似体験、車いす体験、心肺蘇生法・AED体験、煙体験を実施。その後、体育館、談話室で就寝。翌朝、起床して非常食で朝食を取り、片づけを行って訓練を終えた。

 訓練を終えて、体験した生徒は「この体験を通して、いざという時に動けるよう自信がついた」と感想を語った。前島正明校長は「短い時間の訓練の中で生徒たちは大きく成長した。避難所運営のスキルアップ、支援者としてボランティアの精神が培われたと思う。今後にぜひ活かしてもらいたい」と話した。

(写真上)アルファー米を調理する生徒(右下)体育館で毛布を整え宿泊所の開設準備を行った(左下)近隣の高齢者住宅まで迎えに行き、車いすで搬送

2017年5月25日   タウンニュース

"元ホスト"が日本全国を車椅子でヒッチハイクする理由

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 通りすがりの車に乗せてもらい、目的地まで向かうヒッチハイク。このヒッチハイクを、車椅子で行う若者がいる。寺田ユースケさん(26)だ。

  寺田さんは1990年に愛知県で生まれた。生まれつきの脳性まひの影響で足が不自由だったが、小学校から高校まで、大好きな野球に明け暮れていたという。

 「中学校、高校生くらいまでは足が悪い自分が嫌いで、車椅子に乗ったら"障害者"になってしまうという抵抗があった」。

  そんな思いから、車椅子を使わず、自分の足で歩いてきた寺田さん。しかし、人生を変えたのもまた「車椅子」だった。

  「大学生の時に車椅子に乗って人生が180度変わったんです。行動の幅が広がって友達とも会話できるようになって。歩きながら行動もできるし。まさにかぼちゃの馬車でした」。

  行動範囲を広げた寺田さんは、大学在学中に芸人を目指しタレント養成所に入学、そして上京。さらに、お金を稼ぐためにホストにもなった。

  寺田さんが車椅子ヒッチハイカーになったのは、そんな生活を変えたかったからだという。

  「昼夜逆転の生活をしていたせいもあって、身体が悪くなって。これ以上ホストとしての生活はできないと思いました。まだ日本各地に行ったことないから、身体が動く範囲で回ってみたいなという気持ちが芽生えてきて。僕が助けてといえば笑って気軽に後押ししてくれる、そういう方々が全国にいっぱいいるんじゃないかなという思いで旅を始めました」。

■2年間で47都道府県を巡る旅

 先月22日、2年間で47都道府県を巡る旅を東京からスタートさせた寺田さん。「ちょっと助けてもらえませんか?」の声に、車椅子を押してくれ協力者は、100人を超えている。ヒッチハイクに密着取材させてもらった。

 待ち合わせ場所は新潟駅。佐渡島に行くのがこの日の目的だ。寺田さんの旅は、目的地は自分で決めるが、車椅子を押してくれる協力者を見つけ車に乗せてもらうか、交通機関に一緒に乗ってもらい、移動することになっている。

  佐渡島行きの船が出る港に向かう人を探す寺田さんに、実家に帰る途中だという男性が声を掛けた。

  「佐渡が実家だから佐渡に帰るとこなんだよ。俺もバスを持っているから行く?」

  バスで走ること15分。佐渡島には1時間かかる高速フェリーか、2時間半かかるカーフェリーが運行している。高速フェリーを使う男性とはここでお別れだったが、子連れの女性が「子供の機嫌が悪くなったら申し訳ないですけど」と協力してくれた。

  そしてついに佐渡島の両津港についたフェリー。次に寺田さんが目指すのは佐渡金山だ。港付近には歩いている人が少なかったため、交通量の多い道路でヒッチハイクを試みる。

  ここでも佐渡金山のある相川地区へ向かう人を2秒で発見した。乗せてくれた北野さんは「ちょっと遠回りしていいですか?」と声をかけ、特別天然記念物のトキを探し始めた。

  現在日本には250羽(今月17日現在)ほどのトキがいるとされ、佐渡島では時折目撃されている。何度もサギと間違え、ようやくトキを発見した二人。「こういう時って足が動くもんなんですね」と寺田さんも笑顔を見せた。

