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盲導犬や白杖の人いたら声掛けて メトロ死亡事故で障害者団体

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 東京都港区の東京メトロ銀座線青山一丁目駅で十五日、盲導犬を連れた会社員品田直人さん(55)=世田谷区=がホームから線路上に転落し、電車にひかれて死亡した事故で、視覚障害者の関連団体からは「盲導犬や白杖(はくじょう)を持った人がいたら、積極的に声を掛けてほしい」との声が上がっている。

 赤坂署によると、品田さんには視覚障害があった。事故当時はお盆時期で、ホーム上に人影はまばら。駅のカメラにはホームの端付近を盲導犬を連れて歩き、徐々に線路方向にずれて行く品田さんの姿が映っているが、周囲の人が注意を払う様子は確認できなかったという。

 盲導犬を育成する公益財団法人アイメイト協会(練馬区)は「視覚障害者は周りの状況が分かりにくい。危険と感じたら『ストップ』や『危ない』と大きな声で知らせてほしい」と強調する。駅係員は「白線の内側に下がってください」と呼び掛けていたというが、同協会は「視覚障害者はどこが白線か分からない」と訴える。

 一方、ホームには点字ブロックがあったが、一部が支柱と重なっていた。東京メトロはこの点字ブロックは、端に近寄らないよう警告するために設置されており、上を視覚障害者が歩くことを想定していないという。都盲人福祉協会(新宿区)の笹川吉彦会長は「障害物を避けるように点字ブロックを敷設している駅もある。もう少し配慮があってもいいのでは」と話している。

2016年8月16日   東京新聞


ホームの安全 多様な乗客いることを

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 視覚障害者の男性が東京の地下鉄ホームから落ち、電車にはねられて亡くなった。交通弱者を守る目は十分だったか。障害者、高齢者やベビーカー利用者など多様な乗客を想定して再考すべきだ。

 事故は十五日、東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で起きた。東京都内に住む男性(55)がホームから線路に転落、すぐに進入してきた電車にはねられた。転落原因はまだよく分かっていないが、警視庁や同社の説明では、男性は盲導犬を連れていた。当初は点字ブロックの上を歩いていたが、線路方向にずれていったという。

 転落場所から少し先には柱の列が立ち並び、ホームの幅が狭くなっていた。点字ブロックの上に柱の一部が重なり、男性の進行を阻む形になっていた。盲導犬が障害物を避けようとして男性の体が線路側にそれた可能性もある。

 残念なのは、転落を防ぐホームドアが設置されていなかったことだ。視覚障害者が駅ホームから落ちる事故が相次ぎ、国土交通省は五年前、利用者が一日十万人を超える駅にホームドアの設置を求めた。鉄道各社は改修を進めるが、今年三月末までに設置されたのは首都圏や名古屋、京阪神などの都市部や新幹線などの六百六十五駅、十年前の二倍にとどまる。

 東京メトロは九路線のうち、ホームドアの設置が終わっていない路線が五つある。今回事故の起きた銀座線はホームが狭くて強度も不足、設置が遅れている。人命が失われてからでは遅い。安全策の要は人の力だ。構造的にホームドアの整備が難しいなら、係員を増やすべきではないか。

 同社はまた、来春以降の運行ダイヤ改正で、ホームドアのない半蔵門など五路線の半数の駅で停車時間を五~十秒延長する。今春、九段下駅で乗務員がベビーカーをドアに挟んだまま走行を続ける事故が起き、その再発防止策だ。ベビーカーに子どもは乗っておらず、最悪事態は免れたが、二度とあってはならない。

 都市部の鉄道は過密ダイヤで速さを競いあってきたが、もはや転換期にある。運行時間が延びても乗務員がドア開閉などで十分に安全確認できる時間を確保することの方が大切だろう。

 公共の乗り物がだれにとっても利用しやすいものであるのか。交通弱者と呼ばれるのは障害者だけでない。高齢者や妊娠中の女性、ベビーカーを利用する親たち…。鉄道事業者だけでなく、周りの人も見守り、支え合いたい。

2016年8月17日   中日スポーツ

緊急寄稿:つなげたい 社会のなかでともに生きる灯火

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筋ジストロフィーの詩人 岩崎航の航海日誌

【ヨミドクター編集部より】 相模原の障害者施設殺傷事件を受けて、岩崎航さんが、既に用意していた原稿とは別に、この事件についての思いを緊急に送ってくださいました。更新日の本日17日にはこの緊急寄稿を掲載し、本来の連載2回目は1週間後の24日に掲載します。

 7月26日、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で暮らす重度の障害を持つ入所者19人が、残忍な凶行により命を奪われ、入所者と職員をあわせ27人が負傷する事件が起こりました。

 亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、心身に深い傷を負われた方の一日も早いご回復を祈ります。

 身動きできず、逃げることも抵抗することもままならないなか、命を奪われ、傷つけられた方の痛みと恐怖はいかばかりだったでしょうか。思いを寄せるたびに身が震えます。ご家族、園で暮らしの時間をともにしていた他の入所者、ケアにあたっていた職員、身近な関係者の悲しみと心痛を思うといたたまれません。

 報道によれば、容疑者は障害者への強い差別感情があり、「障害者は不幸しか作れない。社会からいなくなればいい」と著しく偏った考えに突き動かされ、犯行に及んだと伝えられています。

 私はとてつもない恐怖を感じました。障害者が生きること自体を、真っ向から否定されたのと同じだからです。目の前が深い闇に閉ざされるような気持ちになりました。

人間の幸不幸は、障害の有無だけでは決まらない

 だいぶ以前から感じていたことで、詩に書いたこともありますが、広く人びとの間に、「管をつけてまで、寝たきりになってまで、そこまで重い病気や障害を持ってまで、生きていてもしかたがない」という貧しい社会通念があるのではないでしょうか。容疑者が「障害者はいないほうがいい」と考えて暴走したこと、事件後、その考え方に一理あると共感してしまう人たちがいることも、その通念の根深さがあらわれていると思います。

 自分の命を全うし、その人固有の人生を生きることは、一定の基準のもとに個人や社会から、条件つきで認めてもらうものではありません。寝たきりかどうか。判断能力やコミュニケーション能力がどれくらいあるか。そんなことで人の生き死にを先取りして、勝手に決めつけられてはならないと思います。

