主婦や会社員らで組織するアマチュアの「仙台合唱団」(ちんだようこ事務局長、44人)が県内の沿岸部各地の仮設住宅で被災者と歌う“出前歌声喫茶”を続けている。被災者からは「すぐれなかった気持ちが晴れた」などの言葉が寄せられ、同合唱団は「仮設住宅がなくなる日までやめない」と意気込んでいる。【小原博人】
◇車座でおしゃべりも
同合唱団は97年創設。東日本大震災後、被災者を励まそうと11年8月に名取市・美田園の仮設住宅の集会所で最初に歌声喫茶を開いた。「歌どころじゃないのでは」との声もあったが、引きこもりがちだった被災者が30人以上集まり、団員と輪になって童謡や叙情歌を合唱。歌うにつれ被災者の表情がほぐれていった。この体験から、歌声喫茶を続けることになった。
これまでに名取のほか仙台、塩釜、多賀城、東松島の各市と亘理町の14カ所の仮設住宅で計16回開催。亘理町では、漁師だった数人の高齢男性が、地元発祥の大漁祝い歌「えんころ節」を返礼に披露してくれたという。
歌の合間には、車座でお茶菓子付きのおしゃべり。「今日やっと笑うことができた」などの感想が寄せられ、団員たちもうれしさに包まれるという。今後も、ボランティアなどが比較的少ない小さな仮設住宅などに足を運ぶ予定だ。
団員らは、自らの震災体験や仮設住宅での被災者の暮らしを基に作詞活動にも取り組んでおり、「あの日のおむすび」「みんなと一緒にうたったら〜仮設住宅で」「種子(たね)」などオリジナル曲も生み出した。作曲は岩沼市在住の作曲家、小林康浩さん。
同合唱団は11月11日午後2時、仙台市青葉区の電力ホールで開く第10回演奏会で、これらオリジナル曲も披露する。演奏会には仮設住宅の被災者120人を招待する。
入場料は一般1000円、障害者10+件500円、中学生以下無料。問い合わせは同合唱団事務局(070・6493・5976)。
毎日新聞 2012年10月27日 地方版
◇車座でおしゃべりも
同合唱団は97年創設。東日本大震災後、被災者を励まそうと11年8月に名取市・美田園の仮設住宅の集会所で最初に歌声喫茶を開いた。「歌どころじゃないのでは」との声もあったが、引きこもりがちだった被災者が30人以上集まり、団員と輪になって童謡や叙情歌を合唱。歌うにつれ被災者の表情がほぐれていった。この体験から、歌声喫茶を続けることになった。
これまでに名取のほか仙台、塩釜、多賀城、東松島の各市と亘理町の14カ所の仮設住宅で計16回開催。亘理町では、漁師だった数人の高齢男性が、地元発祥の大漁祝い歌「えんころ節」を返礼に披露してくれたという。
歌の合間には、車座でお茶菓子付きのおしゃべり。「今日やっと笑うことができた」などの感想が寄せられ、団員たちもうれしさに包まれるという。今後も、ボランティアなどが比較的少ない小さな仮設住宅などに足を運ぶ予定だ。
団員らは、自らの震災体験や仮設住宅での被災者の暮らしを基に作詞活動にも取り組んでおり、「あの日のおむすび」「みんなと一緒にうたったら〜仮設住宅で」「種子(たね)」などオリジナル曲も生み出した。作曲は岩沼市在住の作曲家、小林康浩さん。
同合唱団は11月11日午後2時、仙台市青葉区の電力ホールで開く第10回演奏会で、これらオリジナル曲も披露する。演奏会には仮設住宅の被災者120人を招待する。
入場料は一般1000円、障害者10+件500円、中学生以下無料。問い合わせは同合唱団事務局(070・6493・5976)。
毎日新聞 2012年10月27日 地方版