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障害者雇用を促進 ヤマハ発が新会社設立へ

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 ヤマハ発動機は1日、障害者雇用促進のために新たな子会社「ヤマハモーターMIRAI」を10月1日に設立すると発表した。より多くの障害者が活躍できる職域の確保を進め、能力開発や社会的自立を支援する。
 新会社は磐田市新貝のヤマハ発本社内に事務所を置き、事業開始は2016年4月の予定。当初は部品包装や清掃業務などを担い、段階的に製品組み立てや一般事務などへと職域を拡大していく。従業員27人のうち16人が障害者となる見込み。
 事業開始後に障害者雇用促進法に基づく特例子会社の認定をハローワーク磐田に申請する。特例子会社となれば、新会社の障害者雇用数を親会社の障害者雇用率に算入できる。ヤマハ発の障害者雇用率は6月現在で1・92%。県内平均(1・8%)を上回っているが、13年に引き上げられた法定雇用率(2%)に届いていない。担当者は「新会社で障害者個々に合わせた柔軟な人事評価制度や効率的な管理指導態勢を整備する」と説明した。

2015/7/ 2     @S[アットエス] by 静岡新聞


東芝、音や映像から意図を把握して人に伝えるサービス

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 東芝は、音声や映像に含まれる言葉や人物を捉えてその意図や状況を把握し、人にわかりやすく伝えるというクラウドサービスの提供を開始する。サービスの名称は「RECAIUS(リカイアス)」である。

  新サービスは、人がICT(情報通信技術)を意識して利用するのではなく、ICTが人の意図や状況に合わせて適切に動作するための仕組みを提供するという。人が持つ「見る、聴く、話す」能力をICTで補完することで、言語や表現などの言葉の違い、音声・映像・文字といった形態の違いを超えて、多くの人が安心・安全・快適に過ごせる社会の実現を目指すとする。

 新サービスは、同社が培ってきた音声認識、音声合成、顔・人物画像認識、知識処理技術を融合して、これらの能力を最大限引き出せるように、必要な知識を日々進化させることが可能なクラウド上に構成したという。様々な言葉の表現や人の動き・態度から意図や状況を把握して、要約、翻訳、音声対話、音声合成を利用して、人にわかりやすく伝えるとする(図1)。例えば、カメラに写った人に合わせて情報を提示する案内システムや、音声記録をテキスト化して重要な発言だけをチームで共有するなど、幅広い業務や用途で活用できるとしている(図2)。

 ■第1弾を10月から開始

  RECAIUSの第1弾として、2つのサービスの営業活動を2015年7月2日から始めた。サービスは2015年10月から始める。2つのサービスは「RECAIUS 音訳エディタ(DaisyRings=デイジーリングス)」と「RECAIUS 音声書き起こしエディタ」。

  前者のRECAIUS 音訳エディタ(DaisyRings)は、視覚障がいやディスレクシア(識字障がい)により文字を読むことが困難な人のための音訳コンテンツを容易に作成するためのクラウドサービスである。ウェブブラウザ上で、テキストをアップロードして音訳でき、編集結果をDAISY(Digital Accessible Information System)形式のファイルでダウンロードできる。音声合成の読みやアクセントを容易に修正できるという。

  図書館や学校、行政機関での利用のほか、一般企業でも製品マニュアルなどドキュメントの音訳に利用できるとする。同社によれば、平成28年(2016年)4月施行の「障害者差別解消法」では障がい者差別解消のための合理的配慮が、行政機関では義務、一般企業などでも努力義務として求められている。RECAIUS 音訳エディタは、全国の大学や障害者団体などで実証実験を実施し、使い勝手を高めてきたという。

  後者のRECAIUS 音声書き起こしエディタは、講演や会議などの録音データをウェブブラウザ上で人が聴いて書き起こす作業を支援するサービス。アップロードした音声データを再生しながらテキスト入力する際、テキスト未入力の箇所を特定して自動的に音声を再生したり、音声認識によるテキスト入力の候補を提示したり、話者の切り替えを推定したりすることで、音声をチェックしながら書き起こしを効率よく行えるという。このサービスに関しても実証実験を実施し、使い勝手を高めてきたとする。

  東芝は、自治体・図書館向け音訳支援サービス、金融業向け対話サービス、フィールド作業支援など様々なサービスへの適用に向けてRECAIUSを提案していく。今後、次のようなサービスを提供予定という。「RECAIUS 音声ビューア」(音声認識技術により、長期間・長時間の音声データの可視化(テキスト化)機能を提供)、「RECAIUS 音声クリエータ」(多様な感情表現をもつ音声合成機能を提供。日本語以外に米語、中国語、韓国語など11言語に対応する予定)、「RECAIUS音声対話」(用途に応じて構築する対話知識に基づいて、曖昧な問いかけにも応える音声対話機能を提供)、「RECAIUS 同時通訳」(話す先から逐次訳せる同時通訳機能を提供。日英・英日、日中・中日に対応予定)、「RECAIUS 人物ファインダ」(客層や混雑度などの状況把握や登録した人物の検出機能などを提供)などである。

 

図1 RECAIUSの基盤技術

図2 RECAIUSの利用イメージ

[日経テクノロジーオンライン 2015年7月2日掲載]

困窮者支援事業、全国4割超が未実施 制度開始3カ月

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 生活保護を受ける手前の人たちを支える生活困窮者自立支援制度で、全国の市の4割が主要な支援事業を全く実施していないことが厚生労働省のまとめでわかった。制度が始まった4月の相談は、全国65の政令指定市・中核市だけで約7千人にのぼり、受け皿作りが追いついていない。

