高齢者や障害者、子育ての支援など地域課題に取り組む市民の悩みが活動資金だ。その資金を助成する「かわさき市民しきん」の設立を目指す集会が十月五日、川崎市内で開かれる。設立準備会の広岡希美(のぞみ)代表は「身近な暮らしの充実にお金を使う、お金の地産地消、新しいお金の流れをつくろう」と市民の参加、賛同を募っている。
広岡さんは、まちづくり支援のNPO法人「ぐらす・かわさき」の職員で、市民活動に詳しい。「団体独自に資金の寄付を募っているが、本来の活動をしながら寄付を集めるのは大変で、手伝いが必要だ」と思っていた。
二〇一一年から構想はあった。環境や教育などの分野で活動する会社員、学生らが仲間に加わり「機が熟した」と今年六月に準備会を発足させた。
集会で名乗りを上げ、基本財産、当初運営資金の約五百万円を集めて来年四月に財団法人を設立し、寄付金に税制上の優遇措置を受けられる公益財団法人を目指す。どこに寄付したらいいか分からない潜在的な寄付者を掘り起こし、「グローバル経済の中であっても、身近な暮らしの充実にお金を使う道を用意したい」と語る。
集会は川崎区駅前本町の川崎商工会議所を会場に午後二時から。一四年に愛知県から公益財団法人に認定された「あいちコミュニティ財団」(名古屋市)の木村真樹(まさき)代表理事が「地域内“志金(しきん)”循環モデルへの挑戦」をテーマに講演。広岡代表が事業計画を説明する。参加無料だが、申し込みが必要(先着百人)。問い合わせは設立準備会=電044(872)9325=へ。
「地元のお金が地元を良くするために使われる輪を用意したい」と語る設立準備会の広岡代表=川崎市で
2014年9月27日 東京新聞