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Channel: ゴエモンのつぶやき
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障害者が当たり前に働く社会を目指して 横浜であす音楽祭

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 障害のある人たちが中心になって企画運営する音楽祭「GCグランドフェスティバル0」が7日、横浜市中区の大さん橋ホールで開かれる。「障害者にもできることが多くあり、社会に貢献できる」ことを示そうと、デンマークのイベントを手本に日本バリアフリー協会(東京都千代田区)が初めて主催。クレイジーケンバンドが単独出演し、日本ではまだ例の少ない障害者主導のイベントの定着をめざす。 (皆川剛)

 イベントは、協会代表理事で岐阜県出身の貝谷(かいや)嘉洋さん(43)らが、一年半前から準備してきた。貝谷さんは生まれつき筋力が弱く、十歳の時に筋ジストロフィー症と診断され、十四歳で歩行できなくなった。

 二十四時間介助が必要な車いす生活の中で、自立を模索していた貝谷さん。大学卒業後、バリアフリー先進の街・米カリフォルニア州バークリーに留学し、介助者と契約して生活の基盤を整え、修士号を取得した。現地では日本と異なり、障害者が働いて自ら生計を立てることを前提に福祉が設計されていることに感銘を受けた。

 留学中の一九九九年には、デンマークで障害者団体が主催し二十万人を集める野外音楽祭「グリーンコンサート」に触れた。障害者と健常者が主張し合いながら働き、団体の活動資金を稼ぐ。「障害者への優しさよりも、対等であるがゆえの厳しさを感じた」

 グランドフェスティバルは、貝谷さんのこれらの経験を日本で実現する第一歩だ。二十〜五十歳代の肢体不自由の人ら約二十人が運営に参加。協賛企業の獲得、ホームページデザイン、映像撮影編集など、おのおのが得意分野で仕事をこなす。

 「音楽祭なので、ことさらに意義や社会性を打ち出すことはせず、楽しんでもらえるかどうかで勝負したい」。約九百席のチケットは完売。協会は来年以降の定着と拡大を見据える。

 貝谷さんは「障害者が働くイベントだからニュースになる。そんな状況を変えたい」と話す。厚生労働省によると、障害者の雇用は今年初めて三十万人を超えたが、依然「特別」という意識は根強い。障害者が健常者と同様、当たり前に働く社会がフェスのゴールだ。


フェスティバルを企画した貝谷さん=東京都千代田区で

2013年12月6日

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