 厚労省はこの制度を「第2のセーフティーネット」と位置づける。全国の自治体が日常生活のたて直しなど就労準備、一時的な衣食住の提供、家計相談、子どもへの学習支援の四つの支援事業を任意で実施する。

 同省のまとめでは、813市・東京特別区での各事業の実施率(予定含む)は4月時点で就労準備28%、衣食住19%、家計相談23%、学習支援34%。4事業を全て実施するのは4%、44%は全くしていない。

 厚労省は「人口10万人あたり相談月20件」と目安を示し相談の掘り起こしも促すが、自治体が財源の3分の1から半分を負担することなどから支援体制が整わない。朝日新聞が取材したところ、相談窓口での4月の受け付けは20政令指定市で3851人、45中核市で2973人にのぼった。

 この制度で就労支援の要となる「中間的就労」では企業や社会福祉法人などで実習的に働け、受け入れに手を挙げた事業所を自治体が認定。税制優遇もある。だが、65政令指定市・中核市で5月末までの認定は、大阪や名古屋など5市の7事業所にとどまった。

 〈生活困窮者自立支援制度〉 再就職がままならなかったり引きこもったりで生活が苦しい人や、親の収入に頼りいずれ困窮しかねない人などに対し、全国の市が相談窓口を設け、町村部は都道府県が担当して自立を支える。非正規労働の増加など雇用が不安定化し、地域のつながりも弱まる中、従来の「高齢者」「障害者」といった福祉の枠組みから外れる人を対象に想定。そのうち、生活が苦しく福祉事務所を訪れたが収入要件を満たさないなどで生活保護を受けられない人は年間約40万人、引きこもりの人がいる世帯は約26万と厚労省はみている。

2015年7月3日     朝日新聞デジタル

義足で速く走るポイントは「歩幅」

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産総研の保原研究員、400人以上の障害者アスリートの走りを解析  2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、障害者スポーツに注目が集まっている。各競技の選手の強化策が検討されるが、義足を使った陸上競技の研究者は意外と少ない。世界の研究をリードする一人が産業技術総合研究所の保原浩明研究員だ。

 研究テーマの一つが、障害者の短距離走で使う義足。その進化は速く、100メートル走では炭素繊維製の義足で1・5秒タイムが縮まった。早ければ20年に400メートル走のパラリンピック選手がオリンピック選手に勝つとの予想もある。

 ただ義足と走り方の研究は世界的にもまだまだ途上だ。手足の長さや筋力に応じて最適な義足を選ぶことは難しい。保原研究員は「選手の感覚で選ばれている」と指摘する。

 競技用義足は人間の脚よりも軽いため、脚の回転数は多くなる。一方で一歩一歩の地面を蹴る力は弱い。つまり健常者と障害者では走り方の戦略を変える必要がある。保原研究員は464人の障害者アスリートの走りをデータ化し、歩幅や回転数の関係を解析した。

 健常者では一歩の歩幅を伸ばすと回転数が落ちる。そのためタイムは歩幅と回転数にはあまり依存しない。一方で障害者は義足が長くても軽いため回転数は落ちにくい。そのため歩幅が顕著にタイムを縮めることを保原研究員は証明した。

 また国・地域別に選手の走り方を解析すると、日本人は脚の回転数と歩幅が米国のトップ選手に劣ることが判明。ただ義足の設計や訓練を直せば、逆転の可能性もある。「選手一人ひとりの走り方を計測し、強化ポイントを見つけたい」と力を込める。

 自身は柔道選手の卵として順天堂大学に進学。周囲のレベルの高さに圧倒された。研究の面白さを知り、大学院から早稲田大学に進んだ。「大学4年生で研究者の道を選ぶと決め、中高生向けの算数ドリルから勉強し直した」と振り返る。挫折と挑戦を繰り返し、タフさを身につけた。

 「産総研で、体育大学出身の研究者は自分くらい」と笑う。産総研で走り方の研究を立ち上げ、今後は義足のモノづくりに挑戦する。タフな挑戦者が障害という壁を壊す。 「選手一人ひとりの走り方を計測し、強化ポイントを見つけたい」と力を込める保原研究員   この記事のファシリテーター

こうした研究がアスリートだけでなく、一般の障害者の方々がより快適に生活できるようにするための技術開発などにもつながっていけばいいと思います。

日刊工業新聞2015年07月01日 科学技術・大学面

高次脳機能障害、京都市が支援拠点開設 確定診断や相談対応

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 京都市は、中京区の地域リハビリテーション推進センター内に、交通事故や病気による脳の損傷で起きる高次脳機能障害の支援拠点「京都市高次脳機能障害者支援センター」を開設した。同障害は見た目には分かりにくいため、「見えない障害」とも呼ばれ、支援が課題になっている。専門家を配置し、支援の充実に努める。

 支援センターには、医師や保健師、看護師、作業療法士らを配置した。同障害がある人や家族の日常生活、社会生活に関する悩みの相談に応じるほか、福祉サービスの情報提供や利用につなぎ、就労支援も行う。同障害の確定診断も実施する。

 地域リハビリテーション推進センター内には同障害に特化した支援施設があり、連携して生活訓練や機能訓練を行う。また、福祉サービス事業所や医療機関の職員に対して研修を行い、同障害への理解を促す。

 市高次脳機能障害者支援センターによると、同障害は物の置き場所を忘れる、ぼんやりしてミスが多くなる、物事の段取りができない、感情をコントロールしにくいなどの症状が出る。複数の症状が出ることもある。ほかの障害に比べて理解が進んでおらず、受け入れる福祉サービス事業所や医療機関、企業は少ない現状があるという。

