京都市の組織改編に伴い、各区役所・支所で福祉事務所と保健センターを合わせた「保健福祉センター」が8日に発足する。センターには、子育て関連の窓口を一元化した「子どもはぐくみ室」も新設する。市民の利便性を高める狙いだが、窓口の場所が移るケースもあり、市民への周知が課題となっている。
子どもはぐくみ室は、福祉事務所で受け付けていた児童手当、保健センターの業務だった乳幼児検診などに対応し、相談機能も強化する。このほか保健福祉センターの健康福祉部には、障害と難病に関する業務を担う障害保健福祉課をはじめ4課を置く。
市は8日から7月末まで、各センターに1~2人、来庁者を案内するスタッフを配置する。福祉事務所と保健センターの庁舎が離れている西京区役所は、新センター発足後も子どもはぐくみ室が別庁舎となるため、庁内の掲示や地域の回覧板などで窓口変更を知らせている。
ただ、課の名称や電話番号が決まったのは3月末をすぎてからで、周知は遅れ気味だ。
視覚障害者で、左京区身体障害者団体連合会副会長の辻川覚さん(63)は、2011年に同区総合庁舎が完成した際、団体との協議で障害者福祉の窓口が2階になったとした上で「今回は事前に相談もなく、4月の半ばすぎに区役所に行き、窓口が3階に変わると初めて聞いた。周知期間もほとんどない。障害者のことをどう思っているのか、納得できない」と憤る。
保健福祉センター発足後も庁舎が分かれる西京区役所では、掲示と持ち帰り用のチラシで新たな窓口の場所を知らせている
2017年05月06日 京都新聞