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Channel: ゴエモンのつぶやき
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障害者の講演サイト、寝たきり社長らが設立

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 障害者の講演活動を後押しするウェブサイトが立ち上がった。作ったのは重度障害者の若者と講演のプロたち。「抽象的に語られがちな『障害』『福祉』という言葉を具体的に伝え、社会の理解を深めたい」という。

 サイト名は「Astart(アスタート)」(http://a−start.jp/)。ウェブサイト・名刺制作会社「仙拓(せんたく)」(愛知県東海市)と、講演・研修のプロダクション会社「志縁(しえん)塾」(東京都中央区)の合同事業として7月中旬から始まった。

●元吉本興業の人材研修プロが後押し

 仙拓は、筋肉が徐々に衰える「脊髄(せきずい)性筋萎縮症」の若者2人が2年前に設立した。社長の佐藤仙務(ひさむ)さん(22)は寝たきりだが、インターネットを駆使して全国から受注している。今年2月、志縁塾の代表を務める大谷由里子さん(50)のフェイスブックに「自分も『障害があっても働ける』という思いを発信したい」とメッセージを送ったのがきっかけだ。

 大谷さんは吉本興業の元社員で、漫才芸人の故横山やすしさんのマネジャーを務めた。退社後、「人材活性プロデューサー」として人材研修などをしている。講演の研修も手がけ、会社員や看護師、医師ら1千人以上をトレーニングした。中には障害者やその家族らもいて、大谷さんは「介護のことや外出時の不便など伝えたいことは多い。でも、健常者は障害者と接する機会が少ない」と痛感していた。

 大谷さんはさっそく佐藤さんのもとを訪問。話し合った結果、「多くの障害者が講演できる仕組みを作れないか」と、ウェブサイトのアイデアが浮かんだ。

 今のところ、紹介する人材は佐藤さんを含めて4人。講演依頼もサイトで受け付ける。大谷さんが講師と依頼者との間で日程や報酬などを調整する。

 佐藤さんの講演テーマは「19歳で起業した寝たきり社長の奮闘記」。特別支援学校高等部を卒業する直前、作業所で働こうとしたが手作業ができないために断念し、自ら起業した。「与えられた環境の中でもくじけず、全力で生きることの大切さを発信したい」と佐藤さん。他の講演者は、「様々な学校教育を経験してきた立場から」「幸せのカタチ」といったテーマで話す。

 サイトの立ち上げには、「障害者でも働ける社会づくり」という目標もある。佐藤さんは「障害者が講演によって収入を得る環境をつくることで、目標に一歩前進する」と話している。

朝日新聞-2013年8月26日

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