水俣病を世界に知らせたドキュメンタリー映画「水俣 患者さんとその世界」(71年製作、2時間47分、土本典昭監督)の音声ガイド付き上映会が来年1月5日、相模原市南区の小田急相模原駅ビル4階おださがプラザで開かれる。「『水俣』を子どもたちに伝えるネットワーク」(田嶋いづみ代表)らが「視覚障害者が同じ情報と思いを共有できるように」とガイドの台本を作成した。
この映画は熊本県水俣市のチッソ水俣工場から流れ出た水銀汚染被害を追跡。汚染された魚介類を食べ水銀中毒の症状を訴える患者たちの苦悩を描いた。72年度ベルリン映画祭銀賞、73年度の第1回世界環境映画祭グランプリを獲得し、世界に「公害」を告発した記念碑的な作品だ。
田嶋さんらは視覚障害者と共に写真や映像を見る体験を重ね、「見えていないものを見せ、聞こえていないものまでも聞かせて、見る者同士の共感をはぐくむ」情景描写の伝達手法を学んできた。今年7月から始めた台本作りでは、撮影現場に同行した土本監督の妻基子さんから、映像の説明を受けた。
バリアフリー映画の音声ガイドづくりをしている全盲の舞台役者、美月めぐみさんらがモニターとなって表現方法を点検。映像シーンや登場人物の所作、字幕の朗読を含めて計417カ所の音声ガイドを付けた。田嶋さんらは水俣病被害を伝える取り組みの中で、視覚障害者のバリアフリー化を目指し10年2月に「音声サポート部会」を結成。音声ガイドは、新潟水俣病を追跡した記録映画「阿賀に生きる」に続いて4作目となる。
上映は5日午後1時半から、入場無料。問い合わせは音声サポート部会(042・745・0676)。
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音声ガイドの収録作業をする有山さん、西本さん、荒金さん、田嶋さん(左から)=相模原市内で26日
毎日新聞 2012年12月30日 地方版
この映画は熊本県水俣市のチッソ水俣工場から流れ出た水銀汚染被害を追跡。汚染された魚介類を食べ水銀中毒の症状を訴える患者たちの苦悩を描いた。72年度ベルリン映画祭銀賞、73年度の第1回世界環境映画祭グランプリを獲得し、世界に「公害」を告発した記念碑的な作品だ。
田嶋さんらは視覚障害者と共に写真や映像を見る体験を重ね、「見えていないものを見せ、聞こえていないものまでも聞かせて、見る者同士の共感をはぐくむ」情景描写の伝達手法を学んできた。今年7月から始めた台本作りでは、撮影現場に同行した土本監督の妻基子さんから、映像の説明を受けた。
バリアフリー映画の音声ガイドづくりをしている全盲の舞台役者、美月めぐみさんらがモニターとなって表現方法を点検。映像シーンや登場人物の所作、字幕の朗読を含めて計417カ所の音声ガイドを付けた。田嶋さんらは水俣病被害を伝える取り組みの中で、視覚障害者のバリアフリー化を目指し10年2月に「音声サポート部会」を結成。音声ガイドは、新潟水俣病を追跡した記録映画「阿賀に生きる」に続いて4作目となる。
上映は5日午後1時半から、入場無料。問い合わせは音声サポート部会(042・745・0676)。

音声ガイドの収録作業をする有山さん、西本さん、荒金さん、田嶋さん(左から)=相模原市内で26日
毎日新聞 2012年12月30日 地方版