 考えてみれば自然のことですが、生きていれば、人はどこかで必ず病気になったり、障害を持ったりします。不慮の事故などで突然に亡くなったりしないかぎり、誰もが経験します。

 健常者の生と、障害者の生とを切り分けて見ようとせず、人が生きるなかで障害があったりなかったりすると捉えれば、我がこととして、病気や障害を持って生きることを考えられるのではないでしょうか。

 私は若い頃の一時期、「病気を持ち障害のある状態で生きていても自分の幸せはない」と絶望して、自殺願望を抱いていたことがありました。命をないがしろに扱う点では、自分自身を生きていても仕方ない人間だと位置づけるのと、他人のことを生きていても仕方ないと決めつけるのとは、この事件のもとになった発想に重なる危うさがあります。

 「死んでしまったほうがましだ」と思い込んでいたその頃より更に病状が進み、障害は重度化している40歳の今、自分を不幸だとは思っていません。生活の中、人と人との関わり合いの中で、幸せを感じる瞬間もたびたびあります。早まって死なずにいて良かったと思います。人間の幸不幸は、心身の障害の有無だけで決まってしまうほど、単純な話ではないというのが私の実感です。

自分の命と人生を他者とともに生きる

 病気や障害を持って生きるためには、生活を支えるための介護と医療の手助けと、血の通った人と人との日常的な関わり合いが必要です。もしそれがほとんど得られない状況に置かれ続けていたのなら、おそらく、私は生きたいと思えないでいたでしょう

 庭に咲いた小さな花をスマホで写し、笑顔で見せてくれる母がいます。息子の活動を喜んでくれる父がいます。同じ病を生き、いつも力づけてくれる兄がいます。常に気にかけ応援してくれる姉夫婦がいます。どんなことでも話し合える親しい人や、珈琲(コーヒー)を飲みながら何となく雑談できる人がいます。的確な介助で毎日を支えるヘルパーさん。連携したチームで在宅医療を提供する医師、看護師、理学療法士、薬剤師、人工呼吸器の担当者。介護ベッドや車いすなど福祉用具の担当者、相談支援のワーカーなど、多くの人との関わりがあってこそ、私は社会の中で生きていけるのです。

介護ベッドの上で毎日を生きる人に
絶えずもっとも必要なのは
「やあ こんにちは」って
訪ねてくる
医師であり看護師であり
療法士であり
ヘルパーであり
友だちであり、恋人であり、家族であり
暮らしの時間をともにする人だ

 事件を知って間もない頃、恐怖と悲しみに暗い気持ちを抱えていた時、親しい友人が私の気持ちに耳を傾けながら、話してくれた言葉が心に残っています。

 「私の母や姉も『岩崎さんがこの事件を知って、とても辛(つら)い思いをしているのではないかな』と心配していたよ」というのです。

 友人を通して間接的に知っているだけで、会ったことも話したこともないお二人です。それなのにこうして心を寄せて気遣ってくれる。その事実に触れたとき、私は心強い気持ちが湧いてきました。おそらく少なくない人が、友人の親子が私を思ってくれていたように、血縁の有無も、遠いつながり近いつながりも問うことなく、重い障害を持って生きる身近な人たちに思いを馳(は)せて心配する光景が、それこそ無数にあったに違いないと直感したからです。

 私はサン=テグジュペリのエッセイ集 『人間の土地』の序文が胸に浮かびました。童話『星の王子さま』の作者でもあるサン=テグジュペリは、ナチズムと闘った作家、パイロットとしても知られています。序文は、初めての夜間飛行中に眺めた街の光景から感じとった、人と人とが心を通わせて生きる営みの素晴らしさを書いたものです。一部、引用します。

 それは、星かげのように、平野のそこそこに、ともしびばかりが輝く暗夜だった。
 あのともしびの一つ一つは、見わたすかぎり一面の闇の大海原の中にも、なお人間の心という奇蹟(きせき)が存在することを示していた。(中略)努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じあうことだ。

サン=テグジュペリ(堀口大學 訳)『人間の土地』/新潮文庫

 ここでいう「自分を完成すること」「ともしびたちと、心を通じあうこと」とは、ひとりひとりが自分の命と人生を他者とともに生きることです。目の前を闇に包まれて、暗澹(あんたん)たる思いに打ちひしがれても、目と耳は塞がずにいようと思います。心を閉ざさずにいようと思います。障害がある人もない人も、社会のなかでともに生きる光は世界中に灯(とも)っている。私もその灯火をつなげていく一人でありたいと願っています。

大気を呼吸すること
体に栄養を取り入れること
トイレに行くこと
自宅に住まうこと
おしゃべりすること
珈琲を飲み、酒を飲むこと
外に出かけること
ああだこうだと仕事すること
愛すること
つながりあって
人々の中で生きて死ぬこと
それを人間らしく望んでいるだけだ

2016年8月17日   読売新聞

音声で町歩きサポート 障害者、外国人活用も期待

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嬉野温泉商店街「てくてくラジオ」開始

 嬉野市の嬉野温泉商店街に7月から、AMラジオで道沿いの店舗や施設を案内するシステム「てくてくラジオ」が導入されている。多言語に対応しており、視覚障害者をはじめ、外国人観光客も町歩きや買い物を気軽に楽しめるようサポートする。

 てくてくラジオは、店や施設に情報発信器が備え付けられたエリア内で、AMラジオ受信機を持ち歩くと現在地の情報などが得られる仕組み。山陰地方のバリアフリーツアーセンター(BFTC)を運営するNPO「プロジェクトゆうあい」(島根県松江市)が開発し、発信器を販売している。これを佐賀嬉野BFTCが取り入れ、商店街店舗などに利用を呼び掛けた。

 同商店街は中通り約800メートルを中心とする27カ所の店舗や公共施設、神社に情報発信器を設置。AM1620キロヘルツに合わせて発信器から2~3メートルの距離まで近づくと、日本語、英語、韓国語、中国語で短い自動音声が流れる。「ここは○○です」という現在地案内だけでなく、店舗によっては自慢の商品や外国人対応が可能なことなども伝える。