■バリアフリーの状況や車椅子から見た観光地の景色を撮影、発信

 2日目、ついに目的地の佐渡金山にやってきた寺田さん。

  「ここまで行きやすくしてもらっていたら絶対楽しめるでしょ、これは」と、想像以上のバリアフリーに興奮。

  実は寺田さんは、旅先でバリアフリーの状況や車椅子から見た観光地の景色を撮影、発信している。

  「みんなが感動するところでも、車椅子目線だと、あれっ?っていうことがある。だからウィルチェアー(車椅子)フォトという形で発信していきたい」

 佐渡金山で出会った夫婦に麓まで連れてきてもらった寺田さん。次なる目的地は佐渡最南端の港・小木港だ。再び路上ヒッチハイクをする寺田さんだが、なかなか協力者が見つからず、近くのショッピングモールに移動。すると寺田さんの携帯電話に協力を申し出る一本の電話が入った。なんと、1日目に新潟駅で出会ったあの男性からだった。男性はSNSで寺田さんの生配信を見てくれていたという。寺田さんは、「信じられないです」と、"奇跡"に大喜びした。

  寺田さんはこれまでのヒッチハイクで地方のバリアフリーについて気付いたことがあるという。

  「東京と比べた時に、ホームと電車の入り口の段差がすごく違うなと。東京だと15センチくらいでも高いと感じるのですが、新潟では30センチくらい差があって」。

 ■『ちょっと助けて』だったら気軽に言えるんじゃないかな

 「都内の駅にいて、改札から出た時に10m先に階段があったんですよ。駅員さんに、『車椅子を運ぶのを手伝ってもらえませんか』と声をかけたところ、『管轄の範囲外なので運べません』と言われて」。

  そんな腹立たしい思いを寺田さんが友達にぶつけると、「道行く人はいっぱいいたわけでしょ。駅員さんじゃなくても、ちょっと助けてって言えれば良かったんじゃないの」言われ、考えが変わったそうだ。

 寺田さんは現在、『HELPUSH』という団体を立ち上げ、活動している。団体名の由来は、HELP(助けて)とPUSH(押して)を組み合わせたものだ。

 「世の中を見ていると『助けて』って言いづらいなと感じていて、でも『ちょっと助けて』だったら気軽に言えるんじゃないかなという思いを込めてやらせて頂いています」。

 自身について「ずっと強がりで生きてきた」と話す寺田さん。「『ちょっと助けて』『ちょっと助けるよ』っていう気軽な助け合いの世の中になって欲しいなと思って旅をしています」と話した。

(AbemaTV/AbemaPrimeより)

伊那谷の民話を紙芝居に 音訳サークルが作成

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 伊那市伊那図書館を拠点とする音訳ボランティアサークル「鈴音(すずね)の会」は二十五日、地元の昔話を基にした絵本「赤い夕顔の花」を紙芝居にアレンジし、同館でお披露目した。

 同会は、視覚障害者のために新聞記事の朗読CDを作っており、上伊那地域の二十人が所属。このうち十人ほどで高齢者施設を訪問し、紙芝居を上演する活動も続けている。

 「地元の民話を上演したい」との声が上がり、会員と親交のあった市内の漫画家橋爪まんぷさん(76)に協力を依頼。橋爪さんと箕輪町の作家小沢さとしさん(78)が手掛ける「絵本伊那谷ものがたり」シリーズの一作を紙芝居にすることで快諾を得られた。

 絵本の原画二十一枚をA2判に拡大カラーコピーし、文字を消した余白に橋爪さんが夕日や木々など背景の絵を加筆。文章には同会が紙芝居用のせりふなどを加え、図書館が本の保護フィルムで絵を覆って完成させた。

 「赤い夕顔の花」は、戦国時代に下伊那地域であった領地争いにまつわる悲話と、伊那市高遠町の寺に伝わる「夕顔観音」の伝説を基に創作した物語。

 同会の小俣攻さん(73)=同市前原=は「地元の隠れた昔話を知ってもらう機会になれば。話に引き込めるよう読み手も練習を重ねたい」と話し、七月から実際に披露するという。紙芝居は同館で一般にも貸し出す。

写真

「赤い夕顔の花」の紙芝居を披露する「鈴音の会」会員ら

2017年5月26日   中日新聞

視覚障害者自立目指して 全国盲人福祉大会、徳島市で開幕

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 視覚障害者の自立や社会参加について考える「全国盲人福祉大会徳島大会」(日本盲人会連合主催)が26日、徳島市のJRホテルクレメント徳島で開幕した。28日までの3日間、全国の視覚障害者ら約1400人が意見を交わし、交流を深める。

