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Channel: ゴエモンのつぶやき
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衣料開発:障害者もおしゃれ楽しみたい 車椅子生活の女性が研究

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 車椅子の生活になっても普通の服を着られると思いがちだが、座ると体の形状が変わるので窮屈だったり、下半身に感覚がないためシワや縫い目が床ずれにつながったりしやすい。そのため好みは問わず、着られる服を着ることが多い。障害を持つ人がおしゃれを楽しめる社会を目指して研究が続いている。

 千葉県の中澤恵子さんは25歳の時、スノーボードの事故で背骨を強く打ち、下半身が動かなくなった。リハビリを始めるころ、以前はいていたジーパンが「太ったわけではないのにすごくきつい」と感じた。

 中澤さんは文化服装学院(東京都渋谷区)でデザインを学んだ。きつい理由を考えると、座るとお尻の下の皮膚が伸びるので、背中側の生地が足りない▽腹筋が落ち、内臓が下がっておなか回りが太くなっている▽感覚のない足が生地を押さえてしまう−−ことが思い当たった。

 スカートも同じ。後ろの生地が足りないのでめくれ上がり、前には布がたまる。洋服を買いにいっても試着はできない。「私は自分で既製服に生地を足したりしているが、みんなどうしているんだろう」と考え、患者会で調査し、メーカーの障害者用衣料の開発に携わる。

 埼玉県所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター(国リハ)では昨年から、車椅子の障害者を中心にしたファッションショーが開かれている。文化服装学院の文化・服装形態機能研究所が計測して服を作る。ボトムの対応だけでなく、着崩れないようにスーツのジャケットを短くしたり、手が不自由な場合は上着に面ファスナーなどを付けたりして工夫する。

 主任研究員の高見澤ふみさんは「障害に合わせて一人一人に細かい配慮が必要だと感じた」と話す。国リハ研究所障害工学研究部長の小野栄一さんは「ショーを開くことで、広く関心を持ってほしい。障害者10+件がおしゃれを楽しむには、開発した衣料の価格を下げることも必要だ」と話す。将来的には、障害者10+件とメーカー、研究機関がつながるネットワーク構築を目指す。

 今年のショーは12月19日午後1時半、国リハ新講堂で。9人がカジュアルな服で登場する。おしゃれ講座や展示もある。無料。問い合わせは国リハ電話04・2995・3100。
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 ◆車椅子の方向けの服◆

 ◇ピロレーシング

 事故で手足が不自由になった自動車レーサーの長屋宏和さんが設立したブランド。お尻の布を1枚にして負担を少なくしたデニムやウエディングドレス、レインコートなど。アトリエロングハウス電話03・6276・1418。

 ◇北海道トンボ

 オーダーメードのフォーマルスーツ、上半身に障害があっても着やすいように脇にファスナーを付けたシャツ、かかとを面ファスナーにして履きやすくした靴など。電話011・742・2540。

 ◇エンゼルキッズウェア

 幼稚園から中学生を対象に介護服に見えないカジュアルな色遣いやデザインの服。種類も多く大人の愛用者も。パンツはおむつ着用者に配慮している。東京エンゼル本社電話0120・167・177。

毎日新聞 2012年11月29日 東京朝刊

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