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障害者医療講座開設へ 県、岐阜大医学部に新年度から

 胃ろうや人工呼吸器装着といった医療的ケアを受けながら自宅で暮らす重度の障害児を支えようと、県は二〇一四年度から三年間、岐阜大学医学部に障害者医療を学ぶ講座を開設する方針を決めた。重度障害児を診療する医師の育成が狙いで、人件費など開講の経費全額を県の寄付金でまかなう。障害者医療に関する寄付講座を都道府県が開設するのは愛知、熊本県に次いで三番目。

 県総合療育推進室によると、大学側が講師を選んで講座の対象学年と授業内容を決め、受講生には障害者医療に必要な知識や技術を身に付けてもらう。講師には、県運営の医療型障害児入所施設「希望が丘学園」(岐阜市)で臨床研究にも携わってもらう。

 在宅の重度障害児への医療支援は全国的に課題となっている。訪問診療を行う医師が少ない上、自宅近くの開業医にかかろうとしても、障害への知識が乏しいとして別の病院での診療を薦められる場合も。風邪など軽い症状でも掛かり付けの基幹病院まで通うケースが多く、障害児やその保護者の負担は大きい。

 愛知県の寄付講座に携わる名古屋大学大学院医学系研究科の三浦清邦教授は「大学では病気を治す教育に力を入れがちだが、治しきれない障害者を支える医療も必要」と強調。岐阜県も、若者に障害者医療に関心をもってもらうため講座開設を決めた。岐阜大とは三月に協定を結ぶ。

 県によると、県内には一〇年十月時点で、寝たきりで医療的ケアが必要な在宅の重度障害者が七十二人いて、その七割近くが二十歳未満だった。ただ一部に未把握の自治体があり、実際の人数はこれを上回るとみられる。

中日新聞 : 2014年1月8日

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