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神奈川県内の障害者虐待、過去最多164人 性的虐待も9件

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 神奈川県は26日、2017年度に県内で家族や福祉施設の職員らから虐待を受けた障害者が164人に上ったと発表した。調査が始まった12年度(同年度は10月から3月までの集計)以降、過去最多の人数となった。

 市町村や県に寄せられた通報は342件に上り、このうち141件で虐待の事実が認められた。

 加害者の内訳は、家族や親族が93件(被害者93人)、福祉施設の職員らが32件(同55人)、雇用現場の使用者が16件(同16人)。

 虐待の種類(重複計上)は暴行などの身体的虐待が79件、暴言や拒絶的な対応などの心理的虐待が49件、障害者の財産の使い込みなど経済的虐待が38件、放棄・放置(ネグレクト)が24件、性的虐待が9件だった。

 虐待を受けた障害者(障害の種類は重複計上)のうち、最も多かったのは知的障害者で103人。次いで精神障害者40人、身体障害者33人、発達障害者4人、その他心身の機能障害2人、難病などが1人だった。

 県障害福祉課は「最も困るのは被害が埋もれてしまうこと」とし、障害者施設職員らを対象にした研修の内容を、施設や運営法人内で共有することを16年度から義務づけている。「被害者数の増加は、虐待に対する感覚が敏感になったとも考えられる。今後も市町村や施設などと連携し、啓発や研修を進めていきたい」としている。

 調査は障害者虐待防止法に基づいて行われ、県内市町村分を県が集計した。前回調査では県内で142件の虐待が認められ、160人が被害に遭っていた。

神奈川新聞|2018/12/26


重度障害者に働く機会を創出する「分身ロボットカフェ」への期待と存在意義

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重度障害者がロボットを操作して接客してくれる「分身ロボットカフェ DAWN ver.β(ドーンバージョンベータ)」が11月26~12月7日まで東京・港区に実験的にオープンしていたので、さっそく行ってみた!

ロボットを目線で操作するテーブル担当の山崎さん

まずはお問い合わせフォームで予約した12月6日の14時の10分前に訪れ、受付で体験代1000円を支払う。チケットに書かれたテーブル番号が呼ばれたら着席する仕組みだ。

会場にはコラボレーションしているSF映画アニメ「イヴの時間」のパネルがはられている。4人掛け×6つのテーブルがある。着席して待っていると、司会者の「ロボットの登場です!」という声と共にロボット「OriHime-D」が3台登場した。オーダーを受け取るボードをロボットが持ってくる。と、思いきや私のテーブルにはなかなかたどりつけなくて、最後にはスタッフが動かしていた。まだ、パイロットも慣れていないのだろう。

今日の私のテーブル担当は、山崎拓弥さん。4年前事故で脊髄損傷し、手足が動かなくなってしまった。ロボットは目線で操作しているという。

やっと私のテーブルにたどり着いたロボットが、「いらっしゃいませ。メニューにはホットコーヒーとオレンジジュースがあります。備え付けの紙にオーダーを書き込んで、ボードにはさんでください」と言う。私のテーブルはホットコーヒー3つ、オレンジジュース1つを書き込んでボードにはさんだ。受け取るとロボットはキッチンに行く。

待つこと10分程度だろうか。オーダー通りのドリンクを持ったロボットがやってきた。「お待たせしました」。受け取ると、次のテーブルの接客が気になるのか「失礼します」とキッチンに帰っていく。

介助が必要な生活の中、明るいコミュニケーションを取る三好さん

ドリンクを受け取って飲んでいると、スタッフがミニロボット「OriHime」をテーブルに持ってきてくれた。操作しているのは、三好史子さん。SMA(脊髄性筋萎縮症)2型で、日常的に介助が必要だという。チーズと麻婆豆腐が大好きだという島根県に住む彼女は、介助が必要な生活を送りながら明るい!

私のテーブルには、ドイツから週刊雑誌を見てやってきたというドイツ人がいたのだが、「ドイツから来ました」と言うと、「嬉しい!」と喜んでいた。また、難病の妹がいるという同席者は「私の妹もこういう仕事ができるんじゃないかと思って!」と三好さんに声を弾ませて打ち明けていた。三好さんも「うんうん」と親身に聞いている。

好さんは私のテーブルで「英語はしゃべれる?」など質問攻めにあっていて、会話も弾んだが、ほどなくしてスタッフが三好さんのミニロボットを他のテーブルに運んで行った。

2020年に向け分身ロボットカフェの常設店化を!

山崎さんのロボットはどうかというと、担当のテーブルに注文されたドリンクを運び終わってほっとしたのか、隣のテーブルで話が弾んでいるようだ。

コミュニケーションが取れるとお客も楽しいが、重病で家に引きこもらざるを得ないパイロットも楽しめる。重度障害者に就労の機会を与えるだけでなく、コニュニケーションの機会も与える素晴らしい取り組みだと感じた。今回の実験でPCやIT機器の扱いに慣れている10人のパイロットが交代で働いている。

今回のカフェのオープンの背景について、「障害者が働くといった場合、A型、B型、就労移行というかたちで就労支援が行われていますが、寝たきりの重度障害者はそこで働けると考えられてきませんでした。そういった重度障害者に対し、ロボットを使うことで“働く”ことの可能性を提案します。ロボットを用いた障害者の就労を考えていたオリィ研究所の吉藤さんと、障害者就労支援を長年行ってきた日本財団の竹村が会うことで、重度障害者が働くカフェが実現へと向かいました」(日本財団・飯澤幸世さん)としている。

2020年に向け、分身ロボットカフェ「AVATARカフェ」の常設店化に取り組むほか、カフェだけでなく空港の受付カウンター、百貨店の案内、美術館の作品説明など職種の多様化、採用企業の増加などを目指していくという。

これからが楽しみだ。

2018.12.26         @DIME

障害者虐待、最多の2618件=17年度、「施設」も更新-厚労省

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 厚生労働省は26日、2017年度に全国の自治体などが確認した障害者への虐待は、前年度より98件多い過去最多の2618件だったと発表した。

 うち福祉施設の職員らによる虐待も464件に上り、最多を更新。被害者は346人増の3544人で、1人が家族の虐待で死亡した。

 施設職員らによる虐待は、調査が始まった12年度以降増え続けている。17年度は前年度より63件増えた。この中で、虐待行為の類型(複数回答)を見ると、身体的虐待が56.5%で最も多く、暴言などの心理的虐待が42.2%、性的虐待が14.2%と続いた。

 施設職員ら以外を見ると、家族や親族ら養護者による虐待は前年度比19件増の1557件。このうち複数回答では身体的虐待が61.2%と最多で、障害年金を勝手に使うなど経済的虐待は22.9%だった。職場の雇用主らによる虐待は、16件多い597件だった。 

2018年12月26日       時事通信社

不適切算入で23人処分 熊本県の障害者雇用

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 熊本県は26日、障害者の雇用者数を不適切な方法で算定していたとして、蒲島郁夫知事のほか、人事課長ら知事部局の9人と企業局の4人を文書訓告処分にしたと発表した。県教育委員会も教育長ら9人を同じ処分にした。

 県と県教委によると、障害者手帳を確認せずに本年度に計37人を不適切に算入していた。実際の障害者雇用率は同じ年度で、知事部局が法定の2・5%を下回る2・25%、県教委が法定の2・4%を下回る1・95%だった。