 嬉野温泉バスセンター内の同BFTC窓口のほか、10軒の温泉旅館でもAMラジオを貸し出す。てくてくラジオのシステムは、本年度中に同市塩田町の伝統的建造物群保存地区「塩田津」にも導入予定。同センターの吉川博光事務局長は「近年、嬉野への外国人観光客は増えているが、何の店なのか分からず店舗に入りづらそうにしている姿もよく見る。商店街で買い物を楽しんでもらう一つのきっかけになれば」と話している。

商店街の「あめがた屋」に設置されている「てくてくラジオ」の発信器(右)と、佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターで貸し出しているAMラジオ=嬉野市嬉野町 商店街の「あめがた屋」に設置されている「てくてくラジオ」の発信器(右)と、佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターで貸し出しているAMラジオ=嬉野市嬉野町   2016年08月17日   佐賀新聞

障害者の工賃、6年連続上昇

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 県内の福祉施設や有識者らで構成する県障がい者工賃向上推進委員会が大分市の県庁であった。
 事務局の県障害福祉課は、障害者が軽作業などをするB型事業所の月額工賃(平均1万6237円・2015年度実績)を報告。6年連続で上昇した。工賃向上の理由として、営業活動による新規作業獲得や官公庁からの受注増加などを挙げた。
 16年度は、昨年度に引き続き、共同受注体制確立事業とアドバイザー派遣事業に取り組むことを決めた。
 委員らは、事業所ごとの月額工賃の違いや民間との連携、アプローチ方法などについて意見を交わした。

報告に耳を傾ける参加者ら

報告に耳を傾ける参加者ら

2016・8/18  大分合同新聞

障害者殺傷 社会が賛同するはずだったとの趣旨供述

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先月26日、相模原市の知的障害者施設で入所者が刃物で刺され19人が死亡、27人が重軽傷を負った事件で、入所者9人に対する殺人の疑いで再逮捕された施設の元職員の男が調べに対し、事件を起こした自分に社会が賛同するはずだったという趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかりました。

この事件で警察は、相模原市緑区の知的障害者の入所施設「津久井やまゆり園」の元職員、植松聖容疑者(26)を15日、入所者9人を殺害した疑いで再逮捕し、17日、身柄を横浜地方検察庁に送りました。
これまでの調べで植松容疑者は、事件の動機として障害者を冒とくするような供述をしているということですが、その後の調べに対し、事件を起こした自分に社会が賛同するはずだったという趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で新たにわかりました。
植松容疑者は事件前のことし2月、施設の担当者から障害者への差別的な発言を撤回するよう注意された際にも「ことし1月から2月ごろにこの考えに気付いた。自分は間違っていない」などと反論していたということです。
捜査当局は、植松容疑者がこうした主張を持つようになった詳しいいきさつを調べています。

8月17日   NHK

ホーム転落事故は「駅員増員」だけで防げるか

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安全施設も普及進むが、利用者の協力も必要

ホームからの転落事故や接触事故の件数は増える傾向にある

安全施設も普及進むが、利用者の協力も必要

ホームからの転落事故や接触事故は、年々増える傾向にある。国土交通省によると、2014年度に起きたホームからの転落、接触事故の件数は227件。2004年度は118件だったため、この10年で100件以上も増えたことになる。8月15日には、東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬を連れた視覚障害者の男性がホームから転落、電車にはねられて亡くなるという事故が発生した。

ホームでの事故が増えた理由として、合理化や人員削減により「ホームの駅員が減ったから」ということがよく指摘される。だが、それは本当なのだろうか――。

駅員配置でホームは安全になるか

確かにホームに駅員の姿を見かけることは昔に比べて減ったように思えるが、実際に駅員は減っているのだろうか。たとえばJR東日本は、駅員が終日ホームにいる駅の数については「列車の運行状況によって、ホーム係員の配置状況も異なるため、一概に何駅とは申し上げられません」と説明しており、具体的に駅員が終日いる駅がどの程度あるかは公式には明らかにしていない。

だが、銀座線の駅で今回起きた事故ではホームに駅員がおり、アナウンスで注意を呼びかけたものの、それでも転落を防ぐことはできなかった。ホームに設置した視覚障害者誘導用の点字ブロック上に柱があり、ホームの幅が狭くなっていたことが指摘されている。

ただ、鉄道会社側も対策を怠っていたわけではない。最近では駅員とは別に警備員がホームに配置されている駅も多く見かけるようになった。また、さまざまな転落事故防止の設備も以前に比べて普及してきている。

JR東日本はホームの安全対策について、通勤時間帯には係員を増配置するなどの対策を講じているほか、「ホームドア、警告・誘導ブロック、非常停止ボタン(列車非常停止警報装置)、転落検知マット、画像処理式転落検知装置等の各種安全設備を設置しています」という。

「画像処理式転落検知装置」では、ステレオカメラにより線路を立体的に監視し、転落者を検知した場合に列車に停止を指示するようになっている。「転落検知マット」とは、ホーム下に設置したマットで転落者を検知し、列車に停止を指示するというものだ。さらに、駅には非常停止ボタンの設置も進んだ。

国交省の資料によると、転落検知マットや非常停止ボタンの設置率は、ホームへの列車進入速度が概ね60km/h以上、かつ運転本数が1時間あたり概ね12本以上の駅については2014年度に全国で整備率100%を達成している。

監視カメラや鏡も駆使

これらの設備に加えて、駅にはカメラも設置されている。列車の最後部、車掌が乗車している乗務員室から見える場所に、ホームの天井からモニターがぶら下がっていることに気づいている人もいるだろう。車掌はそのモニターで、ドアを閉める際に直接確認できない部分の状況を監視している。

大きな駅では、ホームに駅員が立っており、駅員が見るための監視カメラとモニターもある。これで、車掌がフォローできない部分をカバーし、ホームの安全を守っている。

一方で、安全確保のためには昔ながらのアナログ的な技術も使っている。鏡である。たとえば渋谷駅の山手線ホームでは、鏡を見て駅係員の後方の様子を探りつつ、前方も確認している。もっとすごいのは飯田橋駅の中央・総武緩行線ホームだ。この駅のホームは急カーブ上に位置している。下り線ホームでは、鏡を2枚使い、あわせ鏡にして目視ができないホームの前方を確認している。同駅では監視カメラも併用しており、死角を極力少なくしようという姿勢がうかがえる。

