東日本大震災で被災した障害者を追ったドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々」の自主上映会が、全国的な広がりを見せている。避難が遅れた上に避難所や仮設住宅でも支援が行き届かない「災害弱者」の実態が描かれ、各地の障害者や支援者の間で切実な問題として受け止められているからだ。横浜でも26日に上映され、飯田基晴監督=横浜市南区=らの講演会も開かれる。
飯田監督は2011年7月から約8カ月間、福島県沿岸部を中心に障害者を自宅や施設などに訪ね歩き、約10人に取材した。
いわき市内で一人暮らしをする首から下が動かない男性は、震災時はヘルパーが一緒で避難できたが、「一人だったら誰にも連絡できなかったかもしれない」と恐怖を感じたと明かす。
車いすで生活する女性は、避難先で横になれるベッドを確保できず、16日間車いすに座り続けるしかなかった。「とにかく家さ帰りたかった」。女性は涙ながらに声を絞り出した。
昨年の公開後、市民団体などが主催した上映会は、県内をはじめ東京や大阪、北海道など少なくとも21都道府県で約100カ所に上る。映画を見た障害者やその家族からは「自分だったらどう動くか考えさせられた」「(夫が通所する)施設の職員にも見てもらいたい」などの声が寄せられているという。
「直面した一人一人にとっては、どうしようもないことが多すぎた」と話す飯田監督は、「映画を通じて無力感を共有した上で、自分にできることを考えてほしい」と訴えている。
横浜市中区障害者自立支援協議会と同区障害者団体連絡会が主催する自主上映会は26日午後1時から、同区の市開港記念会館で行われる。上映後、飯田監督や映画に出演した身体障害者が講演する。入場無料(車いす席、手話通訳あり)。問い合わせは、中区障害者支援拠点「みはらしポンテ」電話045(628)1343。
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映画「逃げ遅れる人々」の一場面
カナロコ(神奈川新聞)-2013年9月24日
飯田監督は2011年7月から約8カ月間、福島県沿岸部を中心に障害者を自宅や施設などに訪ね歩き、約10人に取材した。
いわき市内で一人暮らしをする首から下が動かない男性は、震災時はヘルパーが一緒で避難できたが、「一人だったら誰にも連絡できなかったかもしれない」と恐怖を感じたと明かす。
車いすで生活する女性は、避難先で横になれるベッドを確保できず、16日間車いすに座り続けるしかなかった。「とにかく家さ帰りたかった」。女性は涙ながらに声を絞り出した。
昨年の公開後、市民団体などが主催した上映会は、県内をはじめ東京や大阪、北海道など少なくとも21都道府県で約100カ所に上る。映画を見た障害者やその家族からは「自分だったらどう動くか考えさせられた」「(夫が通所する)施設の職員にも見てもらいたい」などの声が寄せられているという。
「直面した一人一人にとっては、どうしようもないことが多すぎた」と話す飯田監督は、「映画を通じて無力感を共有した上で、自分にできることを考えてほしい」と訴えている。
横浜市中区障害者自立支援協議会と同区障害者団体連絡会が主催する自主上映会は26日午後1時から、同区の市開港記念会館で行われる。上映後、飯田監督や映画に出演した身体障害者が講演する。入場無料(車いす席、手話通訳あり)。問い合わせは、中区障害者支援拠点「みはらしポンテ」電話045(628)1343。
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映画「逃げ遅れる人々」の一場面
カナロコ(神奈川新聞)-2013年9月24日