2018.12.26       産経ニュース

乙武氏「地獄の苦しみだった」 タブー視されてきた“障害者の性”、当事者が抱える苦悩と課題とは

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「最近射精したのは、覚えてないぐらい前です」

「ただ食べて寝るだけの生き物になったみたいな」

 ある日を境に身体障害者になった人たち。感じるのは今までできていたことが突然できなくなるもどかしさや無力さ。それは性に対しても同じだ。

 彼らは欲求があっても、セックスどころか自力での射精すらできず苦しんでいる。しかも、本人の苦しみに反して周囲から理解を得ることは難しい。かといって、一般的な風俗では障害者を中々受け入れてくれないのが現実。

 そういった場合のサポートとして「射精介助」がある。射精介助も含め、障害者の性問題に取り組む一般社団法人「ホワイトハンズ」代表理事の坂爪真吾氏。自らの性に関して誰にも話せず、絶望している当事者を何人も目の当たりにしてきた。「男性としての自信をなくしてしまったとか、一生性的なことができないのであれば生きていてもしょうがないという方もいる。そういった方が自分でできないことをケアしてサポートしていくことができれば、最低限度の性と健康の権利の支援につながっていくと思う」。

 海外では、障害者の性欲処理も含めたサポートなど制度が確立されている国もある。しかし、日本では障害者の性自体、話すことさえ憚られるのが現状だ。

■旅行先のバリアフリーの宿でデリヘルを利用

 山田修さん(仮名・29)は今から約7年前の22歳の時、突然の心肺停止により1カ月半の間、脳死状態になった。奇跡的に回復したものの、残ったのは両手足の麻痺という障害。山田さんは「起きたらどこも動かない体になっていたので、(自分は)障害者だと…」と当時の心境を明かす。

 体が不自由になっても、当然これまでと変わらず性欲は存在する。それは人としてごく自然なこと。当時はまだ22歳で、わずかに残る右手の感覚を頼りに自慰行為を試したが、力加減や手を動かすことが困難で射精には至らなかった。

 セックスはおろか自慰行為ができなくなってしまった山田さん。「射精は今年の夏、デリヘルの方を呼んでやっていただいた」というように、旅行先で身体障害者でも利用可能なデリヘルを利用しているという。

 障害者年金で手にできるのは、2カ月で約7万円。両親と生活していることもあり、お金を貯めて実家でサービスを受けることは難しい。わずかな段差や階段でも車椅子では通ることができず、旅行先でバリアフリーの宿を予約し、デリヘルを利用するしか方法がないという。

 障害者という立場になった今、射精は年に2、3回で、この7年間で20回ほど。山田さんは、「性欲は障害者・健常者関係なく男性が持っているもの。それは人としてやはり当たり前のことだと思うし、苦しさというかもどかしさ的なものはある。別のことを考えて、飲んだりとか遊んだりとかして気を紛らわしている。そうしないと無理」と苦しい胸の内を明かした。

■難病で体に障害、妻とはセックスレスに「生きる屍になったような感じ」

 障害者が抱えるのは性の問題だけではない。都内で一人暮らしをしている川上弘さん(仮名・55)。過去に射精介助を利用した結果、射精することが性のすべてではないと感じたといい、「性全体を考えたら、やっぱり相手の女の子とハグしたりとかそんなこともあったほうが楽しい」と話す。

 川上さんは20代から手足の不調を感じ、38歳で難病「脊髄小脳変性症」と診断された。歩行障害や手の震えなどの症状に苦しんでいる。「診断される頃になると、いわゆる正常位で腰を動かすというのは結構苦痛になった。これはやばいなと。いきなり生きる屍になったような感じ」。

  川上さんには30年ほど連れ添った妻がいたが、症状が悪化してセックスレスに。そのことについては、「(僕が障害者という)負い目ですかね。私は病人だから家で寝ている状態で、妻が(仕事から)帰ってきて、ご都合よくセックスの相手をしてくれるような言い方はできない」と振り返った。

 病気を受け入れてもらえず、セックスをする機会もなくなる。それは家族が離れる要因にもなってしまう。「ショックですね。ただ食べて寝るだけの生き物になったみたいな。喪失感もある」。

 黙殺された障害者の性、この問題は当事者だけのものではない。今日本の福祉施設で働く現場スタッフの多くは女性が担っている。あるケアスタッフは、「射精だけじゃなくて、抱きたいとかキスしたいとか、性的な言葉だけでなく手を出されたこともある。心が苦しいと懇願されて」「やっぱり(射精介助を)望んでいる。終わったあとの利用者さんとの関係性であったりとか、いろいろと考えることはある」と話す。

 一方で、福祉が性の問題に対応することに疑問を感じる人も。長年障害と向き合ってきた現場でも、性の問題となると答えが見つからないのが現状だ。障害者施設職員の男性は、「『(自慰行為を)わー見ちゃった』『こういうことをしていた』というくらいで黙認していた。そこを支援しなさいなんて言葉は中々かけづらい」と語った。

乙武氏「夢精してもパンツすら洗えない。地獄の苦しみだった」

 当事者だけでなく、福祉の現場や家族にまで及ぶ性の問題。射精介助を含めたサポートを行うホワイトハンズの坂爪氏は、取り組みを始めた経緯について「現行の制度は、障害のある人は射精しない、生理はこない、恋愛はしない、結婚も妊娠もしないという、性がないという前提で仕組みができてしまっている面があると思う。そこに、射精という限定的な部分ではあるが一石を投じようという思いがあった。利用者からは、射精だけでなく性のことを話せる場所があってよかったという声も聞く。やはり言いづらい部分があると思う」と話す。

 ホワイトハンズは2008年4月に設立。全国19都道府県で計714人が利用してきた。料金は寄付を活用し、現在は無料。女性は着衣したままで、利用者から触ってはいけない決まりがある。利用者の声としては、「男としての自信、健全な思考を取り戻すことができ、精神的ストレスが減った」「食事・排泄介助と同様に行われるケアとして普及してほしい」「できれば服を脱いでほしいし、体にも触れたい」という意見もある。

 これに対し、作家の乙武洋匡氏は「服を脱いでほしいということは別で論じていかなければならない」と言及。「この問題を語る時に、健常者とどこが違うのかということはひとつ重要なものさしになってくると思う。男性の場合、彼女やパートナーがいる・いないに関わらず、自慰で性欲を処理することが健常者にはできて重度障害者にはできない。物理的にどうしてもできない部分には、他者のケアが必要だというのは正論だと思う。しかし、相手に服を脱いでほしい・体に触れたいというのは健常者も思うことだし、それが人間関係などの問題で叶わない人もたくさんいる。なぜ障害者だけ支援してもらえるのかというのはややこしい話になるので、明確に分けて語るべき」と述べた。

 ホワイトハンズで射精介助を行っているスタッフは、東京と大阪で現在4名。ケアをする側からは「恥ずかしいという意識がなく『ケア』と考えている」「性欲を解消することで周囲とのコミュニケーションが豊かになっている」「生活の質を上げる支援となる」といった前向きな意見があがる。一方、世間からは「一般的な風俗と同じだ」「福祉サービスを金儲けに使うな」という批判の声と、「当事者だけでなく家族からも感謝される」という賛成意見も。

