障害者支援施設の職員たちが、実現させたい夢を発表する「知的・発達障がい者福祉サポーターズ ドリームプラン・プレゼンテーション」(実行委員会主催)が、国立市谷保の同施設「滝乃川学園」で開かれ、東京、神奈川、長野、徳島の4都県の職員や施設長ら10人が来場者約300人を前に思いを語った。障害者福祉の現場としては初めての試みで、終了後も共感が広がっている。
ドリームプラン・プレゼンテーション(ドリプラ)は、社会貢献度や独自性の高い夢を語り、支援者を広げて実現につなげるイベント。企業支援会社が2007年に東京で初開催し、賛同者による地域や業界ごとに各地で広がってきた。「現場が変わるきっかけに」と障害者支援施設「町田福祉園」(町田市)の阿部美樹雄統括施設長が実行委員長となり、参加者らと年明けから準備してきた。
今月22日の本番、町田福祉園のマネジャー、斉田雄一さん(32)は「福祉と医療の壁を超える病院」をテーマに発表。移動に介助の必要な入所男性が園内で転んで骨折した際、受け入れ病院が翌朝まで見つからないまま寄り添った経験から「知的障害の人が24時間安心して医療を受けられる社会が夢」と語り、観客の投票で「感動大賞」に選ばれた。「声を出したり落ち着かなかったりなどで、障害の人が医療機関から受け入れてもらえない場合がある。現場のドクターの多くは何とかしたいと思ってくれており、つながれる仕組みが必要」と話す。
同様に「共感大賞」には、障害者一人一人の夢の実現をテーマに語った同施設「八王子平和の家」の支援スタッフ、冨松奈央さん(31)が選ばれた。働く希望があった入所女性が週1度、売店で勤め始めた経験を交え「自信を持ちにくい知的障害の方に、自分らしい自分を感じてもらうお手伝いはやりがいがある」と語る。
阿部さんは「私たちの目の前の仕事は大変だが、創造的でもある。発信することで実現へ手がかりを得ることもできる」と話す。
毎日新聞 2013年06月30日 地方版
ドリームプラン・プレゼンテーション(ドリプラ)は、社会貢献度や独自性の高い夢を語り、支援者を広げて実現につなげるイベント。企業支援会社が2007年に東京で初開催し、賛同者による地域や業界ごとに各地で広がってきた。「現場が変わるきっかけに」と障害者支援施設「町田福祉園」(町田市)の阿部美樹雄統括施設長が実行委員長となり、参加者らと年明けから準備してきた。
今月22日の本番、町田福祉園のマネジャー、斉田雄一さん(32)は「福祉と医療の壁を超える病院」をテーマに発表。移動に介助の必要な入所男性が園内で転んで骨折した際、受け入れ病院が翌朝まで見つからないまま寄り添った経験から「知的障害の人が24時間安心して医療を受けられる社会が夢」と語り、観客の投票で「感動大賞」に選ばれた。「声を出したり落ち着かなかったりなどで、障害の人が医療機関から受け入れてもらえない場合がある。現場のドクターの多くは何とかしたいと思ってくれており、つながれる仕組みが必要」と話す。
同様に「共感大賞」には、障害者一人一人の夢の実現をテーマに語った同施設「八王子平和の家」の支援スタッフ、冨松奈央さん(31)が選ばれた。働く希望があった入所女性が週1度、売店で勤め始めた経験を交え「自信を持ちにくい知的障害の方に、自分らしい自分を感じてもらうお手伝いはやりがいがある」と語る。
阿部さんは「私たちの目の前の仕事は大変だが、創造的でもある。発信することで実現へ手がかりを得ることもできる」と話す。
毎日新聞 2013年06月30日 地方版