視覚障害者が学ぶ筑波技術大学は23日、つくば市春日の同大キャンパスで企業の人事担当者らを対象に「視覚障害者の就業の疑問に答える講座」を開いた。就業に対する公的な助成金制度の紹介や働きやすい環境づくりのアドバイス、同大学生によるパソコン処理の実演が行われ、約30企業の人事担当者ら約40人が参加した。視覚障害者の雇用をめぐり、企業側の理解を促進する狙いがある。
同講座は、視覚障害者に可能な仕事や配属部署について「分かりにくい」という企業側の声に応えたもので、同大保健科学部長の隈正雄教授は「人事担当者が実感できる機会を設けた」と、デモを通した学生の実力アピールに自信を示した。
講座では、日立システムズに就職し盲導犬同伴で働く、同大前身の筑波技術短大卒業生、穂刈顕一さん(28)が体験を披露。「あれ」「これ」などの「見えない言葉」と、具体的な「見える言葉」の違いを指摘し、職場のコミュニケーションでの気配りを求めた。また同じ視覚障害の中でもさまざまな違いがあり「先入観を持たず、いろいろな(障害の)ケースがあることを知ってほしい」と語った。
隈教授は「能力がないから採用されないのでなく視覚障害が企業から理解されていないために就職しづらい」と問題点を指摘。「各企業のどのような部署にどのように就業できるのか、企業側に理解していただきたい」と雇用促進の広がりに期待を示した。
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【写真説明】企業の人事担当者らを前に、盲導犬を同伴する視覚障害者として就職した体験を話す日立システムズの穂刈顕一さん(右)=つくば市春日4丁目の筑波技術大学
茨城新聞-2013年1月24日(木)
同講座は、視覚障害者に可能な仕事や配属部署について「分かりにくい」という企業側の声に応えたもので、同大保健科学部長の隈正雄教授は「人事担当者が実感できる機会を設けた」と、デモを通した学生の実力アピールに自信を示した。
講座では、日立システムズに就職し盲導犬同伴で働く、同大前身の筑波技術短大卒業生、穂刈顕一さん(28)が体験を披露。「あれ」「これ」などの「見えない言葉」と、具体的な「見える言葉」の違いを指摘し、職場のコミュニケーションでの気配りを求めた。また同じ視覚障害の中でもさまざまな違いがあり「先入観を持たず、いろいろな(障害の)ケースがあることを知ってほしい」と語った。
隈教授は「能力がないから採用されないのでなく視覚障害が企業から理解されていないために就職しづらい」と問題点を指摘。「各企業のどのような部署にどのように就業できるのか、企業側に理解していただきたい」と雇用促進の広がりに期待を示した。

【写真説明】企業の人事担当者らを前に、盲導犬を同伴する視覚障害者として就職した体験を話す日立システムズの穂刈顕一さん(右)=つくば市春日4丁目の筑波技術大学
茨城新聞-2013年1月24日(木)