 京都府と京都市によると、高次脳機能障害がある人は推計で、府内に約1万7500人(うち京都市内に約9800人)いるという。

 同障害がある人や家族を支援するNPO法人「高次脳機能障害支援 つくしの会」(上京区)は「支援が必要な人は多くいるが、十分に行き届いていない。行政だけでなく、生活訓練などをしている団体とも連携し、支援の裾野を広げていってほしい」と話す。同センターは「本人の回復に加え、負担が重い家族の支援も充実させたい」という。

 問い合わせは同センターTEL075(823)1658。

高次脳機能障害の支援拠点となる「京都市高次脳機能障害者支援センター」。専門家を配置し、支援の充実に努める

2015年07月03日   京都新聞

視覚障害者 外出時 63%「危険な目」

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富山福祉短大教授ら調査

 富山福祉短大社会福祉学科(射水市三ケ)の鷹西恒教授らが、県内の視覚障害者を対象に実施したアンケートで、外出時に「危険な目に遭ったことがある」との回答が63%に上ったことが分かった。三日、富山市磯部町の県視覚障害者福祉センターであった報告会で、県視覚障害者協会会員に伝えられた。

 「危険な目に遭った」との回答者のうち、半数が階段や側溝、段差で転倒した経験を持っているという。鷹西教授は「依然として環境バリアーが存在している」と指摘した。

 危険を回避する手段として、62%が「ゆっくり歩く」「周囲の状況を確認する」「白杖(はくじょう)の予備を持つ」などと回答。他人に協力や支援を依頼する人は11%にとどまった。

 これらを踏まえ、鷹西教授は「弱視者から全盲者まで幅広く支援できる体制整備が必要」と話している。

 アンケートは、昨年、埼玉県内で白杖を持った全盲の女子生徒が脚を蹴られたり、盲導犬が傷つけられる事件が相次いだのを受けて、鷹西教授と卒業生の坂口涼香さんが実施。

 昨年十二月から二カ月間にわたり、同協会会員や、県の点字版広報誌の読者を対象に、郵送や電子メールでアンケートを行った。百六十二人中八十六人が回答。回収率は53%だった。

2015年7月4日   中日新聞

「生きる幸せ」表現 障害者7人が作品展 三田

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 障害のある7人が、描く喜びを求めて表現活動に取り組む作品展「生きる力」を兵庫県の三田市総合文化センター・郷の音ホール(天神1)で開いている。

 県立上野ケ原特別支援学校3年の松田多恵さん(17)=富士が丘=は水彩やパステルクレヨンで描いた作品を出展。伊丹市の長谷部雅人君(12)は弱視と難聴のため、幼少時から絵で意思を表現しており、展示作品も日々の記憶を描いている。

 前田諒太郎さん(21)=三田市狭間が丘=は夕焼け空や青空など、さまざまな空の表情を色鉛筆で描いた42点を並べた。新井咲さん(25)=小野=は物語の一場面などを明るい色で表現。「絵の世界に入り込んでもらえたら」と話す。

 企画した美術家のカルトン吉田さん(55)=神戸市北区=は「純粋に幸せを感じながら描かれた作品は、見る人もパワーをもらえる」と話す。

 5日まで。入場無料。同ホールTEL079・559・8100

「描くことは時間も忘れるほど楽しい」と話す新井咲さん=三田市総合文化センター・郷の音ホール

2015/7/4    神戸新聞

佐賀女子短大生 障害者の不安学ぶ

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■ノンステップバス 車いすで乗車体験 

 佐賀市の佐賀女子短期大学で、車いす障害者のノンステップバス乗車体験会が開かれた。介護を学ぶ学生たちが体験を見学、障害者が外出する際に感じる不安や介助に必要なことなどを学んだ。

 障害者自身に障害との向き合い方などを語ってもらい、障害者への理解を深める講義の一環。乗車体験は車いすで生活する山浦彩さん(18)が、障害者の視点から佐賀をみるえびすFMの番組で「4月から社会に出たが、一度もバスに乗ったことがなく不安」と話したことをきっかけに市交通局と同短大とがタイアップし実現した。

 この日は山浦さんがこれまでの体験や考えを講義した後、ノンステップバス乗車を体験。見学した学生たちは、ドアが開くとバスの車高が下がることや、車内ではベルトでしっかりと車いすを固定することなどを学んだ。佐賀女子高校生31人も参加し、実際に車いすでの乗り降りを体験した。

 乗車体験を終えた山浦さんは「楽しかった。運転手さんの声掛けは優しくて、乗り心地も良かった。時間はかかると思うが、これから仕事や遊びに行くときにバスを活用できるようになりたい」とうれしそう。受講した高橋真樹美さん(20)は「バスの車高が下がることは知らなかった。運転手さんも優しくて、手慣れた感じだった」と話した。

 乗車体験を企画したえびすFMの内田勝也さん(25)は「今後もこういった取り組みを行い、これから社会へ出る障害者の不安を取り除くきっかけになれば」と話していた。

運転士の介助を受け、ノンステップバスに乗車する山浦さん=佐賀市の佐賀女子短期大学

2015年07月04日     佐賀新聞


障害者の就労支え50年 太陽の家記念事業続々

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 別府市内竈の「太陽の家」が今年、創立50周年を迎える。創設者の中村裕(ゆたか)博士(故人)が唱えた「保護より機会を」の理念の下、全国に先駆けて障害者の就労の場づくりを進め、自立を支援してきた。8日のシンポジウムを皮切りに、さまざまな記念事業を実施する。