 26日は定時評議員会があり、各都道府県や政令指定都市の視覚障害者団体の代表ら約250人が出席。昨年4月の熊本地震で被災した視覚障害者に見舞金やつえを送ったことや、同8月に都内で視覚障害者が駅のホームから転落して亡くなった事故を受け、国にホームへの柵設置といった安全対策を求める要望書を提出したことなど、昨年度の事業内容が報告された。
 
 27日は同ホテルで代表者会議を開き、本年度の運動方針について協議するほか、バリアフリーなどをテーマにした分科会を行う。28日には、同市のアスティとくしまで視覚障害者や家族ら約1400人が参加を予定する本大会がある。期間中は県内を中心にボランティア約530人が運営に協力する。
 
 同大会のほか、27日には全国の盲導犬利用者による「全日本盲導犬使用者の会総会・交流会」が、徳島市の阿波観光ホテルで始まる。

【写真説明】全国の視覚障害者団体代表らが出席した定時評議員会=徳島市のJRホテルクレメント徳島

 2017/5/27    徳島新聞

「視覚障害者 外出便利に」

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 ◇徳島で全国大会

 ◇車で同行援護要望

 目の不自由な人を取り巻く諸問題について考える「全国盲人福祉大会」(日本盲人会連合など主催)が26日、徳島市内で開幕した。県視覚障害者連合会(久米清美会長)は、視覚障害者の外出を助ける「同行援護」制度の対象が、バスや鉄道などに限られることから、移動手段の拡充を求める要望を大会に提案した。日本盲人会連合を通じて国に提出される。(矢野彰、行田航、三味寛弥)

 同行援護は、障害者総合支援法に基づき、研修を受けた「ガイドヘルパー」が通院や買い物などに付き添い、移動を助ける。厚生労働省によると、全国で月約2万人が利用。県内では障害者福祉施設など135事業所がサービスを担う。

 報酬は一部公費負担だが、ヘルパーが車を運転して移動する場合は「援護に当たらない」(厚労省)として対象外。そのためバスなどを使うが、地方では公共交通が乏しく、県視覚障害者連合会は「交通の不便な地域で、同行援護をする人が運転する車の利用を認め、移動時間を利用料金として算定できる」ように他県の団体とともに要望している。

 兵庫県西宮市から大会に参加した1級建築士赤堀浩敬さん(56)は「ラーメンや海の幸などを食べ歩きたいが、一人で行けるか不安だ」と話し、ガイドヘルパーの女性(40)も「公共交通はバリアフリーが行き届かない場合もある。車移動が可能になれば行動の幅が広がる」と語った。

 久米会長は「県外から来た人に観光を楽しんでもらいたいが、県内には公共交通だとなかなか行けない地域もある。視覚障害者が行きたいところに行ける制度になってほしい」と願う。同大会は28日まで、約1400人が参加する。

 徳島市内では27~29日、全日本盲導犬使用者の会による総会と交流会も開かれる。2015年秋に、視覚障害者の山橋衛二さん(当時50歳)と、盲導犬のヴァルデスが後進してきたダンプカーにはねられ死亡した事故などを受け、初めて徳島を会場とした。

 盲導犬利用者約120人が参加。27日の総会では、山橋さんら事故で亡くなった盲導犬利用者や盲導犬の冥福を祈り、黙とうする。

視覚障害者(左)に付き添うガイドヘルパー(徳島市で) 

視覚障害者(左)に付き添うガイドヘルパー(徳島市で)

2017年05月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

住まい探し協力店増える 高齢者、障害者支援制度1年 北九州市

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 家主が賃貸住宅への入居受け入れをためらうケースが見受けられる高齢者や障害者世帯の住まい探しを、官民で支援する北九州市の「協力店制度」が27日で導入から1年を迎える。市が住居の仲介に積極的な不動産業者を登録して希望者に紹介する制度で、導入当初39店だった協力店は73店に倍増。昨年11月からは協力店にステッカーを張ってもらい、利用者に分かりやすくPRする取り組みも進めている。