 賛否の声に坂爪氏は「風俗は娯楽がメインだが、射精介助は健康や自立、尊厳の視点から。娯楽目的ではなく介護的な枠組みでやっているスタンス」だと説明する。

 利用者の多くは、家族に中々言えないことで悩んでいるという。乙武氏は自身が当事者だとしたうえで、「利用者にとってホワイトハンズは神様のような存在。僕も10代の頃は自分で自慰行為はできず、数週間に一度、気づくと夢精していた。そして、そのパンツを自分で脱ぐことも洗うこともできない。恐らくそれを母が無言で洗濯をしてくれていた。やはり、地獄の苦しみなんですよ。若い頃に聞いた話だと、母親が自分の息子は一生女性と関わることはないだろうと心配して、かわいそうに思って、母親本人が息子の人生で唯一になる性の相手をするケース。施設に入っていて首から上しか動かない方は、当然自慰行為をすることができないので、恋愛対象が本来は女性であるにも関わらず、他に手段がないために男性同士で相手のものを口でしてあげるという現実もある。それを10代で聞いた時には、自分の将来に対して不安も抱いたし焦りもあった。僕の場合は比較的コミュニケーションが図れ、表に出ていくタイプの人間だったので、自分で切り開いていくことがたまたま可能だった。しかし、言語の状態によってそれが叶わない方もいるわけで、そういう方にとって坂爪さんのサービスは神様」と話す。

 また、視聴者からの「乙武氏はモテている」という意見については、「数年前の騒動で私は“性の問題を克服した人”として捉えられているのかもしれないが、それは僕の中では肯定できない。もしかすると来月、僕もホワイトハンズにサービスをお願いしているかもしれない。いつそうなるか分からないという背中合わせの立場にいることは変わらなくて、一生抱え続ける問題なんだろうなと思っている」と答えた。

 元AV女優でタレントの麻美ゆまは「ホワイトハンズの活動が10年前からで、もっと前から出てきてもおかしくない話だったと思う。私自身、病気で子宮と卵巣をとって、女性としての自信をなくした時期があった。やはり女性と男性は全く違うと思っていて、男性は本能的に出したいという欲求、女性はホルモンバランスがある。男性の出すという行為は治療の一環だと思う。AV業界でもヘルスケア部門ができてきていて、福祉に介入していくという話に発展していけばいいと思う」と期待を寄せた。

■性的サービスに保険適用、介護の一貫に含まれている国も

 障害者の性問題は、身体に障害のある人だけでなく知的障害者にも該当する。知的障害者の主な性問題は、人前で性器をいじる、自慰行為、女性への抱きつき行為、親への非難、(身体・知的)女性障害者への暴力などがある。

 性暴力について、障害福祉専用のeラーニングを提供しているLean on Me代表の志村駿介氏は「性暴力を愛されていると勘違いする人もいる。愛情表現と素直に勘違いすると、性暴力は見えづらい」と指摘。障害者の性教育については、「教育だけで解決するのは難しくて、本人が性について教えてもらう場所を作らなければならない。例えば15年前だと、支援学校の修学旅行のお風呂の時間などで熱心な先生が教えてあげて、性の自立ができたという声も聞いていた。最近はなかなか少ない現状があるので、事業所や施設で保護者に情報を伝えていかなければならないし、それができる環境を作っていかなければならないと思う。eラーニングではそのような情報を提供していて、学習してくれた現場のスタッフからは、保護者に自分から教えてあげられるようになったという声も出てきている。小さなことかもしれないが少しずつ広めていければいいと思う」と話す。

 障害者の性に対する声は国によって異なる。WHO(世界保健機関)は、障害者の性の問題について福祉の現場で相談に応じることなどを推奨。オランダでは障害者が性的なサービスを受ける場合、地域によって保険が適用されるようになっていたり、スウェーデンでは障害者が自慰行為をする際、介護の一貫として補助具の装着や服を脱がすことが認められていたりする。

 志村氏はアメリカのオレゴン州で体験した話として、「スタッフが言っていたのは、障害者同士がラブホテルなどに行って、服を脱がせてあげて、避妊具を付けたら外で待ってあげるというのも支援の1つとして組まれている」と紹介。「日本ではこのレベルにいけていないのでそこまで持っていきたい。日本では、障害者の性はないものにされていたし、母親や祖母が制御してしまっている部分もある」と指摘した。

 乙武氏は当事者の立場から、「性欲は、食欲、睡眠欲と合わせて3大欲求と言われるが、食事や睡眠と違って生死に関わるものではないということで後回しにされたのだと思う。ただし、ここが封じられると周りが思っている以上にしんどいんだということは理解してほしい」と訴えた。

 最後に坂爪氏は「障害のある方が性的に生きやすい社会というのは誰にとっても生きやすい社会だと思う。障害者の性を自分ごととして捉えてほしい」、志村氏は「障害者に必要な配慮をしたうえでノーマルに接することができる社会を実現したい」と述べた。

(AbemaTV/AbemaPrimeより)

 AbemaTIMES        2018年12月26日

制度にこだわらず知恵を絞ろう 桑原由美子さん NPO法人理事長

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政府は来年1年間で約4千人を採用する方針を早々に表明した。正規職員の障害者枠を巡り、これまで対象が身体障害者に偏っていた九州の自治体でも、知的や精神障害者に拡大する動きが広がる》

 今回の問題を受け、企業や自治体が、一定の割合以上、障害者の雇用を義務付けられている「法定雇用率」さえ達成すればいいと、数字だけを目的にしてしまわないか心配している。ノウハウや環境が整わないうちに性急に雇用を増やしても、仕事が長く続かなかったり、体調を崩してしまったりする可能性が高い。

 《雇用率に絡む障害者雇用の対象には4月から、発達障害を含む精神障害者も加わった。NPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」は、福岡県が運営する障害者職業能力開発校から委託を受け、発達障害など障害のある人に対し、職業訓練や就労活動支援を行っている》

 障害の特性によっては集中力が続かなかったり、仕事内容をよく理解できないまま雇用され、場にふさわしくない振る舞いをして周りから不真面目やわがままに見えたりすることがある。障害への理解や知識が雇用側に求められている。

 人手不足が深刻だが、どんな仕事を任せるのかあらかじめしっかり決めた上で雇用し、丁寧にマッチングしていけば、障害のある人が「戦力」になることを分かってほしい。

 ただ雇用率に算定されるのは週20時間(1日4時間)以上働ける人だけ。例えば1日2~3時間なら集中して働ける人は少なくない。今の雇用制度ではハードルが高い人もいる。

 《同法人は、障害のある人などの働き方として、法定雇用の時間にこだわらない「超短時間雇用」を提唱している東京大准教授の近藤武夫さんを招くなど、勉強会を重ねている》

 例えば、私が職業訓練に関わった中で、タイピングがとても速く能力の高い男性がいた。彼は時給制のパートで就職したが、仕事が速くてその日の分はすぐ終わってしまう。

 障害のない人の場合、その日のノルマが終わればだらだらと時間を過ごせるだろうし、同じ分量の仕事を終えるのに1日かける人もいるかもしれない。でも障害の特性によって「漫然とだらだらできない」人は少なくなく、彼もそうだった。結局、仕事が終わった時点で「帰っていい」と言われるようになった。

 仮にこの会社が時給800円で1日8時間雇えば日給6400円。しかし彼が3時間で終わって帰れば2400円しか支払われないことになる。同じ内容の仕事をさばき、障害のある人の方が効率も高いのに、単純に時間換算されたら、こうした不公平が生まれる。

 1日何時間雇う、という時間制ではなく、例えば「一定の資料のタイピング」「ある部屋の清掃」など、通常業務から障害のある人でもできる仕事を仕分けし、職務をしっかり定めて雇うのが超短時間雇用の考え方。近藤さんによると既に川崎市、神戸市などで実践例があり、海外ではこのように職務定義をはっきりさせた「ジョブ型」が一般的という。私も、障害のある人の雇用にはジョブ型が合うのではと考えている。

