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金魚すくいにテレビゲームが「仕事」? “虚業”化した障害者雇用をどう変える

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 12月7日、アデコ主催のセミナー「経済学からみる、『障がい者雇用』の効果と課題」が実施された。自身も脳性麻痺(まひ)の子どもを持ち、『新版 障害者の経済学』(東洋経済新報社)などの著作もある慶應義塾大学の中島隆信教授が、障害者雇用の問題点を指摘。生産性を上げれば上げるほど雇用率が達成できなくなる現行の制度に基づくビジネスモデルを批判した。中島教授の講演内容をお届けする。

「失業者一致」目指すちぐはぐな政策目標

 障害者の法定雇用率は2018年4月から、国と地方自治体は2.3%から2.5%に、民間企業は2.0%から2.2%に引き上げられました。厚生労働省は障害者雇用率の基準を、「障害のある労働者数+障害のある失業者数」を「全ての労働者数+全ての失業者数」で割るという算式で設定しています。この算式の意味は、障害者の失業率を日本全体の失業率に一致させることを目標に法定雇用率が定められているということです。しかし、そもそも失業率から考える政策目標に対して、私は4つの点で望ましいものではないと考えています。

 まず第1に、障害者の雇用者数は統計によってバラバラなのです。厚労省の『障害者雇用実態調査』では63万1000人とされている一方、『障害者雇用状況』では40万9000人とされています。2点目に挙げられるのが、障害者の失業率自体が調査されていないことです。国の最も重要な統計調査である「国勢調査」でも調べられていないという実態があります。3点目として、そもそも障害のある人が職探しをしていないと「失業者」にならないということも挙げられます。完全失業者の定義は月末1週間で職探しをしていたか否かによるのです。

 4点目は、施設利用者が増えると失業率も下がる点です。日本は人口当たりの精神科病床数がダントツの世界一なので、失業率も下がる傾向にあるのです。

 そもそも、働きたい人の割合は障害のあるなしには関係ないはずです。だから私は失業率ではなく、働く意欲を持つ人の割合である「労働力率」を社会全体の数値と一致させることを政策目標にすべきだと考えています。

 法定雇用率未達成の企業から納付金を徴収し、それを達成企業に調整金として渡す「雇用納付金制度」も制度疲労を起こしています。もともと雇用納付金制度は、障害者を雇っている中小企業に補助金を渡そうという仕組みでした。正しいかどうかは別としても、「企業同士の助け合い」という意味でいえば、私は適切なシステムだったと思っています。しかし現状は、どうなっているか。実際には、経営的に決して楽とはいえない中小企業から納付金を集めて、ある程度余裕のあるはずの大企業にお金を回すというおかしな仕組みになっているのです。

phot   「企業名公表」の弊害

 大企業は、調整金が欲しくて障害者を雇っているわけではありません。本音では、雇用率が未達成になったことで企業名が公表されることを恐れているのです。社会的責任を果たしていないとたたかれるのが怖いわけです。

 一方、中小企業はどうか。例えば100人規模の中小企業が、障害者を2人雇うというのは大変なことなのです。即戦力として見込めるような身体障害者は、ほとんどの場合すでに仕事に就いていますから。だから障害者を雇うことによって掛かる費用の方が、納付金を支払うよりも高くつくと考えているのではないでしょうか。例えば2人不足していれば約10万円ですから、年間だと約120万円ですね。障害者を2人雇うために精神保健福祉士を入れるなどすれば大変な額になります。こんなに費用が掛かってしまうのなら、中小企業は「いっそ納付金を納めましょう」となってしまうわけですね。つまりこの制度はインセンティブとして全く機能していないのです。

 今は子会社を作り、そこに清掃やシュレッダーなどの単純作業を集約して障害者を多数雇用すれば、企業グループ全体として障害者雇用率にカウントできます。これを私は「仕事切り出し型」と呼んでいますが、単純作業を切り出すのにはいつか限界がきてしまいますよね。働き方改革が叫ばれている時代に、トイレ掃除やシュレッダー作業、メール便の仕分けなどを今後も増やしていけるのでしょうか? 確かに障害者の方々は、親会社から切り出された単純作業を一生懸命にやっています。しかしそういう仕事が今後増えるかというと疑問です。企業の業績が上がり、売り上げが増え、事業規模が拡大しているときに、そのような単純作業は増やすべきものなのか。むしろ、そうした事務的な作業は減らしていく方向になると考えています。

 トイレだって本来は汚さないのが一番いいのです。それを障害者の雇用率を達成するために、「積極的に汚しましょう」とするのは本末転倒ですよね? 障害者の人たちが一生懸命働いているからといって、メールで済むことを、「なるべく紙に書いて郵便で送ろう」とするのが正しいことではないでしょう。つまり無駄な間接業務を残せば、効率的な経営に反するのです。だから「仕事切り出し型」で障害者を雇用している企業は、いずれ行き詰まることになるでしょう。

「社内福祉」の限界

 もう一つは今まで外部に委託していた仕事を会社の中に取り込んで、障害者を雇用する「内部取り込み型」があります。これはもともと内部でやると非効率な仕事を、外部に持っていっていたわけです。それをわざわざ内部に持ってくるのは、その時点で非効率なのです。しかも資金力がなければできません。そして外の企業に頼んでいた企業の仕事を奪っているだけで、新たな雇用を作っているわけではありません。これは社会全体にとってプラスとはいえないでしょう。

 最近は「社内福祉型」の障害者雇用も生まれていて、社内カフェや農業に従事させる事例があります。企業が作った社内カフェで、コーヒーを作ったり接客をさせたりするのです。そこで「障害者の人が一生懸命いれたおいしいコーヒーです」といって100円程度で販売し、飲んだ社員は感動したなどと言っています。では、生産性という意味で考えたときに、障害者の人たちはスターバックスのアルバイトの人たちと比べて本当に生産性が高いのでしょうか? そうではありませんね。つまり、障害者の一生懸命な姿に感動しただけなら、その時点でそれは社内福祉になってしまっているのです。

