長野県白馬村スノーハープ競技場で2月9日・10日「ジャパンパラ・クロスカントリースキー競技大会」が行なわれ、立位・座位・視覚障害・知的障害のアスリート約30名が参加した。
2010年バンクーバーパラリンピック日本代表のうち5人は、シーズン2戦目を終えたIPCワールドカップから帰国して出場した。バンクーバーで2金の新田佳浩(LW8)、銀の太田渉子(LW8)、今シーズンのワールドカップでバイアスロン3連勝し好調な久保恒造(LW11)など日立ソリューションズの選手を中心に、3度目のパラリンピックをめざす出来島桃子(LW6・新潟県新発田市役所)、2度目の勝負をしかける佐藤圭一(LW8・エイベックスエンターテイメント)らである。また、ワールドカップ第1戦フィンランド大会に阿部友里香(LW6)が初参加し、それぞれ白馬でソチを目指した走りを披露した。
ソチでのプレ・パラリンピックに向けて
シットスキーの久保は、ワールドカップ第2戦アメリカ大会のバイアスロン3種目(ショート・ミドル・ロング)ですべて優勝し、現在、世界ランキング2位と好調。
「バイアスロンは、ショートでのタイムがミドルのスタートにつながります。ミドルのタイムもロングのスタートにつながります。2位以降はペナルティタイムが加算されますから、まずショートで勝つことを基本にします。」と話してくれた。
荒井秀樹日本代表監督によると「久保のメインはクロスカントリー・ロンクで、バイアスロンは彼が成績をだせる種目で力を入れている」と。好調の背景には、前シーズンから網走でバイアスロンの練習環境が整い、今シーズンはシットスキーを改良、銃も新調したことがある。さらに、練習スケジュールやコンディショニングを相談できる環境にもめぐまれ、ピーキングの意識も高められていることが、久保の上達を助けている。
久保は、2007年に荒井監督と出会い、2008年のジャパンパラ(白馬)に初出場、バンクーバーでクロスカントリー ロング・7位、バイアスロンロング・6位だった。一方夏のトレーニングではじめた車椅子マラソンも昨年の大分国際車椅子マラソンで世界5位と順位をあげ、ロンドン出場は逃したが、世界トップがそろう日本車椅子陸上界でも一目置かれる存在となっている。3月のソチでのプレ大会が大きな目標となっている。
新田佳浩は先日、荒井監督やコーチらとともに、ソチのFIS大会に帯同。パラリンピックコースのロケハンをし帰国した。1日目のレースでは板の選定とワックスに失敗したという。「ソチの雪質は白馬と似ていることもあり、意識していたんですが、まだ本番の板がなかったのとワックスが原因で、タイム的には、もう20〜30秒は縮められるはずだった」と話していた。昨年末、新田の心を支えていた祖父が亡くなり、悲しみがなかなか癒えない。「報告のできるレースをしよう」と誓い、のぞんでいる。
新田を目指してバンクーバーパラリンピック初出場を果たした佐藤圭一は、現在の世界ランキングバイアスロン11位、クロスカントリー18位。ワールドカップではバイアスロン・ミドルで初の表彰台を狙ったが4秒差でロシアの選手にかわされ4位。今大会も新田をおさえることができなかった。シーズン後半からのワールドカップとソチでのプレ大会にむけて意気込むものの、長期化する課題に、練習環境の見直しが必要なようだ。
瀧上賢治(LW2・JAF)はワールドカップ遠征には参加していないが、ソチを視野にいれ活動をしている。
長田弘幸(LW10・日立ソリューションズ)はバンクーバーを最後に現役引退したが、夏は車椅子マラソン、冬はシットスキーと競技を楽しんでいた。このレースもシットスキーヤーの意地を見せ、力走した。
1日目は晴天のもと、レース後の会場にはなごやかな交流があった。昨年から2度目の出場となる女子シットスキーヤー・中学3年の江野麻由子(LW11.5・秋田県)ら新たに加わったユースのアスリートたち、新田はじめとするトップアスリートやその家族が、表彰式のギャラリーに混じって近況を知らせあった。
今年の白馬村はスキー伝来100年という記念の年で、長野オリンピック、パラリンピックから15年でもあり、雪祭りなどが開催されオリンピック競技施設周辺の街は海外からのスキー客も多くにぎわっていた。