ホームに駅員がいたほうが安心感はあるが、ホーム上は必ずしも見通しがいいわけではなく、人間の目が全体に行き届くわけではない。転落者がいたとしても、すぐに発見できない可能性もある。そこで、人間の目の代替機能となり、万が一の際に機械的に確実に列車を停めることのできる設備の充実が進んできた。

だが、これらの設備は基本的には「転落を素早く発見し、列車を停める」ことが主な目的で、転落自体を防ぐ設備ではない。列車がホームに進入してきた際に転落したとすれば機械があっても駅員がいても対応は間に合わない。国交省の資料でも「ホームから転落して接触した人身障害事故は、非常停止ボタンの整備等の対策が進められているものの、減少までには至っていません」と説明している。

列車などとの接触を伴わないホームからの転落は2014年度に3673件発生しており、全国で1日に10件程度は発生していることになる。このうち視覚障害者の転落は80件だ。視覚障害者にとって、駅のホームは「欄干のない橋」と形容されることもある空間だ。これ以上の転落防止に向けては、やはりホームドアの設置拡大といった、根本的に転落を防ぐ設備の普及が望まれる。

利用者も事故を防ぐ力になる

だが、ホームドアの普及がまだそれほど進んでいない現状で、ホームからの転落や接触事故を防ぐにはどうすればいいだろうか。鉄道会社側の努力はもちろんだが、利用者の心がけによっても事故を減らすことはできる。

私たちもホームから転落する人を見ることがあるかもしれない。その場合にはどう対処すべきか。「転落した人を発見した場合、あるいは危ないと思った場合は、ホームにある非常停止ボタン(列車非常停止警報装置)を押してください。転落したお客さまは駅係員が救済するため、ホーム上のお客さまは絶対に線路内に下りないでください」とJR東日本はいう。

事故を防げるのは駅員だけではない。視覚に障害のある人がホームから転落しそうな場合などに声をかけることは誰にでもできる。さらに、万が一の際には非常停止ボタンもホーム上にある。本当に必要な時には押せるよう、われわれも日ごろ利用する駅などではどこに非常停止ボタンがあるかを確認しておきたい。

2016年08月18日   東洋経済オンライン

太平洋戦争の戦傷病で療養、全国でなお238人

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 太平洋戦争が要因となった病気やけがで2014年度末現在も治療を受ける元軍人・軍属が全国で238人、うち戦場体験などによる精神疾患で療養中の患者は13人いることが厚生労働省への取材で分かった。入院中の精神疾患患者は6人で、数十年間退院できないケースもあるとみられる。兵庫県内では08年度まで元軍人の男性患者1人が通院。過酷な体験から長い年月を経ても心身の傷が癒えないことが、あらためて浮き彫りになった。

 軍での公務上のけが、病気による治療が必要な元軍人・軍属には、都道府県が戦傷病者特別援護法に基づいて戦傷病者手帳を交付。医療費などが給付されている。

 精神疾患で療養中の戦傷病患者は、04年度末に143人いたが、14年度末には13人になった。高齢化し、亡くなる人が増えているとみられる。兵庫県生活支援課によると、県内では軍在籍中に発症した男性が08年度まで治療を受けていたが、09年に死亡している。

 また、他の病気やけがで治療を受けている県内の戦傷病者は、15年度末時点で9人と判明。戦争体験が要因となった呼吸器疾患で多可町の元2等兵の男性(90)と加西市の元1等兵の男性(94)が、けがなどによって加古川市の元軍属の男性(87)がそれぞれ入院している。通院中は88~94歳の元軍人6人。

 戦争と障害者の問題を研究してきた清水寛・埼玉大名誉教授によると、1937年の日中戦争から45年の終戦までに、療養施設に収容された戦傷病患者は約26万人。うち精神疾患患者は約1万4千人いたという。

 清水名誉教授は「戦争はおびただしい数の戦傷病者をつくる。特に戦争に行って精神疾患となった患者は家族から家の恥のように言われ、社会復帰できずに病院で亡くなるなど、“復員”が果たせないこともあった。悲惨な状況を繰り返さないために、戦傷病者の存在を忘れてはならない」と指摘する。

2016/8/18  神戸新聞NEXT

 


オリンピックメダリストの報酬は、パラリンピックの最大2倍!舛添前知事も問題視した、なお残る格差問題

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小池百合子新知事も閉会式出席のためにリオへと出立しまして、いよいよリオ・オリンピックも終盤戦です。ロンドンを上回る「メダルラッシュ」に、日々寝不足という方も多いのではないでしょうか。

オリンピックが終わると引き続きパラリンピックが開催されるわけですが、ここで思い出したのが舛添前知事も言及したメダリストの「報酬格差」問題です。

ご案内の通り、五輪ではメダルを獲得すると選手には国から(JOCから)「報奨金」がもらえます。国によっては金メダルを獲得すると「一生遊んで暮らせる」くらいの金額がもらえるところもあるようですが、日本では以下のとおり。

【オリンピアンの報奨金額】

金メダル:300万
銀メダル:200万
銅メダル:100万

※ここに、競技によっては選手会や協会から上乗せで報奨金が支給される(参考)。

これを多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれというところでしょう。しかしながら、同時に開催されるパラリンピックとなると、報奨金がガクッと下がります。

【パランピアンの報奨金額】

金メダル:150万
銀メダル:100万
銅メダル:70万

このように、金・銀に関してはきっかり2倍の開きがついてしまっています。実はこの報酬金額は2014年に改定されまして、それ以前は「金100万・銀70万、銅50万」でした。この報酬金額の差を問題視していたのは、実は前述のとおり舛添前知事なのです。

2014年3月の都議会本会議にて、私からの一般質問に対して以下のように回答しています。

  続きまして、パラリンピックに取り組む覚悟についてでございますけれども、私は厚生労働大臣として、障害者スポーツには、特にこの発展ということを大変努力してまいったものであります。

 例えば、メダルをとった方に対する報奨金、これは今、ゴールドメダリスト、オリンピックだと三百万、しかしパラリンピックは百万円なんですね。

 私は、こういう差別があっていいのかということで、大臣のときに、もっと低かったのを相当上げるよう努力をしてきたつもりで、例えば二〇二〇年には、みんなの力で同額に持っていきたいと、こういうことを考えております。