 社内カフェで雇用したとしても、それは本業で雇っているわけではありません。障害者の人たちの能力を、戦力として活躍させている会社ではないと私は考えています。

 あとは特例子会社で、障害者に販促用パンフレットを封入してもらっている会社もよく見かけます。でも、(作業分のお金をもらいながら比較的自由に働ける)就労継続支援B型に通う障害者が宅配ずしの販促パンフを入れる仕事をすると、1枚入れてもたった10銭程度の稼ぎです。そんな仕事をいくらやってもたいした収入にはならないのです。ですからこうした作業も社内福祉と言わざるを得ません。

 もう一つの問題は、特例子会社では親会社から受け取る報酬が、掛かった費用に利益を上乗せした「総括原価方式」で決められることが多いため、経営を効率化させるインセンティブがない点です。親会社にしてみても、生産性を上げて効率化を進めると、人を減らさないといけなくなり、雇用率が達成できなくなってしまいます。だから特例子会社の経営者は困るわけです。「生産性を上げても親会社は喜ばないんだよなあ」と。

「ウナギ養殖」は金魚すくい 「ITの仕事」はテレビゲーム

 雇用率引き上げの弊害としてもう一つ挙げられるのが「雇用の請負」です。自社に障害者がやる仕事がないとき、障害者に作業場を提供する見返りとして手数料を稼ぐエスプールプラス(東京都千代田区)という会社があります。障害者は給与をもらっている会社で働くのではなく、千葉県の農園でハウスの野菜を作る仕事をします。そしてその野菜は、一部を社内で使うほかは原則本人がもらうのです。野菜は市場で販売しないので収益に貢献しませんが、これで法定雇用率が達成できますからクライアントの企業としては「よかった」となるのです。

 こういうビジネスが成り立つ理由は、「納付金+未達成の悪評」の方が「障害者の給与+手数料」より大きいからです。このビジネスモデルは、「障害者雇用の先進事例」として報道されたこともあったのですが、私は違和感を覚えていました。障害者が働いた成果が、市場で評価されていないからです。

 最近、地方で「就労継続支援A型事業所(A型事業所)」がバタバタと閉鎖されています。岡山では200人以上の障害者がA型事業所を解雇されました。何でそうなってしまったかというと、もともと最初からそこに仕事はなく、意味のない作業をさせていたのです。障害者が通うことで支給される補助金と、事業所を作ったときに行政から支給される特開金を目当てに、経営者は事業所を作っていました。それで何年か経てばつぶし、また新しい事業所を作っては特開金をもらう。そしてまたつぶしということを繰り返していたのです。

 障害者の仕事はどうだったか。ウナギの養殖をやっているといいながら実は金魚すくいをしていました。ITの仕事をしているといいながら実はテレビゲームをやっていたのです。これが実態です。もちろんこれとエスプールプラスを一緒にはできません。しかし、共通点があるとするならば、「市場で仕事が評価されていない」ということだと考えています。これが、われわれの目指すべき障害者雇用の姿なのでしょうか。

 一定のルールの中で合法的に活動している企業を責めることはできません。むしろこういう結果を招いた制度に問題があると考えています。なぜ企業はこんなことをやらざるを得なくなってしまったのか。私はエスプールプラスに障害者を送り出している企業が、本当に喜んでこういうビジネスに頼っているとは思いたくはありません。本来であれば、障害者を戦力にしたいと思っているはずなのです。でも雇用率を達成しないと企業名が公表されてしまうから仕方なく駆け込んでいるのだと思います。だからエスプールプラスは人助けをしているのであって、責めることは難しい。しかし、この状態は決して望ましい姿ではありません。

 実態が見えないので分かりませんが、架空発注を使った「補助金ビジネス」が行われている可能性もあります(「障害者雇用の水増し」で露呈する“法定雇用率制度の限界”を参照)。この補助金ビジネスも、今の制度の上でやろうと思えばできるし、厚労省はこうしたスキームで雇った障害者を雇用率にカウントすることも黙認しています。つまり意味のない仕事を障害者にやらせて、合法的に雇用義務を達成できるのです。このまま雇用率を上げ続ければ、このようなひずみはもっと生まれると思います。何も悪いことはしていないのですから。

4000人の障害者を追加雇用できるのか?

 ではどうやってこの問題を解決するのか。まず、障害者を本業で戦力化することが決定的に重要です。会社の業績が良くなったときや事業が拡大したときに、障害者の仕事も一緒に増えないといけない。だから本業で戦力にしなければならないのです。

 もう一つは、テレワークなど多様な働き方を活用することです。障害者の中には、毎日オフィスに通うのが難しい人もいます。特に東京は満員電車に乗らなければなりませんね。車いす利用者や精神疾患のある人には特に厳しいでしょう。省庁などによる水増し問題への措置として、政府は4000人の障害者を追加雇用するとしています。私も内閣府に2年間いたことがありますが、省庁に本当に4000人分の仕事があるのかは疑問です。

 むしろ地方に解決のヒントがあります。地方にはなかなか仕事がないので、仕方なく施設に通いながら生産性の低い仕事をしているケースもあります。そのような人たちもテレワークによって企業の仕事を担うことができます。(「地方の障害者雇用」を創出するリクルートのテレワークを参照)。

 もう一つの解決策として、私は「みなし雇用」という方法を提言しています。みなし雇用とは、おのおのの企業が就労継続支援A型事業所に業務を発注したとき、その業務量に応じてそれぞれの企業の雇用率にカウントできるというものです。

 みなし雇用を実現するには施設と企業のマッチングが極めて重要です。だから仲介業者が重要な役割を果たすことになります。仲介業者は施設から障害者の就労能力について情報をもらい、一方で企業から業務内容の情報を提供してもらいます。これには民間企業が参入する余地もあるでしょう。

 みなし雇用の利点はいくつかありますが、大きいのは間接業務や雑用だった仕事が本業化することです。例えば清掃の仕事を専門にやるA型事業所であれば、清掃作業を本業にできます。清掃業務で生産性を上げれば、別の企業からも注文を取ってくることができるようになります。もっとレベルの高い仕事を頼まれたり、業務が拡大したりする可能性もあるのです。しかし一企業内で清掃の仕事をしているだけでは、絶対に業務は拡大できません。生産性を上げても障害者の働く場所が失われるので、企業には歓迎されないのです。

 現行制度の最大の問題点は、人数によって規制をかけていることです。大事なのは人の数ではなく、仕事の業務量を確保することなのです。業務量がきちんと確保できれば、障害者が失業することはないからです。

(終わり)