 今回の問題を機に、従来の制度にとらわれない雇用の在り方について、社会全体で知恵を絞っていくべきではないか。

 《自身の娘(25)も発達障害があり、放送関係の会社で働く》

 障害のない人には自然と身につく日常のマナーやルールも、発達障害のある人は一つ一つ教えてもらって初めて理解し、社会に適応していける。「言わずもがな」の事柄を根気よく指導していく姿勢の大切さも企業側には理解してほしい。

 最近、娘が仕事から機嫌良く帰ってくる。判で押したような単純作業ばかりではなく、新しい仕事を少しずつ任されるようになり、「難しいけど頑張ったよ」と言って、自信がついてきたように見える。周りの方から認めてもらっている、承認されることの大きさをしみじみ感じる。

 障害がある人、とひとくくりで支援していくのではなく、あくまで一人一人が力を発揮できるように配慮し、支えていく仕組みが整うよう、今後も声を上げていきたい。

 【メモ】
 障害者雇用水増し問題は今年8月に発覚。中央省庁が職員に占める障害者の割合を計算する際、本来は対象外の人を加え、法律で定められた雇用率を達成しているように見せ掛けていた。弁護士らによる検証委員会は、国の指針に反する不適切な計上が、昨年6月時点で28機関の3700人に達し、退職者や死者を加えるなど恣意(しい)的な運用があったと認定。政府は10月、厚生労働省の行政機関に対するチェック機能強化などの再発防止策と、2019年の1年間で約4000人を採用する計画をまとめた基本方針を決定した。

 ▼くわはら・ゆみこ 1965年生まれ。発達障害のある子どもを持つ親が立ち上げたNPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」(福岡県春日市)理事長。就労や自立を支援し、理解を深める活動を続ける。

=2018/12/26付 西日本新聞朝刊=

「これは、善意じゃない」東ちづるさんが障害者エンタメを開く理由

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 東ちづるさんは今、障害者とのステージに取り組んでいます。数々のドラマや映画に出演してきた俳優が、なぜ、この道を選んだのか? その動機について「善意ではない」と語る東さん。むしろ自身が抱く「生きづらさ」が原点にあるといいます。「平成の見せ物小屋」という刺激的な言葉で、世の中を揺さぶろうとする生き方から、「不便と不幸をごっちゃにしない」社会について考えてみました。(withnews編集部・神戸郁人)

「平成の見せ物小屋」銘打ち、イベント開催

先頭に立ってイベントを企画した東ちづるさん=岩井建樹撮影

先頭に立ってイベントを企画した東ちづるさん=岩井建樹撮影

<東さんは1年ほど前、障害者アーティストやパフォーマーを中心としたエンタメイベント「月夜のからくりハウス 平成まぜこぜ一座」を開催。テーマは「平成の見せ物小屋」という、刺激的なものでした>

 

――17年12月に、東京・港区で「月夜のからくりハウス」を開催しました

 30人を超えるアーティストが出演しました。障害者が中心で、他もLGBTなどのマイノリティーが大半です。スタッフを入れると総勢150人ほどが運営に関わりました。

――そもそも、なぜ企画しようと思われたのでしょうか

 2011年に一般社団法人「Get in touch」を立ち上げたのがきっかけです。どんな状態でも、どんな状況でも、誰も排除しない「まぜこぜの社会」の啓発のため、マイノリティーの存在をアートや音楽イベント、映像などを通じて広めてきました。その過程で、障害者パフォーマーたちと出会ったんです。

 全盲の落語家や車いすダンサー、いわゆる「小人症」のプロレスラー。私が思っていた以上に魅力的で、様々な人々がいました。でも、彼らが表舞台に出ることって、あまりにも少ない。「障害者をさらし者にするのか」と批判されることもありますし。

 だから、法人の応援者との懇親会などに来てもらっていたんです。すると、「有無を言わさない、圧倒的なパフォーマンス」と評価されたり、「色んなアーティストが一堂に会する場は無いのか」と要望されたりしたため、「月夜」の開催を決めました。

全盲の落語家など、数多くの障害者アーティストたちがパフォーマンスを披露した

全盲の落語家など、数多くの障害者アーティストたちがパフォーマンスを披露した

出典: (c)Get in touch

――「平成の見せ物小屋」という、刺激的なテーマを掲げられていましたね

 センセーショナルに見せたくて、わざと名付けたんです。障害者パフォーマーは、生きるため人前に出ている。私の仕事もそうです。歌舞伎だって、相撲だって、見てもらわないと成立しない。だから、どうやったら話題になるかを考えた末の判断です。

――どんな反応がありましたか

 批判は無かったですね。耳の聞こえない人や、車いすユーザーを含め、たくさん来てくれて。障害がある人も、無い人も一緒になって楽しむという、まさに「まぜこぜ」状態でした。

「私はさらし者になりたい」というせりふの意味

舞台で躍動する義足のダンサー・森田かずよさん

舞台で躍動する義足のダンサー・森田かずよさん

出典: (c)Get in touch

<公演にあたって、舞台の台本も自ら書いたという東さん。障害があるパフォーマーたち一人一人に「リスペクト」を持って接したそうです>

 

――印象的だったパフォーマーはいますか

 二分脊椎(せきつい)症で、義足のダンサー・森田かずよさんです。舞台で踊る際に、「私はさらし者になりたい」というせりふを語ってもらいました。

 これは、彼女自身の言葉なんです。以前、街中である親子とすれ違った時のこと。幼い娘さんの方に笑いかけたら、横にいた母親が「見ちゃダメ」と手で目を覆ったそうです。「その時、私は存在しないことになった。だからこそ、さらし者になると決めた」と。

――切実なメッセージですね

 だからこそ間違って受け取られないよう、台本のセリフも丁寧に考え、担当のメンバーと一緒に、20回くらい手直ししました。

――イベントでは障害のある人たちと、どのように向き合ってこられたのでしょう

 たとえば、自閉症の人向けに、パニック状態になったとき、1人になれる個室を用意するなどしました。障害に触れないのはおかしいし、それぞれが何に困っているかをリサーチしました。一方的な「支援」や「施し」ではなく、一緒に活躍できるチャンスを作りたいと思ったんです。そうしたことも合理的配慮ですよね。

 あとイベントの開始前、注意事項の説明を、ろうあ者のふたりにお願いして演出しました。「携帯電話の音は切って下さい」「私たちには聞こえないけどね」などと、手話漫才で(笑)。普段は「聞こえる人」が優位な社会で、存在を主張してもらうという狙いです。

上演中の注意事項について説明する、手話漫才師の「もんちゃん&れんちゃん」

上演中の注意事項について説明する、手話漫才師の「もんちゃん&れんちゃん」

出典: (c)Get in touch

原点は自分自身の生きづらさ

これまでの生き方を振り返る東さん

これまでの生き方を振り返る東さん

<東さんが、障害者アーティストの活躍の場をつくる原点は、自身の感じてきた「生きづらさ」にあるといいます>

 

――東さんが、そこまで情熱を注げる理由は何なのでしょう

 自分が不安だからですね。芸能界では、「若い」「可愛い」といった価値が重視されますよね。芸歴を重ねるほど生きづらくなる。必ず高齢者になるし、障害者や難病患者になる可能性もあります。そうなった時に、私や家族、大切な人が生きづらさを感じるのは嫌なんです。

――ご自身の人生とリンクしているんですね

 それはすごくあります。昔から、生きづらさを感じることが多かったんです。長女であるがゆえに、母から「しっかりしなさい」「愛される人になりなさい」と言われて。以前は、彼女が望む人間になろうと、無自覚に必死でした。

 高校時代に教師を目指していたんですが、それも母の希望だったような気がします。「人に愛される人間であるべき」「社会の役に立つべき」。親を通じてもたらされる、そんな世間一般の「長女像」を、過剰に受け取っていたんでしょうね。

