知的障害者らが財産管理などを代理人に委ねる成年後見制度で、生活が苦しい障害者について、代理人に対する報酬などを自治体などが助成する「成年後見制度利用支援事業」が義務化されたにもかかわらず、道内の35市町村が具体的な支援基準を定めた要綱や規則を設けていないことが北海道新聞の取材で分かった。要綱や規則がある自治体でも、55市町村は厚生労働省の指導に反し助成条件を厳しくしていた。
支援事業は2001年度に始まり、障害者自立支援法の改正に伴い、12年度から市町村に実施が義務づけられた。しかし、道内179市町村の半数の90市町村で体制が不十分な実態が明らかになった。
成年後見制度では、家庭裁判所に後見開始を申し立てる手続きに7万円程度、社会福祉士らが後見人になった場合の報酬に年間十数万円程度かかる。支援事業の助成内容は市町村によって異なるが、障害者が生活保護受給者などの場合、費用の一部または全額を助成するケースが多く、国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1を負担する。
要綱などの制定は義務化されていないものの、支援基準などを定めていないと実際には助成は困難とみられる。網走市など17市町村は14年度中に要綱を設ける方針。上川管内鷹栖町と同美瑛町は要綱はないが、助成費などの関連予算は計上している。助成の実績はない。残る16市町村は要綱制定のめども立っていない。これについて、夕張市は「(支援事業の)人員が確保できず、通常業務で精いっぱい」、釧路管内浜中町は「現時点で事業の要望や相談がない」と話す。
後見開始の申し立ては親族らが行うほか、本人に身寄りがなければ市町村長が実施する場合もある。ただ、市町村長の申し立ては全体の1割程度。厚労省は08年、いずれの場合も支援事業の対象とするよう全国に通知したが、実際には市町村長の申し立てだけを対象とするのが道内55市町村で、全体の3割に上った。
<北海道新聞3月24日朝刊掲載>
支援事業は2001年度に始まり、障害者自立支援法の改正に伴い、12年度から市町村に実施が義務づけられた。しかし、道内179市町村の半数の90市町村で体制が不十分な実態が明らかになった。
成年後見制度では、家庭裁判所に後見開始を申し立てる手続きに7万円程度、社会福祉士らが後見人になった場合の報酬に年間十数万円程度かかる。支援事業の助成内容は市町村によって異なるが、障害者が生活保護受給者などの場合、費用の一部または全額を助成するケースが多く、国が2分の1、都道府県と市町村が各4分の1を負担する。
要綱などの制定は義務化されていないものの、支援基準などを定めていないと実際には助成は困難とみられる。網走市など17市町村は14年度中に要綱を設ける方針。上川管内鷹栖町と同美瑛町は要綱はないが、助成費などの関連予算は計上している。助成の実績はない。残る16市町村は要綱制定のめども立っていない。これについて、夕張市は「(支援事業の)人員が確保できず、通常業務で精いっぱい」、釧路管内浜中町は「現時点で事業の要望や相談がない」と話す。
後見開始の申し立ては親族らが行うほか、本人に身寄りがなければ市町村長が実施する場合もある。ただ、市町村長の申し立ては全体の1割程度。厚労省は08年、いずれの場合も支援事業の対象とするよう全国に通知したが、実際には市町村長の申し立てだけを対象とするのが道内55市町村で、全体の3割に上った。
<北海道新聞3月24日朝刊掲載>