 協力店制度は、市が登録した不動産業者の情報を区役所窓口や市のホームページで高齢者や障害者世帯に提供。入居の相談を受けた協力店は、見守り活動を行っている地域の団体や市の窓口を紹介しながら家主に入居の受け入れを働き掛ける。入居が決まれば協力店は市に連絡し、入居者に異変があった場合、早期に対応できるようにする仕組みだ。

 日本賃貸住宅管理協会が2015年、家主約27万人を対象に行った調査では、高齢者と障害者の入居に対しそれぞれ約7割が「拒否感を抱く」と回答。理由としては「家賃の支払いに対する不安」「居室内の死亡事故に対する不安」が上位を占めている。

 市によると、昨年5月27日の導入後、不動産業者から「協力店ということを知って訪ねてきたり、電話があったりした」との声が上がっているほか、障害者からも「家探しは苦労するので、制度ができてありがたい」などの声が寄せられているという。

 北九州市の高齢化率は15年1月現在、全国20政令市トップの27・8%に上っており、市住宅計画課は「高齢者や障害者が今後も安心して民間の賃貸住宅に住むことができるように、協力店をさらに増やしていきたい」としている。問い合わせは同課=093(582)2592。

市が作製した「協力店」のステッカー

=2017/05/26付 西日本新聞朝刊=

 

防災サイン  聴覚障害者向け動画を公開、普及へ 鳥取県

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 梅雨や台風の時期を控え、聴覚障害者が水害時にスムーズに避難するための「防災サイン」を周知する動画を、鳥取県が公開している。サインを使って住民同士が助け合い被害者をなくそうとするもので、地域防災力の向上に役立ててもらう。【小野まなみ】

 2013年に同県が全国初の手話言語条例を制定したのをきっかけに、鳥取市などを流れる千代川の整備や周辺地域の活性化を考える官民組織「千代川流域圏会議」が、翌年度からサインの作成に取り組んできた。県聴覚障害者協会や地元の手話サークルの意見も取り入れ、昨年度に完成。県内全体への普及を目指し、動画を制作した。

 サインは手話に詳しくなくても覚えられるよう、手話とジェスチャーを組み合わせたものにした。避難する際に必要な17語を厳選。「川が氾濫(はんらん)する」「大雨」といった水害関係だけでなく、「逃げろ」「避難所」など、緊急時に共通して使える言葉を用意した。組み合わせることで「避難所に逃げろ」など文章にすることも可能だ。

 県河川課は「水害時、聴覚障害のある人には情報が届きにくい。命を守るため、サインを普及させたい」と話している。動画は同課のホームページ(http://www.pref.tottori.lg.jp/266819.htm)で見ることができる。

 動画で紹介されている「川が氾濫する」を意味する防災サイン(左)と「逃げろ」の意味の防災サイン   毎日新聞   2017年5月27日

宮内庁、両陛下の障害者支援活動をDVDに

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 宮内庁は26日、天皇、皇后両陛下の障害者支援活動をまとめたDVDを作成したと発表した。タイトルは「天皇皇后両陛下 障害者にお心を寄せて」。映像は53分で、皇太子ご夫妻時代から熱心に続けてきた障害者や難病患者との交流の様子を紹介。政府インターネットテレビで視聴できるほか、1枚1500円で購入も可能。

申込先は公益財団法人菊葉文化協会((電)03・5222・0012)。

2017/5/26    日本経済新聞

障害者が働く町中の植村牧場 大規模な機械化をしないワケ

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搾りたての牛乳をビン詰め

 毎朝午前5時から牛舎で知的障害者の仕事が始まる。ここは奈良市の町中にある植村牧場(株)(黒瀬礼子代表)。明治16年から134年続く、県下で最も古い牧場だ。約2000坪の敷地内で牛を約30頭飼育し、新鮮な牛乳を個人宅や小学校、レストランなど800カ所以上に届けている。

  牧場では14人の障害者が働く。うち10人は住み込み。1日約300キロリットルの乳を搾り作業場に運び、専用釜で低温殺菌(75度で15分)し、ビンに詰めて配達する。エサやり、牛のふんかき、ビンの洗浄などの作業もある。

  大規模な機械化をせず手作業の牛乳づくりにこだわるその味は古くからの愛飲者が多く、飲食店からは「植村牧場の牛乳を使えるようになれば一人前」と言われるほど評価が高い。

