障害者支援に取り組むNPO法人「プロジェクトゆうあい」(松江市)の中古本販売が好調だ。一般企業への就職が難しい障害者を支えようと昨年6月に始まり、ネット通販などで5月上旬までに約4700冊を売り上げた。参加したスタッフはやりがいを感じている様子で、今後は取り扱う書籍を増やして事業拡大を目指す。
ゆうあいは2004年に設立され、バリアフリーの促進や視覚、聴覚障害者向けの情報機器の開発などに取り組んできた。昨年5月、県から障害者の職業訓練などを行う就労継続支援施設としての指定を受けた。
古本販売もその一環で始めた。身体、知的、精神といった障害を抱えるスタッフ13人が参加。それぞれの技能に応じ、本の仕分けやクリーニング、値段付け、梱包(こんぽう)などを担当する。
スタートから加わっている青木豊さん(34)=松江市=は、対人関係がうまくいかず、印刷会社など10カ所近くを転々とした。だが、ゆうあいでは週5日働き、古本の回収やイベントでは販売もする。城北公民館ではゆうあいのスタッフが古本を持ち寄り、公民館の職員がコーヒーを販売する「ブックカフェ」も開催。青木さんは「人の喜びの中に自分の喜びが発見できる」と話す。
古本は市民の提供を受けている。スタート直後は在庫が少なかったが、活動が徐々に知られるようになり、本を持ち寄る人も増えた。これまで約250人から計2万2000冊の寄贈を受けたという。
◇松江で7カ所に本棚、無人販売も
インターネットの通販サイト「アマゾン」を通じ、これまで約2000冊を販売。昨秋からは市内のスーパー「みしまや」や松江生協病院など7カ所に本棚を設置し、無人販売も始めた。在庫数や種類が増えるほど販売も増える傾向という。売り上げは人件費などに活用している。当面の課題は保管場所の確保で、スタッフの増員も検討中だ。
県によると、松江市内では障害者向けの就労継続支援施設が計36カ所あるが、ゆうあいだけが古本販売に携わっている。
ゆうあい職員、川瀬篤志さんは「本が好きだから、本に囲まれたいといって就労を希望する人が多い。本をもっと買ってもらい、事業を活発化させたい」と期待を込める。
毎日新聞 2013年05月17日 地方版
ゆうあいは2004年に設立され、バリアフリーの促進や視覚、聴覚障害者向けの情報機器の開発などに取り組んできた。昨年5月、県から障害者の職業訓練などを行う就労継続支援施設としての指定を受けた。
古本販売もその一環で始めた。身体、知的、精神といった障害を抱えるスタッフ13人が参加。それぞれの技能に応じ、本の仕分けやクリーニング、値段付け、梱包(こんぽう)などを担当する。
スタートから加わっている青木豊さん(34)=松江市=は、対人関係がうまくいかず、印刷会社など10カ所近くを転々とした。だが、ゆうあいでは週5日働き、古本の回収やイベントでは販売もする。城北公民館ではゆうあいのスタッフが古本を持ち寄り、公民館の職員がコーヒーを販売する「ブックカフェ」も開催。青木さんは「人の喜びの中に自分の喜びが発見できる」と話す。
古本は市民の提供を受けている。スタート直後は在庫が少なかったが、活動が徐々に知られるようになり、本を持ち寄る人も増えた。これまで約250人から計2万2000冊の寄贈を受けたという。
◇松江で7カ所に本棚、無人販売も
インターネットの通販サイト「アマゾン」を通じ、これまで約2000冊を販売。昨秋からは市内のスーパー「みしまや」や松江生協病院など7カ所に本棚を設置し、無人販売も始めた。在庫数や種類が増えるほど販売も増える傾向という。売り上げは人件費などに活用している。当面の課題は保管場所の確保で、スタッフの増員も検討中だ。
県によると、松江市内では障害者向けの就労継続支援施設が計36カ所あるが、ゆうあいだけが古本販売に携わっている。
ゆうあい職員、川瀬篤志さんは「本が好きだから、本に囲まれたいといって就労を希望する人が多い。本をもっと買ってもらい、事業を活発化させたい」と期待を込める。
毎日新聞 2013年05月17日 地方版