東日本大震災を機に各被災地に開局した臨時災害FM局(臨災局)が、視覚障害者の欠かせないツールとなっている。既存メディアでは伝えきれない地域の情報や話題をきめ細かく知ることができ、放送を通じて交流が広がるケースもある。亘理町では、番組内で重い視覚障害のリスナーの詩に地元のミュージシャンが曲を付けて歌う企画があった。
同町の主婦斎藤たみ子さん(56)は16年前に緑内障の悪化で視力を失った。外出の機会が限られる中、ラジオで臨災局「FMあおぞら」の番組を聴くのが日課だ。
「自宅でずっとFMをかけている。町内の天気や町広報などの情報が細かく分かり、私には心強い味方」と頼りにする。
自宅は震災の津波で床上浸水した。斎藤さんは巡回に訪れた民生委員の車で避難し、家族が掃除を終えた2週間後に自宅に戻った。震災から13日後に開局した同局が、当初からライフラインの復旧や商店の再開などの生活情報を知るほぼ唯一の手段だった。「毎日、食い入るように聴いて情報を集めた」と振り返る。
現在は生活情報のほか、日曜放送の「わたりミュージックサークル」を楽しみにしている。地元のアマミュージシャン3人が弾き語りやトークを繰り広げる音楽番組だ。
「地元の方の楽しい掛け合いで笑顔になれる。いい時間を届けてくれる感謝の思いを伝えたい」。作詞が趣味の斎藤さんは、音声読み上げ機能が付いた携帯電話で詩を入力する方法により、番組宛てに5編を電子メールで送信した。
10日の同番組の中で、このうち1編が3人の作編曲で披露された。
「たった一人のために 今聴いている誰かのために なんて素敵(すてき)な日曜日」
タイトルは「素敵な日曜日」。明るい曲調に仕上がった歌に、スタジオで観覧した斎藤さんは笑顔で耳を傾けた。
3人とは初対面。ミュージシャンの一人、山元町の菅沢広志さん(48)からは「詩の情景が鮮明に見えた」と高く評価された。斎藤さんは「家に一人でいても、臨災局を通じて出演者やリスナー同士でつながることができる。ラジオの力をあらためて知った」と喜ぶ。
2014年08月16日土曜日 東北ニュース
同町の主婦斎藤たみ子さん(56)は16年前に緑内障の悪化で視力を失った。外出の機会が限られる中、ラジオで臨災局「FMあおぞら」の番組を聴くのが日課だ。
「自宅でずっとFMをかけている。町内の天気や町広報などの情報が細かく分かり、私には心強い味方」と頼りにする。
自宅は震災の津波で床上浸水した。斎藤さんは巡回に訪れた民生委員の車で避難し、家族が掃除を終えた2週間後に自宅に戻った。震災から13日後に開局した同局が、当初からライフラインの復旧や商店の再開などの生活情報を知るほぼ唯一の手段だった。「毎日、食い入るように聴いて情報を集めた」と振り返る。
現在は生活情報のほか、日曜放送の「わたりミュージックサークル」を楽しみにしている。地元のアマミュージシャン3人が弾き語りやトークを繰り広げる音楽番組だ。
「地元の方の楽しい掛け合いで笑顔になれる。いい時間を届けてくれる感謝の思いを伝えたい」。作詞が趣味の斎藤さんは、音声読み上げ機能が付いた携帯電話で詩を入力する方法により、番組宛てに5編を電子メールで送信した。
10日の同番組の中で、このうち1編が3人の作編曲で披露された。
「たった一人のために 今聴いている誰かのために なんて素敵(すてき)な日曜日」
タイトルは「素敵な日曜日」。明るい曲調に仕上がった歌に、スタジオで観覧した斎藤さんは笑顔で耳を傾けた。
3人とは初対面。ミュージシャンの一人、山元町の菅沢広志さん(48)からは「詩の情景が鮮明に見えた」と高く評価された。斎藤さんは「家に一人でいても、臨災局を通じて出演者やリスナー同士でつながることができる。ラジオの力をあらためて知った」と喜ぶ。
2014年08月16日土曜日 東北ニュース