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Channel: ゴエモンのつぶやき
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知的障害者:逮捕されるたび驚き 名前変更「覚えない」

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 寄る辺のない累犯障害者が、短期間で名前を次々と変える「ネームロンダリング」の被害者になっていた疑いが浮上した。見も知らぬ養親、養子計27人との縁組を交わされていた男性(60)は、逮捕されるたびに自分の姓が変わっていることを知らされた。誰が何のために名前を利用したのか。「分からない」と男性は戸惑う。男性名義の口座は詐欺などの犯罪に使われた形跡があり、社会復帰を支援する福祉関係者は「どこかで犯罪集団にだまされてしまったのか」と推測する。

 男性は自治体や司法から手を差し伸べられず、路上生活と刑務所を往復してきた。今年4月、8度目の出所で初めて福祉の支援を受け、ようやく社会復帰への道が見えてきた。現在は東京都葛飾区の社会福祉法人「原町成年寮」が運営するグループホームに入居し、知的障害者らが働く給食センターに通う。配膳トレーの洗浄や施設の掃除などが主な仕事だ。周囲からは12回の改姓を経た今の名字で呼ばれている。「元の名前で呼ぼうか」。気遣う施設職員に、「ええよ……。戻るまでは」と笑った。26日に養子縁組無効確認訴訟を起こし、元の名を取り戻すことに期待する。

 「変に思うよ。何でだろうって。でも、しょうがない」。次々と名前が変わった人生を振り返り、男性は絞り出すように言った。誰かと役所に届け出に行ったり、書類を書かされたりした「覚えはない」と言い切る。2002年の最初の養子縁組は服役中に誰かが届け出ていた。記者が「本当の名前」を書いてくれるよう頼むと、きちょうめんな字でかつての氏名を書いた。

 関係者によると、四国の地方都市で生まれ育ち、中学卒業後に上京した。建設現場などを転々としたというが、30歳の頃に窃盗で初めて刑務所を経験。その後は、出所して仕事を見つけても長く続かず、上野公園などで路上生活を送り、生活苦などで万引きをしては捕まった。両親とは死別し、4人の兄弟からは連絡もないという。

 「施設にいたこともあるよ、昔。生活保護を……。だけどお金くれん。だから、頭にきて飛び出したわけよ」。断片的に単語をつなぐ男性。生活歴は判然としない部分が多い。

毎日新聞 2013年07月26日 08時33分(最終更新 07月26日 10時41分)

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