イベントでは「座長」として司会を務めた

イベントでは「座長」として司会を務めた

出典: (c)Get in touch

――現在の取り組みを始めてから、心持ちは変わってきましたか

 とても楽になりましたね。「月夜」もそうなんですが、「どんどん失敗しよう」「間違おう」という方針で臨んでいるのが大きいと思います。

 私、リーダーなんですが、仕事を他のメンバーに振りまくるんです(笑)。互いに迷惑を掛け合うし、決して一方通行な関係じゃない。それってすごく快適じゃないですか。

 「こう生きなきゃいけない」などの「べき論」が、今の社会にまんえんしていると感じます。「もっと楽に過ごそうよ!」ということは、活動を通じて伝えているつもりです。

不運と不自由、不便と不幸は違う

イベントでは障害者によるプロレスも行われ、観客たちが熱狂した

イベントでは障害者によるプロレスも行われ、観客たちが熱狂した

出典: (c)Get in touch

<障害者は不幸――。そんな見方が残る社会で、その人の存在自体を認める重要性について、東さんは語ってくれました>

 

――おっしゃったように、「正しさ」への信仰は根強いですよね。時に耳にする「障害者は不幸」という言葉にも通ずる気がします

 不運と不自由、不便と不幸をごっちゃにしている人が多いと思うんです。たとえば平和な時代ではなく、戦時下に生まれるのは不運かもしれません。そして障害があると、今の社会では不便さや不自由さを味わうかもしれない。でも不幸かどうか決めるのは、絶対的にその人の感覚です。

 たとえば、小人症の人とは、「自動販売機で上の方にあるボタンが押せない」「高身長の障害がある人と比べ、自分たちに活躍の場が無い」などといった話になることがあります。そこで初めて気づくんですよね。そこから不便を解消できる対応につながると良いなと思います。

――その労力をかけることは、決して「迷惑」ではないと?

 全然迷惑じゃないですよ!必要な配慮ですから。そうした認識が共有されるためにも、マイノリティの存在を発信し続けたい。その結果、色んな人が生きやすい社会をつくれれば良いな、と考えています。

 「月夜」に参加した自閉症の男性アーティストが、観覧者で同じ障害の男の子から「お兄ちゃん、かっこよかった」と声をかけられていました。その後、話を聞くと「東さんに出会えなかったら、俺は世間や人を恨むことが原動力のアーティストになっていた」と教えてくれた。

 存在を認められてこそ、自分を肯定できる。障害があろうとなかろうと、それって同じですよね。色々な特性を持った人が、目の前にいる。たとえ理解できなかったとしても、それをそのまま認め合えるのが、「まぜこぜの社会」なんだと思っています。

イベントに参加したメンバーたちで記念撮影

イベントに参加したメンバーたちで記念撮影

出典: (c)Get in touch

◆東ちづる(あずま・ちづる):

 広島県出身。俳優・タレントとして、数々のドラマや映画に出演してきた。2011年に起きた東日本大震災をきっかけに、一般社団法人「Get in touch」を設立。理事長として、マイノリティーの存在を広める活動を続けている。自身が企画やインタビューを担当した、LGBT当事者たちの記録映画「私はワタシ~over the rainbow~」が、各地で上映中。

【関連リンク】

「Get in touch」公式HP

映画「私はワタシ~over the rainbow~」公式HP

 

◇ ◇ ◇

 一般に、なじみが薄くなりがちな障害者の存在。でも、ふとしたきっかけで、誰もが当事者になるかもしれません。全ての人が、偏見や無理解にさらされず、安心して暮らせる社会をつくるには?みなさんと考えたくて、withnewsでは連載「#まぜこぜ世界へのカケハシ」を企画しました。国連が定めた12月3日の「国際障害者デー」を皮切りに、障害を巡る、様々な人々の思いを伝えていきます。

不妊手術「障害者差別許せない」

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 旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反で救済措置も怠ったとして兵庫県内の聴覚障害のある夫婦2組が国に計4400万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、神戸地裁(山口浩司裁判長)で開かれ、原告は「障害者が受けた差別を許すことはできない」と悲痛な思いを訴えた。

 原告は同県明石市の小林喜美子さん(86)と夫宝二さん(86)と、同県内の70代夫婦。今年9月、旧法を巡る問題で聴覚障害者では初めて提訴した。

 意見陳述した宝二さんは「子どもを産む夢が絶たれ、ずっとつらい思いを抱えてきました。悲しみが続いている」と手話で訴えた。

 

【共同通信】       2018年12月26日


<中>障害者雇用水増し 制度にこだわらず知恵を絞ろう 桑原由美子さん NPO法人理事長

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包み込む社会へ 私の提案2018  

 《今年発覚した省庁や自治体の障害者雇用水増し問題。政府は来年1年間で約4千人を採用する方針を早々に表明した。正規職員の障害者枠を巡り、これまで対象が身体障害者に偏っていた九州の自治体でも、知的や精神障害者に拡大する動きが広がる》

 今回の問題を受け、企業や自治体が、一定の割合以上、障害者の雇用を義務付けられている「法定雇用率」さえ達成すればいいと、数字だけを目的にしてしまわないか心配している。ノウハウや環境が整わないうちに性急に雇用を増やしても、仕事が長く続かなかったり、体調を崩してしまったりする可能性が高い。

 《雇用率に絡む障害者雇用の対象には4月から、発達障害を含む精神障害者も加わった。NPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」は、福岡県が運営する障害者職業能力開発校から委託を受け、発達障害など障害のある人に対し、職業訓練や就労活動支援を行っている》

 障害の特性によっては集中力が続かなかったり、仕事内容をよく理解できないまま雇用され、場にふさわしくない振る舞いをして周りから不真面目やわがままに見えたりすることがある。障害への理解や知識が雇用側に求められている。

 人手不足が深刻だが、どんな仕事を任せるのかあらかじめしっかり決めた上で雇用し、丁寧にマッチングしていけば、障害のある人が「戦力」になることを分かってほしい。

 ただ雇用率に算定されるのは週20時間(1日4時間)以上働ける人だけ。例えば1日2~3時間なら集中して働ける人は少なくない。今の雇用制度ではハードルが高い人もいる。

 《同法人は、障害のある人などの働き方として、法定雇用の時間にこだわらない「超短時間雇用」を提唱している東京大准教授の近藤武夫さんを招くなど、勉強会を重ねている》

 例えば、私が職業訓練に関わった中で、タイピングがとても速く能力の高い男性がいた。彼は時給制のパートで就職したが、仕事が速くてその日の分はすぐ終わってしまう。

 障害のない人の場合、その日のノルマが終わればだらだらと時間を過ごせるだろうし、同じ分量の仕事を終えるのに1日かける人もいるかもしれない。でも障害の特性によって「漫然とだらだらできない」人は少なくなく、彼もそうだった。結局、仕事が終わった時点で「帰っていい」と言われるようになった。

 仮にこの会社が時給800円で1日8時間雇えば日給6400円。しかし彼が3時間で終わって帰れば2400円しか支払われないことになる。同じ内容の仕事をさばき、障害のある人の方が効率も高いのに、単純に時間換算されたら、こうした不公平が生まれる。

 1日何時間雇う、という時間制ではなく、例えば「一定の資料のタイピング」「ある部屋の清掃」など、通常業務から障害のある人でもできる仕事を仕分けし、職務をしっかり定めて雇うのが超短時間雇用の考え方。近藤さんによると既に川崎市、神戸市などで実践例があり、海外ではこのように職務定義をはっきりさせた「ジョブ型」が一般的という。私も、障害のある人の雇用にはジョブ型が合うのではと考えている。

