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被災地障がい者センターみやぎ(仙台市)/阪神の反省、生かしたい

 指定避難所の学校体育館にバリアフリーのトイレがない。安否が把握されず、物資が届かない…。東日本大震災は、障害者を取り巻く環境の厳しさをあらためて浮き彫りにした。

<行政へ提言活動>

 次の災害の教訓にしてほしいと、質問や要望を通じて行政への提言活動を続けているのが「被災地障がい者センターみやぎ」だ。脳性まひの障害がある代表の及川智さん(34)は「障害者が何に困り、何が必要だったか、幅広く情報を集めて発信したい」と話す。
 センターは震災直後の2011年3月末、障害者支援の宮城県内14団体で結成された。障害者の自立生活をサポートするNPO「CILたすけっと」(仙台市太白区)に事務局を置く。
 たすけっとは、阪神大震災を機に被災障害者のために設立された「ゆめ風基金」(大阪市)の県支部でもある。たん吸引のカテーテルや酸素ボンベ、紙おむつなどの物資が全国の関係団体から続々と届けられた。
 障害者本人への配布はセンターの構成メンバーと、延べ1300人のボランティアが担った。センターの設立から半年間で、避難所と施設計41カ所に物資を届けた。

<把握は2割のみ>

 それでも支援団体が把握する障害者は、宮城県内全体の2割にすぎない。行政は、支援団体といえども障害者の個人情報を外に出せない。避難所で所在をつかめなければ、被災地域を歩いて障害者が身を寄せる場所を探し、必要な支援を聞き取った。
 地域によっては、家族が身内の障害を伏せていたり、支援を拒絶するなど、障害に対する偏見の根強さをうかがわせるケースもあった。
 今回の震災では、全住民に比べ障害者の死亡率が高かった。震災後、センターを訪れた関西出身のボランティアは「障害者が後回しにされた『阪神』の反省が生かされていない」と嘆いた。
 「ショックだった。障害者がまちづくりに参画し、誰にとっても住みやすい地域にしなければならない」。及川さんは誓いを新たにしている。

<メモ>被災地障がい者センターみやぎの構成団体は現在12。運営会議を月1回開いている。設立当初は物資配布のほか介助、入浴、送迎サービスなども手掛けた。連絡先は022(746)8012。石巻市にも事務所がある。

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センター事務局のパソコンを使い、インターネットで情報発信する及川さん=仙台市太白区

河北新報-2013年05月02日木曜日

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