大津市はこのほど、聴覚障害者の悩みや困りごとの相談に乗る「聴覚障害者相談員」を県内市町で初めて配置した。潜在化しやすい聴覚障害者の悩みを相談員が聴き、内容に応じて相談者と専門の相談窓口とをつなぐ「パイプ役」となる。
大津市ろうあ福祉協会によると、聴覚障害者が悩みを相談しようとしても、窓口が手話に対応していなかったり、筆談でやり取りできる内容に制限があるなど課題が多い。相談先を知る機会も少なく、障害者団体や手話通訳者に相談することが多いという。
同協会は、聴覚障害のある市内の高齢女性の「孤独死」をきっかけに、札幌市などで導入されていた相談員を市に要望してきた。
新たに配置された相談員には、自身も聴覚障害者の尾中浩治さん(51)が就いた。相談内容に応じ、病院や職業安定所、弁護士事務所などの相談窓口を紹介する。「情報が不足しがちな1人暮らしの高齢者からの相談が多くなると思う。相談窓口につなぐだけでなく、情報提供もしていきたい」と意気込む。同協会会長で、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長(61)は「行政は手話通訳者が相談を受ければいいと考えてきた。そうした状況を変える契機になれば」と期待する。
相談は月、木曜の午前9時15分〜午後4時。対象は大津市内在住の聴覚障害者。所定の申込書に相談日時や場所を書き、滋賀県立聴覚障害者センター(草津市)へファクス077(565)6101する。
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聴覚障害者相談員の尾中さん。行政やNPOなどの担当者が集まる会議で協力を呼び掛けた(大津市浜大津・明日都浜大津)
京都新聞-【 2013年05月02日 10時10分 】
大津市ろうあ福祉協会によると、聴覚障害者が悩みを相談しようとしても、窓口が手話に対応していなかったり、筆談でやり取りできる内容に制限があるなど課題が多い。相談先を知る機会も少なく、障害者団体や手話通訳者に相談することが多いという。
同協会は、聴覚障害のある市内の高齢女性の「孤独死」をきっかけに、札幌市などで導入されていた相談員を市に要望してきた。
新たに配置された相談員には、自身も聴覚障害者の尾中浩治さん(51)が就いた。相談内容に応じ、病院や職業安定所、弁護士事務所などの相談窓口を紹介する。「情報が不足しがちな1人暮らしの高齢者からの相談が多くなると思う。相談窓口につなぐだけでなく、情報提供もしていきたい」と意気込む。同協会会長で、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長(61)は「行政は手話通訳者が相談を受ければいいと考えてきた。そうした状況を変える契機になれば」と期待する。
相談は月、木曜の午前9時15分〜午後4時。対象は大津市内在住の聴覚障害者。所定の申込書に相談日時や場所を書き、滋賀県立聴覚障害者センター(草津市)へファクス077(565)6101する。

聴覚障害者相談員の尾中さん。行政やNPOなどの担当者が集まる会議で協力を呼び掛けた(大津市浜大津・明日都浜大津)
京都新聞-【 2013年05月02日 10時10分 】