市役所の食堂を障害者の就労の場に―。堺市が障害者の就労機会拡大と自立支援の一環で公募していた庁内食堂の事業者に、市内で授産施設などを運営する社会福祉法人が決まり、2日にリニューアルオープンした。
昨年11月、前の事業者が不採算を理由に撤退したため、市は障害者2人を雇用することを条件に賃料を2分の1に減額することにし、新たな事業者を公募していた。
新しい食堂「森のキッチン」は従業員14人のうち障害者2人を正式雇用し、5人が就労訓練の一環として働く。メニューは、うどんや丼物、日替わり定食など。市内九つの農業団体などと連携して地産地消をPRするほか、授産施設で生産した製品も展示・販売する。
オープンに先立ち関係者にお披露目された内覧会では、店長の増田靖さんが「堺の魅力を感じられ、堺が元気になるような食堂にしたい」と抱負を述べた。聴覚に障害がある松浦佐衣子さんはコーヒーなどを担当。「初めてのことでドキドキしているが、笑顔でおもてなししたい」と緊張した面持ちで話した。
竹山修身市長も「人の思いがいっぱい詰まった優しい食堂で、訪れる市民との交流の場になってほしい」と期待を示し、早速地元食材を使った料理に舌鼓を打っていた。
[時事通信社] 2015.02.03