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Channel: ゴエモンのつぶやき
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「いらない命なんてない」写真は語る 手をつなぐ育成会が機関誌で特集 障害者殺傷事件受け

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 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され27人が負傷した事件を受け、知的障害者と家族でつくる「全国手をつなぐ育成会連合会」(久保厚子会長)が、月刊機関誌「手をつなぐ」で、会員から寄せられた家族の思い出の写真を特集している。逮捕された容疑者が障害者の存在を否定する供述をしているとされ、連合会は「障害者と家族が、懸命に人生を生きている姿を伝えたい」と訴えている。

 事件は7月26日に発生。容疑者は事件前から障害者を否定する言動をしていたとされ、会員に不安が広がった。連合会は直後に「誰かが『障害者はいなくなればいい』と言っても、家族が全力で守る」とのメッセージを発表。合わせて「一人一人が大切な命を生きていることを示す、思い出の写真を送ってほしい」と会員に呼び掛けていた。

 9月15日に発行した機関誌(約3万部発行)の9月号には、全国から寄せられた約200枚を掲載した。誕生会や家族旅行、友人との記念写真など、一枚一枚に笑みがはじけている。

 九州からは10枚ほどが届いた。福岡市の下山いわ子さん(55)は、ダウン症の次男大地さん(21)と夫の俊和さん(55)が筑後川沿いの菜の花畑で寄り添う今春の1枚を送った。「大地の小さな成長の一つ一つが、家族の大きな喜び。障害者に優しい社会が、誰もが生きやすい社会だと思う」と下山さん。長崎市の野澤由夏さん(48)は、長男の宏斗さん(16)の特別支援学校・中学部の卒業式(今年3月)での親子写真を選んだ。

 熊本市の西惠美さん(57)は、長女の麻紀子さん(30)と昨年3月に訪れた米ニューヨークの国連本部ビル前で撮った1枚が大好きだ。娘が新たなことをできるようになったり、笑顔で「お母さん、大好き」と言ってくれたりするだけで、幸せを感じる。「娘はかけがえのない存在。人は誰でも生まれてくる意味がある」と信じている。

 連合会の田中正博統括は「いらない命なんて絶対にない。写真を通じて、その強い思いを感じてもらえたら」と願った。

                              

筑後川沿いの菜の花畑で、笑顔で寄り添う下山大地さんと父親の俊和さん(左)  米ニューヨークの国連本部ビル前で写真に納まる西惠美さんと長女の麻紀子さん(右)

=2016/10/01付 西日本新聞朝刊=

 

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