 今回の問題を機に、従来の制度にとらわれない雇用の在り方について、社会全体で知恵を絞っていくべきではないか。

 《自身の娘(25)も発達障害があり、放送関係の会社で働く》

 障害のない人には自然と身につく日常のマナーやルールも、発達障害のある人は一つ一つ教えてもらって初めて理解し、社会に適応していける。「言わずもがな」の事柄を根気よく指導していく姿勢の大切さも企業側には理解してほしい。

 最近、娘が仕事から機嫌良く帰ってくる。判で押したような単純作業ばかりではなく、新しい仕事を少しずつ任されるようになり、「難しいけど頑張ったよ」と言って、自信がついてきたように見える。周りの方から認めてもらっている、承認されることの大きさをしみじみ感じる。

 障害がある人、とひとくくりで支援していくのではなく、あくまで一人一人が力を発揮できるように配慮し、支えていく仕組みが整うよう、今後も声を上げていきたい。

 【メモ】
 障害者雇用水増し問題は今年8月に発覚。中央省庁が職員に占める障害者の割合を計算する際、本来は対象外の人を加え、法律で定められた雇用率を達成しているように見せ掛けていた。弁護士らによる検証委員会は、国の指針に反する不適切な計上が、昨年6月時点で28機関の3700人に達し、退職者や死者を加えるなど恣意(しい)的な運用があったと認定。政府は10月、厚生労働省の行政機関に対するチェック機能強化などの再発防止策と、2019年の1年間で約4000人を採用する計画をまとめた基本方針を決定した。

 ▼くわはら・ゆみこ 1965年生まれ。発達障害のある子どもを持つ親が立ち上げたNPO法人「発達障がい者就労支援ゆあしっぷ」(福岡県春日市)理事長。就労や自立を支援し、理解を深める活動を続ける。

=2018/12/26付 西日本新聞朝刊=

障害者虐待、過去最多2618件 施設職員の加害が増加

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 厚生労働省は26日、2017年度に全国の自治体などが確認した障害者への虐待は前年度より98件多い2618件だったと発表した。

 1件で複数の人が虐待を受ける場合もあり、被害者数は346人増の3544人、死亡者数は4人減の1人だった。虐待件数と被害者数は調査が始まった12年度以降最多で、厚労省担当者は「警察や施設からの虐待報告が増えている」とする。

 家族など養護者による虐待は19件増の1557件、被害者は16人増の1570人で、このうち1人が死亡した。雇用主や職場の上司らによる虐待は16件増の597件、被害者は336人増の1308人。また、障害者福祉施設の職員らによる虐待は63件増の464件、被害者は6人減の666人だった。養護者による虐待は12年度からほぼ横ばいが続くが、雇用主らは4・5倍、施設職員は5・8倍に増えている。

 施設での虐待の発生要因(複数回答)は、職員らの「教育・知識・介護技術などの問題」(59・7%)が最多。このほか「倫理観や理念の欠如」(53・5%)、「職員のストレスや感情コントロールの問題」(47・2%)などだった。

2018年12月26日          朝日新聞

障害者虐待、過去最多の3544人 29年度は相談件数も最多

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 家庭や福祉施設、職場で虐待を受けた障害者が平成29年度、計3544人(前年度比346人増)で過去最多になり、うち1人が死亡していたことが、厚生労働省が26日発表した調査で分かった。市区町村などへの相談・通報数も計7714件(同248件増)で、過去最多となった。

 調査は24年10月に施行された障害者虐待防止法に基づき、今回が6回目。厚労省によると、家庭での障害者虐待は1570人(同16人増)、施設での虐待は666人(同6人減)、職場の雇用主や上司らからの虐待は1308人(同336人増)だった。

 家庭での虐待相談・通報は、警察からが1312件で最も多く、全体の約3割を占めた。件数が過去最多だったことについて、厚労省の担当者は「警察による早期発見の数が多くなった」と説明した。

 家庭での虐待行為(複数)として、身体的虐待が61%と最も多く、次いで心理的虐待33%、放棄・放置(ネグレクト)16%、性的虐待4%。虐待を受けた人は、知的障害者が55%と最も多かった。そのうち知的障害の40代の男性が、家族の女性による虐待で死亡したケースがあった。

 福祉施設でも、身体的虐待が56%と最多で、被害者のうち知的障害者が71%と被害を受けるケースが多かった。

2018.12.26        産経ニュース

聴覚障害者から手話を学ぶ体験会

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 県内の聴覚障害者から手話を学ぶ体験会が二十六日、白山市美川和波町の放課後児童クラブ「美川児童ふれあいくらぶ」であり、美川小学校一~四年生二十人が自己紹介やゲーム形式で楽しみながら理解を深めた。

 聴覚に障害がある金沢市の青井佳奈子さんと能美市の新田照予さんが講師を務め、それぞれ一年生と二~四年生に手話を教えた。

 新田さんから教わった児童は一人ずつ手話を使った自己紹介に挑戦。指を折って手を組み合わせながら、文字や漢字を示した。新田さんから手話で伝えられる色の物を見つけるゲームでは、「黒」と発表されると、「ズボンに黒い線があった」「髪の毛だ」などと一生懸命探していた。

新田照予さん(左)に教わりながら手話で自己紹介する児童

中日新聞         2018年12月27日

 障害者「危険」 避難訓練参加できず 当事者の声を財産に

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 県内の聴覚障害者から手話を学ぶ体験会が二十六日、白山市美川和波町の放課後児童クラブ「美川児童ふれあいくらぶ」であり、美川小学校一~四年生二十人が自己紹介やゲーム形式で楽しみながら理解を深めた。

 聴覚に障害がある金沢市の青井佳奈子さんと能美市の新田照予さんが講師を務め、それぞれ一年生と二~四年生に手話を教えた。

 新田さんから教わった児童は一人ずつ手話を使った自己紹介に挑戦。指を折って手を組み合わせながら、文字や漢字を示した。新田さんから手話で伝えられる色の物を見つけるゲームでは、「黒」と発表されると、「ズボンに黒い線があった」「髪の毛だ」などと一生懸命探していた。 

2018年12月27日      中日新聞

視覚障害者専門のソフト開発業者「日本障害者ソフト」

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 視覚障害者専門のソフト開発業者「日本障害者ソフト」(兵庫県豊岡市日高町江原)が、目が見えない人向けに、車の「ドライブレコーダー」のように周囲を撮影、記録できるスマートフォンアプリ「歩行レコーダー」を開発した。視覚障害者が外出時の事故や生活トラブルに巻き込まれた際、証拠となる映像を残すことが目的。「iPhone(アイフォーン)」向けアプリで、1月下旬からインターネットで販売する。

 日本障害者ソフト代表の谷口和隆さん(56)は、自身も全盲の視覚障害者。これまで事故やトラブルに巻き込まれた際、警察などに状況を聴かれても、見えないことでうまく説明できず、適切な対応をしてもらえなかった経験があったという。また、目が見えない人が外出時に危害を加えられたという話もよく耳にするといい、今春から「歩行レコーダー」の開発に力を注いできた。

 アプリは、ケースに入れて胸などに固定して利用する。首から下げたり、カメラが出るようにポケットに入れたりと、さまざまな使い方を想定。表と背面、どちらのカメラを使うかや映像の上下反転も選べる。

 「エンドレス録画」と「通常録画」の2機能があり、「エンドレス-」は録画を始めると常にカメラ前の様子を撮り続ける。停止させると、その時点から一定の時間までさかのぼって撮影していた映像を記録できる。連続記録時間は10、15、20分から選べる。