平成二十六年東京都議会会議録第四号より)

参考過去記事:パラリンピックが、オリンピックと初めて共催されたのはいつ?【一般質問】
http://otokitashun.com/blog/togikai/2751/

ここに関しては舛添前知事は有言実行。同額とはいかないまでも、内外の尽力で年度内に報酬額を1.5倍にまで引き上げることに成功しているのです。

…というか、上記は舛添知事が就任して最初の定例会の議事録なんですけど、すごい良いことを色々と自分の言葉で言っているんですよね。2年間でどんどん変わっていったんだなあ…しみじみ。

もちろんオリンピックとパラリンピックはそもそも成り立ちが異なることや、競技規模・商業規模などが異なるなど事情はあるのかもしれません。

しかし、口先では「オリンピックとパラリンピックは同価値」と言いながら、このような明白な格差が残るようでは説得力がありませんし、パラリンピックをオリンピックと同様に盛り上げることなど夢のまた夢となってしまいます。

 パラリンピックは、世界最大の障害者のスポーツの大会でありますし、同時に、障害者に対する理解を促進し、都市のバリアフリー化を加速させるなど、社会的にも大きな意義を持った祭典であります。都は、二〇二〇年に向けて、町や施設のバリアフリー化を進めてまいります。

 また、パラリンピック競技の普及を推進し、各会場に満員の観客を集めることで、パラリンピアンに最高の舞台を用意したいと思っております。

 開催都市の長として、二〇二〇年のパラリンピック東京大会を史上最高の大会に仕上げるために全力を尽くしていく所存であります。

同じく、舛添前知事の言葉です。このリオ五輪の盛り上がりがパラリンピックまで継続することを祈念するとともに、4年後の東京五輪に向けて、格差解消を含めた様々な提言を検証していきたいと思います。

 おときた駿(東京都議会議員/北区選出)   2016年08月17日

ホーム転落死事故の品田さん、視覚障害と闘い幼稚園長 子どもたちを包んだ愛

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◆「優しい心忘れないで」 誕生日の悲劇

 「やさしいこころをわすれないで」。東京メトロ銀座線青山一丁目駅で転落し、電車にはねられて亡くなった世田谷区の品田直人さん(55)は、視野が狭まる病気と闘いながら、出身地の北海道で幼稚園の園長を務めていた。初めて送り出した卒園生には、こんなメッセージを寄せていた。敬虔(けいけん)なキリスト教の信者で、子どもらへの優しさにあふれる人生だった。 (藤川大樹、唐沢裕亮)

 十七日、自宅近くの教会で告別式が営まれた。参列者によると、知人や友人ら百人近くが訪れ、品田さんをしのんだ。全員で賛美歌を合唱し、長男と勤務先の代表者が思い出を語った。

 関係者によると、品田さんは北海道の高校で数学の教員を務め、宣教師として家族でフィリピンに滞在したこともある。二〇〇六年四月、知人の推薦で北海道江別市の幼稚園の園長に就任したが、当時既に、病気で視野が狭まっていた。

 園児や保護者にトイレットペーパーの芯を見せ「僕の視野はこの程度しかない。みんなにぶつからないよう、気を付けるから」と話していた。「筆で書いた卒園証書を渡したい」と書道教室にも通った。だが、病気の進行は早く、二年ほどたったころ「この仕事を続けるにはさまざまな支障がある」と自ら退いた。

 〇七年三月の卒園文集には、「みんなのえがおではげまされ、げんきなこえからいっぱいちからをもらった」「やさしいこころをわすれないでいてくださいね」とつづっている。

 その後も、子どもたちにかかわりたいとの思いは変わらなかった。市や親の要望を受け、幼稚園がある教会の二階に、小学校低学年の子どもたちを放課後に預かる学童保育を設置。今も五十七人が通っている。

 五年ほど前、行動範囲を広げたいと、札幌市の盲導犬協会から盲導犬を借りた。最初の犬が病気になり、一四年春に現在のワッフル号と交代。協会に「ワッフルと出会えて良かった」と喜びを伝えるほど信頼していた。

 今年三月、娘の進学に合わせて世田谷区に家族で転居してきた。四月から障害者の自立を支援する企業で事務を担当。事故は十五日夕、勤務先に近い青山一丁目駅で起きた。盲導犬と駅のホームを歩いていて転落した。帰宅途中だった。

 埼玉県川越市の知人の男性(72)は「仕事に慣れてきたと聞いた直後だった。本当に残念」と声を詰まらせた。事故があった日は品田さんの誕生日だった。

品田さんが2007年3月、子どもたちの卒園文集に寄せたメッセージ

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パラリンピックが、オリンピックと初めて共催されたのはいつ?【一般質問】

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正解は…1964年の東京大会です!

つまり、東京こそが現在の「パラリンピック」の原型が
生み出された場所であり、2020年はパラリンピックにとって
原点回帰の特別な大会と言えるでしょう。

しかしながらいま、オリンピックと比べてパラリンピックは
どうしても注目度が落ち、盛り上がりにかけるのが現状ではないでしょうか。

実際、現在もソチではパラリンピックが行われていますが、
メディア報道は格段に少なくなり、「え、そんなのやってるの?」
という方だっていらっしゃると思います。

まったく同じような盛り上がりといかなくても、健常者と障がい者の垣根を超えるため、
この現状をなんとか打破し、新しいパラリンピックの形を示す・魅せるのが、
その原点である東京の使命ではないでしょうか。

こうした理由から、みんなの党は大会の通称を
「パラリンピック・オリンピック大会」とすることを提唱し、
また先の国会でも松田公太参議院議員より

「パラリンピック大会を先に開催するべきではないか?」

と質問した経緯があります。

オリンピックが終わった静けさの中で
http://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-11781254476.html

「世界一の、新しいパラリンピック」開催に向けて舛添知事は
どのような姿勢で臨まれるおつもりか、その姿勢を質問いたしました。

写真 2

実は(実はも何もないのですが…)質問に対する答弁は、
予めその原稿が答弁者(この場合は知事)および質問者(議員)に
ペーパーで渡されておりまして、基本的にはそれが読みあげられるだけです。