 太陽の家は1965年10月5日、障害者の働く場として15人の身体障害者と職員でスタート。当時は義肢装具や竹工芸などの下請けが中心だった。
 現在はオムロン、ソニー、ホンダ、三菱商事など大手企業と共同出資会社を設立し、制御機器部品や自動車などの電装部品の組み立てなどさまざまな業務に携わる。愛知県や京都府内にある会社も含め、約1100人の身体、知的、精神障害者と約800人の健常者が働いている。
 太陽の家の早田愛一郎事務局長は「中村博士の精神を引き継ぎながら、これからも障害のある人たちを支え、自立を応援していきたい」と話している。
 8日のシンポジウムは、太陽の家コミュニティーセンターで午後2時から開催。太陽の家の中村太郎理事長が50年のあゆみを講演する。シンポジウムでは「太陽の家の使命とこれからの障がい者支援のあり方」をテーマに、三菱商事常任監査役ら関係者や障害者支援に詳しい6人のパネリストが意見を交わす。
 10月にはOBや施設にゆかりのある人が集まり、「ホームカミングデー」を開く。50周年事業として、日本オリンピック委員会(JOC)が取り組むトップアスリートの就職支援事業に協力している。五輪・パラリンピックを目指す選手3人を職員として採用しており、2020年の東京大会まで支援する。


 このほかの主な記念事業は次の通り。
 ▽7月18日午後5時 記念納涼大会(太陽の家駐車場)▽10月4日 ホームカミングデー(記念式典、コンサート、タイムカプセル開封式など)▽来年2月 記念誌刊行▽来年3月まで ペットボトルのキャップを使ったアート制作

※この記事は、7月4日大分合同新聞朝刊21ページに掲載されています。

大分合同新聞

障害ある人にも音楽を 浜松の作業所で演奏披露

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 障害がある人に音楽で非日常を味わってもらおうと、浜松市南区の作業所「もくせい会浜松事業所」で4日、県出身者でつくるグループが演奏を披露した。

 この作業所では5年前から毎年、音楽祭を開催。今回は、琴とピアノという邦楽と洋楽を合わせたグループ「ルーナ」が舞台に立った。

 普段は、菓子の箱作りやビーズアクセサリーを内職する作業場が、この日はライブステージに様変わり。精神障害者ら約50人が手拍子したり、復興支援ソング「花は咲く」を合唱したりして笑顔を見せていた。

 施設長の伊藤基子さんは「普段表情が見えにくい利用者が手をたたく様子を見てうるっときた。次回は地域の人とも一緒に楽しみたい」と満足した様子だった。

音楽に合わせて体を揺らす利用者ら(4日、浜松市南区で)

音楽に合わせて体を揺らす利用者ら(4日、浜松市南区で) 

2015年07月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

ブラインドサッカー:「ナマーラ北海道」公式戦デビューへ

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 北海道初のブラインドサッカーチームとして昨年8月に誕生した「ナマーラ北海道」が11、12日、初めての公式戦として東京都調布市で開かれる日本選手権に臨む。夏季パラリンピックの正式競技で、2020年の東京大会に向けて北海道から代表選手の輩出を目指す第一歩となる。主将の戸谷隆之介選手(20)は「まずは1点、1勝を」と意気込む。

 ナマーラ北海道は、北海道弁で「非常に」「すごく」を意味する「なまら」にちなんで付けられた。Jリーグのコンサドーレ札幌で主将を務めた芳賀博信さん(32)が理事長を務めるNPO法人「セカンドサポート」(札幌市)が運営。同法人はスポーツ選手の引退後の再就職支援やスポーツ振興に取り組んでいるが、昨年5月、戸谷選手が通う道高等盲学校(現・道札幌視覚支援学校)でサッカー体験教室を開いたのが縁で、チームを作ることになった。選手はキーパー(GK)を務める芳賀さんを含め、19〜52歳の男女10人。芳賀さん以外は視覚障害者で、月2回、札幌市内で練習している。

 戸谷選手は幼稚園からサッカーをしていたが、小学生から視力が下がり、中学2年の時に網膜色素変性症のために著しく視力が下がってプレーを断念した。しかし、芳賀さんと出会ったことをきっかけに昨年からブラインドサッカーを始めた。「見えないだけで、ブラインドサッカーはサッカーと違いはない。耳からの情報が頼りで、仲間と信頼感を高め合うところが魅力」と話す。まったく見えない状態でプレーすることから、恐怖感の克服が課題という。

 今回の日本選手権には全国14チームが出場する。芳賀さんは「サッカーをやってきた経験を生かしたい。僕自身もパラリンピック出場を目指している」と語った。

 ◇ことば【ブラインドサッカー】

 視覚障害者のスポーツで、1チーム5人で構成。GK以外の4人は視力を公平にするためにアイマスクをつけ、鈴の入ったボールを音を頼りに追う。5人のほかに相手ゴール裏で指示を出す「コーラー(ガイド)」がいる。日本ブラインドサッカー協会によると、競技人口は全国で約400人。約15チームが活動。昨年11月に日本で初開催された世界選手権で日本は過去最高の6位に。夏季パラリンピックでは2004年アテネ大会から正式競技となったが、日本は一度も出場していない。

練習試合で日本代表の落合啓士選手(中央右、10番)と競り合うナマーラ北海道の戸谷隆之介選手(中央左、9番)=北海道教育大岩見沢校で2015年6月27日

毎日新聞 2015年07月05日

見えない不安感じる アイマスクで飲食

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 ◇松山でセミナー

 視覚障害者への接し方やリハビリについて理解を深めようと、松山市本町の県視聴覚福祉センターで4日、「視覚障害福祉セミナー」が始まった。医療機関や福祉施設の関係者ら約15人が、アイマスクを使っての飲食や歩行などを体験した。5日も行われる。

