市川市の小型家電リサイクルに、社会福祉法人市川レンコンの会(市川市下新宿)が運営する障害者支援施設と県立特別支援学校市川大野高等学園(同市大野町)が新たに加わった。知的障害を持つ若者が小型家電を分解し、売却益は若者たちの収入になる。小型家電リサイクルで自治体と障害者らが連携するのは、県内では船橋市に次いで2例目。
市川市では2013年11月から本庁舎、行徳支所、公民館など22か所に回収ボックスを設置し、市民から小型家電の回収を始めた。清掃業者でつくる市清掃業協同組合が今年4月から、集まった家電をレンコンの会と大野高等学園に搬入している。解体・分別された小型家電は同組合を通して材料別に再生事業者に引き渡され、売却益は解体・分別を担当した本人に支払われる。
レンコンの会が運営する同市末広の知的障害者の福祉作業所では、今年6月から本格化させ、2〜4人が解体・分別を行っている。パソコンはデスクトップなら4台、ノートなら6台が1日の目標だ。
船橋市は今年2月から、障害者らと連携して小型家電リサイクルに取り組み、成果を上げている。スタート当初に比べ、持ち込まれる家電が少なくなっているのが懸念されるという。
県障害者就労事業振興センターによると、障害者が小型家電の解体・分別に専念して得られる月額平均額は、県内で働く障害者の月額平均工賃(1万2519円)よりは高額だという。持ち込まれる家電が多ければ、障害者の収入増につなげられる。
レンコンの会の職業指導員前島隆之さんは「パソコンの廃棄で情報の流出を気にされる個人、企業が多いが、ハードディスクの返却や処分の相談にも応じている。無償で引き取るので気軽に声をかけてほしい」と話している。問い合わせは、市川レンコンの会(047・395・6809)。
◇小型家電リサイクル
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、家庭用ゲーム機などを回収し、鉄やアルミ、金などを取り出して再利用する制度。「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(小型家電リサイクル法)」が2013年4月に施行され、自治体の取り組みが努力義務となった。小型家電にはレアメタルなどの金属資源が使用されており、解体・分別後に回収が可能になる。
2014年09月25日 読売新聞