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難病と闘う 輪島・北岡さん 夢の自立へ第一歩

カフェで接客、レジ係

 筋肉の中に骨ができ、体の自由が奪われる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」と闘う北岡幸美さん(29)=輪島市名舟町=が、市内の障害者支援施設内のカフェで働くことになった。内職の経験はあるが、自宅外で働くのは初めて。北岡さんは「働くチャンスをいただき感謝します。私の夢は一人暮らし。かなうように頑張る」と意欲をみせる。(松瀬晴行)

 三歳で発症。原因は分からない。体の可動域は上半身から徐々に狭くなった。家族と友人に支えられ、地元の小中学校、県立高校を卒業。その後、内職で自動車部品の組み立てを経験した。黙々と同じ作業を繰り返す日々。「仕事より、話し相手がいない状況がつらかった」。それでも二年間、やり抜いた。

 その後は難病指定に向けた署名活動や講演に奔走した。いろんな場所で、いろんな人と出会った。「何でもいいから働きたい。自立したい」。そんな思いが募っていった。その一方、特に地方では身体障害者が働ける場所があまりに少ないとも感じていた。

 そうした中、輪島市内で今年一月、障害者に就労機会などを提供する多機能型施設「一互一笑(いちごいちえ)」が開設。施設を運営する社会福祉法人から声を掛けられ、カフェでレジ係や接客に携わるチャンスを得た。

 施設側と制服やインテリアなどについて意見交換した。書道四段の腕前を生かし、メニュー表の作成を任された。スマートフォンで字体を探し、和紙に筆を走らせ、おしゃれなメニュー表を完成させた。

 「これまでのすべての経験が、私にとって長い、長い、就活だったのかな」と笑う北岡さん。「輪島を障害者が暮らしやすい街にしたい。そうなれば高齢者も、子育てをする人も、みんなが暮らしやすい街になるから」と目を輝かせる。

 多くの友人が「幸美、頑張って。行くからね」と声を掛けてくれる。カフェは二十二日、プレオープンする。

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得意の書道を生かして作成したメニュー表を手に、笑顔をみせる北岡さん=輪島市名舟町で

中日新聞-2014年2月22日

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