 初めて障害者を雇用したのは約35年前。一般の求人を出したが応募がなく、市から勧められた。当初は障害者についての知識もなく途方に暮れたが「たまたま働いている人に障害があるだけ」(黒瀬さん)と、じっくり仕事を教えながら個々の能力を見いだし、仕事を任せてきた。例えば、数字が分からなくても配達先に行けば何本届けるか覚えている人もいる。

  牧場は地域とのかかわりも深い。牛ふんを堆肥として農家に使ってもらい、野菜くずをエサ用に譲ってもらう。人とのふれあいを大事にしたいと家を訪ねる集金をずっと続けている。また町内の行事にも積極的に参加している。

 敷地内のレストランではクリームコロッケや牛乳カレーなどのメニューが並び、新鮮な牛乳を使ったアイスクリームなども販売。4代目代表の黒瀬さんは「障害者の働く姿でもソフトクリームでもいいので何かでキラッと光りたい」と今後を見据える。 

2017年05月26日    福祉新聞編集部

視覚障害者のためのヨガ 説明工夫し好評 神戸

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 視覚障害者のためのヨガが広がりを見せている。全盲や弱視の人にも楽しんでもらおうと、神戸市西区のインストラクター崎元宏美さん(39)らが今春から月1回、視覚障害者のためのヨガクラスを国立の神戸視力障害センター=同区曙町=で始めた。分かりやすい言葉でゆっくりと説明するなど工夫し、参加者からは「リラックスできる」と好評だ。6月は11日午後2時から開催する予定で、参加者を募っている。

 崎元さんは大学時代、障害者のスポーツ参加を支援する財団法人の「障がい者スポーツ指導員」資格を取得。スポーツクラブ勤務などを経て2011年、同区を拠点にヨガを教えるようになった。14年には同センターの職員から、教養講座の一つとして指導を依頼されたという。

 14~15年度は年数回、センターの利用者に指導し、昨年度からは月1回に増えた。「視覚障害がある人は疲れやすい、夜眠れないなどの悩みを抱えていることがあり、ヨガで心と体を緩めてほしい」と崎元さん。

 障害者向けにポーズを変えるのではなく、世界共通のポーズができるよう、分かりやすい説明を心掛けている。そのため、アイマスクを付けた家族や友人を相手にポーズを教える練習を重ねたり、自身もアイマスクで過ごしたりした。

 「これ、それ、あっち、こっちは言わない」「身体に触れるときは、先に名前を呼び、驚かせない」などといったことに注意しているほか、弱視の人に分かるようにコントラストがはっきりした服を着ているという。

 約3年前、急に弱視になった女性(58)=同市垂水区=は、このセンターでヨガに出合った。「肩に力を入れ、不安を抱えながら生活しているが、ヨガをするとホッとできた。のびのびと体を動かすのが気持ちよく、こんな時間がほしかった」と話す。

 視覚障害者向けのヨガは関東で先行しているというが、崎元さんは今年3月、知人とグループ「チャレンジド・ヨガ関西」を立ち上げ、月1回、センターの利用者以外も参加できるクラスをスタートさせた。「ゆっくり呼吸し、自分と向き合う。自分のペースで安全にできるヨガの良さをぜひ体験してほしい」と呼び掛けている。

 参加費千円。申し込みは崎元さんTEL080・1460・4680

視覚障害がある女性にヨガを指導する崎元宏美さん(右)