この質問に対して答弁書には、

「社会的にも大きな意義を持った祭典で、2020年に向けて町や施設のバリアフリー化を~」

といったあたりさわりのない内容しかなかったのですが、
ここで舛添知事が男気をみせます。ペーパーになかったまったくのアドリブで、

・オリンピアンとパラリンピアンのメダリスト報酬には格差がある
・この格差をなんとか、みなさんの力で同額にもっていきたい

との答弁がありました。
なんどか書いているとおり、議会での発言には強い拘束力が発生します。

以前からインタビューなどでは意欲を見せていた知事ですが、
答弁書なかった(おそらく止められた?)発言を入れてきたあたり、
本物の覚悟があるのでしょう。

現状のオリンピアンとパラリンピアンの
報奨金格差は以下の通りです。

オリンピアン:パラリンピアン
金メダル 300万:100万
銀メダル 200万:70万
銅メダル 100万:50万

単に「同額にする」のではなく、「みんなの力で」と
含みを持たせているあたり、寄付やもしかしたら
クラウドファンディングかなにかを考えているのかも?!

みなさんは、報奨金の格差についてどのように思いますか?
パラリンピックを盛り上げるために、ほかにどんなことが必要だと思いますか?

組織委員会任せにするのではなく、議員の立場から
今後は具体的な提案を続けていきたいと思います。

2014年3月12日 20:37 • 都議会の話

横浜市がすごろく作成 障害への理解を

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 横浜市は「障害のある人もない人も みんながいっしょに暮らす横浜すごろく」を作成、17日から市庁舎や区役所などで配布を始めた。4月に施行された障害者差別解消法を踏まえ、遊びや学びを通じ、障害者差別について考えるきっかけにする狙い。18日まで子どもたちがすごろくを体験できるコーナーも用意している。 

 市が設置した「障害者差別解消検討部会」(2014年11月~15年9月)に障害当事者の立場で参加した3人が主体となって作成した。学校、職場、病院、公共施設、生活の場など10の場面を設定。例えば「学校」は「行事やイベントに参加する」に対して、良いこと(○)が「障害のある人もない人も参加できる」、悪いこと(×)が「障害があるから参加できない」と記載。さいころを振って○が出たら一つコマを進め、×が出たら1回休んで、何が悪いことか、どうしたら良いかを考える仕組みとなっている。

 各場面は市が15年1~2月にかけて実施した、障害者差別に関する事例募集で寄せられたものの中から選んだ。

 市障害企画課は17、18日開催の「子どもアドベンチャー」の中で、「障害って何?」と題したプログラムを展開(市庁舎1階)。すごろくのほか、アイマスクや重しなども用意し、体の不自由な状態を疑似体験できる。

 担当者は「障害への理解を深めてもらうのには時間がかかるが、今後もさまざまな形で啓発に取り組みたい」と話している。

横浜市がすごろく作成 障害への理解を 

障害への理解を深める「すごろく」を体験する子どもたち=横浜市庁舎

2016年08月18日    カナロコ by 神奈川新聞

障碍者に立ちはだかる出版の「壁」、大学生の力で乗り越える 建国大学サークル「トンファハダ」

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一般の人たちはなかなか分からない障害者家庭のことについて伝えたかった。しかし、作品を扱ってもらえるところがなかった。7年前は大韓民国障害者文学賞のグランプリ受賞者だったが、「障害者作家」の物語に世間は耳を貸さなかった。そんな中、今年6月、「障害者作家の物語を世界に伝えたい」という大学生たちに出会って、文学への夢を再び抱くようになった。

 2009年、障害者コールワゴンの物語を描いた小説「障害コール、シン運転手」で登壇したソル・ミヒ氏(50)と、建国(コングク)大学のインアクターズ(ENACTUS)チーム、「トンファハダ」の話だ。インアクターズは、大学生たちが社会の弱者たちの経済的自立を支援する国際連合サークルで、韓国国内では30の大学で活動している。

「トンファハダ」は、「障害者作家の作品を出版して、障害者の生活を伝え、彼らが仲間に入れる社会を作ろう」という趣旨で、昨年9月に立ち上げられた。作家に不利な収益配分構造や障害者作家には厳しい文学界の壁を、大学生たちの力で一緒に乗り越えたいという。現在、ソル氏などの障害者作家3人が「トンファハダ」と一緒に活動している。

昨年から、「トンファハダ」を率いてきたキム・ヒョンジョン氏(20・女)は、「障害者関連の題材は、『お金にならない』という理由で背けられており、体の不自由な作家が担当編集者とコミュニケーションを取るのが難しい現状を改善したかった」と話した。キム氏は、「障害者作家が収益を上げ、持続的に作品活動ができるよう支援し、究極的には障害者の権益を改善する好循環構造を作りたい」と付け加えた。

ソル氏が「トンファハダ」に出会って準備した作品は、「小鷲の飛翔を夢見て」だ。今年21歳の息子と自分の物語を盛り込んだ。ソル氏は、「障害者の子供は健常者の子供より、劣悪な環境の中で育っているのに、社会的関心を受けられずにいる。トンファハダに出会って、そのような苦しみを伝えることができるという希望をもって、再びペンを取った」と話した。

「トンファハダ」は、安定的収益創出のため、障害者作家の作品をクラウドファンドの形で販売する計画だ。購入を希望する人たちを集めて、必要な量だけ本を作り、コストを削減するという構想だ。

東亜日報     2016 08:13

障害者施設見学 介助法など学ぶ 県警察学校初任科生

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 障害者の気持ちに配慮した対応を身に付けてもらおうと、鳥取県警察学校は17日、鳥取市湖山町西3丁目の障害者福祉センターなどで介助実習を行った。初任科生41人がグループに分かれて施設を見学し、車いすの扱い方や介助方法を学ぶなどした。

 採用時教育の一環として、実際の現場で障害者介助の方法や施設の特徴を知り、今後の業務に役立ててもらおうと毎年行っている。

 障害者福祉センターと特別養護老人ホームの四つある施設のうち、同センターの厚和寮には10人が出向き、入所者の部屋やリハビリ室などを見学。職員から避難方法など具体的な説明を受けながら施設内を回った。初任科生の谷口喬則さん(22)は「普段聞けない話を聞くことができた。今後の仕事に生かしていけたら」と話した。