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 もう一つの解決策として、私は「みなし雇用」という方法を提言しています。みなし雇用とは、おのおのの企業が就労継続支援A型事業所に業務を発注したとき、その業務量に応じてそれぞれの企業の雇用率にカウントできるというものです。

 みなし雇用を実現するには施設と企業のマッチングが極めて重要です。だから仲介業者が重要な役割を果たすことになります。仲介業者は施設から障害者の就労能力について情報をもらい、一方で企業から業務内容の情報を提供してもらいます。これには民間企業が参入する余地もあるでしょう。

 みなし雇用の利点はいくつかありますが、大きいのは間接業務や雑用だった仕事が本業化することです。例えば清掃の仕事を専門にやるA型事業所であれば、清掃作業を本業にできます。清掃業務で生産性を上げれば、別の企業からも注文を取ってくることができるようになります。もっとレベルの高い仕事を頼まれたり、業務が拡大したりする可能性もあるのです。しかし一企業内で清掃の仕事をしているだけでは、絶対に業務は拡大できません。生産性を上げても障害者の働く場所が失われるので、企業には歓迎されないのです。

 現行制度の最大の問題点は、人数によって規制をかけていることです。大事なのは人の数ではなく、仕事の業務量を確保することなのです。業務量がきちんと確保できれば、障害者が失業することはないからです。

» 2018年12月14日 08時42分 公開    [今野大一,ITmedia  

障害者雇用 本腰を入れて出直せ

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 障害者の採用期限を延長する案が政府内で浮上している。

 来年1年間で4千人を採用する―。雇用水増し問題を受け、安倍晋三政権が打ち出した計画には元々、無理がある。「数合わせに終わる」「民間企業の採用に影響する」といった当事者らの懸念は強い。

 見直しは当然としても、問題発覚後の政府の対応一つ一つに認識の甘さが透ける。

 国の33行政機関のうち、28機関が厚生労働省の指針に違反し、計3700人を法定雇用率に不正算入していた。死亡者や退職者、勤務歴のない人物を障害者に含める悪質な例もあった。

 水増しは地方自治体、裁判所、国会でも見つかっている。

 安倍政権が4千人の採用計画を決めたのは10月だった。来年2月に障害者を対象にした初の筆記試験を実施し、その後も省庁ごとに人員を募るとしている。

 再発防止策では、行政機関への厚労省の調査権限強化のほか、専門アドバイザーの新設、職員向けセミナー開催などを掲げる。人事院は、職場で配慮すべき点を示す指針案をまとめた。

 筆記試験の決定から実施まで3カ月余。受験者にとって十分な準備期間とは言えない。行政機関が11月に開いた障害者向けの合同説明会では、参加者から「どんな配慮があるのか分からない」「具体的な働き方が見えない」との不満の声が聞かれた。

 検証委員会がわずか1カ月でまとめた調査報告書を盾に、政府は処分者を出すことなく「意図的な数字操作ではない」として幕引きを図ろうとしている。水増しが分かった後も、複数の省庁が「自力通勤」や「介助なしでの勤務」を求人の応募条件に挙げ、批判を浴びた。人事院は筆記試験の運営方法に戸惑っている。

 障害者雇用が義務付けられたのは1976年だ。40年間、国は何をしてきたのか。初めて採用するかのように右往左往している。

 法定雇用率という体裁にばかりこだわってはならない。庁舎のバリアフリー化、音声や点字による表示案内、時差通勤や通院休暇、障害の程度に応じた業務の仕分け…。ハードとソフト両面での環境づくりこそ急ぐ必要がある。外部の支援機関や専門職との連携の仕組みも築きたい。

 失態続きの国に対し、障害者団体は「官製の障害者排除だ」と憤りの声を上げる。本気になって改善に取り組まなければ、失墜した信頼は取り戻せない。

(12月14日) 信濃毎日新聞

身体障害者等社会参加促進功労者の受賞について

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 平成30年12月7日(金)、障害者自立更生等厚生労働大臣表彰式(※参照)が

厚生労働省において行われ、「身体障害者等社会参加促進功労者」として 当協会より推薦の3名の方が受賞されました。 受賞者 金子知拓 氏(一般社団法人京都障害者スポーツ振興会副会長)       西村ほなみ 氏(日本パラアーティスティックスイミング協会顧問)       堀川裕二 氏(大分県障害者スポーツ指導者協議会会長)

 

※〔障害者自立更生等厚生労働大臣表彰とは〕 障害者週間の中央行事の一つとして、自らの障害を克服し自立更生をして他の障害者 の模範となる者等に対し表彰を行い、もって、障害者の福祉に対する国民の理解と認識を 深めるとともに、障害者福祉行政のなお一層の推進を図ることを目的としています。

18.12.14        公益財団法人 日本障がい者スポーツ協会

大同生命社会貢献の会が松野の障害者支援施設に寄付金

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   西日本豪雨で被災した地域の障害者施設に役立ててもらおうと、大同生命保険の役員や従業員らでつくる「大同生命社会貢献の会」は14日、松野町豊岡の障害者支援施設「フレンドまつの」に20万円を寄付した=写真。

 同会は1992年の発足以降、被災した障害者施設への寄付などを継続。豪雨を受け、全国の会員に呼び掛けて集めた寄付金を「クリスマスプレゼント」として愛媛、広島、岡山の3施設に贈呈することとした。

 フレンドまつのは、豪雨で敷地内の地面に亀裂が入り、訓練棟が傾き撤去に追い込まれるなどの被害を受けた。

 宇和島市内で贈呈式があり、大同生命保険四国支社松山営業部の山本累営業部長が「少しでも役に立てれば」と目録を贈呈した。施設を運営する宇和島福祉協会の上甲カズ子理事長が「豪雨後は落胆していたが寒々とした日々の中、温かい心をいただいた。大切に使いたい」とあいさつ。利用者を代表し、高月林善さん(56)が「皆さまへの感謝の気持ちでいっぱい。これからも仕事を頑張ります」と決意を述べた。

2018年12月15日(土)(愛媛新聞)

「障がい者は子どもを産んだらダメ?」 難病ママの出産・子育てを阻む『優生思想』の闇

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 日本で暮らす障がい者は現在、約936万6000人。全人口の7・4%にあたる。高齢者が増化傾向にあるというが、もちろん、子育て世代もいる。障害のある女性たちは、どう子どもを産み育てているのか。その実態は、あまりにも知られていない。

障害のあるママの出産・子育てを阻むもの

 大阪市大正区の一角に『障害者自立生活センタースクラム』はある。「障害者の、障害者による、障害者のためのサポート」に取り組むNPO法人だ。

 ここで相談支援専門員として働いているのが、尾濱由里子さん(50)。夫とともに中学1年生になる娘を育てているワーキングママだ。視覚障害があり、網膜色素変性症という難病で、現在はほぼ全盲に近い。

 障害のある人からは、どのような相談があるのだろうか?