2017/5/27   神戸新聞NEXT

危うい優生思想

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 デザインベビーという言葉が使われるようになって久しい。アメリカではノーベル賞受賞者の精子を高く買い、美人でグラマラスな女性の卵と受精させる、というのもあながち冗談ではないらしい。
 神への冒涜[ぼうとく]、あるいは自然への挑戦と言ってもいいこうした試みは、逆の方向でも進みつつある。つまり、「遺伝子診断」による遺伝病の予防である。
 2013年5月、アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーさんが健康な乳房を両方とも切除して話題になった。彼女は遺伝子診断を受け、その結果生涯のうちで乳がんを発症する確率が87%あると告げられたらしい。同じことを言われたとしても、「発症したらそのとき判断する」人もいるだろう。しかし彼女は罹患[りかん]の不安ともども乳房を未然に切除することを選んだのである。
 ところで日本でも、同じような検査サービスが準備されているらしい。大手の遺伝子検査会社が来年の開始を目指しているようだが、私はこうした動きに大いなる懸念を感じる。すでに胎児の出生前診断は日本でも行われ、ダウン症などの可能性が事前にわかるようになりつつあるが、今度のは親同士の遺伝子診断で「将来の子」も予測できるというものだ。結婚前に受ければ、この結婚はやめておこうという判断材料にもなる。しかも単に唾液の採取だけで、およそ1050種類の病気に罹[かか]る可能性を100%、50%、25%、0%と4段階で表示するらしい。要は両親の劣性遺伝子の組み合わせ次第ということだが、本当にそんな形で我々が命を選択していいのだろうか。
 どうしても憶[おも]いだしてしまうのは、昨年7月に起きた「津久井やまゆり園」での大量殺傷事件である。犯行に及び、刑事責任能力があるとされた植松聖被告は、明らかに「障害者なんていなくなればいい」と心底思っていた。その点については揺るぎない自信さえ感じさせたはずである。事件は多くの人々に衝撃を与えたが、同じ考え方を事前にやさしげに実行する検査は問題ないのだろうか。
 所詮[しょせん]、人類の福祉の向上のためではなく、商売のために考えだされたアイテムだから、受けたい人だけ受ければいいという意見もあるだろう。しかし私は、それがあるとないとで社会の在り方が根底から変わるような問題については、企業にも倫理観を求めたい。
 「授かりもの」とか「ご縁」という日本人の考え方は今や風前の灯火[ともしび]。経済のために人間がどこまで傲慢[ごうまん]になり、どれほど優生思想を進めるつもりなのか、私にはそれが気がかりなのだ。
 アメリカでは2008年、「遺伝子差別禁止法」が成立しているが、この国には何の歯止めもない。世の中の役に立つ「有用さ」や経済効率ばかり優先されれば、やがては障碍[しょうがい]者だけでなく、老人や子供の居場所もなくなってしまうだろう。

( 2017/05/28 09:02カテゴリー:日曜論壇 )福島民報

=みんなの掲示板=

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【きょうの催し】

 初心者のためのバードウオッチングin東よか干潟(佐賀市東与賀町の東よか干潟)◆久保田特産物直売所味らん館開店24周年記念セール(佐賀市久保田町の久保田特産物直売所・味らん館)◆名護屋城跡並びに陣跡 史跡探訪会(唐津市鎮西町の茶苑海月駐車場集合)◆第37回たけお音楽祭(武雄市武雄町の武雄市文化会館)◆フラメンコショー(佐賀市松原のロレッタ)◆保養村ほたるまつり(武雄市武雄町の保養村)◆菊作り教室(佐賀市松原の佐嘉神社)◆全日本総合男子ソフトボール大会県予選(6月11日も、武雄市)

【巡回車】

29日

 ◆胃がん・子宮がん・乳がん・大腸がん・肺がん検診 8時=佐賀市・成人病予防センター事業所(予約制、子宮がん検診なし)▽8時半=小城市・牛津保健福祉センターアイル(乳がん検診のみ要予約、子宮がん検診は10時開始)▽8時45分=唐津市・文化体育館(予約制、子宮がん検診なし)

 ※検診についての問い合わせは各市町担当課へ。

【行政・人権相談】

◆行政相談

6月1日 佐賀市三瀬公民館(9時半~正午)▽佐賀市富士支所(10時~正午)▽佐賀市川副支所(9時~正午)▽多久市役所(10時~15時)▽神埼市脊振支所(9時~正午)▽神埼市千代田支所(13時~16時)▽神埼市役所(13時~16時)▽三田川健康福祉センターふれあい館(13時半~16時)▽東脊振農村環境改善センター(9時半~正午)▽基山町民会館(13時~16時)▽みやき町三根庁舎(9時~正午)▽武雄市北方支所(9時~正午)▽唐津市七山公民館(9時~正午)▽唐津市厳木市民センター(9時~正午)

2日 佐賀市役所(13時半~16時半)