 厚和寮の嶋崎佳代子寮長は「20年以上前から警察学校と連携している非常に有意義な実習。施設や利用者の状況を知り、適切な対応が取れるよう工夫してもらえたら」と期待を寄せた。

施設職員(右)の説明を真剣な表情で聞く初任科生=17日、鳥取市湖山町西3丁目の障害者福祉センター厚和寮

2016年8月18日   日本海新聞

【障害者殺傷事件】予断挟まず慎重な議論を

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 神奈川県相模原市での障害者施設殺傷事件を受け、厚生労働省が検討チームを設置し、再発防止に向けた議論を始めた。秋にも対策をとりまとめる。
 19人の死者、27人の負傷者を出した重大事件である。なぜ防げなかったかを十分に検証した上で、幅広い視点で再発防止への教訓を導き出す必要がある。
 事件による犠牲の大きさはもちろん、障害者の尊厳を著しく踏みにじる独善的でゆがんだ動機は、国内ばかりでなく海外まで衝撃を与えた。差別や偏見に基づいたヘイトクライム(憎悪犯罪)にほかならないからだ。
 事件から約3週間たち、状況が徐々に明らかになってきた。
 現場となった施設の元職員である容疑者は、犯行前から障害者に危害を加える趣旨の発言を繰り返し、施設を退職。自分や他人を傷つける恐れから精神保健福祉法に基づいて措置入院となり、3月に解除されていたことなどだ。
 こうした経緯を踏まえ、安倍首相は関係閣僚会議で、施設の防犯体制強化や措置入院の運用見直しを検討するよう指示した。専門家や関係省庁からなる検討チームの議論でも課題となっている。
 確かに容疑者が退院した後、継続的な治療といったフォローはなかった。私たちも重要な論点であることは否定しない。
 ただし、事件にはまだ不明な点が多い。なぜゆがんだ考えを抱き、むごたらしい犯行に及んだのか。容疑者に対する疑問が解消されたわけではない。
 容疑者は入院時に加え、逮捕後も大麻の陽性反応が出ている。ヘイトクライムが精神障害によるのか、薬物の影響なのか、そもそもの思想が原因なのか、しっかりと見極めなければならない。それには一定の時間を要するはずだ。
 拙速に議論を進めれば、地域で暮らす精神障害者や家族への差別、偏見を助長する恐れも出てくるのではないか。
 むろん犯罪防止は重要だが、重視しすぎれば患者へのケアを理由に入院期間が長期化したり、過度な監視につながったりする懸念もある。患者の人権に関わるだけに、慎重に議論を積み重ねたい。
 措置入院の在り方のほかにも、検証されるべき問題はあろう。関係機関の間で情報が十分に共有されていなかったことだ。
 入院先の病院は容疑者の大麻使用を警察に伝えていなかった。大麻取締法に使用の罰則がないとはいえ、情報があれば危険性の判断材料にできた可能性がある。
 容疑者が衆院議長公邸に持参した事件を予告する手紙についても、警察から施設に連絡はしたものの、詳細は知らせず、危機感の共有には至らなかったようだ。
 結果の重大性からして予断を挟むことなく、あらゆる角度から検証する姿勢が求められる。

2016/08/18   47NEWS

放置車活用、自転車快走 障害者が再生 札幌のNPO事業

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 社会的弱者を支援するNPO法人生活相談サポートセンター(札幌市西区山の手4の1)の中古自転車の再生事業が好評だ。知的障害者らに社会とのつながりを持ってもらう第一歩として、昨年から始めた試みで、本年度の販売台数は既に年間目標の500台を超えた。働く人たちは「お客さんに喜んでもらえることが何よりうれしい」と目を輝かせながら、修理や整備に汗を流している。

 「もう少し、さびが落ちるんじゃないか」。中古自転車のリサイクル店「ホープ再生自転車販売」の作業所では、10人を超す作業員が連日、やすりを使ってフレームやタイヤのスポークのさびを落としたり、ドライバーで鍵を付けたりしている。慣れない作業員が先輩に分からないことを尋ねる光景もみられ、現場の雰囲気は和やかだ。

 2009年に発足したサポートセンターは11年、知的障害や精神障害を持つ人らのために、工芸品や楽器の製作などを行う「ホープ」を設立。昨年3月に自転車事業を新たに立ち上げた。きっかけは、ホープ前に放置された自転車を警察に届けたことだった。深刻化する放置自転車問題を知ったサポートセンターの斎藤博之理事長(64)は「黙っていればスクラップにされる自転車を再利用できる。障害者のやりがいにもつながる」と事業化の理由を語る。

 放置自転車は市の競売などで調達。当初、作業員は3人で、初年度は約160台を再生して販売した。丁寧な仕事ぶりが口コミで評判を呼び、本年度は8月15日時点で770台を売った。

 このため、現在は作業員を14人に増やして対応している。摂食障害を患い、2カ月前から働き始めた織笠里菜さん(30)は「お客さんが、自分が修理した自転車を購入して乗ってくれたのを見て、うれしくなった。自転車修理の腕前をもっと上げたい」と意気込む。

 中古自転車の価格帯は5千円から2万円と、いずれも新品の半額ほど。作業は週6日間、午前10時から午後6時までだが、作業員のコンディションに合わせて「週3日、午前中だけ」など多様な働き方を受け入れている。斎藤理事長は「働くことに自信を付け、一般就労できるようになれば」と期待している。

08/17   北海道新聞

【相模原19人刺殺】神奈川県、事件検証の第三者委を設置へ

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 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され27人が負傷した事件で、神奈川県は18日の県議会厚生常任委員会で、事件の経緯を検証し再発防止策を協議するため、第三者による検証委員会を設置する方針を明らかにした。

 県は、事件当日の状況やその後の対応などの経過をまとめた中間報告を9月13日までに提出するよう施設側に求めたと説明。佐久間信哉保健福祉局長は「委員の選定などの準備を始め、中間報告後に第三者委を設置したい」と答弁した。

 また、遺族や入所者家族の同意が得られた場合、犠牲者を送る会を10月中旬以降に開く考えを示した。

2016.8.18    産経ニュース

障害有無問わず自由に 横浜で青い鳥50周年の絵画展

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 障害のある子どもや家族への支援活動を行っている社会福祉法人青い鳥(横浜市神奈川区)の設立50周年を記念した絵画展「ひろげようぼくのつばさ わたしのつばさ展2016」が17日、横浜市民ギャラリー(西区)で始まった。21日まで。入場無料。同法人の主催、神奈川新聞社などの共催。