 「通常録画」は、録画開始と停止を操作し、その間の動画を残せる。いずれの機能も、動画は後からアプリ内で確認できる。また「保存」操作をしておくと、次の動画を撮っても自動消去されなくなる。

 撮影日時も、動画内に表示された形で記録される。iPhoneの読み上げ機能にも対応しているため、選択した項目は全て音声としてスマホ本体のスピーカーから流れ、視覚障害者も利用しやすいという。

 谷口さんは「いざという時、自分の正当性を訴えるためにも映像を残すことは重要。視覚障害がある皆さんの外出を少しでも支援したい」と話す。

 価格や購入方法などの問い合わせは日本障害者ソフト

 

 

6月時点の障害者雇用率 11自治体 法定下回る

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 富山労働局は、今年六月一日現在の県内の公的機関の障害者雇用率を発表した。職員数が少なく対象外となった舟橋村を除く十四市町と県のうち、十一自治体が法定雇用率の2・5%を下回った。

 最高は射水市の3・03%、最低は滑川市の0・57%。ほかにも魚津市(2・97%)と小矢部市(2・54%)、入善町(2・53%)が法定雇用率を上回り、県は2・16%で下回った。自治体以外では、県警が1・46%(法定雇用率2・5%)、県教委が1・34%(同2・4%)。

 八月に中央省庁などで障害者雇用率の水増しが相次いで発覚したため、厚生労働省が厳格に算出するように求め、各自治体は二〇一七年の雇用率を修正する事態となった。一八年も各自治体が雇用率を下方修正し、多くの自治体で法定雇用率を下回る結果となった。

 富山労働局は、人事担当者を対象にしたセミナーの開催やハローワークを通じた臨時職員の雇用を促進するなどし、障害者雇用を支援していく。

- 中日新聞


虐待受けた障害者数過去最多 全国で3,500人を超える

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1年間に暴力や暴言などの虐待を受けた障害者の数が、全国で3,500人を超え、調査開始以来、過去最多となった。

 2017年度、家族や施設職員などから虐待を受けた障害者は3,544人で、調査を始めた2012年以降、最多となった。

 施設職員からの虐待の内容としては、暴力を振るわれるなどの身体的虐待が全体の56%を占め、次いで、暴言などの心理的虐待が42%だった。

 警察からの通報・相談件数が増えていることから、厚生労働省は、増加の要因として、「警察による早期発見」などを挙げている。

2018年12月27日      www.fnn.jp

盲人

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盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約の締結に伴う利用しやすい様式の複製物の国境を越える交換について

1. はじめに

盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者(以下「視覚障害者等」という。)による発行された著作物の利用を促進するため,世界知的所有権機関(以下「WIPO」という。)において,「盲人,視覚障害者その他の印刷物の判読に障害のある者が発行された著作物を利用する機会を促進するためのマラケシュ条約」(以下「マラケシュ条約」という。)が平成25年6月27日に採択されました。我が国においては,マラケシュ条約の締結のための必要な措置を含んだ「著作権法の一部を改正する法律」(平成30年法律第30号)が,第196回通常国会において成立し,平成30年5月25日に公布されるとともに,本条約の締結についても,同国会において同年4月25日に承認されました。これを受け,我が国は平成30年10月1日にマラケシュ条約の加入書をWIPO事務局長に寄託し,本条約の規定に従い,平成31年1月1日から本条約が我が国について効力を生ずることとなりました。

※「著作権法の一部を改正する法律」(平成30年法律第30号)の詳細については,以下のページを御参照ください。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/h30_hokaisei/ ※マラケシュ条約の詳細については,以下の外務省ホームページを御参照ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ila/et/page25_001279.html 2. マラケシュ条約の概要

マラケシュ条約は,視覚障害者等による発行された著作物の利用を促進するため,[1]視覚障害者等のための著作権の制限及び例外を設定するとともに,[2]当該制限及び例外を適用することにより作成された著作物の複製物を本条約の締約国間で交換する体制を整備するものであり,主に以下について規定されています。

(1)本条約における「著作物」とは,発行されているか又は他のいかなる媒体において公に利用可能なものとされているかを問わず,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約第2条(1)に規定する文学的及び美術的著作物であって,文字,記号又は関連する図解の形式によるものであること。(第2条(a))

(2)本条約における「受益者」は,[1]盲人である者,[2]視覚障害又は知覚若しくは読字に関する障害のある者であって,印刷された著作物をそのような障害のない者と実質的に同程度に読むことができないもの,[3]身体的な障害により,書籍を持つこと若しくは取り扱うことができず,又は目の焦点を合わせること若しくは目を動かすことができない者のいずれかに該当する者であること。(第3条)

(3)締約国は,受益者のために著作物を利用しやすい様式の複製物(点字,大きな文字の書籍,デジタル録音図書等)の形態で利用可能とすることを促進するため,自国の著作権法において,複製権,譲渡権及び公衆の利用が可能となるような状態に置く権利の制限又は例外について定めること。(第4条)

(4)締約国は,利用しやすい様式の複製物が作成される場合には,権限を与えられた機関(Authorized Entity)(以下「AE」という。)が,当該利用しやすい様式の複製物を他の締約国の受益者若しくはAEに譲渡し,又は他の締約国の受益者若しくはAEの利用が可能となるような状態に置くことができることを定めること。(第5条)

(5)締約国の国内法令は,受益者等又はAEが著作物の利用しやすい様式の複製物を作成することを認める範囲において,権利者の許諾を得ることなく受益者のために利用しやすい様式の複製物を輸入することを認めるものとすること。(第6条)

3. 我が国におけるAEについて

マラケシュ条約におけるAEとは,「政府により,受益者に対して教育,教育訓練,障害に適応した読字又は情報を利用する機会を非営利で提供する権限を与えられ,又は提供することを認められた機関」とされており,我が国においては,著作権法施行令第2条第1項各号に規定する主体が本条約におけるAEに該当し,具体的には,大学等の図書館,国立国会図書館,公共図書館,学校図書館等の図書館,障害児入所施設,児童発達支援センター,養護老人ホーム,障害者支援施設等の設置者に加え,視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人で一定の要件を満たす者等が含まれます。

なお,本条約第2条(c)において,AEには,複製物の提供や公衆送信の相手方が視覚障害者等であることを確認することや,許諾されていない複製物の複製,譲渡及び利用可能化を防止すること,受益者のプライバシーを尊重した複製等の貸出し記録の作成等を行うことが求められていますが,著作権法第37条第3項では視覚障害者等の用に供するために必要な限度において,音訳等の視覚障害者等が利用するために必要な方式の複製物の作成や,公衆送信を行うことができるとされており,著作権法施行令第2条第1項各号には,著作権法第37条第3項の規定に基づきこれらを実施することができる主体が列挙されていることから,これらは当然に履行されているものと考えられます。

(参考)マラケシュ条約(抄)

第2条(c)「権限を与えられた機関」とは,政府により,受益者に対して教育,教育訓練,障害に適応した読字又は情報を利用する機会を非営利で提供する権限を与えられ,又は提供することを認められた機関をいう。この機関には,主要な活動又は制度上の義務の一として受益者に同様のサービスを提供する政府機関及び非営利団体を含む。

