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2013千葉市長選:県都の宿題/下 「福祉」 障害者の声を行政に /千葉

 ◇立ちはだかる財政難

 石畳様に敷き詰められた市道で、車椅子はガタガタと激しく揺れた。飲食店などが建ち並ぶ千葉市中央区富士見。7歳で脳出血を起こし、全身まひの清水洋明さん(26)=美浜区=の車椅子を押しながら、母典子さん(59)は「きれいだと思ってこんな舗装にしたんだろうけど、少しでも車椅子利用者のことを考えているのだろうか」と首をかしげた。

 清水さんは典子さんやヘルパーと外出して、スムーズに目的地にたどり着けることは珍しい。市中心部の歩道は凹凸が激しかったり、幅が非常に狭いことが多い。車椅子用トイレも手狭な所が大半だ。「お年寄りが使うコンパクトな車椅子だけを想定しているのではないか」と典子さん。

 市の「自慢」の一つであるモノレール(第三セクターが運営)もエレベーターが狭く、洋明さんの乗った車椅子を斜めにして、あと2人が乗り込むのが精いっぱい。モノレールから千葉駅でJRに乗り換えようとすると、百貨店(そごう千葉店)のエレベーターまで大きく迂回(うかい)するしかない。

    ◇

 市は現在、総事業費約753億円をかけて、千葉駅西口の再開発に力を入れる。その「顔」となる3棟の商業ビルは大成建設とロイヤルリースのJVが担当する。リーマン・ショックの影響で、一度は単独で名乗りを上げた大成が開発を撤回し、JV形式で再出発した経緯がある。そのせいか、市千葉都心整備室は「(厳しい経済下で)事業をしてくれるだけでもありがたい」と漏らす。

 同室は3棟のビルに「商業施設」という以外の条件を付けなかった。計画策定にあたって建築士ら専門家から意見は聞いたが、障害者に限らず、市民のニーズを把握しようとした形跡は乏しい。清水さんは「建物をつくる時、障害者を会議に入れるなどして一緒に考えるようにしてほしい」と願う。

    ◇

 清水さんが運営する小規模作業所は「市心身障がい者ワークホーム等連絡会」の構成団体だ。同会を含む心身の障害者らでつくる四つの団体は市長選告示後の17日、3人の候補者に福祉政策を問う演説会を開いた。

毎日新聞 2013年05月24日 地方版

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