長崎市の自宅に放火したとして現住建造物等放火罪に問われ、専門家機関「障がい者審査委員会」が「発達障害の疑いがあり、懲役刑より福祉支援が必要」と審査した女性被告(51)は、長崎地裁(重富朗裁判長)の11日の裁判員裁判初公判で起訴内容を認めた。
女性は1985年、自宅に放火した罪で執行猶予付き有罪判決を受けた。弁護側は障害のために犯罪を繰り返す「累犯障害者」と指摘しており、裁判員らの判断が注目される。
検察側は冒頭陳述で「庭の木の葉をむしり取ったことを、同居していた妹に厳しく叱られた腹いせで放火した」と指摘。「妹が仕事で不在の時を狙っていて計画性があり、動機も理解できる」と主張した。
弁護側は、女性が犯行当時、心神耗弱状態だったとして責任能力を争う姿勢を示し「福祉支援が約束されており、社会内で更生の機会を与えるべきだ」と述べた。
委員会は昨年7月、ストレスがたまり放火した可能性が高いと指摘し、福祉施設での更生が必要と認定。だが地裁は「重大犯罪にふさわしくない」として審査結果の報告書を証拠採用しなかった。
公判では、女性の受け入れを確約している社会福祉法人「南高愛隣会」(長崎県雲仙市)が運営する更生保護施設の職員が、女性の支援計画について証言する予定。
起訴状によると、女性は昨年2月、長崎市の自宅に油をまいて火を付け全焼させたとしている。〔共同〕
日本経済新聞-(2013/3/11 12:34更新)
女性は1985年、自宅に放火した罪で執行猶予付き有罪判決を受けた。弁護側は障害のために犯罪を繰り返す「累犯障害者」と指摘しており、裁判員らの判断が注目される。
検察側は冒頭陳述で「庭の木の葉をむしり取ったことを、同居していた妹に厳しく叱られた腹いせで放火した」と指摘。「妹が仕事で不在の時を狙っていて計画性があり、動機も理解できる」と主張した。
弁護側は、女性が犯行当時、心神耗弱状態だったとして責任能力を争う姿勢を示し「福祉支援が約束されており、社会内で更生の機会を与えるべきだ」と述べた。
委員会は昨年7月、ストレスがたまり放火した可能性が高いと指摘し、福祉施設での更生が必要と認定。だが地裁は「重大犯罪にふさわしくない」として審査結果の報告書を証拠採用しなかった。
公判では、女性の受け入れを確約している社会福祉法人「南高愛隣会」(長崎県雲仙市)が運営する更生保護施設の職員が、女性の支援計画について証言する予定。
起訴状によると、女性は昨年2月、長崎市の自宅に油をまいて火を付け全焼させたとしている。〔共同〕
日本経済新聞-(2013/3/11 12:34更新)