 視覚障害者の生活訓練などに取り組む同センターが、2006年から毎年開いている。セミナーでは、同センター総務・視覚障害支援課の中川幸士課長が、視覚障害の基本的な知識や福祉制度について説明した。

 その後、参加者がアイマスクを着けて、視覚障害を疑似体験。テーブルを時計の文字盤に見立てて「2時の方向に皿があります」と教わると、参加者は手探りで皿を探し、フォークでカステラを口に運んでいた。また、アイマスクをした人に肩を貸して誘導しながら歩く訓練もあった。

 視覚障害者の職業支援に携わる松山市土居田町の職業指導員、松下一男さん(49)は「実際に目が見えない状態を体験できた。視覚障害者に不安を感じさせない支援に取り組みたい」と話した。

アイマスクを着けて視覚障害を体験する参加者(松山市で)

アイマスクを着けて視覚障害を体験する参加者(松山市で)

2015年07月05日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

視覚障害者福祉協慰問マッサージ 年1度、老人ホームで

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■「気持ちいい」励みに50年

 佐賀市視覚障害者福祉協会(大田亀(すさし)会長)が年に1度行っている老人ホームへのボランティア慰問マッサージが、今年で50年を迎えた。社会貢献への熱意を半世紀にわたって引き継いできた会員は、お年寄りとの触れ合いを楽しみながら優しく体をほぐし、癒やしのひとときを提供している。

 施設への慰問マッサージは社会参加の一環として古くから行われてきたが、協会として慰問マッサージに取り組み始めたのは、前身の「佐賀市盲人福祉協会」が設立された昭和40(1965)年。以来、協会の恒例行事として、毎年この時期にマッサージ師の資格を持つ会員が老人ホームを訪問。会員は約1カ月前から当日の人員確保や振り分けなどの準備を進め、訪れる施設の規模に応じて2人、5人、10人と会員を割り当てる。

 今年は6月14日に行い、約20人が佐賀市など4カ所の施設を訪れ、入所者やショートステイ、デイサービス利用者らを15分から20分ずつマッサージした。中には寝たきりの人もおり、会員は施設の職員とやり取りをしながら、骨折などがないように力を加減しながら体をほぐした。大田会長(63)は「お年寄りの『気持ちいい』の一言が励み。もっと時間をかけてあげられたら」と話す。

 協会の会員約60人のうち、マッサージ師の資格を持つのは50人ほど。会員の高齢化が進み、若手が増えないという悩みもある。7代目の大田会長は「社会の支えに対する恩返しという先輩方の熱い思いをつないできた。これからも絶やさずに続けていくため、若い人たちの参加を呼び掛けていきたい」と話す。

佐賀市視覚障害者福祉協会が50年続けている慰問マッサージ。今年は大田会長(左)ら約20人が参加した=佐賀市内

2015年07月05日     佐賀新聞

障害者スポーツ振興に本腰 葛飾区、職員の活動が原点 /東京

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 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、自治体が障害者スポーツ振興に本格的に乗り出した。1994年から障害者向け水泳教室を開催している東京都葛飾区は近年、他競技の教室も始めるなど取り組みを拡大している。都も今年度予算で関連施策費用を前年度の4倍計上した。そんな行政の動きを追った。【飯山太郎】

 6月下旬、葛飾区総合スポーツセンターの温水プールを訪ねた。午後4時を過ぎると、障害者たちが第1コースに入る。25メートルを泳ぎ切ったり、自分のペースでゆったり歩いたり。この日は13人がそれぞれのレベルに合わせて、障害者スポーツ指導員が見守る中で水に親しんでいた。区が水泳教室とは別に、気軽に水に触れてもらう機会として2011年度から月1回、約2時間行っている障害者の水泳専用レーンだ。

 参加したダウン症の次女(37)を見つめていた女性(67)は「泳いだ後は適度な疲れで、夜よく眠る」と話した。自閉症の三男(11)と一緒にプールに入った女性(50)は「自分も一緒に楽しみたいと思い障害者スポーツ指導員の資格を取った。うちの子だけでなく、他の子のためにも資格を生かせれば」と笑った。

 専用レーンをはじめとした区の障害者スポーツ振興の原点は、約30年前にあった。

 総合スポーツセンターは1984年にオープンした。当時、区スポーツ振興公社職員だった池谷俊子さん(66)は、敷地内を散歩する近隣の障害者や家族と接して、スポーツを楽しめる場を求めている人が多いと知った。「平日、障害者たちは作業所などに通って体を動かせるけれど、週末はそうした機会もなく、身体的な疲れがないため、寝付きが悪くなってしまう。家族も悩んでいた」と振り返る。

 その頃は、センターは健常者がスポーツを楽しむ施設として受け止められており、障害者を指導する人材もいなかった。池谷さんは都内で行われていた障害者スポーツの研修会や水泳教室に自費で参加して見聞を広め、障害者スポーツ指導員の資格も取った。そして障害者向けの水泳教室をスタートさせた。最初は年1回、3日間だけだった。

 98年長野冬季パラリンピックを機に、区も障害者スポーツの必要性を認め、振興に本腰を入れ始めた。同年から初級障害者スポーツ指導員の養成講習会を実施し、修了者は昨年までに計約200人に上る。水泳以外の障害者スポーツ教室も始まり、2009年から水泳教室は月1回に拡大された。

 区は13年度から10年間の施策の方針をまとめた基本計画で、障害者スポーツの推進を盛り込んだ。池谷さんの活動に行政がついてきた形だが、池谷さんは「障害者や家族が喜ぶ姿に励まされただけ」と謙遜していた。