「大きく分けて2つですね。メインは障がい者の計画相談支援といって、介護保険のケアマネジャーさんのような仕事が中心。もうひとつは、ピアカウンセリングで話を聞き合うことや、飛び込みで相談に来られる方の対応をしています。ヘルパーさんの頼み方など、内容はいろいろですね」

 ピアカウンセリングとは、同じような境遇や障害のある人同士が、対等な立場で悩みや不安を話し、共感的に聞き合いながら、解決策を見いだしていくカウンセリングのことだ。ひと口に障がい者といっても、その種類はさまざま。由里子さんのように、生まれつきの障害がある人もいれば、人生の途中で障害を持つ人もいる。

 由里子さんは香川県で生まれ育った。

 弱視で誕生し、4歳のころに視覚に異常があることがわかり、香川県から連絡船で何度も岡山県に渡って大学病院で診察を受けた。その結果、網膜色素変性症という特定疾患であることが判明する。約半数は遺伝子異常によるものと考えられ、徐々に視力や視野が衰え、いずれは失明する進行性の難病だ。

 高校生まで地域の学校で学び、見えにくい不便さは多少感じながらも、障がい者という意識を持つことなく育ってきた。しかし、芸術系の短大に進んだころから、視覚に限界を感じるようになる。

 卒業後、いくつかの職に就いたが、視力も視界もどんどん衰え、それまでできていたことがひとつひとつできなくなっていった。

 自分が自分であるという自信を失い、未来に絶望しかけた由里子さんだったが、33歳で一念発起、大阪にある視覚障がい者のためのリハビリ施設に入所する。歩行訓練や音声ソフトによるパソコン操作などを学んで、一般事務の職を得た。

 そんな過程で由里子さんは、ある誤解をしていたことに気づく。

メディアに踊らされていたと思った。つまり、『24時間テレビ』などで流れる“頑張る障がい者”のイメージを植えつけられていたことに気づいたんですね」

 私はあんなふうに頑張れない。結婚なんて無理、親戚付き合いなんてできないし、法事でも立ち回れない。料理をきれいに盛りつけられないし、ダンナのネクタイもよう結べへん……。

 だが、ピアカウンセリングを続けるなかで変化が訪れる。子どものころから心の奥深くに眠らせていた、結婚と出産への思いがあふれ出てきたのだ。

 私は私らしく生きればいい。目が見えなくても私は私。もうあきらめるのは嫌だ。結婚も出産も、何もかもあきらめない。そんな前向きな気持ちを持ち始めた由里子さんは、ピアカウンセリングスタッフだった男性と出会う。

 彼は、由里子さんの目が好きだと言ってくれた。ずっとコンプレックスに思っていた目をきれいだと言ってくれたのだ。星が見えない由里子さんに、当たり前のように「一緒に星を見よう」と言ってくれたのだ。

 2003年、由里子さんは彼と結婚した。

はびこる「優生思想」の闇

 出産、子育ては、想像以上に大変だった。

「まさか差別や偏見との闘いになるとは思いもしませんでした。最初は、医療関係者でも障がい者のことを知らないからだろうな、くらいに思っていたんです。ところが、出産が現実のものになるにつれ、よりはっきりと壁に直面していきました」

 妊娠初期に通ったのは、自宅マンションに近く、おいしい病院食で知られる有名な産婦人科だった。

 ある日の検診で由里子さんが通されたのは、いつもとは違う診察室だった。そこには、いつもの女医ではなく、男性の医師がいた。

「この病院で産むつもりですか?」

 いきなり聞かれた。

「目が不自由なんだよね? ちょっとうちじゃ、そういう人をサポートする体制がないから、大きな病院で産んだほうがいいよ。それに産んでからどうするの? あなたひとりで育てられるの? 

 あなたの目は遺伝性なのかな。じゃあ、なおさらうちではダメだね。大きな病院なら生まれたらすぐ検査できるし、対応もちゃんとしてるから、そっちのほうがいいよ」

 一見、気遣いをしているようで、容赦なくたたみかける医師の詰問に、由里子さんは声が震えないように、気持ちを落ち着かせながら答えていった。

 たいていのことはひとりでできる、入院中は夫やヘルパーに来てもらう、遺伝については夫婦ともにまったく気にしていない……。

 それでもなお詰問する医師に、由里子さんは気がつくと、こう叫んでいた。

「障がい者は子どもを産んだらダメなんですか?」

 どうやって帰ったか記憶がなかった。ふらふらな状態で部屋に倒れ込んだ途端、涙があふれてきた。悔しくて悔しくてたまらなかった。私は差別を受けたのだ──、由里子さんは初めて、そのことに気づいたのだった。

 その後、夫とともに産婦人科に出向き話し合いの場を持ったが、病院側は他院へ移ったほうがいいと言ってきかない。分娩室に行くまでのエレベーターが危険だとか、いざというときに対応できかねるなどの理由を次々と持ち出してくる。その態度に疲れ、結局、由里子さんたちは別の病院に移ることを選択した。

「遺伝性の病気となると、いまだに優生保護法の考え方が出てくる。世が世なら私は生まれていないし、娘もこの世に生まれてくることはなかったんでしょう。病院の中に優生思想がものすごくはびこっているのを実感して、恐ろしさを感じましたね」

 優生保護法は1948年、「不良な子孫の出生防止」を目的に作られ、これをもとに、障がい者への強制不妊手術も行われてきた。1996年に母体保護法に改正されたあとも、由里子さんの経験を見る限り、優生保護法は現代に生き続けている。

障がい者の子育ては想定外!?