◆人権相談

6月1日 佐賀市ほほえみ館(10時~16時)▽佐賀市大和町老人福祉センター(10時~正午)▽佐賀市富士支所(10時~正午)▽佐賀市三瀬公民館(9時半~正午)▽佐賀市川副支所(9時~正午)▽佐賀市久保田老人福祉センター(13時半~15時半)▽鳥栖市役所(9時半~15時半)▽基山町民会館(13時~16時)▽みやき町北茂安こすもす館(9時~正午)▽みやき町中原庁舎(9時~正午)▽みやき町三根庁舎(9時~正午)▽上峰町役場別館(9時~正午)▽神埼市役所(13時~16時)▽神埼市千代田支所(13時~16時)▽神埼市脊振支所(9時~正午)▽吉野ヶ里町三田川健康福祉センター(13時半~16時)▽吉野ヶ里町農村環境改善センター(9時半~正午)▽多久市役所(10時~15時)▽小城市役所別館(13時半~15時半)▽武雄市役所北方支所(10時~15時)▽鹿島市民交流プラザかたらい(10時~15時)▽大町町公民館(10時~15時)▽嬉野市中央公民館(塩田公民館、9時~正午)▽嬉野市文化センター(9時~正午)▽伊万里市役所(10時~17時)▽有田町生涯学習センター(10時~17時)▽有田町庁舎別館(10時~17時)▽唐津市役所(13時~16時)▽唐津市浜玉町ひれふりランド(9時~正午)▽唐津市厳木市民センター(9時~正午)▽唐津市肥前市民センター(9時~正午)▽唐津市鎮西市民センター(13時~16時)▽唐津市七山公民館(9時~正午)

【イベント】

◆武雄温泉保養村ほたる祭特別イベント

 (28日、武雄市の武雄温泉保養村)正午からフリーマーケットや工作会、ビンゴ大会などを開催。15時からはカヌー体験、16時半からは浮立や吹奏楽などのステージイベントも。会場には軽食などの出店があり、温泉ハイツと森のリゾートホテルは100円で入浴でき、スワンボートは200円、手こぎボートは100円で利用できる。問い合わせは県立宇宙科学館内の事務局、電話0954(20)1666。

◆あそびフェスタ2017

 (6月3日9時、神埼市神埼町の日の隈公園グラウンド)西九州大学のESRDサークルが主催。子どもから大人、高齢者、障害者まで誰もが参加できる昔遊びやニュースポーツを一緒に楽しむ。参加費100円(保険代)。申し込み・問い合わせは電話0952(37)9281。

◆小城歩こう会6月例会

 (6月18日9時、佐賀市金立コスモス園集合)佐賀市金立コスモス園から金立山周辺まで約7キロのコースを歩く。一般参加者は運営賛助金として100円。雨具や水筒などは各自持参。東島さん、電話090(3075)5655。

【告知板】

◆司法書士による無料法律相談

 電話無料法律相談=毎週月・木曜18~20時、登記や相続、クレジット、サラ金問題、成年後見、遺言、少額訴訟など司法書士が行う業務に関する電話相談を受け付ける。

 専用ダイヤル0952(29)0635。問い合わせは県司法書士会、電話0952(29)0626(祝日を除く)。

◆成年後見・司法書士無料電話相談

 毎週火曜18~19時半。相続、借金(多重債務)、年金問題などの相談を受け付ける。

 専用ダイヤル0952(29)0635。問い合わせは成年後見センター・リーガルサポート、電話0952(29)0626(祝日を除く)。

◆法律相談センター電話相談

 県弁護士会所属の弁護士が電話相談を受け付ける。▽ナイター相談=毎週火曜17時半~19時半▽クイック相談=毎週土曜13~15時半、問い合わせは県弁護士会、電話0952(24)3411(平日9時~正午、13~17時)。

◆健康マージャン教室

 (6~10月までの毎週火曜、13時半~16時、佐賀市多布施の市隣保館)NPO法人「活気会」が、高齢者の健康、居場所づくりを目的に全20回開く。(お金を)賭けない、(お酒を)飲まない、(たばこを)吸わない-の「3ない」のルールで、NPO健康麻将(マージャン)全国会から地域指導員の認定を受けた講師が牌(ハイ)、役の種類など基礎から教える。おおむね60歳以上の男女で、初心者が対象。参加費6600円(20回分、テキスト代含む)、定員20人。申し込み・問い合わせは市隣保館、電話0952(29)9703。

2017年05月28日    佐賀新聞

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