 一方、都は今年度の障害者スポーツ関連施策予算を約9億8100万円計上し、昨年度の約2億4700万円から大幅に増額させた。障害者スポーツ課も新設した。舛添要一知事は「パラリンピックが成功して初めて、(20年東京大会が)成功だと思っている」と話す。葛飾区が14年度から始めたトランポリンの交流大会にも、都は今年度から補助金を支給する。

 都が今年度、特に力点を置くのが、障害者スポーツの理解促進や普及啓発で、約4億3500万円を充てる。学校が夏休みに入る8月以降、障害者スポーツの体験イベントを多数計画するほか、障害者が公立スポーツ施設を利用しやすいようにするため配慮すべきポイントをまとめたマニュアルの作成にも着手した。担当者は「五輪後は、誰もが身近にスポーツを楽しめる環境を整えたい」と意気込む。

 池谷さんは今年3月で区を退職し、現在はボランティアとして水泳教室などを支えている。20年東京パラリンピックについて「地域の作業所レベルでもスポーツを楽しめる契機になれば」と期待する。さらに「学校に通っている間はスポーツをする機会があるが、卒業すると運動不足になる障害者も多い。行政が機会を提供するのでなく、もっと職場や作業所など身近な場所でスポーツをできるようになってほしい」と語った。

専用レーンで水と親しむ参加者ら=東京都葛飾区の区総合スポーツセンターで

2015年07月05日 フェイスブ日新聞 首都圏版

電動車椅子:紀伊半島一周に挑戦 障害者差別の解消訴え

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 脳性まひで全身がほとんど動かない藤原拓郎さん(26)=大阪市西成区=が電動車椅子で紀伊半島一周(約700キロ)に挑む。多くの人と出会って、偏見や差別をなくすために制定された障害者差別解消法を知ってもらいたいという。「誰もが平等に生活できる世の中になるよう貢献したい」。野宿しながらの約1カ月間の旅は9月12日にスタートする。【黄在龍】

 藤原さんは生まれつき脳性まひで、右手の指先だけを少し動かすことができる。電動車椅子は右手だけで操作するが、日常生活は全面的な介助が必要だ。紀伊半島一周には障害者の自立を支援するNPO法人「ムーブメント」(大阪市阿倍野区)の職員2人が付き添う。

 検討しているルートは、阿倍野区を出発して奈良県に入り、三重県四日市市付近まで北東に進む。その後、南下して和歌山県を海沿いに回り、大阪に戻る予定だ。

 電動車椅子は時速約4〜5キロ。費用を抑えるため夜は原則として公園などにテントを張って過ごす。入浴は公衆浴場などを活用する。電動車椅子は公共機関の協力を得て充電させてもらうという。費用は数十万円を予定しており、支援者らのカンパなどで賄う。

 障害者差別解消法は、事業者などが障害者を差別的に扱うことを禁じている。旅の途中でコンビニや道の駅に立ち寄り、法律の内容を説明したパンフレットを配る。沿道の小学校や支援学校で講演する計画もある。

 藤原さんがこの旅を思い立ったのは、かつて母洋子さん(56)から聞かされた一言だ。「他人に誇れることをやりなさい」

 小中学校時代は普通の学校に通い、明るい性格だった。「障害があることを忘れるくらい友達と楽しく過ごした」と振り返る。

 しかし、中3の時に父親が病気で亡くなった。一日中働くようになった洋子さんに代わり、5歳下の弟が藤原さんの身の回りの世話をした。食事、トイレ、入浴など助けがなければ何もできない。部活動もできない弟の姿を見て、「僕がいるから皆が苦労する。全部自分のせいだ」と自分を責めた。

 偶然訪れたムーブメントで多くの障害者が1人暮らしをしているのを知った。洋子さんを説得し、23歳からヘルパーの助けを得ながら1人で暮らしている。旅の計画を伝えると、洋子さんはこう言ってくれた。「お金は貸さないよ。自分の力だけでやりなさい」

 藤原さんは「チャレンジする姿を見てもらうことで、今度は障害を持つ仲間に自分が勇気を与えることもできれば」と話す。問い合わせはムーブメント(06・4399・3380)。

 ◇障害者差別解消法

 事業者や行政機関が障害を理由にサービスの提供や入店を拒否するといった不当な差別をすることを禁止している。障害者の権利を侵害した場合、国は事業者に報告を求め、助言や指導をする。虚偽報告などには罰則(20万円以下の過料)もある。施行は来年4月。

紀伊半島一周に向けて支援者らと打ち合わせする藤原拓郎さん(中央)

2015年07月04日     毎日新聞


加藤 障害者陸上世界新で優勝、女子砲丸投げ

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 関東身体障害者陸上選手権は4日、東京・町田市立陸上競技場で行われ、女子砲丸投げで加藤由希子(仙台大)が12メートル47のF46クラス(切断など)の世界新記録で優勝した。日本パラ陸上連盟によると、従来の記録は5月に自身が大分市の大会でマークした12メートル24で、今回は23センチ塗り替えた。

 加藤は連盟を通じ「更新できたのはシーズンに入っていい流れをつくれているからだと思う。さらなる記録を目指して頑張ります」とコメントした。

 2015年7月4日     スポーツニッポン

室蘭市内のホテル、盲導犬同伴者の受け入れ進む

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 視覚障害者向けの卓球、サウンドテーブルテニス(STT)の練習会(室蘭視力障害者ガイドヘルパーの会主催)が4日、室蘭市東町の市障害者福祉総合センターで開かれた。胆振以外から参加の盲導犬同伴の視覚障害者2人が市内中島町のホテルサンルート室蘭(柳谷純二支配人)に宿泊。室蘭でも盲導犬への理解、受け入れが徐々に進んでいる。 

