県は、リハビリ医療や障害児の療育などにかかわる県立の3医療機関を統合・再編し、「県リハビリテーション病院・こども支援センター」(富山市下飯野)を来年1月にオープンする。赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代を対象とする総合医療機関になる。
新病院・センターの敷地内では、これまでリハビリ治療中心の「高志リハビリテーション病院」、肢体不自由児が入所する「高志学園」、心身障害児の療育施設「高志通園センター」の三つが、それぞれ別組織として運営されてきた。来年1月の統合・再編後は、一つの組織となる。
新病院はリハビリ科、整形外科など12科の診療体制となる。こども支援センターでは肢体不自由のほか、知的障害や自閉症を併発する症状などにも積極的に取り組む。
県は現在、鉄筋鉄骨コンクリート造りの5階建てで、延べ床面積約1万8500平方メートルの新病院・センターの建設工事を進めている。新病棟には一般病床50、回復期のリハビリ病床100が入り、老朽化した現在の病院の建物はスタッフ室などとして活用する。高志学園の建物は、来年4月頃までに解体し、駐車場も整備する。県は2013~15年度の病院事業会計で約86億円の整備費を計上した。
こども支援センターの建物は優しい黄色の外観。内装は、県産材のスギや五箇山和紙が装飾に施され、廊下は豊かな緑を背景に、カモシカや北陸新幹線が登場する絵が描かれている。円いつくりの窓は、子供に柔らかい印象を与える工夫だという。
11日にセンターを視察した石井知事は「将来に希望をもって暮らせるような、明るい雰囲気。医師や看護師は24時間体制で、日本で有数の施設になるのではないか」と語った。
高志リハビリテーション病院の橋本二美男院長は、新病院について、「0歳から100歳近くまで幅広く、様々な症状の治療に取り組む。それぞれ専門分野を持つ医師たちが協力することで、新たな病院の姿を作りたい」と話している。