 2005年の夏、由里子さんは総合病院の中にある産科で無事、娘を出産した。新しい命の存在は力を与えてくれた。だが、そこから「障がい者の子育て」に対する社会の壁が次々と目の前に現れる。

 娘が保育所に行くようになると、送り迎えのときに介助制度が使えないことがわかった。障がい者の介助ヘルパーは、障がい者本人を介助するためにある。子どもの送り迎えが目的なら、ヘルパーが付き添うことはできないというのだ。

 由里子さんは意見書を出したりメディアに出たり、できるだけの方法でぶつかった。また、障害のある親の集まりを作ったりしながら、声を出していった。そのかいあって2年後には、特例として送り迎えの介助利用は認められた。

「まず大阪市に理解してもらうよう支援を募りました。障がい者への支援はあっても、障がい者が出産して子育てするということ自体が想定外で、そのための支援は考えられていません」

 平日の夕方になると、夕食の準備のため毎日、ヘルパーに来てもらっている。土日に出かけるとき、参観日などの子どもの用事があるときにも、同行援護のヘルパーに介助を頼む。それが由里子さんの日常だ。

 娘の通う小学校に呼ばれて、特別講師として話す機会もある。

「私は目が見えないだけでみんなのお母さんと同じなんだよ。いろんな工夫をしながら、ヘルパーさんに頼んだりしながら暮らしてるんだよ」そう言うと、子どもたちは「ああ、そうなんだ」と理解してくれる。

 いま彼女が目指すのは、障がい者が立ち止まらなくてすむような社会だ。

「障がい者として生きていると、いろんなつまずきがある。だから、それがなくなるような社会を作りたい。そのために趣味にしても、どんな些細なことでもあきらめないで挑戦したいです。

 自分が頑張るだけでなく、社会の障壁を取り除くにはどうすればいいか。下から見たら、横から見たら、解決策はあるかもしれない。それを仲間と一緒に考えていきたいですね」

2018/12/15      週刊女性PRIME

佐藤が7位=障害者スキーW杯

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 障害者ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)は15日、フィンランドのボッカティで男女バイアスロンが行われ、男子立位(12.5キロ)で佐藤圭一(エイベックス)は7位だった。
 女子立位(10キロ)は出来島桃子(新発田市役所)が8位、阿部友里香(日立ソリューションズ)が9位。

(時事)(2018/12/16-00:00)

ヤマト、障害者バドミントンを物流支援

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ヤマトホールディングスは14日、日本障がい者バドミントン連盟(JPBF)と、オフィシャルサプライヤー契約を締結し、障害者バドミントンを支援すると発表した。

具体的には、JPBF加盟選手の国内強化合宿、海外遠征、国内主要大会などへの参加にあたり、競技に使用する車椅子の国内輸送を行う。これにより、利用を希望する選手の受付窓口業務を含めたスムーズな輸送を実現する。障害者バドミントンの競技用車椅子の輸送に適した輸送資材の開発を行い、強化指定選手に提供する。

障害者バドミントンは、東京2020パラリンピック競技大会から実施される競技。障害の程度に応じて3つのカテゴリー(立位上肢・立位下肢・車椅子)に分かれており、さらに、障害の度合いによって6つのクラスに分けて行う。18年9月に日本で開催された国際大会では9個の金メダルを獲得したこともあり、競技人口も増加傾向にあり、注目されつつある競技となっている。

こうした選手の活躍の場が広がる一方、競技用車いすを輸送する仕組みは確立されておらず、選手自身が自家用車で輸送したり、対応できる配送業者を都度探すなど、試合前後の選手の負担となっている場合がある。

ヤマトは、競技用車椅子の輸送支援によって、選手の負担軽減を図り、選手が競技に集中できる環境作りをサポートすることで障害者バドミントンのさらなる発展に貢献していく。

2018年12月14日      LogisticsToday

三田市が障害者を自宅訪問へ 監禁事件受け孤立防止策

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 兵庫県三田市は14日、障害福祉手帳を所持している市民のうち、福祉サービスを利用せず、民生委員らも状態を確認できていない障害者1560人の自宅を訪問し、本人と面談すると発表した。障害のある長男を父親が自宅のおりに閉じ込めていた事件を受けた対応で、全国でも珍しい取り組み。全員の訪問に3年程度かかる見通しで、年内にも対象者への連絡を始める。

 事件は4月に発覚し、父親は有罪判決を受けた。長男は療育手帳を持っていたが、20年以上、市の福祉サービスを受けていなかったことが判明。市の第三者委員会は9月、障害者本人や家族の孤立を防ぐため、「3年に1回程度の定期的訪問が必要」と提言した。

 市障害福祉課によると、訪問する対象は、生活介護や施設への短期入所など市の福祉サービスを利用していない人で、身体障害者約1320人、知的障害者約240人。2年ごとに手帳の更新が必要な精神障害者や、小中学生ら第三者が状態を把握できている場合は除いた。市職員が2人一組で訪問し、1人当たり1~3回の面談を通じ、困りごとの有無や本人の印象などを記録に残しておく。

 まずは来年3月末までに、重度の障害がある約50人への面談を終える方針。森哲男市長は14日の会見で、「訪問に法的な裏付けがなく、難しい課題だが、試行錯誤しながら取り組みたい」と話した。

時計2018/12/15     神戸新聞NEXT

厚労省に他省立ち入り権限を 障害者雇用問題で法改正へ

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中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、日本政府は14日、障害者雇用促進法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めた。厚生労働省が、他省庁や地方自治体などの行政機関に立ち入り調査できる権限規定を新たに設ける。各機関に対し、障害者手帳の写しなど雇用に関する書類の保存も義務付ける。月内にも、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に提案、議論する。

スプートニク日本

現行法では、民間企業に対する厚労省の調査権限はあるが、行政機関に対してはなかった。このことが長年にわたる不適切計上の一因となったとの指摘もあり、政府は厚労省に強制力を持たせ、再発防止を徹底させたい考えだ。

(c)KYODONEWS      2018年12月15日

障害者スポーツを応援しよう 東京・国分寺五中で本紙記者が出前授業

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 2020年東京五輪・パラリンピックを前に障害者スポーツを応援しようと、国分寺市立第五中学校(花田茂校長)で15日、産経新聞社員が出前授業を行った。

 生徒は同日の本紙から「障害者スポーツ」などの言葉を探したが数カ所しかないことを知り、編集ソリューション室の戸谷真美記者が「記事は読者の興味、関心の高いものが優先される」と理由を説明した。