 障害の有無を問わず県内外から募集した子どもたちの自由な絵画や、1964年に売り上げで小児病院を建てようとイラストレーターらが絵を描いて販売したマッチ箱のコレクションなど約300点が並ぶ。

 50年前に制作され、同法人が設立されるきっかけとなった「障害者と健常者がともに描いた大きな絵」も展示。宇宙旅行の様子などを生き生きと描いた3点が、修復を経て色鮮やかによみがえった。

 学習障害があり、東大の異才発掘プロジェクトで絵の才能を認められて支援を受けている濱口瑛士さん(14)が同展のナビゲーターを務める。「普段、健常者、障害者はそれぞれ違う世界にいるかもしれないが、こうして一緒に参加することで、マーブル模様のようなすてきな世界になれる」と濱口さん。

 あいさつに立った同法人の飯田美紀理事長は「今後も人と人との懸け橋になるような事業を行っていきたい」と抱負を語った。

 午前10時~午後6時。問い合わせは、同法人電話045(321)1787。

障害有無問わず自由に 横浜で青い鳥50周年の絵画展 

子どもたちの自由な作品が並ぶ会場

 2016年08月18日    カナロコ by 神奈川新聞

リオパラリンピック伴走者が伊予市訪問

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 9月のリオデジャネイロ・パラリンピックに、女子視覚障害者マラソンの伴走者として出場する愛媛県伊予市出身の立命館大3年日野未奈子さん(20)が18日、伊予市役所を訪れ、意気込みを語った。
 日野さんは、9月18日に近藤寛子さん=滋賀銀行=をサポートし、フルマラソンの前半20キロを担当する。8月17日まで北海道での代表合宿に参加し、毎日平均30キロ、多い日は50キロ以上を走り込んで備えている。
 女子視覚障害者のフルマラソンは今回初めてパラリンピックの正式種目となっただけに「近藤さんやご家族が目標にしてきた夢の舞台。楽しんで全力でゴールできるようサポートしたい」とメダルを狙う。
 日野さんは「スタートで他の選手と接触しないように気を配りたい。駆け引きも重要で、近藤さんに前後の走者との距離感を伝えることが大事になる」と気を引き締めた。自身の誕生日である8日の開会式も楽しみにしているという。

【写真】リオ・パラリンピックで、視覚障害者女子マラソン伴走者として出場する日野未奈子さん

2016年08月18日   愛媛新聞

たたかれ、かみつかれ… 障害者施設の職員、絶えぬ傷

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 東北地方の重度障害者施設に勤める40代の男性の腕にはいくつも傷がある。右前腕部が多く、取材した日は赤い傷が五カ所ほど。暴れる利用者が爪を立てたり、たたいたりした痕だ。かみつかれて血が出たこともある。

 「反応すればさらに興奮するから、平然と対応するように教わった。押さえつけるわけにはいかず、他の利用者にけがをさせてもいけない。職員がけがをしてでも盾になるしかない」

 約50人の利用者が暮らす入所施設で働く。担当するのは約20人いる最重度の人たち。利用者が暴れるのは毎日のことだ。

 福祉を志して、今の施設に勤め始めて1年近く。理想を持ってはいるが、24時間を超える宿直が明けるとぐったりする。疲労でケアが乱雑になる日もある。

 「保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳」

 津久井やまゆり園で起きた事件で逮捕された植松聖(さとし)容疑者(26)は、衆院議長に宛てた手紙にそう書いた。その内容は、理解できる面もあるという。

 利用者にとって本当は自宅に居るのが一番落ち着くだろうと思う。だが家族の負担は大きい。確かに疲れ切った家族はいる。身寄りのない人や、家族がほとんど会いに来ない人もいる。

 「生気の欠けた瞳」という言葉には、とっさにある同僚を思い浮かべた。トラブルが続いて疲れ切った日は、自分だってそんな目をしているかもしれない。

 植松容疑者は、福祉の仕事に前向きな言葉を述べたこともあったとされる。

 「きれいな言葉とそうでない面と、この仕事をしていれば、ひとりの中で同居することはあるんじゃないでしょうか」

 ログイン前の続き現場には、給料や労働条件からたまたま福祉を選んだ人もいる。上司は「福祉を志してきた人と、そうでない人の差が大きい」と言った。仕事は低賃金ながら責任は重く、体力と使命感が要る。

 「人員がもう少しほしいというのはどこの現場でも感じていると思う。少人数の共同生活のほうが利用者も落ち着くとも、誰もが思っているのではないか」

 入所者はそれぞれに強い個性を持っている。他の入所者との相性もある。だが大きな入所施設では、効率的な集団生活を重視せざるを得ない。「障害が重ければ重いほど、大きい施設は悪い環境」とまで言う。

 こうした環境では、自傷や他害などの問題も増えやすい。働く人のストレスも多くなる。

 少数の利用者と支援者が共同生活する「グループホーム」なら、一人一人に合わせたより手厚い支援ができる。「暴れたりパニックになったりするのも理由がある。自傷や他害のある人でも、グループホームならはるかに落ち着くはずだ」

 事件をきっかけに、こうした障害者福祉のあり方も問い直してほしいと、男性は考えている。

■「施設から地域へ」転換めざす

 重い障害がある人たちの生活の場をめぐり、政府は2002年の計画で「施設から地域へ」と掲げた。津久井やまゆり園のような入所施設の数を最小限にとどめ、グループホームなどでの地域生活への転換を目指したものだ。

 神奈川県もこの理念に沿って計画を策定。13年度末の施設入所者は5053人だが、15年3月の第4期計画では、17年度末までにこのうち535人(11%)を、グループホームや一般住宅での地域生活に移行させるとの目標を掲げた。

 だが現実には、障害が重い人ほど地域生活への移行も難しいという。新たに施設に入る人も一定数見込まれ、県は、入所者数が17年度末で2%減の4935人程度になるとみている。

写真・図版 

障害者施設で働く男性の腕には傷が絶えない

2016年8月19日   朝日新聞

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