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「先入観なくす第一歩」 健常者と座談会

 身体・精神障害者への偏見をなくすため、障害者らが健常者との座談会を開き、インターネットで公開する活動が大分市で始まった。発達障害とパーソナリティー障害がある植田謙一さん(44)は「障害者に接したことがない人ほど先入観がある」と感じ、実名で参加する。専門家によると、精神障害者がネットなどで実名を明かす例は全国的に珍しく、障害者への理解を促す活動として注目される。

 企画したのは植田さんと、福祉施設に出張する機会が多いメークセラピスト、葉月えみさん(43)。5月から医学生などを招いて会を重ね、4回目から動画共有サイト「ユーストリーム」で放送を開始。まちづくり情報やアートの発信地になっているフンドーキンマンションの一角にカメラとパソコンを設置し、毎回5、6人がテーブルを囲む。
 葉月さんは「誰しも障害を負うことはあり得るし、人ごとじゃない」と訴える。
 座談会では植田さんが「うそをつかれたと思うと怒りが止まらなくなる」と自らの障害について説明。「主張内容の正誤でなく、態度が変だと敬遠される。話の内容を聞いてほしいのに」と吐露した。参加者からは「経験から怒りを制御できるようになるのか」「人と違う反応をしてしまうのは性格なのか障害なのか」といった議論が起きた。
 電動車椅子の山崎貴子さん(35)も加わった。「障害があると街で助けてもらうためにいろんな人とコミュニケーションが取れる。“おいしい”」とユーモアを交えて話し、参加者の笑いを誘った。一方で「配慮してほしいところが的外れ。車椅子トイレが広いだけで欲しい機能がなかったりする」と指摘した。
 大分大学の広野俊輔講師(障害者福祉)は「ネットの普及で情報交換の場になっていた家族会の役割が衰退したが、新しいつながり方」と評価している。過去の放送は葉月さんがつくるビタミンメイクセラピー協会のフェイスブックサイトから視聴できる。
 
 発達障害は、生まれつき脳の発達の仕方が通常と違うため起こる。対人関係の障害や興味の偏りがある自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害などが含まれる。周囲の理解があれば、能力の凹凸を職業に生かせたり症状が改善したりする例もある。パーソナリティー障害は、大多数の人と異なる反応や行動をすることで本人や周囲が苦しむ場合に診断される精神疾患。ものの捉え方や衝動コントロールに偏りが生じる。年齢とともに症状が改善されるという。

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障害について話し合う座談会の参加者ら=大分市

大分合同新聞- [2013年11月21日 14:30]

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