「ずっと苦しかった。事実を明かしてほしい」
第三者委員会が虐待被害者と認定したたんぽぽ元入所者男性の母は、毎日新聞の取材に応じ、声を振り絞るようにして話した。国は障害者施設で事故があった場合、家族や自治体に連絡するよう求めているが、虐待があったとされる昨夏、施設側から説明はなかったという。その後、他の入所者に暴力を振るったなどとして退所を求められ、今春から息子は別の施設で暮らす。
虐待情報は昨年11月、障害者虐待防止法に基づき、都と市に寄せられた。第三者委の報告などによると、息子は昨年8月17日、男性職員に馬乗りになられ、顔を数発から十数発殴打され、唇が切れるなどした。施設側は、息子が別の入所者とトラブルになり、ただした際に目を殴られたため、取り押さえたとしている。
だが、都によると、実際にけがをしたにもかかわらず、施設側は自治体にもこの「事故情報」を連絡していなかった。母親が知ったのは第三者委設置後の昨年12月だった。
施設に呼ばれた母親に告げられたのは、他の入所者に暴力を振るったため、何人かの職員が止めようとした時の出来事という経緯。「都から視察がきて落ち着いて支援ができない。一日も早く退去してくれ」「これ以上いられると困る」。職員に殴られた状況の説明はなかったという。
息子は、驚いた時などにパニック的な行動を取ることがあった。「うちの子だけが悪いのか……」。本当は何があったのか、という疑問は消えない。その一方で、家族の介護に追われ、40代となった息子の行き場もなくす不安が頭から離れなくなった。
今、息子は「施設にはやさしい先生もいたが、去年の夏ごろから暴力が増えた」と打ち明ける。「嫌だったけど、自分も悪いから……。お母さんには言えなかった。心配するから」
施設側は都に提出した報告で、第三者委の虐待認定について「やや事実と異なる」と反論した。母親は言う。「施設には今も苦しいと言えない人が大勢暮らしているのでは。簡単には変わらないと感じるが、事実と向き合い、一日も早く対応を改めてほしい」
毎日新聞-2013年08月02日 地方版
第三者委員会が虐待被害者と認定したたんぽぽ元入所者男性の母は、毎日新聞の取材に応じ、声を振り絞るようにして話した。国は障害者施設で事故があった場合、家族や自治体に連絡するよう求めているが、虐待があったとされる昨夏、施設側から説明はなかったという。その後、他の入所者に暴力を振るったなどとして退所を求められ、今春から息子は別の施設で暮らす。
虐待情報は昨年11月、障害者虐待防止法に基づき、都と市に寄せられた。第三者委の報告などによると、息子は昨年8月17日、男性職員に馬乗りになられ、顔を数発から十数発殴打され、唇が切れるなどした。施設側は、息子が別の入所者とトラブルになり、ただした際に目を殴られたため、取り押さえたとしている。
だが、都によると、実際にけがをしたにもかかわらず、施設側は自治体にもこの「事故情報」を連絡していなかった。母親が知ったのは第三者委設置後の昨年12月だった。
施設に呼ばれた母親に告げられたのは、他の入所者に暴力を振るったため、何人かの職員が止めようとした時の出来事という経緯。「都から視察がきて落ち着いて支援ができない。一日も早く退去してくれ」「これ以上いられると困る」。職員に殴られた状況の説明はなかったという。
息子は、驚いた時などにパニック的な行動を取ることがあった。「うちの子だけが悪いのか……」。本当は何があったのか、という疑問は消えない。その一方で、家族の介護に追われ、40代となった息子の行き場もなくす不安が頭から離れなくなった。
今、息子は「施設にはやさしい先生もいたが、去年の夏ごろから暴力が増えた」と打ち明ける。「嫌だったけど、自分も悪いから……。お母さんには言えなかった。心配するから」
施設側は都に提出した報告で、第三者委の虐待認定について「やや事実と異なる」と反論した。母親は言う。「施設には今も苦しいと言えない人が大勢暮らしているのでは。簡単には変わらないと感じるが、事実と向き合い、一日も早く対応を改めてほしい」
毎日新聞-2013年08月02日 地方版