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Channel: ゴエモンのつぶやき
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性同一性障害者は、選挙をするにも困難ってホント?

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【相談者:20代女性】
私は性同一性障害(=心と体の性別が一致しない状態)、いわゆるMtF(=体を男性から女性に移行する意味)なんですが、選挙をする際の入場券に書かれている性別欄が嫌で、投票所に行くことを少し躊躇ってしまいます。こういうことって、何とかならないでしょうか。教えてください。

●A.今や全国の主要自治体の5割が入場券の性別表記を削除。これからもっと配慮の動きが広まるといいですね。

初めまして。ライターの雪見かおるです。ご質問ありがとうございます。

選挙をする際の投票所入場券に書かれている性別欄についてのご質問ですね。たしかに、昨年中にも第46回衆議院議員総選挙が開かれたので、性同一性障害の方やトランスジェンダー(性別を移行する意味)の方は、何かと不具合を感じることが多かったかもしれません。

実際、私の地方自治体でも入場券には男女の性別欄が記載されているので、投票する際にひと言、ふた言、本人確認のために職員の方と会話を交わしました。これはすでに、私の見た目の姿と戸籍上の性別が異なっているので、選挙を管理する側からすれば、「……あれ?」と驚かれるのも無理はないですよね……。

ただ、当事者の方からすれば、こうしたやり取りが煩わしく感じるほか、その場で自身の性別がバレてしまって嫌な思いをする。もしくは、わざわざ性別を提示するために、選挙に行くことを敬遠してしまう方がいる、ということも事実だと思います。

少し古いソースですが、2009年の総選挙に関するニュースでこんな記事がありました。全国の主要自治体の5割超が選挙の投票所の入場券の「男」「女」の性別表記を03年衆院選以降の6年間にやめていた、という朝日新聞の記事です(「投票所入場券、性別表記消える 性同一性障害に配慮」)。

なんでも、投票所入場券の記載事項について、公選法の規定はなく、自治体の裁量で決められるようで、03年11月以降に漢字などによる性別表記をやめたのは39自治体。性別記載を撤廃したのは10自治体、一見して分かりにくいように記号や数字(例:男1、女2)に変えたのは29自治体、とのこと。

そもそも、入場券に性別を記載しているのは、本人確認のほか、男女別の投票者数を集計するための目的があるなかで、こうした性同一性障害に向けた配慮をいただけることは、素直に嬉しいニュースと言えますよね。

しかしその一方で、いざ投票をしようと入場券を職員に手渡せば、その場の機械(=スキャン)で自分の性別が分かってしまい、結果、本人確認をさせられる。ほかにも、投票所に性別ランプが見えるところにあって、自分の性別が周囲に伝わってしまう、などといった問題もまだまだ残っているようです。

このように性同一性障害と選挙について、当事者が不具合に感じることやそれに伴う課題はただありますが、少しでも問題が解決して、上記のような配慮が広まっていくといいですね。

また、何か相談したいことがありましたら、遠慮なくご質問くださいね。お待ちしております。

(ライタープロフィール)
雪見かおる(セクシャリティ専門家)/セクシャル・マイノリティ研究家。大学在学中に電子書籍デビューしたBL小説家(別P.N)。三度の飯よりBLが好きなはずが、なぜか体重は増加傾向にあるという不可思議な乙女。また、性同一性障害(GID)・MtF(Male to Female 男性から女性へ)当事者であり、自分のセクシャリティについて悩み苦しむ人の気持ちに少しでも触れられたらと思い、当事者なりの意見と体験を含めた情報を発信中である。

マイナビニュース-[2013/01/11]

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