「メーン!」「一本!それまで」
堺市の竹内晋さん(61)はヘルパーの介助を受けながら車椅子で6メートル四方の試合場を素早く動き回り、約120センチと長めの剣で健常者に面を打ち込んで勝利した。
大阪市長居障がい者スポーツセンター(東住吉区)で行われていた「ハンディスポーツチャンバラ同好会 長居陽炎党」の練習風景。竹内さんは「ルールが簡単でいろんな人と対戦できるのが楽しい」と笑顔を見せた。
スポチャンは一本勝ちとなる面・胴・突きのほか、手足に打ち込んでポイントを争う手軽なスポーツ。脳性小児まひの障害を持つ同会の土井俊次代表(57)が昨年4月、大阪府スポーツチャンバラ協会の協力を得て身体障害者向けルールを作成した。
車いす利用者は車いす前部両側に貼られた小旗を両方打ち落とされれば負け。視覚障害者であれば、ヘルメットに付けた装置が発する電子音や介助者の指示で相手の位置を把握し、健常者はアイマスクを装着して対戦する。
同好会のルールは健常者と障害者が対戦する府内のイベントで採用されるなど広まりつつあり、土井代表は「障害者でも簡単に遊べ、健常者とも交流できる」と話す。
10月の全国障害者スポーツ大会では、知的障害者のスポチャンが普及に向けた「オープン競技」に採用された。全国規模の大会はこれが初めて。ルールは健常者と同じで、定員100人で参加者を募集中だ。
東京都世田谷区の「世田谷ホップクラブ」は、発達障害の児童が対象のスポチャンサークル。不登校生らのボランティアに携わってきた村尾宏代表(58)が「ルールが自由なスポチャンなら興味を持つはず」と設立し、コミュニケーションが苦手な子供同士でも対戦できるようになった。
福井県坂井市のスポチャンサークル「チャンバラまるおか」の鍛治多恵代表(42)も「トランポリンを跳べなかった発達障害の子が、スポチャンを始めて半年で跳べるようになった。集中力が高まり、体の重心もしっかりしてくる」と話す。
日本スポーツチャンバラ協会の田辺哲人会長(70)は「障害者向けルールなどが試行錯誤の中で整備され、健常者と障害者の交流が進んでもっと発展していけば」と話している。
日本経済新聞--2013/8/14 12:22
堺市の竹内晋さん(61)はヘルパーの介助を受けながら車椅子で6メートル四方の試合場を素早く動き回り、約120センチと長めの剣で健常者に面を打ち込んで勝利した。
大阪市長居障がい者スポーツセンター(東住吉区)で行われていた「ハンディスポーツチャンバラ同好会 長居陽炎党」の練習風景。竹内さんは「ルールが簡単でいろんな人と対戦できるのが楽しい」と笑顔を見せた。
スポチャンは一本勝ちとなる面・胴・突きのほか、手足に打ち込んでポイントを争う手軽なスポーツ。脳性小児まひの障害を持つ同会の土井俊次代表(57)が昨年4月、大阪府スポーツチャンバラ協会の協力を得て身体障害者向けルールを作成した。
車いす利用者は車いす前部両側に貼られた小旗を両方打ち落とされれば負け。視覚障害者であれば、ヘルメットに付けた装置が発する電子音や介助者の指示で相手の位置を把握し、健常者はアイマスクを装着して対戦する。
同好会のルールは健常者と障害者が対戦する府内のイベントで採用されるなど広まりつつあり、土井代表は「障害者でも簡単に遊べ、健常者とも交流できる」と話す。
10月の全国障害者スポーツ大会では、知的障害者のスポチャンが普及に向けた「オープン競技」に採用された。全国規模の大会はこれが初めて。ルールは健常者と同じで、定員100人で参加者を募集中だ。
東京都世田谷区の「世田谷ホップクラブ」は、発達障害の児童が対象のスポチャンサークル。不登校生らのボランティアに携わってきた村尾宏代表(58)が「ルールが自由なスポチャンなら興味を持つはず」と設立し、コミュニケーションが苦手な子供同士でも対戦できるようになった。
福井県坂井市のスポチャンサークル「チャンバラまるおか」の鍛治多恵代表(42)も「トランポリンを跳べなかった発達障害の子が、スポチャンを始めて半年で跳べるようになった。集中力が高まり、体の重心もしっかりしてくる」と話す。
日本スポーツチャンバラ協会の田辺哲人会長(70)は「障害者向けルールなどが試行錯誤の中で整備され、健常者と障害者の交流が進んでもっと発展していけば」と話している。
日本経済新聞--2013/8/14 12:22