読み書きが不自由な高齢者や視覚障害者を支援しようと、岐阜市の点字図書館など全国の福祉施設でつくる日本盲人社会福祉施設協議会(東京)が、代読や代筆の仕方や注意点を紹介した本「高齢者と障害者のための読み書き支援」を出版した。行政や図書館、病院、銀行などで読み書き支援サービスを行う担当者向けの入門書で、同協議会がこうした本を出版するのは初めて。(青山丈彦)
視覚障害者らは、日常生活で文章が読みにくいなど読み書きに困ることが多い。自宅に届く郵便物をはじめ、回覧板やテレビ、電子レンジといった家電製品の取り扱い説明書、さらには外出先の行政や銀行の窓口での申請書など様々だ。そのため、事例やイラストも載せながら、支援する際の注意点をまとめた。
代読する際、支援者は視覚障害者らの横に並ぶか、L字に座り、はっきりとした発声を心がけると理解しやすい。ただし、単に大きな声は、音が割れて聞き取りにくい人も少なくないため、口をよく開くことが大切としている。
様々な人に聞いてもらう音訳は、標準語の発音を求められるが、代読は理解しやすければ、その地域の方言でもいい。視覚障害者の意思を確認しながら行うことが重要という。
一方、契約書や申請書の代筆には、司法書士や弁護士などの資格が必要な場合が多いため、注意を喚起している。
本を作製したのは、同協議会の情報サービス部会。点字図書館などを運営する「視覚障害者生活情報センターぎふ」(岐阜市)の高橋秀夫館長(63)が編集委員長を務めた。高橋館長は「自立を目指す視覚障害者への理解を深めてもらい、読み書き支援サービスをする際に役立ててほしい」と話した。今後、点字図書館向けに音声用のCDや点字用の本も製作する予定だ。
B5判172ページで、1600円(税抜き)。出版社は小学館。問い合わせは同センターぎふ(058・263・1310)、同協議会(03・6240・1452)。
(2014年3月17日 読売新聞)
視覚障害者らは、日常生活で文章が読みにくいなど読み書きに困ることが多い。自宅に届く郵便物をはじめ、回覧板やテレビ、電子レンジといった家電製品の取り扱い説明書、さらには外出先の行政や銀行の窓口での申請書など様々だ。そのため、事例やイラストも載せながら、支援する際の注意点をまとめた。
代読する際、支援者は視覚障害者らの横に並ぶか、L字に座り、はっきりとした発声を心がけると理解しやすい。ただし、単に大きな声は、音が割れて聞き取りにくい人も少なくないため、口をよく開くことが大切としている。
様々な人に聞いてもらう音訳は、標準語の発音を求められるが、代読は理解しやすければ、その地域の方言でもいい。視覚障害者の意思を確認しながら行うことが重要という。
一方、契約書や申請書の代筆には、司法書士や弁護士などの資格が必要な場合が多いため、注意を喚起している。
本を作製したのは、同協議会の情報サービス部会。点字図書館などを運営する「視覚障害者生活情報センターぎふ」(岐阜市)の高橋秀夫館長(63)が編集委員長を務めた。高橋館長は「自立を目指す視覚障害者への理解を深めてもらい、読み書き支援サービスをする際に役立ててほしい」と話した。今後、点字図書館向けに音声用のCDや点字用の本も製作する予定だ。
B5判172ページで、1600円(税抜き)。出版社は小学館。問い合わせは同センターぎふ(058・263・1310)、同協議会(03・6240・1452)。
(2014年3月17日 読売新聞)