現在の障害についての世界標準の基準といえるのは、WHOが1980年に発表した、「国際障害分類」です。
ここでは、障害を個人の特質としての「機能障害」
そのために生じる制約としての「能力低下」
その社会的結果である「社会的不利」
の3つのレベルに分けています。
例えば、同程度の「機能障害」があっても、暮らす国や環境次第で「社会的不利」には大きな違いがある。だから、先進国である北欧などでは、障害が全く障害でなくなる場合もあるのです。
また、スウェーデンなどでは、「障害とは、個人と環境の関わりから生じるもの」という考えが徹底され、場合によっては、妊婦や骨折した人なども、一時的に「障害がある」と判断され、必要に応じたサービスを受けることが可能です。
という具合に、北欧では「障害」の概念がはるかに広い上に、「障害者、健常者」の境界線もゆるやかなのです。
高齢者の人も年を重ねるごとに「機能障害」
そのために生じる制約としての「能力低下」
その社会的結果である「社会的不利」
があるわけで、日本は、障害のある人だけでなく、かなりの高齢者も「社会的不利」を被っているわけです。
また、外国人も機能障害はないですが、外国人に対しての法律がないということで、「社会的不利」を被っています。これらの問題は、根本は「社会的不利」という視点であって、決して別々の問題ではありません。年を取らない人はいません。外国人労働者も増えています。ノーマライゼーションとは、必ず全ての人に関係するものなのです。
■ ノーマライゼーションが浸透すると
【雇用面】
・働く人の増加
現在の日本は過剰に働いている人がいる一方で、高齢者、外国人、障害のある人など、働く場を求める人も多いのも事実です。また、少子高齢化を迎えるにあたり、外国人、障害のある人への仕事が増え、過剰に働いている人と仕事量が均等になれば、過労死・うつ病の減少や年金を支払う人の増加へつながります。
・ダイバーシティ経営
ユニクロの障害のある人の雇用は「顧客サービスの向上」(2004年5月3日日経新聞)と言っていました。つまり、弱点を補いあうことによって、お互いがお互いの不自由を感じ、得意な点を伸ばそうと他の従業員の支援意識が強まる。その気遣いは顧客へのきめ細かいサービスにつながり集客力が高まります。
人々の価値観の多様化、少子高齢化、グローバル競争などさまざまな変化が激しい現代、個々の持つ特徴、違いや発想を戦略的に仕事上で活用し、競争力を向上させるか否かはこのノーマライゼーションを受け入れるかどうかにかかっています。
【社会面】
・多種多様な人が相互に認められる社会になる
今後、高齢者、外国人、障害のある人、多種多様な人間が溢れる日本になります。しかし、皆さんは、上記のような人たちと、違和感なくコミュニケーションすることができるでしょうか?今ノーマライゼーションを理解すれば、誰とでもコミュニケーションできる社会になります。
その結果、高齢者と若者、外国人と日本人、障害のある人、ない人、障害のある人、高齢者等がお互いにコミュニケーションすることにより、今までの日本になかったムーブメント(運動)やイノベーション(技術革新)、今までの自分になかった考え方が身につく素晴らしい社会になります。
・将来、自分が住みやすい社会になる
自分がいつ障害をもつようになるかわかりません。また、「障害のある人は、高齢社会の水先案内人」と呼ばれ、障害のある人の自立センターがある市区町村は、ない市区町村に比べ、相対的に福祉サービスが整っているそうです。
つまり、今、障害のある人の問題を解決することは、将来、障害をもったり、年をとったりする自分のためなのです。
矢辺卓哉
ここでは、障害を個人の特質としての「機能障害」
そのために生じる制約としての「能力低下」
その社会的結果である「社会的不利」
の3つのレベルに分けています。
例えば、同程度の「機能障害」があっても、暮らす国や環境次第で「社会的不利」には大きな違いがある。だから、先進国である北欧などでは、障害が全く障害でなくなる場合もあるのです。
また、スウェーデンなどでは、「障害とは、個人と環境の関わりから生じるもの」という考えが徹底され、場合によっては、妊婦や骨折した人なども、一時的に「障害がある」と判断され、必要に応じたサービスを受けることが可能です。
という具合に、北欧では「障害」の概念がはるかに広い上に、「障害者、健常者」の境界線もゆるやかなのです。
高齢者の人も年を重ねるごとに「機能障害」
そのために生じる制約としての「能力低下」
その社会的結果である「社会的不利」
があるわけで、日本は、障害のある人だけでなく、かなりの高齢者も「社会的不利」を被っているわけです。
また、外国人も機能障害はないですが、外国人に対しての法律がないということで、「社会的不利」を被っています。これらの問題は、根本は「社会的不利」という視点であって、決して別々の問題ではありません。年を取らない人はいません。外国人労働者も増えています。ノーマライゼーションとは、必ず全ての人に関係するものなのです。
■ ノーマライゼーションが浸透すると
【雇用面】
・働く人の増加
現在の日本は過剰に働いている人がいる一方で、高齢者、外国人、障害のある人など、働く場を求める人も多いのも事実です。また、少子高齢化を迎えるにあたり、外国人、障害のある人への仕事が増え、過剰に働いている人と仕事量が均等になれば、過労死・うつ病の減少や年金を支払う人の増加へつながります。
・ダイバーシティ経営
ユニクロの障害のある人の雇用は「顧客サービスの向上」(2004年5月3日日経新聞)と言っていました。つまり、弱点を補いあうことによって、お互いがお互いの不自由を感じ、得意な点を伸ばそうと他の従業員の支援意識が強まる。その気遣いは顧客へのきめ細かいサービスにつながり集客力が高まります。
人々の価値観の多様化、少子高齢化、グローバル競争などさまざまな変化が激しい現代、個々の持つ特徴、違いや発想を戦略的に仕事上で活用し、競争力を向上させるか否かはこのノーマライゼーションを受け入れるかどうかにかかっています。
【社会面】
・多種多様な人が相互に認められる社会になる
今後、高齢者、外国人、障害のある人、多種多様な人間が溢れる日本になります。しかし、皆さんは、上記のような人たちと、違和感なくコミュニケーションすることができるでしょうか?今ノーマライゼーションを理解すれば、誰とでもコミュニケーションできる社会になります。
その結果、高齢者と若者、外国人と日本人、障害のある人、ない人、障害のある人、高齢者等がお互いにコミュニケーションすることにより、今までの日本になかったムーブメント(運動)やイノベーション(技術革新)、今までの自分になかった考え方が身につく素晴らしい社会になります。
・将来、自分が住みやすい社会になる
自分がいつ障害をもつようになるかわかりません。また、「障害のある人は、高齢社会の水先案内人」と呼ばれ、障害のある人の自立センターがある市区町村は、ない市区町村に比べ、相対的に福祉サービスが整っているそうです。
つまり、今、障害のある人の問題を解決することは、将来、障害をもったり、年をとったりする自分のためなのです。
矢辺卓哉