権限を与えられた機関は,次のことを行うための実務の方法を確立し,これに従う。

(i)当該権限を与えられた機関によるサービスの提供の対象者が受益者であることを確認すること。

(ii)当該権限を与えられた機関が利用しやすい様式の複製物を受益者又は権限を与えられた機関にのみ譲渡し,及び利用可能とすること。

(iii)許諾されていない複製物の複製,譲渡及び利用可能化を防止すること。

(iv)第8条の規定に従って受益者のプライバシーを尊重しつつ,当該権限を与えられた機関が継続的に著作物の複製物の取扱いについて十分な注意を払い,及び記録すること。

4. 利用しやすい様式の複製物の国境を越える交換について

上記のとおり,我が国においては,著作権法施行令第2条第1項各号に規定する視覚障害者等のための複製等が認められる者が,マラケシュ条約におけるAEに該当しますが,本条約第5条及び第6条に規定する利用しやすい様式の複製物の国境を越える交換や輸入を円滑かつ確実に実施するため,これらの主体のうち国内外の窓口機能として中心的な役割を果たす機関を,当面,国立国会図書館及び特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会とすることとしています。

そのため,マラケシュ条約の他の締約国の利用しやすい様式の複製物の利用については,国立国会図書館へ御相談いただくことができます。また,「サピエ図書館」の個人利用会員は利用登録された点字図書館等へ,施設利用会員は「サピエ図書館」を運営している全国視覚障害者情報提供施設協会へ御相談いただくこともできます。なお,両機関へのお問合せに際しては,下記の点に御留意ください。

<お問合せ先>

●国立国会図書館(関西館図書館協力課障害者図書館協力係)
TEL:0774-98-1458
e-mail:syo-tky@ndl.go.jp
URL:http://www.ndl.go.jp/jp/support/index.html

●特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会
TEL:06-6441-1068
e-mail:zensijokyo-jimu@naiiv.net

<お問合せに当たっての留意事項>

・同条約に基づいて外国の図書館,点字図書館等で製作された録音図書等を利用できるのは,視覚障害者等です。

・資料が販売されている等の理由や,資料の種類によっては,利用ができない場合があります。

・外国の図書館,点字図書館等で製作された録音図書等は,当該言語のまま提供します。(日本語に翻訳するサービスではありません。)

・当該国の公的窓口機関になっている図書館等(他の締約国のAE)に直接お問い合わせいただくこともできます。

※他の締約国のAE連絡先は以下のサイトに掲載されています。
https://www.wipo.int/marrakesh_treaty/en/entities.jsp

文化庁

第80回障害者雇用分科会開催

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2018年12月27日

 12月18日、東京・霞が関の厚生労働省において、第80回労働政策審議会障害者雇用分科会が開催され、日本盲人会連合から竹下義樹会長が出席しました。

冒頭、事務局より、最近の障害者雇用に関する一連の動きについての振り返りと、本題である「今後の障害者雇用対策の在り方について」説明があり、自由に議論が行われました。
その中で、竹下会長は次のような意見を述べました。

1.役所には初めから障害者を雇用する意識があったのか疑問。採用後に障害者となった中途の障害者は計上するが、それについての議論がどこからも見えてこない 

2.障害者を採用することの意味、働く場の提供、働く環境の整備、仕事を創り出していくということはどういうことなのかについての議論が見られない 

3.今回実施される障害者を対象とする別枠採用試験について、法定雇用率に達したから終わりというのでは、数合わせのためでしかない。継続的な制度として実施していくことを強く望む 

4.民間企業は障害者雇用を進めるために、それなりの工夫と勉強をしてきている。今回の水増し問題をきっかけに、役所においても、障害の特性や多様性を尊重するとはどういうことかを学び、意識的に取り組むことを希望する 

5.国会の審議の中で、役所が採用した障害者の通勤については、事業主としての配慮を検討したいという答弁があった。これまで、それを福祉で担うのか、企業の合理的配慮で担うのかは議論が必要であるとして逃げてきた。今後は、事業主の立場で、通勤における移動支援を形あるものにして欲しい

社会福祉法人 日本盲人会連合

障害を越えるアート バラバラの個性を知る

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 働き出すまで福祉の世界とは無縁だったが、一度だけ大学で障害者アートについての授業を受けたことがある。「アトリエ インカーブ」という、大阪にある団体の人が活動を紹介しに来ていた。

 同団体は知的障害の人たちが通ってくる福祉施設として事業を運営し、アートに活動内容を特化させている。利用者さんはアーティストと呼ばれ、アトリエで作品を作り、発表するときには「障害者」というのは出さない。あえてわからないようにして個人の作品の魅力で勝負している。

 スタッフの多くが芸術系の大学を出ていて、学芸員と社会福祉士両方の資格を持つことが推奨され、アートと福祉、両方の目を持っている。国内外で活動は成功を収め、作品はもちろん、なんだかもう全てがかっこいいのだ(HPを検索してほしい)。当時は全くわかっていなかったが、今となっては羨望(せんぼう)のまなざしで見上げるプロ集団である。

 講義は、スタッフが活動を話している間、一緒に来たアーティストが前の机で絵を描き、その様子をカメラで撮ってスクリーンで見せつつ進めていく、という形式だった。ライトを浴びながら制作している様子は、本当にかっこいいと思えた。

 最後の質疑応答の出来事が印象に残っている。一人の学生が感想とも質問ともいえない感じで話し始めた。どうやら「障害者をこんな遠くまで連れて来て、大衆の前で絵を描かせて、見せ物にしている」と憤っているようだった。

 スタッフは否定も肯定もせず「本当はどう感じているのか聞いていなかったかもしれない。今度じっくり聞いてみます」と、言われたことを素直に受け取って答えていた(本人を前に議論する内容でもなかったかもしれない)。私には意外な見方だったため、かっこいいと肯定していいのかわからなくなった。

 障害を持っている人たちの中で働く今わかったことは、目立ちたい人もいるし、目立ちたくない人もいる、本人に聞いたり推測しなければわからない、という当たり前のことだった。

 真面目で規律を守りたい人、不良風の人、いつも明るい人、働くのが好きな人、めんどくさがりの人。健常者と変わらず、いろいろな人がいる。できないことや苦手なことに程度の差があるとはいえ、なんだ一緒なのか、と最初の頃拍子抜けした記憶がある。接すれば接するほど知的障害があるから、自閉症だから、と画一的に見ることは難しいなと思う。

 あの憤っていた学生はきっと「弱くて意思が言えない保護すべき障害者」像ができあがってしまっていたのではないか(弱者への正義感が強いのは、良いことだが)。その後あの人はアーティスト個人を理解できたのかなあと時々思い出している。


NPO法人工房あかねアトリエART・ON支援員 上野理津子 高崎市大沢町

 【略歴】2013年、障がいを持っている人たちの芸術活動を支援する「NPO法人工房あかね」に入職。半年後より現職。高崎女子高―金沢美術工芸大芸術学専攻卒。

2018/12/28掲載

精神障害者施策 充実を県に要望 支援団体

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 県精神保健福祉家族連合会など障害者支援団体が二十六日、精神障害者の福祉施策を充実するよう県に要望した。

 四団体の十三人が県庁を訪れ、県職員に要望書を渡した。現状では精神障害者が地域で受けられる福祉サービスが不足しているとし、訪問型支援体制の整備や学校での精神疾患の啓発の推進、障害者雇用の促進などを求めた。

 県精神保健福祉家族連合会の青山正二理事長は「障害者と家族が安心して暮らせる地域の実現を前進させてほしい」と求めた。大橋豊・県厚生部次長は「今後も障害者が必要とする医療やサービスの充実を関係者と連携して推進していく」と応じた。高野行雄県議長にも要望書を渡した。 

大橋豊・県厚生部次長(右)に要望書を手渡す青山正二理事長

2018年12月28日      中日新聞

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