 身体障害者補助犬法では、公共施設に盲導犬受け入れを義務付けている。しかし、5月に市内で開催予定だったSTT交流会が、盲導犬同伴で宿泊できるホテルが見つからずに中止となり問題になっていた。市は6月、市内の宿泊施設10カ所を訪問し、同法の趣旨を説明し、宿泊を拒まぬよう要請していた。

 この日の練習会には札幌、函館、壮瞥から各1人、市内から2人の計5人が参加。音を頼りにボールを打つSTTの練習試合を楽しんだ。このうち、札幌、函館から参加した2人が前日の3日、盲導犬同伴で同ホテルに宿泊した。

 函館在住の宮武祐子さんは「従業員の方がバスルームのシャンプー、リンス、ボディーシャンプーの位置を教えてくださり、朝食バイキングでは料理を運ぶのをサポートしていただきました。とても親切な対応でした。ありがとうございます」と感謝の思いを口にする。

 室蘭視力障害者ガイドヘルパーの会の小林与志美会長は「受け入れていただいたホテルの勇気に感謝します。参加者に室蘭市民の優しさが伝わったのではないでしょうか。要請を行っていただいた市にも感謝します。これを機に視覚障害者と盲導犬への理解が進むと期待します」と話していた。

 ホテルサンルート室蘭は過去にも盲導犬同伴の視覚障者者の宿泊を受け入れている。柳谷支配人は「お客さまに当然の対応をしました。障害者やお年寄り、体の不自由な方に配慮していきたい」と話し、今後も受け入れる意向だ。

室蘭民報    2015年7月5日

差別解消へ理解を 障害テーマ意見交換 仙台

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 仙台市は、施行を予定する障害者差別解消条例(仮称)の議論に生かそうと、市民向けワークショップ「ココロン・カフェ」を開催している。昨年10月から8回を重ねたが、障害のある当事者以外の参加者が少ない。差別の解消には市民の理解と関心の高まりが欠かせず、市は参加を呼び掛けている。

 カフェはほぼ月1回開催、毎回60人前後が集まる。カフェで出た意見は、条例案を検討する市障害者施策推進協議会に報告される。
 6月10日の第7回カフェは泉区役所であり、障害者や支援者を中心に43人が参加。5、6人ずつに分かれ、差別解消に向けたアイデアを話し合った。
 外見からは分かりにくい内部障害があるという女性は、バス乗車時の体験を話した。「つえをついて立っていたらバランスを崩して倒れ、運転士や乗客から心ない言葉を掛けられた。恥ずかしくて悔しかった」と目に涙を浮かべ訴えた。
 意見交換の場で、女性の体験には「すぐに相談できる窓口があるといいのに」「そうした事例があることを広めるべきだ」との声が上がった。
 カフェではコーヒーや菓子が用意され、リラックスした雰囲気で話ができる。参加した泉区身体障害者福祉協会会長の我孫子経広さんは「障害に関して自由に発言できる場は貴重だ」と話した。
 市障害企画課の高橋洋子課長は「障害への理解がないことが差別に結び付くことがある。一般の人もカフェに参加してもらい、知識を得るきっかけにしてほしい」と呼び掛ける。
 差別解消条例は来年4月施行の予定。第9回のカフェは6日午後2時から、青葉区の市福祉プラザで開かれる。手話通訳や要約筆記もある。参加無料。連絡先は市障害企画課022(214)8163。ファクス022(223)3573。電子メールfuk005330@city.sendai.jp

グループで話し合う参加者ら

2015年07月06日     河北新報

障害はつくられる

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今年の7月1日は、いつもの年よりも1秒だけ、1日の時間が長いんですよね。貴重な1秒を、皆さんはどう使いましたか?

障害学という分野があります。これまでのような専門職からのアプローチではなく、当事者の視点から障害について理解を深めていこうという学問です。

障害学では、障害そのものを3つのカテゴリに分類しています。

器質的障害 能力的障害 社会的障害

僕自身を例に御説明しましょう。

僕は、脳性マヒという先天性の障害を持っています。もっと厳密に定義すれば(脳の傷害によって引き起こされる種々の運動機能障害)が脳性マヒ本来の症状であり、これが器質的障害にあたります。

器質的障害があるがために2次的に生じる障壁を(能力的障害)といいます。僕の場合でいえば、「脳性マヒによる不随意運動のために細かい作業が難しい」というようなことが挙げられます。あるいは、言語障害により他者とのコミュニケーションがとりにくいというハンディも、このカテゴリに入るかもしれません。

「障害があるために○○することが難しい」というような問題が生じた時、障害学ではこれを能力的障害ととらえるのです。

能力的障害が社会活動の制約に結びつくと、社会的障害と呼ばれるカテゴリになります。障害者という理由だけで就職ができなかったり、公共の交通機関を利用しにくかったりする例がこれにあたります。

(障害は社会によってつくられる)

障害学の基本的な主張です。障害によってどうしても変えられない部分は本当にごくわずかで、ほとんどの障壁は周囲の理解と工夫によって充分に乗り越えられるのだと、障害学は言っているのです。

障害そのものを克服することは、確かに難しいかもしれません。しかし、便利な福祉機器やUD(ユニバーサルデザイン)を上手に活用すれば、障害によるハンディを感じずに生活することができます。

僕は脳性マヒのため自力での歩行はできませんが、電動車椅子に乗ることで移動面でのハンディキャップを解消しています。また、文字盤やトーキングエイドを使うことで、言語障害による不自由さを補うことも可能です。

能力面でのハンディを機械によって補填することができれば、それはもう障害ではなくなります。

言語障害があるため発話が難しい トーキングエイドを外出時に持ち歩く 人とのコミュニケーションが簡単に!

