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Channel: ゴエモンのつぶやき
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孤立と無縁 交流喫茶

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◇羽曳野の福祉施設内「ひだまり」

 羽曳野市学園前にある福祉施設「四天王寺悲田院」で、地域住民がサロンとして運営する喫茶「ひだまり」が、福祉関係者から注目を集めている。憩いの場としてのサロンは住民同士の交流にとどまりがちだが、「ひだまり」では、同院のお年寄りや障害のある子供たちも加わり、幅広い交流が広がっている。市も「高齢者や障害者が地域社会とつながりを持つ貴重な場所」として期待している。

 「この本、面白かったよ」「この前、撮った写真を見て」。約25平方メートルの店内に用意された20席は満席で、利用者はコーヒーを飲みながら会話を弾ませた。常連という近くの無職長谷川勉さん(83)は「ここで知り合いが増えた。友達と健康のことや世間話に花を咲かせるのが何よりも楽しい」。

 「ひだまり」は昨年4月、同院ケアプランセンター1階に開設。埴生南小学校区の住民らがつくる校区福祉委員会が運営している。メニューはドリンクだけで、菓子付きのコーヒー、紅茶、ジュースは各100円、緑茶は50円。約30人いるスタッフは全員が住民ボランティアだ。

 同院には、特別養護老人ホームや児童発達支援センターなどが同じ敷地内に併設されている。このため、施設に入所するお年寄りの音楽会や絵画展示会が「ひだまり」で開催されたり、施設職員が、発達障害の子供を連れて遊びに来たりして、住民と施設側との交流が生まれている。

 同院職員で「ひだまり」の運営にも加わる大野真太郎さん(28)は「障害者の理解につながるし、施設のお年寄りたちは、地域の人と話すことで心が癒やされる」と話す。

 高齢者の孤立を防いだり、地域コミュニティーを強くしたりする目的で、同市では、他の六つの校区福祉委員会も公民館や集会所などで、それぞれサロンを開催している。しかし、利用者のほとんどは地域の高齢者だという。

 府内にも住民が運営するサロンは多く存在するが、府社会福祉協議会(大阪市)は「大半は住民同士の交流にとどまっている。『ひだまり』のように福祉施設との行き来があったり、住民に加え、障害のある子供やその親が集まったりするサロンは、今後のモデルケースになる」と評価する。「ひだまり」の取り組みは、全国版の福祉雑誌でも紹介された。

 今後は、同院にある保育園の園児らにも「ひだまり」を利用してもらいたいといい、大野さんは「地域の人と力を合わせ、さらに幅広い世代が楽しめる憩いの場にしていきたい」と意気込んでいる。

 ひだまりは毎週火、木曜日の午後2〜4時に開店。問い合わせは、同院ケアプランセンター(072・957・3731)へ。


喫茶「ひだまり」で談笑するお年寄りら(羽曳野市学園前で

(2014年2月11日 読売新聞)

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