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・競技リザルト
・2月9日・競技1日目の写真
パラフォト-2013年02月10日
2010年バンクーバーパラリンピック日本代表のうち5人は、シーズン2戦目を終えたIPCワールドカップから帰国して出場した。バンクーバーで2金の新田佳浩(LW8)、銀の太田渉子(LW8)、今シーズンのワールドカップでバイアスロン3連勝し好調な久保恒造(LW11)など日立ソリューションズの選手を中心に、3度目のパラリンピックをめざす出来島桃子(LW6・新潟県新発田市役所)、2度目の勝負をしかける佐藤圭一(LW8・エイベックスエンターテイメント)らである。また、ワールドカップ第1戦フィンランド大会に阿部友里香(LW6)が初参加し、それぞれ白馬でソチを目指した走りを披露した。
ソチでのプレ・パラリンピックに向けて
シットスキーの久保は、ワールドカップ第2戦アメリカ大会のバイアスロン3種目(ショート・ミドル・ロング)ですべて優勝し、現在、世界ランキング2位と好調。
「バイアスロンは、ショートでのタイムがミドルのスタートにつながります。ミドルのタイムもロングのスタートにつながります。2位以降はペナルティタイムが加算されますから、まずショートで勝つことを基本にします。」と話してくれた。
荒井秀樹日本代表監督によると「久保のメインはクロスカントリー・ロンクで、バイアスロンは彼が成績をだせる種目で力を入れている」と。好調の背景には、前シーズンから網走でバイアスロンの練習環境が整い、今シーズンはシットスキーを改良、銃も新調したことがある。さらに、練習スケジュールやコンディショニングを相談できる環境にもめぐまれ、ピーキングの意識も高められていることが、久保の上達を助けている。
久保は、2007年に荒井監督と出会い、2008年のジャパンパラ(白馬)に初出場、バンクーバーでクロスカントリー ロング・7位、バイアスロンロング・6位だった。一方夏のトレーニングではじめた車椅子マラソンも昨年の大分国際車椅子マラソンで世界5位と順位をあげ、ロンドン出場は逃したが、世界トップがそろう日本車椅子陸上界でも一目置かれる存在となっている。3月のソチでのプレ大会が大きな目標となっている。
新田佳浩は先日、荒井監督やコーチらとともに、ソチのFIS大会に帯同。パラリンピックコースのロケハンをし帰国した。1日目のレースでは板の選定とワックスに失敗したという。「ソチの雪質は白馬と似ていることもあり、意識していたんですが、まだ本番の板がなかったのとワックスが原因で、タイム的には、もう20〜30秒は縮められるはずだった」と話していた。昨年末、新田の心を支えていた祖父が亡くなり、悲しみがなかなか癒えない。「報告のできるレースをしよう」と誓い、のぞんでいる。
新田を目指してバンクーバーパラリンピック初出場を果たした佐藤圭一は、現在の世界ランキングバイアスロン11位、クロスカントリー18位。ワールドカップではバイアスロン・ミドルで初の表彰台を狙ったが4秒差でロシアの選手にかわされ4位。今大会も新田をおさえることができなかった。シーズン後半からのワールドカップとソチでのプレ大会にむけて意気込むものの、長期化する課題に、練習環境の見直しが必要なようだ。
瀧上賢治(LW2・JAF)はワールドカップ遠征には参加していないが、ソチを視野にいれ活動をしている。
長田弘幸(LW10・日立ソリューションズ)はバンクーバーを最後に現役引退したが、夏は車椅子マラソン、冬はシットスキーと競技を楽しんでいた。このレースもシットスキーヤーの意地を見せ、力走した。
1日目は晴天のもと、レース後の会場にはなごやかな交流があった。昨年から2度目の出場となる女子シットスキーヤー・中学3年の江野麻由子(LW11.5・秋田県)ら新たに加わったユースのアスリートたち、新田はじめとするトップアスリートやその家族が、表彰式のギャラリーに混じって近況を知らせあった。
今年の白馬村はスキー伝来100年という記念の年で、長野オリンピック、パラリンピックから15年でもあり、雪祭りなどが開催されオリンピック競技施設周辺の街は海外からのスキー客も多くにぎわっていた。

・競技リザルト
・2月9日・競技1日目の写真
パラフォト-2013年02月10日