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発達障害「工夫」事例集に 社員の心の健康管理

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 「いくら怒ってもささいなミスを繰り返す部下」「なかなか話がかみ合わない得意先」−。仕事で出くわすそんな場面を解消し、企業の業績アップや社員の心の健康管理につながる手段として、発達障害者たちが蓄積してきた工夫が注目されている。大阪の当事者団体らが事例集を作成。人事管理の専門家からは、発達障害者らを生かせる組織の利点を指摘する声が上がった。

■凸凹踏まえた指示

 「発達凸凹を理解する視点は、企業にとってうつ病といったメンタルヘルスのトラブル予防策として使える」

 今月3日、働きやすい職場環境づくりをテーマに大阪市内で開かれたセミナーでこう指摘したのは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの組織人事戦略部チーフコンサルタントの藤原崇氏。

 ここでの発達凸凹とは、理解力、記憶力といった認知機能の特性や、注意力、集中力にかかわる行動特性の度合いを指す。

 人には多少なりとも凸凹があり、その度合いは人それぞれ違うため、記憶力の凹が大きい人に凸の人と同じ指示の出し方をしてもミスにつながりやすい可能性がある。藤原氏によると、凸凹を踏まえずに叱り続け、部下がうつ病を発症するなどのケースがみられるという。

 そこで注目したのが、発達障害の当事者団体らが蓄積してきた凸凹の見極め方や個別の対応方法。それらを理解し、発達障害者を生かせるようになれば「管理職クラスのコミュニケーション力向上にもつながる」と指摘し、「企業間で連携して仕事をする際、さまざまな人たちとコミュニケーションを取っていく場合にも役立つ」と力を込めた。

■13項目アドバイス

 セミナーを主催したのはNPO法人「発達障害をもつ大人の会」(大阪市中央区)ら。本年度は、コミュニケーションが苦手な自閉症スペクトラム障害(ASD)や、不注意などが目立つ注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された発達障害者らがどのように工夫して働いているか調査し、冊子化を手掛けてきた。

 セミナーではその成果となる冊子『発達凸凹活用マニュアル2』の内容を紹介。当事者が苦手な13項目について、本人がすべき工夫と職場側へのアドバイスを実際の事例に基づいて解説している。

 「仕事の覚え方」では、当事者に「自己流のマニュアルを作る」方法を伝え、職場には「口頭だけでなく視覚で指示して」などと説明する。

 同法人の広野ゆい代表は「一人一人が自分の凸凹を知り、周りの人の凸凹を見てもらうことが企業にとってもプラスになる」と活用を呼び掛けている。

 【メモ】冊子はA5判、38ページ。3月末までには発行する予定で、ホームページ「ぴあさぽ!Deコンサル」(http://consul.piasapo.com/)から注文やダウンロードができるようにする。問い合わせは電話06(6223)5552、NPO法人「発達障害をもつ大人の会」へ。

2014年3月11日 大阪日日新聞

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