 産経新聞社が古着をリユースし、障害者スポーツを応援する「ふくのわプロジェクト」担当の永栄朋子さんは同校が約100キロの古着を集めたことに感謝した。

 2年生の飯沼和也さん(14)は「障害者スポーツが身近になった。競技を生で見てみたい」、1年生の田辺和也さん(13)は「もっと多くの人に障害者スポーツを知ってほしい」と話した。

 出前授業などのご相談、お問い合わせは、NIE事務局(nie-tokyo@sankei.co.jp)で受け付けています。

紙面から「パラスポーツ」などの言葉を探す生徒ら=15日、東京・国分寺市立第五中(慶田久幸撮影)  紙面から「パラスポーツ」などの言葉を探す生徒ら   2018.12.15      産経ニュース

子どもが発信 「地震への備え」高槻・松原小で制作

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 今年6月、大阪北部地震に見舞われた高槻市沢良木町の市立松原小学校(神崎雅子校長)の児童が、3種類の防災新聞を作った。「地震への備え」をメーンにした内容で、来年1月、540人の全児童宅や関係施設に配布する予定だ。

 新聞作りは、子どもたちが社会の課題と向き合い、解決に向けてチャレンジする「シチズンシップ(市民性)教育」として、NPO法人「JAE」(大阪市北区)が企画。「子ども新聞記者になろう! 地震が起こっても安心なまちをつくるには?」をテーマに、日本NIE(教育に新聞を)学会の中善則・花園大教授らの協力を得て、実施した。

 

    自分たちが作った新聞について発表する松原小学校の児童たち   毎日新聞        2018年12月16日

がんになっても「暮らせる」「働ける」制度 告知から最期まで時系列で徹底解説!

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 2人に1人がかかる「国民病」ながら、がんになると約3割が依願退職や解雇をされている。だが、進行に応じた制度を活用することで、がんになっても生活を維持し、働き続けることは可能だ。“網の目”の制度を知って「明日は我が身」に備えよう。

 来年4月の「働き方改革関連法」施行に向けて、新しい労働環境作りが急ピッチで進められている。同法は、労働基準法、労働安全衛生法などを改正し、「長時間労働の是正」などを目指すものだが、同時に企業に求められているのが、がんや難病など継続的な治療を必要とする病気の人の就労支援だ。

2018年12月16日        サンデー毎日

社会ボランティア賞 堀内佳美さんら受賞 地道な活動に評価

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 東南アジアのタイで読書推進のボランティア活動に取り組んでいる、堀内佳美さん(35、全盲)が、ソロプチミスト日本財団(京都市)の「社会ボランティア賞」を受賞した。「読書の素晴らしさを伝えたい」と、2010年に非営利組織「アーク どこでも本読み隊」を結成。視覚障害者ら身近に読書を楽しめる環境が少ない人たちのために、読み聞かせや本の貸し出しをしている。

2018年12月16日      点字毎日

5Gは地方こそ生きる!携帯各社が普及へあの手この手

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 2020年の第5世代通信(5G)商用化まで、もうすぐ1年を切る。「低遅延」「高速大容量通信」などを特徴とする5Gは、人手不足をはじめとした地方の課題を取り除く一つの解として注目される。このため携帯各社は、自治体や企業と連携して地方での実証実験を加速するほか、5Gの検証拠点を複数地方に開設する。さらに山間部などに持ち運べる5G設備を開発するなど、地方への普及を急いでいる。

 「5Gの技術者が地方に出向き、課題をていねいにヒアリングしている」。KDDIモバイル技術本部の松永彰シニアディレクターは、こう自信を見せる。その成果物の一つが19年1月に長野県白馬村で実施する5Gを活用した除雪車の運行支援だ。

 国から特別豪雪地帯として指定される白馬村の冬は、除雪車の出動が不可欠だ。しかし道路上に積もった雪で隠れた縁石にぶつかって除雪車が転倒することが多い。またマンホールや消火栓も雪に隠れてしまい、道路保全に支障をきたすことがあった。そこでKDDIは白馬村などと連携し、除雪車の運転席に設置したタブレット端末に、障害物や道路設備の情報をリアルタイムに伝送する実証実験に乗り出す。

 雪が降らない時期に撮影した路面映像を、除雪車の位置情報に応じて端末に配信する。運転手は視界が悪い雪道でも、端末に映る平常時の道を見ながら運転できる。除雪車が障害物などの近くを走行するとアラート通知し、運転手に注意を促す。事故を未然に防ぎ、除雪作業の効率化につなげる。このほか北九州市ではデンソーなどと協業し、産業用ロボットの配置や作業内容を最適化する実証も1月に始める予定だ。

 一方NTTドコモは、企業と5Gを活用したビジネスを創出するための拠点「ドコモ5Gオープンラボ」を各地方に開設している。同ラボは5Gの基地局設備などを常設し、5Gの検証施設としても機能する。9月に大阪市内へ開設したほか、19年1月には沖縄県内にも設ける予定だ。

 これまで携帯各社のネットワーク整備は都心から進むことが多く、5Gも都心からの普及が見込まれる。しかし政府は、周波数割り当てから2年以内で全国でのサービス開始を求めている。このため山間部など整備が困難な場所でも素早くエリア化することが必要になる。

 ソフトバンクは持ち運べる5Gの検証セット「おでかけ5G」を公開した。基地局などの5G設備一式を車に載せて現地へ持ち運び、周辺をエリア化できる。先端事業企画部の船吉秀人部長は「(5G活用の)ニーズがある場所に配置できる」と自信をのぞかせる。

 5Gはしばしば高速道路に例えられる。石田真敏総務相は「かつて高速道路ができると周辺地域は経済が活性化した。5Gを整備しなければ、地域の経済発展が遅れてしまう」と危惧する。国も企業も自治体も、すぐそこに迫った5G時代に向けラストスパートをかける時が来ている。

大阪のドコモ5Gオープンラボでは、パートナー企業が持ち込んだ機材の検証が可能

2018年12月17日         ニュースイッチ Newswitch

キンプリ岩橋、セクゾ松嶋を襲ったパニック障害 経験者の中川家・剛「気持ちわかる」

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お笑い芸人からタレント、女優など、曜日別のメンバーがレギュラー出演し、平日21時から2時間生配信している、報道番組『AbemaPrime』(AbemaTV)。

