県教育委員会の男性理事が5月28日に県立学校の教頭ら向けに行われた研修会で講演し、「幼いころに障害のある友だちと遊んでいて、どもっているのがうつった」と発言していたことが分かった。当事者への配慮を欠くと受け取られかねない発言だが、理事は西日本新聞の取材に対し、「友人と長い間、一緒にいると方言がうつるという意味だった。差別する意図はなかったが、誤解を招いたとすれば申し訳ない」と釈明した。
理事は県教育庁ナンバー3。研修会は篠栗町の県教育センターで開かれ、教頭や副校長ら約200人が参加。理事によると、自身が幼いころ人前で話すことが苦手だったことを紹介した際に発言した。ほかに「吃音(きつおん)とはどもることです」などと話したという。同センターは理事の「どもる」との表現を問題視し、講演後、参加者に「不適切な表現があった」と説明した。
言語障害のある人でつくる自助グループ「福岡言友会」の池田邦彦事務局長は「吃音障害者と長期間話した人が吃音になるという科学的根拠はない。『うつる』とは障害のある人を傷つける言葉だ」と批判している。
=2013/06/04付 西日本新聞朝刊=
理事は県教育庁ナンバー3。研修会は篠栗町の県教育センターで開かれ、教頭や副校長ら約200人が参加。理事によると、自身が幼いころ人前で話すことが苦手だったことを紹介した際に発言した。ほかに「吃音(きつおん)とはどもることです」などと話したという。同センターは理事の「どもる」との表現を問題視し、講演後、参加者に「不適切な表現があった」と説明した。
言語障害のある人でつくる自助グループ「福岡言友会」の池田邦彦事務局長は「吃音障害者と長期間話した人が吃音になるという科学的根拠はない。『うつる』とは障害のある人を傷つける言葉だ」と批判している。
=2013/06/04付 西日本新聞朝刊=