◆全国初、県がモデル事業検討
岐阜県が新年度、手厚い医療的ケアの必要な重症心身障害児者の短期入所の受け入れ病院を確保するため、外部の訪問看護師が病院に出向いて障害児者に付き添うモデル事業を行う方向で検討していることが分かった。短期入所しやすいように環境を整え、介護などで目を離せない保護者の負担を軽減するのが狙いで、実現すれば全国初。県設置の地域医療対策協議会で提案した。
人工呼吸器や経管栄養を利用した障害児者らを受け入れ可能な病院は県内に12カ所あるが、圏域別では西濃、東濃、飛騨が各1カ所のみと、地域によっては身近に利用できる環境が整っていないのが現状。付きっきりでの看護が必要な障害児者もいるため、看護師不足を受け入れ困難な理由に挙げる病院もあった。
モデル事業の構想では、障害児者を総合病院が空きベッドで受け入れる。保護者から短期入所の利用申し込みがあった場合、病院側から提携先の訪問看護ステーションに看護師を病院へ短期で出向いてもらうよう依頼、障害児者に付き添ってもらう。出向く看護師は日ごろから対象児者の自宅を訪問するなどして症状を把握し必要な処置を熟知していることが前提となる。
モデル事業の病院は1カ所程度を予定し、看護師の人件費など必要経費は県が支払う。利用者負担は通常の短期入所と同額とする。県医療整備課は「病院なら障害児者の容体が急変した場合にすぐに医師に処置してもらえるメリットもあり、保護者も安心して子どもを託せるはず」とみている。
協議会の委員からは「保護者の細やかなニーズに合った対応ができるかが不安で受け入れをためらう病院もある」と受け皿広がりへの課題を指摘する声が挙がる一方、「慣れた訪問看護師が付き添えば、障害児者も落ち着く」とモデル事業を評価する意見もあった。
このほか、県は障害福祉サービスの提供に関する介護給付費が、入院に伴う診療報酬に比べて低いのも短期入所受け入れ病院が広がらない一因とみて、新年度から差額を補助する事業も始める方向で検討中。県が昨年度までに障害児者の保護者を対象に実施した聞き取り調査によると、介護を代わる人がいない保護者が2割強を占めた。親の会からは県に短期入所先の確保を求める要望が相次いでいた。
岐阜新聞-2013年01月01日03:13
岐阜県が新年度、手厚い医療的ケアの必要な重症心身障害児者の短期入所の受け入れ病院を確保するため、外部の訪問看護師が病院に出向いて障害児者に付き添うモデル事業を行う方向で検討していることが分かった。短期入所しやすいように環境を整え、介護などで目を離せない保護者の負担を軽減するのが狙いで、実現すれば全国初。県設置の地域医療対策協議会で提案した。
人工呼吸器や経管栄養を利用した障害児者らを受け入れ可能な病院は県内に12カ所あるが、圏域別では西濃、東濃、飛騨が各1カ所のみと、地域によっては身近に利用できる環境が整っていないのが現状。付きっきりでの看護が必要な障害児者もいるため、看護師不足を受け入れ困難な理由に挙げる病院もあった。
モデル事業の構想では、障害児者を総合病院が空きベッドで受け入れる。保護者から短期入所の利用申し込みがあった場合、病院側から提携先の訪問看護ステーションに看護師を病院へ短期で出向いてもらうよう依頼、障害児者に付き添ってもらう。出向く看護師は日ごろから対象児者の自宅を訪問するなどして症状を把握し必要な処置を熟知していることが前提となる。
モデル事業の病院は1カ所程度を予定し、看護師の人件費など必要経費は県が支払う。利用者負担は通常の短期入所と同額とする。県医療整備課は「病院なら障害児者の容体が急変した場合にすぐに医師に処置してもらえるメリットもあり、保護者も安心して子どもを託せるはず」とみている。
協議会の委員からは「保護者の細やかなニーズに合った対応ができるかが不安で受け入れをためらう病院もある」と受け皿広がりへの課題を指摘する声が挙がる一方、「慣れた訪問看護師が付き添えば、障害児者も落ち着く」とモデル事業を評価する意見もあった。
このほか、県は障害福祉サービスの提供に関する介護給付費が、入院に伴う診療報酬に比べて低いのも短期入所受け入れ病院が広がらない一因とみて、新年度から差額を補助する事業も始める方向で検討中。県が昨年度までに障害児者の保護者を対象に実施した聞き取り調査によると、介護を代わる人がいない保護者が2割強を占めた。親の会からは県に短期入所先の確保を求める要望が相次いでいた。
岐阜新聞-2013年01月01日03:13