わかりやすいプロセスを御紹介しました。このような工夫がいくつも積み重なって、僕の日常は成り立っています。

決して特別なことではありません。視力の悪い人はメガネをかけます。それと同じことなんです。歩くことができないから、車椅子に乗る。自分でしゃべることが難しいから、トーキングエイドを使う。障害があるからできないと決めつけるのではなく、どうすればできるのかをまず考える。試行錯誤を重ねれば、アイディアは自然と浮かんでくるものです。

障害は、目に見えるものだけではありません。外見からではわかりにくい例として、識字障害が挙げられます。識字障害はLD(学習障害)の一種に分類され、文字の読み取りが難しいことが特徴です。ハリウッドの有名俳優がこの障害をカミングアウトするなど、世界的にも認知度が高まりつつあります。

識字障害によるハンディには、電子機器が有効です。たとえば授業中、先生の話をテープレコーダーに録音してあとで聴けるようにすれば、黒板の文字をその都度読み取る必要がないので授業に集中できます。また、公共施設などでも、文字による案内表示と音声ガイダンスを組み合わせれば、より広い障害特性の人をカバーすることができます。

けれど残念なことに、ハンディを特殊な工夫によって補うという発想に対して、日本は理解が遅れている面があります。

教育現場はとくに保守的なのか、(他の子も同じ条件なのだから)(本人がもっと努力するべきだ)などと、障害を持つその子のほうをまわりに合わせようとする傾向が強いのです。

識字障害の人たちが、日々どのような環境に置かれているかということへの想像力が欠けているのですね。学習障害の原因は決して本人の努力不足ではない。周囲のちょっとした理解と工夫で救われるのだということを、この機会にぜひ知ってください。

周囲の無理解と、偏見。

障害者の社会参加には、必ずといっていいほどこのふたつのハードルがつきまといます。

広汎性発達障害のために時間の管理が不得意な人がいます。そのせいでしばしば仕事にも遅刻してしまうのですが、こういう障害特性なんだといくら説明しても、まわりの理解は得られません。発達障害という単語はなんとなく頭に入っていても、時間管理は社会人として必須スキル、という固定観念があるため、上司や同僚には(ただただ時間にルーズな人)としか映らないのです。

こうした場合、単純に遅刻を許してほしいと訴えても問題の解決にはなりません。組織は一定の枠組みを必要としますから、それに沿った行動を社員に求めるのは当然です。

まずは、その枠組みが本当に合理的なものであるかを上司と本人で確認し、多少遅刻したとしても業務に支障が出ない部署に配属してもらうといった話し合いが必要になります。

障害は、当事者のみの問題ではありません。むしろ、(障害を持った個人を社会がどう見るか)ということのほうが重要なのであって、その延長線上にノーマライゼーションやインクルーシブの思想があります。

どんなに活動的で能力があっても、その人の障害をマイナスとしか見なさず、閉鎖的な環境に閉じ込めておくような社会なら、せっかくの才能も活かされずに終わってしまいます。逆に、障害をたんなる特性としてとらえ、そこからあらゆる可能性を見つけていけるような社会なら、どんなに重い障害があってもその人は充実した人生を過ごせるでしょう。

障害を社会で受け入れるモデルケースとなるのは、スウェーデンです。世界でもトップクラスの福祉先進国であるスウェーデンは、障害者が暮らしやすい国としても知られています。

スウェーデンの福祉システム(スウェーデン・モデルと呼ばれます)についての本を読むうちに、僕のなかでひとつのイメージが出来上がっていきました。

「障害者にきびしい国」

これが、僕にとってのスウェーデン像です(もちろん、いい意味で)。

第一に、よほどのことがないかぎり障害者とは呼ばれません。少しぐらい足が不自由でも、その人は(歩くのが多少苦手な健常者)と見なされ、就労などの機会は平等に与えられます。日本で障害者に認定されている人の7割以上がスウェーデンでは健常者と呼ばれるのではないかと、あるエッセイに書いてありました。障害者の定義が日本とはまるで違うのです。

障害者にきびしいといっても、決して冷たく扱うわけではありません。実際はその逆で、必要なサポートは惜しみなく提供します。

電動車椅子でバスに乗るのは当たり前。リフト付きタクシーがごく普通に街中を走っている……こんな住みやすい国なら、僕も移り住みたいです。障害を社会全体で受け入れる土壌がしっかり育っているから、当事者の立場になっても自分ひとりで悩まずにすむ。日本もこの視点を学んでいくべきです。

(障害をつくるのが社会なら、障害を受け入れるのも社会の役割である)

障害学を通して得た結論です。   立石芳樹 (たていし・よしき)

 2015年7月 6日     朝日新聞

障害者と健常者一緒に音楽を 北九州芸術劇場で /福岡

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 障害者や健常者が一緒になって音楽を楽しむ「かがやけ!えがおのワンコインコンサート」が4日、小倉北区室町の北九州芸術劇場であった。

  高齢者や障害者に音楽を通してリハビリを行う百瀬ミュージックボランティアグループ(小倉南区)が主催し、今年で13回目。

 コンサートでは市内で活動するアーティストが合唱や演奏、日本舞踊などを披露した他、重度障害を持つ子どもたちがステージに登場し、グループのメンバーらと歌や踊りを楽しんだ。

〔北九州版〕  毎日新聞 2015年07月05日 地方版

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