Quantcast
Channel: ゴエモンのつぶやき
Viewing all articles
Browse latest Browse all 17470

兵庫は“赤信号” 信号老朽化、全国ワースト2位

$
0
0

 兵庫県内で信号機の老朽化が進んでいる。「信号の心臓部」と言われ、色をコントロールする「信号制御機」の更新期限は設置から19年とされているが、2015年度末で全体の33・7%が期限が過ぎている。厳しい財政状況の中、十分な予算措置が取れないことが背景にある。警察庁によると、都道府県別で福島県の35・6%に次ぐ高い数値となっており、故障によるトラブルが懸念されている。

 兵庫県警交通規制課によると、2015年の1年間で老朽化による信号機の不具合が8件発生。信号が消える「滅灯」が5件、点滅信号に変わる「閃光(せんこう)」が2件、色が変化しなくなる「現示停止」が1件あった。この不具合による事故はなかったという。

 県内に設置されている信号制御機の数は15年度末現在、7252基。うち、2447基が更新期限が過ぎており、最も古いものは1986年製で、30年以上も使用され続けている。

 同課によると、信号制御機1基あたりの更新費用は、安いものでも約100万円。信号機や交通標識などの交通安全施設の整備費用は、16年度は約19億円で、06年度の約38億円の半分に削減されている。同課の担当者は「財政難などで予算が確保できず、更新に十分な費用が充てられない」とする。

 15年度に更新した制御機は115基にとどまっており、このペースで推移すると、更新期限切れの制御機は2026年度には65・1%に増加するという。

 一方、制御機以外にも、信号を支える柱の老朽化も進む。12年9月には神戸市中央区の交差点で、信号機が倒れ、停車中の乗用車に接触する事故があり、柱の老朽化が原因とみられている。

 柱の更新時期は設置からおおむね40年で、15年度末時点で14・4%が期限切れ。海に近い場所では潮風の影響を受けており、町中でも犬などのふん尿で内部の腐食が進むという。一見して変化が分かりにくいため、県警では打音検査などを実施し、異常の早期発見に努めている。

 また、更新の遅れは、新たな機能の導入にも影響する。視覚障害者が持つ白杖(はくじょう)に反応し、「赤です」「青になりました」などの音声案内が流れる「白杖センサー」もその一つだが、03~07年度に計10カ所で設置されたのを最後に整備が進んでいない。

 担当者は「新しい機能の追加は難しいのが現状。トラブルを防ぐためにも、まずは古い制御機を計画的に更新していかなければならない」としている。

【神戸大学大学院工学研究科の井料隆雅教授(交通工学)の話】予算確保が難しい中、どの自治体も十分に整備が追い付いていないのが現状だ。大事なのは交通量が多く、危険度が高い場所など優先順位を決めて更新していくことだ。最近では、車両の通行域がドーナツ状になっている環状交差点など信号機を使わない運用も全国で始まっており、老朽化の心配がないメリットもある。

 

更新期限を既に迎えている旧式の信号制御機

2017/5/6   神戸新聞NEXT


Viewing all articles
Browse latest Browse all 17470

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>