先日番組では「パニック障害」について取り上げた。スタジオでは、20年ほど前にパニック障害が発症したお笑いコンビ・中川家の剛が発症した瞬間やパニック障害と向き合ってきた日々を振り返った。

■「パニック障害」で活動休止

今年10月、ジャニーズの人気グループ「King&Prince」のメンバー・岩橋玄樹。その翌月には、同じくジャニーズの人気グループである「Sexy Zone」のメンバーの松島聡も活動休止を発表した。

2人の活動休止の理由は「パニック障害」。動悸やめまい、過呼吸など突発的な異常のほか、「このまま死んでしまうのでは」との強い不安感に襲われる疾患。「脳内のセロトニンという神経の分泌のバランスが崩れてしまっている状態」というものの、現在も原因は特定されていない。

年間「いけるかな? いけない」の繰り返し

お笑いコンビ・中川家が兄弟でコンビを結成したのが1992年。1996年には『ABCお笑い新人グランプリ』で最優秀新人賞を受賞。異変が起きたのは、翌年の27歳のときだった。

ご飯を食べているとき急に「息ができない」と感じたそうだ。「今考えると(受賞してから)突然仕事が増えた。20代の出だしの人間が10歳も20歳も上の先輩に堂々と絡みにいけるわけでもなく、顔色を伺いながら。それとストレスだったんじゃないか」と振り返る。

「治ったかなと思って、劇場の舞台袖まで行って、いけるかな? と思ったらいけなかったという繰り返し。漫才中も、移動中も」という状態が1年ほど続き、結果として仕事を休むことになったという。

■キンプリ岩橋に「すごい、気持ちわかる」

剛は「言いたいことがあった」と「King&Prince」の岩橋が活動休止中にUSJに遊びに行っていたと批判する人がいることを取り上げた。「僕が勝手に思っていることなんですけど、多分、試したんじゃないですか」と持論を述べた。

自身は「今日はあそこに行ってみよう、あ、行けた」「いつも2駅で降りてるけど、今日は3~4駅行けたとか」を繰り返し、症状は徐々に回復していったという。

この経験から「すごい、気持ちわかる。本当はもう治っているんじゃないか、昨日は苦しかったけど、今日は治ったんじゃないかと。調子がいい時はやってみたくなるものなんですよ、早く治りたいから」と当時の自分と重ねた。

病は気から」は失礼?

しらべぇ編集部では全国20〜60代の男女1,537名を対象に、「病気について」の調査を実施。「『病は気から』という言葉は、病人に失礼だと思う』と答えた人は全体で32.5%

病は気からは病人に失礼グラフ

3人に1人は「失礼だ」と思っていることが判明。しかし半数以上は「病は気持ちの問題だ」と思っているということだ。剛も「気の持ちようだ」「しょうもない」「辞めてしまえ」などの酷い言葉も何度も言われたそうだ。

 

■理解と支えが症状緩和に

剛の症状が落ち着いてきたのは、礼二をはじめ周りの理解と助けが一番大きかったと語る。

なお、今でもパニック発作が発症しそうな時はあるそうだが「あ、きてるかなと思うけど、でも、まぁいっかと思えるようになった」と現状を語った。

(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳


不妊手術、旧法巡る対応検証へ

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精神科医団体が内部委員会

 旧優生保護法(1948~96年)下の障害者らへの不妊手術問題で、精神科医らでつくる「日本精神衛生会」が来年1月にも内部委員会を設置し、旧法を巡る対応の検証を始めることが16日、分かった。旧法は精神科医が本人同意のない不妊手術を申請できると規定。同会も50年代、手術促進の財政措置を国に陳情していた。被害者を救済する法案制定の道筋が整いつつある中、医療側が自らの関わりを調査する動きとして注目される。

 人権擁護に関する市民団体の関係者は「手術を推進しようとした側が自ら検証して反省の過程を踏むことが、差別解消の出発点となる」として検証結果を見守る構えだ。

1960年実施の大分県優生保護審査会で、医師が提出した健康診断書(左)と、医師に診断書の再提出を求めた通知書のコピー

2018/12/17        ©一般社団法人共同通信社

埼玉に特別支援学校向け「子ども大学」開校 全国初

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 大学や地域が連携して子供たちに学習の場を提供する特別支援学校向けの「子ども大学」が開校した。校名は「子ども大学ベアりす☆ひがしまつやま」で、特別支援学校の児童・生徒を対象にしたのは全国初だという。県立東松山特別支援学校など5校から小学4年~高等部3年の児童・生徒9人が入学し、学校とは違った学びを実践している。

 平成21年3月に全国初の「子ども大学かわごえ」が開校したのをモデルに、22年度から県教育委員会が子ども大学を推進し、県内でこれまでに54校が開校した。今回は障害者にも子ども大学に参加する機会をつくるため、開校した。

 11月から活動が始まっており、立正大の学生らがスタッフとなって、キャンパス探検やパン作りなどが行われた。県教委の担当者は「参加した子供たちは充実した表情を浮かべていた」と話している。

2018.12.17         産経ニュース

「政治家の資質」は死語?

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 古今東西、政治家の暴言、失言が後を絶たない。「口は災いの元」で、ときに命取りになる。文字をなりわいとする筆者も特に表現には気を付けながら日々、原稿を書いているつもりだが、読者、ネットユーザーに果たしてどう受け止められているのか、常に自戒しながら仕事をしている。

 10月に行われた青森市議選で初当選した山崎翔一氏(28)が、ツイッターの匿名アカウントで高齢者、障害者などを差別、蔑(さげす)むような表現を含む投稿したことを問題視した市議会が辞職勧告決議案を可決したが、法的拘束力はない。山崎氏は体調不良で、現在行われている定例市議会を欠席しているが、2124人の負託をどう受け止め、どのように応えるのか。自身の身の処し方を含め、早急な説明責任がある。

 現代社会においてIT(情報技術)は欠かせないインフラだ。しかし、一歩間違えると不特定多数の人間に個人情報などが拡散してしまう危険性もはらんでいる。今回のケースも友人との会話の中での書き込みだったというが、こうした可能性を冷静に考えれば、余りにも軽はずみな行為と言わざるを得ない。

 ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーは、政治家は情熱・責任感・判断力の資質が重要と説いた。「政治家の資質」が問われて久しい。国政も地方政治も、もはやこの言葉は死語になってしまったのだろうか。 

Taboolaby Taboola           産経ニュース

旧優生保護法 強制不妊、国の施策と知らず「父と施設を恨んだ」

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 「国が責任を明確にすることで、自分や家族が悪くなかったと声を上げられる人がいるはずです」。旧優生保護法(1948~96年)下の中学2年の時に不妊手術を強いられ、現在は北三郎の活動名で被害を訴える男性(75)が、毎日新聞のインタビューで初めて素顔を出して語った。理由は、来年の通常国会で審議される見込みの救済法案に「国の責任を明記し、謝罪してほしい」からだという。

 強制不妊の被害者が全国2番目に多い宮城県で生まれ育ち、手術を受けた。複雑な家庭環境から生活が荒れ、教護院(今の児童自立支援施設)に入所していた14歳のころに不妊手術を受けさせられたという。しかし、最近まで怒りの矛先は国ではなかった。

 「自分がこんな体にされたのは、おやじのせい、施設のせいだとずっと恨み続けてきました」

 国の施策だと知らなかった北さんは、施設に入所させた父親と、手術を行う病院へ連れて行った施設が「悪い」と思い込んだ。北さんは28歳の時、4歳年下の女性と結婚したが、子宝に恵まれることはなかった。

 不妊手術を受けたことで「ダメな人間」だと誤った考えを植え付けられていた。妻に手術を打ち明けられず、子どもができないのは自分が小さい頃にかかった病気のせいだとうそをついた。一方で妻には内緒で受診し、「元の体に戻したい」と相談したが、医師は首を振るだけだった。

 「打ち明けたのは、妻が白血病で入院していたときでした。責められると思いましたが、妻は何かを言いかけて『ごはんだけはしっかり食べてね』と言いました。私が苦しんでいたことを、悟っていたのでしょうか」

 妻は告白の数日後に息を引き取った。約5年後の今年1月、宮城県の60代女性が初の国賠訴訟を仙台地裁に起こしたと報じる記事にくぎ付けになった。

 「『これは俺のことだ』と思いました。法律に基づく国の施策だったことを知り、おやじや施設のせいではなかったと気づきました」

 裁判を起こし、各地で被害の実態を訴えるのは、家族間の断絶も招いた施策の責任を明らかにしなければいけないと思ったから。しかし、2016年7月に相模原市の知的障害者福祉施設で起きた殺傷事件のように、障害者というだけで人が殺され、心ない言葉も見たり聞いたりした。北さんは障害と診断されたことはないが、メディアに顔をさらすリスクを恐れた。

 だが、裁判で救済法を否定する国や、国の責任をあいまいにする与野党救済方針に怒りがこみ上げた。多くの被害者が泣き寝入りしていることにつけ込んでいると思った。

 「もし自分の愛する人が非道な手術を受けさせられたとしても、国の人は平気なのだろうか。国が責任を認めて謝罪することで、自分や家族が悪くないと分かるし、声を上げられる人もいるはず。私は素顔を出して、命ある限り、とことん闘おうと決めました」

 裁判所に行くときは妻の写真を忍ばせる。仏前には先日、素顔を出すことを報告した。

 「妻はいつものように『がんばってね』と応援してくれると思う。なぜこんな手術を受けなければならなかったのか、国は説明してほしい。裁判所は、全国にたくさんいる被害者に希望を与えてほしい」

 全国被害者弁護団による「旧優生保護法被害に関する電話相談」は来年1月30日、全国一斉に行われる。

電話番号は0120・990・350。

 2018年12月16日        毎日新聞

外国人の介護職、定着阻む言語や宗教の壁 来年4月に入管法改正

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 外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管難民法が来年4月に施行される。新しい在留資格「特定技能」の対象14職種のうち、受け入れ最多と見込まれるのが介護分野だ。現場からは「人手不足の解消につながる」と歓迎の声が上がる一方で、すでに外国人を受け入れている施設は「官民のサポートが不可欠」とくぎを刺す。

 「口を大きく開けてゴックンしてくださいね」

 昨秋に開校した介護福祉士養成校「篠山学園」(篠山市)。今月11日には、ベトナム人約40人が高齢者や視覚障害者の食事介助を学んだ。留学生が要介助者役も務め、ベッドに寝たままの姿勢やアイマスク姿で食事を体験した。

 同校は2016年、西宮市の社会福祉法人「ウエルライフ」が開校。介護福祉士を目指す約80人が学ぶ。

 1日8時間の授業はすべて日本語。ホーチミンの日本語学校と提携して事前に学んでもらい、来日後も入学までの半年間、日本語学校への通学を課す。

 井中浩事務長は「介護では高いコミュニケーション力が求められる。日本語の習得が適応の鍵を握る」と強調する。

 留学生は全員、敷地内の寮に住む。無利子の奨学金を借りて渡航費・授業料に充て、卒業後に返済する仕組みだ。

 アルバイト先は学校が紹介する介護施設に限定。週の3日は授業で、残り3日は働く。来日目的はアルバイトではなく、あくまで学業という方針からという。

 篠山市も、16年に閉校された兵庫県立高校の建物を購入して貸し出すなど、同法人を支援する。酒井隆明市長は「若者が増えて地域に活気が出れば」と期待する。

 特別養護老人ホーム「うみのほし」(神戸市灘区)は、経済連携協定(EPA)に基づき、就労・研修しながら介護福祉士を目指すインドネシア人候補生を受け入れてきた。今では国家試験に初受験で合格する人も出ているという。

 異国での生活になじんでもらえるよう、イスラム教に関する職員向けの研修を開き、断食やお祈りに配慮した。モスクへ同行したり、教徒向けの食材店へ案内したり、きめ細かいサポートも欠かさない。

 それでも、関西弁や漢字の読み書きに慣れなかったり、日本での子育てに悩んだり、支援は試行錯誤が続く。銀行や役所の手続きへの同行など、施設単独では限界があるという。

 平岡千里・統括施設長は「一時的な安い労働力という考えでは、外国人も逃げ出してしまう」と指摘。「長く働いてもらうには、官民のサポートが欠かせない」と訴えた。

2018/12/17       神戸新聞NEXT

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